赤と白

作品集: 最新 投稿日時: 2005/10/19 07:22:43 更新日時: 2005/10/21 22:22:43 評価: 20/20 POINT: 98 Rate: 1.17

幻想郷の秋。
木々が紅く染まり紅い悪魔が紅葉狩りに出かけ、森は黄色を帯びて魔法使いが珍しい食材を持って友人を訪ねる。
落ちた葉を掃除する庭師を尻目にその主はお酒を持って出かけ、あんまり変化のない竹林に業を煮やした姫が久しぶりに出かける。
…まあつまり、いつも通り博麗神社では宴会が行われていた。

「つまり、秋は紅葉で紅、冬は雪が降って白。だから秋冬は紅白の季節だぜ」
「どっから突っ込めばいいのよ…」
「ウドンゲ、呼ばれてるわよ」
「いやそれむしろ慧(caved!!!!
「…慧音って酔うと人格変わる?」
「むしろ外見も変わってるわね。」


宴の翌日、二日酔いなどついぞしたことのない巫女が二日酔いでもないのに寝坊をしていた朝。
そんないつも通りの日々とせっかく色づいた葉を散らすように、黒白の旋風が博麗神社に向かって突撃してきたのだった。

「おい!紅葉が紅白になったぞ!」
「…は?」


〜 東方紅白葉 〜


「…ほんとね、見事に紅白だわ。」
「紅白ということはお前の仕業か?成敗してくれるわ」
「そんなことするほど洒落利いてないわよ。はぁ…」
「まあ、おめでたくていいじゃない」
「よくない」
「私は別にいいぜ。」
「この紅白を一日中見ながら過ごすことになる私にとってはよくないわ」
「シクシク…みんな私が突然会話に参加してることに突っ込んでくれないのね…」
「あんた、突然じゃなく出てくることなんてないじゃない」
「お、突然出てくるなんて怪しいぜ。成敗してくれるわ」
「私でもないわよ。けど突然出てきたことに言及してくれたから許しちゃう(はぁと」
「しかし、どうしちゃったんだろうな。明日は雪でも降るんじゃないか?」
「…雪が降るよりもよっぽど凄い異変がもう起こってるけどね。」


結局、とりあえずその日は解散となった。
特に危険な感じがなかったのも原因の一つだったが、そもそも原因がどこにあるのか見当も付かなかったのだ。
こういう時に役に立つ異様に勘の鋭い巫女は、

「…ふぁ」

布団の中であくびをしていた。

「っくしゅ」

あくびからくしゃみへのコンボを決める。

「もう、10月だって言うのにずいぶん冷えるわね。」

腋とか。

「窓閉めるか」

いやその前にわk

「うわ」

外を見るとそこには見慣れた風景の他に、

「本当に雪降ってるし。」

粉雪が静かに舞い落ちて、幻想郷を白く染めていた。

− シャン −

「…」

− シャン −

霊夢がその音に気づかなかったのは一面の雪に見とれていたせいか。

− シャン −

それともその音の主に悪意がなかったからなのか。

− シャン −

あるいは、その音の主の能力ゆえか。

− シャン −

立ち尽くす霊夢を知ってか知らずか、その男は境内に近づき…

 チャリーン

「神様ーーーっ!!!」
「ぶぐぉ!?」

賽銭箱に5円玉を投げ入れた次の瞬間、音速を超えて飛んできた巫女の体当たりを受けてぶっ倒れた。

「神様仏様アッラーアクバル!」
「まてそれが巫女のすることか言うことか痛い重いうわなにをするやめr」



「まったく…無重力の巫女じゃなかったのか?圧死するところだったぞ」
「…何、冥界に行きたいって?」
「ああ、後で冥界にも寄る予定があるな。」
「…で?あんた誰?」
「この格好を見てわからないのか?」

てっぺんに白いふわふわの付いた赤い三角帽子。
同じく赤を基調とした上下に、白い縁取りと白いひげ。
背中には大きな袋。

「泥棒ね。」
「そんなベタな。」
「じゃあ紅魔館関係?」
「はずれ。」
「じゃあうちの神社の神様。」
「…尊敬されなさそうな神だな。」
「でも、お賽銭集まりそうじゃない。ていうかあんたが毎日お賽銭入れればいいのよ。」
「お断りだ。私はお前一人のものじゃない。」
「殴るわよ?」
「あ、いや、おかしな意味ではない。私は世界中の子供達にプレゼントを配る存在だからな。」
「あー、もしかしてサンタクロースってやつ?」
「とりあえず、殴ってから「殴るぞ」と脅迫するのはやめて欲しいものだな。」
「質問に答えないと殴るわよ?」
「お前が言うか。まあ、正解だ。」
「へぇ、サンタなんて外の世界の幻想だと思ってたわ。」
「お前が言うかPart2」
「とりあえず、封印して神社に祀らせてもらおうかしら。」
「ありがたい話だが、お断りする。」
「ころしてでも うばいとる!」

−霊符「夢想封印」−

「おお!?」

霊夢から放たれる光の弾が男に襲い掛かる。
それは粉雪を散らし、軌道を変え、目標を捕らえようとする。
その光景も一般人から見れば十分驚愕に値するが、更に驚くべきは、それらが全てかわされていると言う事。

「ふっ、随分とまぁ派手なことだ。面白い!私に雪合戦で勝てると思うな!」

そう言うと一面の雪から次々と雪球が浮かび上がり…

−雪符「聖夜贈物(セイント・プレゼント)」−

「スペルカード!?」
「お前さんの弾幕は派手だが相手への優しさに欠ける。雪合戦ってのは当たった奴も楽しいものだ!」
「私は当たりたくないけどね!」

秋に降る雪の中で、弾幕の雨を降らせながら、白いステージで二人の紅白が踊る。

「ああ、もう!さっさと捕まれー!」
「だが断る!」

−宝符「陰陽宝玉」−
−転符「飛翔達磨頭(フライング・ダルマヘッド)」−

二つの弾がぶつかり弾け飛び、地面のみならず視界全てを白で埋め尽くす。
そこには勝者も敗者もなく、

「…逃げられた」

つぶやく霊夢の前には、もう誰の姿もない。
ただ一面の雪の上に、雪だるまの胴体部分が木の枝を突き出して鎮座していた。

「コレどうしよう…」

と考えたのは一瞬。
どうみても自分に危害を加えそうにない物体を無視し、ぴっちり窓を閉め、布団にくるまる事にした。
なんとなく浮かんでしまう雪達磨のイメージを振り払い、霊夢は眠りにつく。

顔の書かれた雪球が人参を鼻に差してにやけた表情を凍らせたまま飛んでくるビジョンにうなされた翌朝は、よく晴れた日だった。

「…」

空は青く、地面は土色。

「なんだったのかしら。すっかり元に…」

雪もすっかり消え、木々には紅く色づいた葉と対照を為す真っ白な葉。

「戻ってないじゃない」

一人で突っ込みを入れて、霊夢は仕方なく出発する。
目的地はとりあえず一番妖しい奴のところへ。
結界を越えてマヨヒガから匂ってくる酒の匂いに呆れながら戸を開けると、

「あらいらっしゃ〜い」
「ん?おお、昨晩の嬢ちゃんか」
「…」

さらに呆れる光景が目に飛び込んできた。

「あんた、昨日自分は関係ないって言ったじゃない。知り合い?」
「親友よ」
「3時間前に杯を交わしてから、な。」
「はぁ…」
「大量のプレゼントを袋に詰める方法について実に有意義な事をいろいろと教えてもらったよ。」
「っていうか今までどうやってたのよ」

 〜〜〜〜

「と、いうわけでサンタクロースも新たな市場開拓に乗り出した、って訳よ。」
「…そういうわけでもないんだが、どうも気が付いたらこちら側でね。とりあえず挨拶回りを、と。」
「迷惑な挨拶だわ」
「(…でも、とうとうサンタクロースも幻想になっちゃったのかしらねー)」
「しかし、ここらの人間は何なんだ?普通ならなかなか私は見えないはずなんだが…」
「普通じゃないのよ。」
「とりあえず紅葉を元に戻しなさい」
「いやー、実はやろうと思ってやったことでもないから、戻し方もわからん。プレゼントだと思って快く受け取っtぐほぁ」




サンタクロース。見つからないように子供達にプレゼントを配る程度の能力。


「火喰い鳥の卵の殻と八角形の巣を作る蜂の蜜?なんだかわからないが、一応持っておくぜ」
「霊夢人形ー」
「魔理沙人形ー」
「(なっ…なぜお嬢様達に来て私には…私が子供ではないとでも!?)」
「(あの人形…誰が作ったのかしら。何とか手に入れて抱いて寝…じゃなかった研究して…)」
「なんか蛙が大量だよ!」
「わーい、しっぽの枕ー!」「(う…橙が喜んでいるのはうれしいのだがアレのせいで私に寄って来なくなったりしないだろうか…)」
「あれ?何でしょうこのクリスマスみたいな靴下うわ臭い!」


もし貴方が紅葉の中に白く映える葉を見つけたら、それは慌てん坊のサンタクロースの忘れ物かもしれない。

同じ阿呆なら書かなきゃ損々。
こんな祭りに参加せずに居られるか!と勢いで書いた。反省はしない。

紅葉というお題からは結構離れてしまったかもしれませんね。
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投稿日時:
2005/10/19 07:22:43
更新日時:
2005/10/21 22:22:43
評価:
20/20
POINT:
98
Rate:
1.17
1. 3 おやつ ■2005/10/21 00:25:32
サンタが我が家の幻想になったのは小学校の低学年か……
正体が判るまで、あんなに素敵な夢は無かった……
少ししんみりさせていただきました……
2. 5 papa ■2005/10/22 13:17:41
これはとてもさっぱりしたサンタクロースですね。
あと、ゴーストバスターズふいた。

ト書きによる状況描写がもっとほしかったところです。
3. 5 一之瀬翔弥 ■2005/10/23 00:00:46
面白い作品ですね♪
笑ってしまったので私の負け。
4. 6 床間たろひ ■2005/10/23 00:07:06
妖夢……咲夜……哀れ……

サンタも幻想になっちゃうんですかねぇ
私? 勿論信じてますよ! ビバ、サンタ!!
だからクリスマスには瓶詰萃香を(ミッシングパープルパワー
5. 8 MIM.E ■2005/10/23 00:18:33
細かい事はいい。
サンタクロースの登場にマジ感動した。
カルチャーショック。
スペルカード使ったサンタ最高。
6. 5 匿名 ■2005/10/23 04:13:41
落とし方は上手かったと思います。
後はもう少しお題と絡めて貰えれば……と思った次第です。
7. 4 Tomo ■2005/10/24 11:29:54
紅白の紅葉というものに、色々想像を掻き立てられました。ポインセチアみたいな感じでしょうか。序盤の方で誰が出てくるのかをはっきり明示したほうが、最後のプレゼントの場面がより際立つのではと思いました。
8. 3 藤村りゅ ■2005/10/24 15:48:20
 紅葉と関係ないところだったらもっと評価したいです。
 雪ダルマが個人的にツボでしたね。
 また、誰だか分からない台詞がわりとたくさんありました。
 それに、この手のネタは年末になると必ず見るものですしね……。
 お決まりのネタから抜き出てはいませんでした。
9. 6 七死 ■2005/10/24 23:41:36
よもやサンタクロースを出してくる難物がいるとは、この李白の目を持ってしても・・・・・・。

もう一山二山あっても面白かったと思いますが、とりあえずその発想の妙に敗北宣言です。
10. 4 木村圭 ■2005/10/25 21:44:51
サンタ強ええええええええ
ところでサンタさん、人の靴下盗んじゃ窃盗で逮h(スキマ
11. 4 世界爺 ■2005/10/26 00:54:04
地の文に物足りなさを感じました。
会話文だけで進行するのもテンポを崩さない重要な要素ですが、ただそれを支えるのは地の文。
どっちかでも欠けると、作品全体が薄くなってしまうかと。

でも霊夢の賽銭に対するはっちゃけぶりと、サンタさん登場という普通では思いつかないことをやってのける、そこに痺れる憧れます。
12. 8 ■2005/10/27 22:43:32
…マジに考えると嫌だなあ…まだまだ幻想にならないで下さい、サンタさん。私に土地屋敷と大量の金塊とええと…(こんな奴ばかりだとサンタは幻想になってしまいますね)

そんな暗い話はさておき、思う存分吹いてキーボードに茶こぼした。謝罪を要求(ry
13. 3 ■2005/10/27 23:11:30
会話文使いすぎ……な気がしました。
もう少し地の文の描写が欲しかったです。
発想はおもしろいです。
14. 4 美鈴まさき ■2005/10/28 04:10:37
 本当にサンタクロースが幻想卿の住人となる日は近いのかもしれませんね。
15. 4 風雅 ■2005/10/28 14:27:23
そーか、サンタクロースも紅白か……。
懐かしいなあ、慌てん坊のサンタクロース。昔読みました。
っていうか霊夢のクリスマスプレゼントは賽銭っすか(笑)
会話文が誰のものかちょっと分かりにくいのが気になったかな……。
16. 8 K.M ■2005/10/28 19:00:12
「クリスマス前にやってきた」サンタの起こす騒動、笑わせていただきました
何はともあれ魔理沙よ、その2つの材料で八卦炉の底に開いた穴を塞ぐんだw
フライパン山が燃え尽きる前に塞がないと結婚式が出来ないぞ
17. 5 名無しでごめん ■2005/10/28 20:37:47
サンタさんも遂に幻想に……およよ(涙
思えば自分は小学生の頃から、親に直接クリスマスプレゼントを要求するヒネタ子供でありました。
ごめんよ、サンタクロース。
18. 4 弥生月文 ■2005/10/28 23:14:33
 
19. 2 SSを書きなぐる程度の能力 ■2005/10/28 23:53:24
そこの紅白、俺達の好きな幻想郷で暴れない。俺も混ぜろ。
幻想郷にサンタというネタと紅白の紅葉というネタがよく分からないこんがらがり方をしてしまってますね。結局紅白の紅葉の方は(ほぼ)解決してませんし、どちらかに絞って話を作ったほうがいいと思います。
誰が喋ってるのかわからなくなるシーンが多々あったので、わざとでなければもう少し気をつけたほうがいいと思います。
後、最初のシーンの後いきなり霊夢が布団に潜ってる事に一言でいいので説明を入れた方がいいかと。
総じて、もう少しがんばりましょうという感じでした。辛口で失礼。
20. 7 IC ■2005/10/28 23:54:41
最近のサンタさんは窓から入るそうですよ(いつの時代の最近だよ
身近な幻想の一つのはずだったんですけどね、サンタ。あっちでは主に妖怪の子供相手になりそうですが大丈夫でしょうか。
さっくりと読みやすくて面白かったです。

最後にほぼ確定で被ると思いつつ、それでも一言。
サンタ苦労す(爆
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