紅く染まれ

作品集: 最新 投稿日時: 2005/10/18 06:58:50 更新日時: 2005/10/20 21:58:50 評価: 22/23 POINT: 148 Rate: 1.50

 紅。
 彼女のことを思い出すと、真っ先に浮かぶのは『紅』。
 あの紅色は、私の膨大な記憶の中にも一際鮮烈に、色濃く残っている。
 彼女には、紅がよく似合う。
 彼女との出会いは、そう……確かある晩夏の夕暮れだった。






「慧音様、どうもお手を煩わせまして……」
「構わないよ。私は好きでやっているんだから」
「はい、ありがとうございました」
 その日、私はいつも通り里の人間の手伝いをしていた。
 彼ら人間は毎日を生きるのに精一杯で、力のある妖怪にしてみれば吹けば飛ぶような存在だ。
 実際に、多くの妖怪は人を取って食らう。
 人間たちはそうした妖怪の襲撃に怯えながら暮らさなければならない。
 だが、私はそうして妖怪を恐れる心を忘れてはいけないと思っている。
 それはあくまでも人間たちのためである。
 面白半分に人間を捕らえて食料にするような妖怪を、擁護してやるつもりは毛頭ない。
 邪悪な妖怪からその身を守り、平穏な生活を保つことこそ私の使命だと信じている。
 あくせくと働き、百年も経たず生涯を終える彼らだからこそ、その幾許かの時間を大切にしてほしいと思うから。
 私は上白沢慧音。
 知識と歴史と、そして人間を守護する者。



 手伝いを終えた私は、帰りの山道を歩いていた。
 私の住んでいる家(庵と言った方が正しい)は、里とは離れた場所にある。
 というのも、私が意図して距離を置いているのだ。
 私は里の皆に慕われると同時に敬われ、畏れられてもいる。
 偉ぶるわけではないが、そうでなければならないと思う。
 私は、半分とはいえ妖怪である。
 それはつまり、人間たちにとって私は『異物』であることを意味する。
 だからこそ、この均衡が成り立つ。
 もし私が人間の生活に同化してしまえば、彼らはいつか守られることも当たり前と感じるようになるだろう。
 それではいけない。
 私は、妖怪と人間の均衡によって成り立つ状態を保っているのだから。
 人間たちが妖怪を恐れ、私を畏れ、日々の平穏を維持していく努力が必要なのだ。
 そうした弛まぬ意志こそが平和を作っていくと、私は信じている。

「ふう……」

 ……とはいえ、それは理屈の上での話だ。
 家族仲良く暮らす人間たちを見て羨ましく思うこともある。
 彼らの輪に、私も加えてほしいと思ったことも。
 その度に半分妖怪の、この身を恨む。
 もし、私がただの人間だったなら。
 もし、私が力を持っていなかったら。
 そうすれば、私はたくさんの仲間に囲まれて暮らせるだろうか……。
 ……無意味な仮定だ。
 現実は変えようがない。
 私は半人半妖であり、人間たちを守るだけの力がある。
 私には、できることがある。
 私を頼り、縋る、か弱き者がいる。
 だからこそ弱い私は許されない。
 強く、頼れる存在でなければ。
 そうして、弱音は私の裡で消えていく。



 夏は日が長いとはいえ、暮れ始めてからはあっという間に日没だ。
 そんな昼と夜の境、夕暮れの僅かな時間に、世界は赤く染まる。

 だからだと思った。
 彼女が赤く見えたのは。
 夕陽を照り返し、ひとりの少女が向こうから歩いてくる。
 綺麗だと思った。
 思ってしまった。
 異変を察知するまでの一瞬。
「……っどうしたんだ!?」
 ふらふらと歩く少女。
 その身体は、血によって真っ赤に染まっていた。
 血相を変え、慌てて駆け寄る。
 虚ろな表情で歩いていた彼女は、駆け寄る私に視線を向け……
 そして、前のめりに倒れた。
「しっかりしろ!! 大丈夫か!?」
 抱き起こし、呼びかける。
 意識がない。
 応急処置が必要かもしれないと思った私は、急いで容態を調べる。
 ……おかしい。
 服は血に塗れ、ところどころ破れているというのに、目だった外傷がない。
 脈、心音、呼吸ともに正常。
 妖怪か、獣にでも襲われたと考えていた私は驚いた。
 では、一体どうしたというのだろう。
「…………ん、ん」
「大丈夫、なのか?」
 少女が呻く。
 そして弱々しく唇を震わせ、呟く。
「……お腹、空いた」
 一言。
 ……そして、そのまま再び意識を失ってしまう。
「…………一体、何なんだ」
 呆然とする私。
 少女は私の腕の中で寝息を立てている。
 ともかく、放っておくわけにはいかない。
 ため息をつき、私は彼女を背におぶった。



 ある晩夏の夕暮れ。
 赤い世界で、私は紅色の少女に出会った。






「ん……あむ……」
「………………」
「は、ふう…………おかわり」
 差し出される茶碗を受け取り、黙ってご飯をよそう。
 山盛りに盛った茶碗を返すと、彼女は再び無心にそれを貪り始めた。
 がつがつ。
 がつがつ。
 余程空腹だったのだろう。
 どうやら今夜私が食べる分はなさそうだが、まあ仕方ない。
 彼女が腹を満たし、落ち着きを取り戻すのを待つことにした。

 あの後私は少女を家まで連れて帰り、身体を簡単に拭いて寝かせ、食事の支度を始めた。
 勿論、空腹の訴えを聞いていたからである。
 ほどなく目覚めた彼女に食事を勧めると、一も二もなく頷いた。

 その食べること、食べること。
 私自身の分まで含め、四人前近く作ったつもりだった。
 だが、現在残すところは譲った私の分一人前のみである。
 それにも既に箸を付け始め、全てが彼女の腹に収まるのは時間の問題だろう。
「………………」
 その間、私は彼女の顔を見ながら考えている。
 一体彼女は何者なのか。
 何故血塗れだったのか。
 そして、何よりも無傷だった理由。
 女が一人旅をしているというのも気になる。
 周辺の人里で彼女のような人間を見かけたことはない……。
 どこからやってきたというのか。
「……どうも、ご馳走様」
 余り強く詮索するのも悪いが、見過ごせる様子ではない。
 食べ終わった彼女が箸を置くのを見計らい、尋ねる。
「もう充分か?」
「ありがと。満腹よ」
「どうしてそんなになるまで食べなかったんだ?」
「人に会わなかったから。旅してると不便ねえ」
 そう言って笑う。
 本当に、そうだろうか。
「それで……あの血は」
「ああ。妖怪やっつけたから。あれはみんな相手の血よ」
「………………」
 妖怪に襲われた、というのは分かる。
 だが、この服の破れよう。
 相当激しい戦いだったことが伺える。彼女が無傷だったとは考えにくい。
 いや、そもそも妖怪相手に勝てるような力があるとは……。
「助かったよ。空腹にだけは勝てないからさ」
「無茶をしないようにな。毎回助けがあるとは限らないぞ」
「分かってる、分かってる」
 真剣に聞いているとは思えない様子で頷く。
 自分のことだろう、とむっとするものの、ひとまず流しておく。
「ともあれ無事でよかった。私は慧音と言う。お前は?」
「んー……あ〜……」
「……?」
 予想していなかったところで返答が詰まり、首を傾げる。
 名乗りたくない理由があるのか?
「名前は……忘れた」
「忘れた?」
「本当よ。旅してる間に忘れた」
「そんな馬鹿な。自分の名前を忘れるなんて」
「だから本当なんだって。名前なんて必要なかったし……」
 自分の名前を、忘れた……。
 果たしてそれが真実かは疑わしいが、答える気がないものを追求しても仕方がない。
 分かったのは、彼女が相当に訳ありだということだけだ。
「……それで、これからどうするんだ。行く当てはあるのか?」
「当て、か……うん、あるような、ないような……」
 どうにも歯切れが悪い。
 事実上何も喋れない、ということか……。
「分かった、言いづらいことなら言わなくてもいい」
「………………」
「それで、今日泊まる当ては?」
「……ない」
「なら泊まっていくといい。その後のことは、また明日にしよう」
 そう言って、遠慮気味の彼女を布団に押しやる。
 有無を言わせず寝かしつけると、私は外に空気を吸いに出た。
「……彼女は、何者なんだ」
 出会った瞬間から思い出す。
 第一印象は……そう、綺麗だと。
 私は、全身を血に染めた彼女を綺麗だと感じた。
 異常な感じ方だとは思うが、事実だ。
 何故そう思ったかは、分からない。
 だが、話をしていてもやっぱり違和感がある。
 一見ごく普通に見えるが、そもそもそれがおかしい。
 この辺りは私が守護している地域だとはいえ、治安は完全ではない。
 妖怪や野獣が徘徊する山道を女がひとり歩く。
 どう考えても正気の沙汰ではない。
 余程の事情があるのか、それとも……。
 彼女の声、笑った顔、思案の表情。
 どれも、最初に見たあの表情と同じものを感じる。
 空虚。
 感情の篭らない声。笑わない笑顔。無為な思案。
 目の前にいるのにまるで存在しないかのような虚ろさ。
 初めは何か深い事情を抱えているのだと思った。
 だが、多分違う。
 彼女に感じる違和感は、もっと根源的なものだ。
 近寄るな、関わらないほうがいいと、私の人間としての直感が告げる。
 『あれ』は私の手に負えない。
 もっと暗く、深く、果てしないもの。
 だが同時に妖怪の部分が囁きかける。
 離すなと、逃がすなと。
 ……私は、彼女をどこかで恐れ、どこかに惹かれている。
「………………」
 首を振って、深みに嵌りかけた思考を打ち払う。
 今日はもう寝よう。
 屋内に戻ろうとした私に、一陣の冷たい風が吹き付けた。
 明日は、一雨来るかもしれない。






 案の定、翌日はしとしとと雨が降っていた。
 二人で雨音に聴き入る。
「雨だな」
「うん」
「今日も泊まっていくといい」
「……うん」
 それきり、二人とも喋らない。
 里でも、今日は私が手伝うような仕事はないだろう。
 ただひたすらに雨が止むのを待つしかない。

 しとしと。
 しとしと。

「………………」
「………………」
 ただただ雨音に耳を傾ける。
 視線は動かさず、意識だけを彼女のほうに向けてみる。
 彼女もまた、私と同じように何をするでもなく、所在なさげにしている。
 視線が彷徨い、時折思い出したように指先を弄る。
 それにも飽きると、壁にもたれかかって目を閉じた。
 私もそれに倣い、目を瞑った。

 しとしと。
 しとしと。

 目を閉じていると、お互いの気配を感じない。
 私たちは、同じ部屋にいるだけの他人だった。
 雨の音だけが、私たちの意識を侵していく。

 しとしと。
 しとしと……。



 一晩明けて次の朝も、雨は降り続いていた。
 二人戸口に並んで、灰色の空を見上げる。
「……今日も泊まっていけ」
「うん」
 雨は止まない。
 雨雲は途切れることなく、どこまでも続いている。

 彼女を離すな。
 彼女を逃がすな。
 妖怪の囁き。
 私の裡からの声が届いたかのように、雨は彼女を引き止め続ける。

 隣で彼女がぶるっと身体を震わせた。
 そういえば、今日は幾らか冷え込む。
「秋雨か……長く続くかもな」
 自分の心に言い訳するように呟き、戸を閉めた。
 今日も、冷たい一日が始まる。






 結局、雨は五日も降り続けた。






 長い秋雨が通り過ぎた後の空は澄み切った蒼。
 里では、晴天の下久しぶりに畑仕事に精を出す人々の姿があった。
 長かった雨は作物にも水害をもたらしたが、皆の顔は空の色と同じように晴れやかだった。
 変わらない人間たちにほっとした私は、喜んで手伝いを申し出た。

 元の生活に戻ったようにも思える。
 だが、旅に戻るはずの少女は未だ私と暮らしていた。
「もう少しここにいてもいい?」
 雨上がりの朝、彼女がそう言った。
「いいのか?」
 咄嗟に私はそう聞き返した。
 いいのか、とはどういう意味だったか、私にも分からない。
「当分ここに留まろうと思うから」
 それを聞いたとき、素直に嬉しかった。
 彼女がいた間、楽しかったわけではない。
 むしろ、お互い息苦しかったに違いない。
 なのに、私は嬉しかった。
「里で暮らせるよう頼んでみようか」
「いい。ここがいいよ」
 ここがいいよ。
 気が付いたとき、私は頷いていた。

 そうして私の家に居着くことになった彼女は、しばしば里にも着いてきて仕事を手伝うようになった。
 名前も名乗れない彼女が受け入れられるかどうかは心配だったが、幸い今のところ大過なく済んでいる。
 しかし、彼女が積極的に里の人間と関わる様子はない。
 仕事を手伝うのも、居候の恩返しのように考えている節がある。
 ……いや、彼女の生活に不満があるわけではない。
 私は彼女を家に置くことに対価など求めてはいないし、受け取ろうとも思わない。
 彼女が手伝いをするのも本人がそう決めたこと。
 働くことはよいことだと、私も思っている。
 ただ……ただ、彼女はいつも他の人間たちから浮いている。
 理由は分からないが、彼女の存在はその中にあって絶対的に異質なのだ。
 それが私の心配の種だった。
 まるで彼女が人間ではないかのように思えて……。
 いや、そんなことはありえない。
 彼女はれっきとした人間だ。
 私のように半分ということも、ない。
 平穏に暮らせるはずだ、彼女なら。
 ……そう、自分に言い聞かせる。



 彼女には一つだけ、癖のようなものがあった。
 或いは習慣のようなものと言ってもいい。
 普段は私の傍にいることが多い彼女が、時折姿を消すことがある。
 そういう時、私はいつも家から幾らか離れた紅葉の林を探す。
 そうすると、彼女はいつもそこにひとり佇んでいる。
「……綺麗だな」
 挨拶代わりにそう声をかける。
 彼女は振り返りもせずに応えた。
「うん、綺麗……本当に綺麗だなあ」
 そう言って彼女は木に手を伸ばす。
 枝には触れずとも、真っ赤な紅葉がその手に舞い落ちる。
 それを大事そうに両手で受け止める。
「紅葉が好きなのか」
「好きだよ。だって、綺麗じゃない」
 彼女は振り向かない。
 私と話をするというよりも、独り言のように喋り続ける。
「綺麗な紅。どうしてこんなに紅いんだろう」
 私はそれに答えない。
 私の知っている解答と、彼女の求める答えはきっと違うと思ったから。
 だから、代わりに尋ねた。
「紅が好きか」
「ううん、紅は嫌い。でも紅葉は好き」
 風が吹く。
 彼女の両手の紅葉は風に乗り、飛ばされていく。
「……あんな風になれたら」
「………………」
 紅葉を見つめて、そっと呟く。
 悲しそうに。
 寂しそうに。
 そして、羨ましそうに。
「……帰ろっか」
 何も言わない私を振り返り、彼女が歩き出す。
 遅れて、私も歩き始めた。
 だが、彼女の方をまともに見られない。
 その背中が私に訴えている気がしたから。

 どうして訊いてくれないの?

 あんな風になれたらって、どういう意味?

 どうして、訊いてくれないの?

 目を逸らす。
 私はその一言ですらかけることができなかった。
 私は、彼女に踏み込むことを恐れていた。
 少女の小さな背中が、痛々しい。
 家に着くまで、私はずっと俯いていた。






 明くる日、私と彼女の均衡は崩れ去った。
 彼女が家に帰らなかったのである。



 最初はまたあの場所だと思った。
 今更だと思ったので、里の手伝いを済ませてから迎えに行くつもりだった。
 夕暮れ、林を訪れた私を迎えたのは、たくさんの紅葉だけだった。
 おかしいな、と思い周囲を探し回る。
 もしかしたらすれ違いになったかもしれないと、家に戻る。
 やはりいない。
 そこに至って私は焦り始める。
 後は……里に下りたくらいしか思いつかない。
 慌てて私は里まで戻り、皆に彼女を見かけなかったか尋ねて回る。
 しかし、誰も見ていないという。
 誰に訊いても私と一緒に手伝いをしていたのが最後の目撃談だ。
 勿論、一緒にいたのだから私も覚えている。
 その後、彼女はふと姿を消した。
 どうしていつも行き先を尋ねておくようにしなかったのか、と今更思う。
 たったの三箇所。
 それ以外に、私が彼女を探す当てはないのだ。
 私は、いかに彼女に無関心だったかを思い知った。
「一体、どこに……」
 途方に暮れたまま、家に戻ってきた。
 戸を開けたら、実は彼女の方が先に戻っていて……
 そんな期待も、あっさりと打ち砕かれた。
「………………」
 そして思い出す。
 彼女は旅人なのだ、と。
 元々いついなくなってもおかしくなかったのだ。
 彼女を繋ぎ止めることはできなかったと、ただそれだけのこと。
 私は、彼女がずっとここにいるかのような思い込みをしていただけなのだ。
「だからって、一言もなくいなくなるなんて」
 身勝手かもしれない。
 彼女には彼女の都合があり、それを私が口を挟むことなどできはしない。
 いや、そもそも。
 私は彼女がここに留まりたいと思うようなことをしてきただろうか。
 ただ家に置いただけで、恩人のような気になっていたんじゃないのか。
 見捨てられても、仕方ないんじゃないのか。
「……見捨てる」
 そう、口に出す。
 私は見捨てられたのだ。
 仕方ない。
 仕方ないんだ。
 彼女とは馴染めなかった。
 それだけのこと。
 ……それだけの、こと。



 がたん。

 突然の物音。
 戸を、開ける音。
 そして私は幻視する。
 彼女と初めて出会ったときのことを。
「………………」
 血塗れの彼女は私に虚ろな目を向け……

 どさり。

「!!」
 彼女が倒れる音に、今度こそ私の意識は現実に引き戻される。
 これは紛れもなく現実。
 彼女が、血塗れで戸口に倒れていた。
「し、しっかり!! しっかりしろっ!!」
 一目見て、彼女が瀕死だということを悟る。
 以前のように見せかけだけでなく、本当に重傷を負っている。
 身体を抱え上げるが、体温はすっかり失われ、凍りつきそうなほどに冷え切っていた。
 どうにか板の間まで運び、横たえる。
 その間も、彼女は荒く、断続的に息をするだけだった。
「聞こえるか!? 私が分かるか!」
 手を握り、呼びかける。
 微かに手を握り返してくる。
 意識はあるようだが、限界は間近だと思って間違いない。
「どうすれば……どうすればいい……!!」
 医術の心得はある。
 だが、私の知識は……彼女が手遅れだということだけを突きつけてくる。
「う…………」
 全身の傷を調べると、足の指が幾つか欠けていた。
 また、肺をやられているのか、息がひゅーひゅーと詰まったような音がする。
 腕も片方は肘の関節を砕かれ、その先はかろうじて繋がっているに過ぎない。
 他にも肉まで引き裂くような傷が多数。
 ……手の、施しようがない。
 よくここまで戻ってこれたと言うほかない。
「……何を他人事みたいに、私は!! このままじゃ、死んでしまうんだぞ!!」
 目の前で命が失われていく。
 溢れ出す血と一緒に、彼女が消えていく。
 たまらなく、恐ろしかった。
「嫌だ、嫌だ……!!」
 情けない。
 守るべき者が失われようとしているのに。
 私にできるのは、童女のように現実を拒否して叫ぶことだけ。
 情けない。
 ……情けない!!
「………………」
「あ……」
 彼女が目を開ける。
 そして小さく口を開け、声を絞り出した。
「………………」
 それはとても小さくて、聞き取れなかったけど。
 私には聞こえた気がする。
「ご・め・ん……?」
 私がそう口にすると、彼女は僅かに頷く。
 再び、口を開く。
「……心配かけて……ごめん」
 今度ははっきりと聞こえる。
 そしてあろうことか、小さく微笑んだ。
「大丈夫……大丈夫だから…………泣かないで?」
 そう言い、私の頬を拭う。
 ……私は初めて、自分が泣いていたことに気付いた。
「大丈夫なんだ。この身体は……」
 私は目を見張った。
 彼女の傷が癒えていく。
 足の指は再び揃い、息は整い、折れたはずの腕を持ち上げてみせる。
 何が起こっているのか理解する前に、彼女の傷は完治していた。
「驚いた?」
「それは……」
「死なないんだ。この身体は」
 身を起こし、またあの表面だけの笑みを浮かべる。
 動揺する私を他所に、彼女は淡々と語り始めた。



『最初、助けてもらう前もね、同じだった。
 あの時も私は死にかけてたんだ。
 ……こんな身体になったのはずっと昔。
 ある奴の残した薬を飲んで、私は不老不死になったんだ。
 成長もしない私を気味悪がってね、親も私を嫌って家から追い出した。
 それからはずっと旅の空。
 何年、何十年、何百年。
 もう、よく覚えてない。
 長い旅にも疲れて、最近は死ぬ方法を探して旅してたと思う。
 そんな時にね、あいつに会ったんだ。
 そう、私をこんな身体にした奴。
 この近くだよ、あいつがいたのは。
 自分でも不思議だった。
 こんなに長い時間が経って、それでもあいつをここまで憎んでたなんて。
 そのまま怒りに任せて襲いかかったんだけど、あっさり返り討ち。
 あはは、お腹空いてたのもあったかもね。
 ……後は、知っての通り。
 今日もまた挑戦してみたけど、前よりこっぴどくやられちゃってさ。
 気を失いそうになりながら逃げてきて……気付いたらここだった。
 こんなの、見られたらまずいかなって思ってたんだけどね』



 そこまでを一気に喋って、ふっと話は途切れた。
 私は……未だ呆然としている。
 話を聞いてはいても、それを理解できていない。
 不老不死?
 伝説としては、聞いたことがある。
 かつて遠い世界からもたらされたという蓬莱の秘薬。
 それを飲めば不老不死になれると、遠い昔に耳にした。
 勿論、信じてなんかいなかった。
 妖怪にも不老不死に近しい者はいる。
 だが、それは決して完全ではない。
 不老不死とは、人間も妖怪も、誰もが求めてやまない禁断の領域。
 蓬莱の薬とは、死を克服する幸福の薬だと、語り継がれている。
 その不老不死の少女が、今私の目の前にいる。
 信じられない、とは言えない。
 確かに、私の目でその力を確認したのだから。

 何も言うことができない私に、彼女は口の端を歪めて笑う。
「驚いたでしょ。今まで黙っててごめん」
 そして少し困ったような顔。
「このこと知って受け入れてくれる人っていなくて。みんな化け物って言って逃げるんだ」
「………………」
「挙句妖怪にまで化け物扱いされてさ……何かもう、よく分かんないよね」
 そう言ってから彼女はすっくと立ち上がる。
 もう痛みも忘れたような調子で戸口まで歩いていき、
「色々迷惑かけてごめん。それから……ありがとう。それじゃ、元気で……慧音」
 ゆっくり私に向けて一礼してから……彼女は戸を閉めた。
「あ……」
 返事をする間もなかった。
 静寂が戻る。
 対照的に私の頭は様々なことがひしめき合い、頭痛がしそうなほどだった。
 いや、単純に考えろ、もっと単純に。
 彼女は人間でも妖怪でもなくて。
 そして不老不死。
 そのことを私に告げて。
 彼女は出て行った。

 ……出て行った?

「何を……しているんだ、私は!!」
 自分自身の声に我に返る。
 そうだ、私は何をしていたんだ。
 どうして彼女が死ななかったことを喜ばない?
 どうして彼女が出て行くのを止めない!?
 私は何を怯えているんだ!!
 彼女が不老不死だったから?
 ただの人間じゃなかったから?
 ……違う。
 彼女が、私の知らない彼女だったから。
 あれだけの関係がいいと思っていた。
 寂しくも痛くもない距離。
 付かず離れずの距離を置いて、彼女にいてほしいと願っていた。
 私のことを何も知らない彼女なら、一緒にいられると思ったから。
 それが、彼女を一番傷付けるとも知らずに。
 踏み込んでほしかったんだ、私に。
 彼女はいつだって寂しそうにしてた。
 人間にも妖怪にも受け入れられず、彷徨っていた少女。
 寂しくなかったはずはない。
 私にだって、ずっと訴えてきたじゃないか。
 じゃなきゃどうして一緒に暮らそうなんて言い出す?
 じゃなきゃ、どうして私の前でだけあんなに弱さをさらけ出す!?
 受け入れてほしかったんだ、彼女は!
 だから、傷付いたときも私のところへ戻ってきた。
 自分の正体を知られても、最後の最後まで彼女は期待していたはずだ。
 私が引き止めてくれるのを。
 出て行く必要なんかないって言ってくれるのを!
「馬鹿だ……私は大馬鹿だ……!」
 何が人間の守護者だ!
 何が畏れられることが人間の平和に必要だ!
 彼女一人助けられない奴が傲慢なことを言うな!
 今まで私のやってきたことに、彼女はさぞ落胆しただろう。

『……あんな風になれたら』

『このこと知って受け入れてくれる人っていなくて。みんな化け物って言って逃げるんだ』

『挙句妖怪にまで化け物扱いされてさ……何かもう、よく分かんないよね』

 いつも、私は黙っていた。
 迂闊なことは言えないと自分を信じ込ませて。
 彼女がそれを望んでいたはずがないのに。
 ただ一言、自分を支えてくれる言葉がほしかったはずだ。
 的外れだって、ただ傍にいて励ましてくれる人がほしかったに違いない。
 なのに……私は、ずっと黙っていた!
 自分自身を傷付ける言葉で助けを求めてきても、私はずっと……!
 それでも、それでも彼女は私を責めたりしなかった。

『大丈夫……大丈夫だから…………泣かないで?』

 無力感に打ちひしがれる私を慰めて。

『色々迷惑かけてごめん。それから……ありがとう。それじゃ、元気で……慧音』

 私が、どんな感謝されるようなことをしたって言うんだ……。
 謝るのは私の方。
 元気付けてほしいのは、彼女自身だったに決まってる!
 最後の最後で名前を呼んで……。
「ずるい……そんなのってない!」
 一度も彼女のことを呼んでやれなかった。
 本当に名前を忘れてなんているのか……もっと真剣に訊いてやればよかった。
 私は、もっと……。
「……違う、そうじゃない」
 後悔なんてしてる場合じゃない。
 まだ間に合うかもしれない。
 彼女が出て行ってまだそう時間は経っていない。
 探せば見つけられるかもしれない。
 いや、必ず見つける!
 会って、言わなきゃ。もっと聞かなきゃ。
 私のこと。
 彼女のこと。
 そして二人のこと。
「まだ……まだやり直せる!」
 立ち上がり、駆け出す。
 まだ、遠くへは行っていないはずだ。






 まずは道を探す。
 今の彼女が素直に道を歩くかどうかは分からないが、それでも旅をするなら普通は道を行く。
 悠長に歩いている暇はない。
 空を飛び、持てる限りの速さで上空から人影を探していく。
 ……いない。
 やはり違う、彼女なら……。
 思い当たる節はある。
 今日も彼女が戦ったという相手。
 そいつの所へ向かった可能性は……高い。
 もしもそうならお手上げだ。
 私はそいつのことを何も知らない。
 探しようが……ない。
「諦めるな……どんなに可能性が低くても見つけるんだ!」
 一帯を虱潰しに探すか……いや、訳を話して里の皆に協力してもらって……。
 ……そこまで考えて、ふと思い出す。
 もしかしたら。
 もし、彼女が私のことをまだ少しでも信じてくれているとしたら……。
 信じよう。
 彼女が信じてくれているんだと、私も信じよう。
 私はもう迷わなかった。



「……綺麗だな」
「うん」
 私はあの時と同じように声をかけ、彼女もまた同じように返事をした。
 紅葉の林。
 彼女は、やはりそこにいた。
 紅葉の落ち葉に埋もれるように、寝転んでいる。
 そっと、その傍まで近寄る。
「……来てくれたんだ」
 こちらに顔を向け、笑う。
 今までの笑顔よりも、少しだけ心が篭っているように思える。
「迎えに来たんだ」
「迎え?」
「そうだ。家に帰ろう」
 屈み込み、そっと手を取る。
 その手をぎゅっと握るが、彼女はまだ迷っているようだった。
 長らく考えた末、ぽつりと言う。
「私の名前」
「ああ」
「妹紅って言うんだ。生まれたときの名前じゃないけど」
「もこう?」
「そう。私『も紅』に染まれ、っていう意味」
 ……今度は自嘲するように笑う。
「憎らしいあいつを殺して、私もその血を浴びてやるんだって誓った名前。今思うと随分過激だね」
「今でも憎いのか」
「名前のお陰かどうかは分からないけどね。あいつに会った途端、つい昨日のことみたいに思い出した」
「……それで、戦ったのか」
「そういうこと。残念ながらあいつには傷ひとつ付けられず。紅に染まったのは私だけ」
 ひとつ、深呼吸をしてから私の目を見つめて言う。
「私のこと、怖い?」
「いいや」
「嘘だ」
「本当だとも」
 一拍置いて。
『どうして?』
 二人の声が重なる。
 妹紅は少し驚いた顔をしていた。
 私は続けて尋ねる。
「どうして、怖いと思うんだ?」
「不老不死とか……」
「珍しい。それだけのことだ」
「半端者だよ?」
「私もそうだとも。妖怪も人も半分ずつだ」
 妹紅が困惑する。
 余りにも私が迷いなく答えるものだから。
「……どうして、そんなこと言ってくれるの?」
 本音が出た。
 私はふっと表情を綻ばせて言う。
「友達だからだ」
 妹紅の手を、私の両手で包み込む。
 この温かさを伝えるために。
「友達、だっけ」
「友達なんだ。そう決めた」
 強引に、一方的に決める。
 彼女も、照れながらそうだねと応えた。
「頼っても大丈夫?」
「お互い様だ。私が寂しいとき、頼っても大丈夫か?」
「勿論」
「なら、私も勿論だ」
 妹紅がもう片方の手を私の手に添える。
 私たちは、両手と両手で繋がり合った。
 この手は、もう離すことはないだろう。
 お互いにわだかまりは捨てて、もう一度初めからやり直そう。
 それは友達の儀式。
「よろしく、妹紅」
「よろしく、慧音」
 互いの名を呼び合う。
 もう一度、友達からやり直そう。

「妹紅か……いい名前じゃないか」
「復讐の誓いみたいなものなんだけどなあ」
「そんなの忘れてしまえ。ほら、自分で言ってたじゃないか」
 首を傾げる妹紅の身体に、紅葉を一掴み、かけてやる。
「紅葉は好きだって。紅葉みたいになりたいって」
「あ……」
「今の妹紅は、ほら」
 紅葉の落ち葉と一体になって。
 紅く、染まっていた。
間に合ったorz

いやいや、とりあえず読んでいただいてありがとうございました。
最初は20KB以内くらいかな、と思ったらあっさりと25KBにまで達しました。
どーももう少し自分で文量調節できるようにしたほうがいい気がしますね。

えーっと、作中のキャラ、ちょっと人間味が強いですね。
あんまり他の人のイメージとは合わないかも……。
どうにもそっち方面に走る人間なのでご勘弁を。

あ、っていうかお題消化できてるかな、これ……。
苦手です、すいません(汗

何か思うところありましたら採点・コメントよろしくお願いしますです。
反応があるとやっぱりやってよかったなって思えますから。

それでは改めて。
読んでいただいて、どうもありがとうございました。
lunarkami
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2005/10/18 06:58:50
更新日時:
2005/10/20 21:58:50
評価:
22/23
POINT:
148
Rate:
1.50
1. 10 月城 可奈女 ■2005/10/20 01:44:38
しっかり自分の頭に補完されました、素晴らしい出会いを、友情を、有難う。
2. 4 おやつ ■2005/10/20 18:20:54
青臭い人間味が捨てきれない妖怪は大好きです。
ただ、慧音人称のため仕方ないかもしれませんが、妹紅が心を開いていく過程にもう少し描写が欲しかった気がします。
それにしても、素敵なお話だと思います。
ご馳走様でした。
3. 7 papa ■2005/10/21 17:57:49
「友達だからだ」
この言葉は何物にも変えられない大事なものですね。
4. 4 床間たろひ ■2005/10/22 00:54:18
慧音と妹紅の出会い、色々と妄想出来ますね。
燃えるように赤く染まった山と自らを紅に染める妹紅。
鮮烈な赤のイメージが浮かんできます。
5. フリーレス 楠木忍 ■2005/10/22 11:19:45
雨降りの間の慧音と妹紅のやり取りと、妹紅がいなくなって取り乱す慧音が非常に印象的でした
6. 9 MIM.E ■2005/10/22 19:28:53
読み始めてすぐに話の流れにとらわれました。
あっという間に読み終えました。
慧音が一目惚れをして大好きだから手放さないとそういう強い気持ちを私自身に重ね、妹紅がいとしくなりました。
欲を言うならば、最後の一歩手前で慧音が自省して妹紅を迎えに行こうという
ところ、熱すぎる。熱いのはよいのですがそこまでの流れで十分慧音の葛藤は感じましたので前半の雰囲気のままの文体のほうがより強く読者に訴えかけられるのではないでしょうか? と素人意見ですが。
よいお話をありがとう。
7. 4 一之瀬翔弥 ■2005/10/22 23:38:13
リズムとテンポがいい雰囲気ですね。
人間味が強いのも、コレはコレで。
言葉の削り方が、とても参考になりました。
8. 6 匿名 ■2005/10/23 20:58:59
良い馴れ”染め”でございました。
9. 6 Q-turn ■2005/10/23 22:50:36
>「……あんな風になれたら」
散り際の、美しさ。
彼女がもう二度と手にする事のない、美徳。
たとえそれが、彼女にとって、一年のうちのたった一つの季節のような、短い間のものだとしても。
今は、同じ色に染まっていて欲しい。
10. 7 Tomo ■2005/10/24 11:51:03
描写や構成に無駄がなく、とてもバランスがとれていると思います。場景も自然に浮かんでくるし、かなり長いのに一気に読めました。ストーリーに何か突出したものがあれば、さらに高得点を付けたと思います。
11. 6 藤村りゅ ■2005/10/24 15:40:18
 慧音が人間臭かった面もありますが、ある程度の落ちは設定的に理解されているので、
そこに工夫を感じました。それでも、まだやはり転の部分で驚き切れませんでした。
 妹紅が村に馴染んでいる様子を細かく、最後の追い掛けるシーンを細かく綴れば、
もっとまとまりが良くなったかもしれません。
 紅く染まれ、を紅葉と掛けたのは発想の勝利かと。
12. 6 木村圭 ■2005/10/25 21:49:49
25KBもあったのか……長さを感じませんでした。
いいじゃん、人間臭くてさ。頼って、頼られて、さ。
13. 9 世界爺 ■2005/10/26 00:45:38
受難の果て、彼女は蓬莱の里へ行きついた。

普段が妖怪分多い連中ばっかりなんで、こういう話もいいかと思います。
上にも下にもそれない直球コース。大好きですとも。
数多の幻想郷人の中でも人間らしい半獣と、人間らしくない人間。
本編では全く触れられていないけれども、とてもいいコンビだと個人的には思っています。
14. 7 美鈴まさき ■2005/10/27 01:45:45
 『妹紅→我も紅く』のアイデアには感服しました。
 ただ、妹紅が慧音の元に居着く原因となる経緯がちょっと読み取れませんでした。
15. 7 ■2005/10/27 14:09:49
けー姉に女の子らしさを見た…(失礼な)
16. 6 ■2005/10/27 22:25:35
紅→妹紅 誰かがやると思ってました。
慧音と妹紅の出会いに関しての話は多く読んできましたが、かなりいいです。
妹紅が不死ということがわかる部分の書き方が非常にうまいと思いました。
17. 7 流砂 ■2005/10/28 03:10:52
私「も紅」葉みたいになりたい。
一人称や会話文形式だと引き込まれやすい自分がいます。
18. 8 名無しでごめん ■2005/10/28 20:32:31
慧音の強い感情から息遣いまでを感じさせてくれた一人称が素敵です。
妹紅の名前とリンクさせたお題の使い方、題名が実にお見事でした。
ラストシーンがとても美しい。
19. 7 七死 ■2005/10/28 21:09:07
お題消化性の悪さは御自覚されてるとおり今ひとつ、されど慧音が妹紅を受け入れるまでの心理描写の書き込みはお見事。

評価とはまったく別の所で、ぼやき。
やっぱり妹紅って永遠亭一門から見ると、被害者としての側面が強いですね。
実際の所彼女の歴史を見たとしたら、慧音はどう判断するんだろう。

まあ、その判断した結果が今の二人の関係なんでしょうが・・・・・・。
20. 9 K.M ■2005/10/28 22:27:01
十分にお題を消化していると思います
キャラのイメージも違和感はさほど感じませんでした
・・・・・・少なくとも私は、この作品がとてもよい作品だと思っています
21. 7 弥生月文 ■2005/10/28 22:59:44
人間味の強さは、気になりましたが気にしませんでした。
こういうキャラ観、キャラ像もあるのだなぁ、と。
22. 5 IC ■2005/10/28 23:42:43
よく言えば王道、悪く言えばありきたり。
内面描写の各セクションが基本的に同じテンションに見えて、王道というには少しメリハリに欠けるかなと思いました。
23. 7 SSを書きなぐる程度の能力 ■2005/10/28 23:44:30
乞うでなく拒むでなく、ただ欲し傍らに立つ。妹紅の行動の理由、なんとなくだけど分かる気がします。
永の設定を知らなくてもすっと読める良作だと思います。ちょっと文章が説明っぽく長い気もしましたが、これは俺の好みの問題かも。
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