紅葉の湯の宴

作品集: 最新 投稿日時: 2005/10/19 08:47:40 更新日時: 2005/10/21 23:47:40 評価: 25/26 POINT: 125 Rate: 1.15




 狂乱の宴の季節が過ぎ、満月の失われた初秋を経て、だんだんと幻想郷の秋も深まってきた。
 山の木々の葉はゆるゆると紅に色付き始め、気の早い者達はやがて来る冬の準備に余念がない。
 ふと気付いた日の落ちる早さに、吹く風の冷たさに。幻想郷の住人達も、秋を、そして来る冬を感じていた。
 そんな折、ふと、誰かが言い出した。
 ――紅葉狩りをしよう。
 さして意味のある言葉ではない。
 その言葉が誰の言葉だったのか、いつ発せられた言葉だったのか、誰も覚えていないくらいの言葉であった事がそれを示している。
 もしかすると、歴史に詳しい妖怪は何か知っているのかもしれないが。まぁ、そんなことは些細なことだ。
 誰からも気にされなかった言葉であったかと思われたが、気付けばいつの間にか幻想郷の住人達は集まり、『紅葉狩り』と称して宴会を行っていた。
 もともと宴会好きな連中である。人も、妖も。
 一時はそのあまりの回数の多さに飽いていた者もいたが、少し間が開けば、また参加しに現れる。
 色付いた紅葉を肴に酒を飲む。
 『紅葉狩り』などと名前が付けられてはいるが、言ってしまえば、することはそれだけである。
 皆が持ち寄った酒を飲み、気の利く者達が用意した料理に舌鼓を打ち、歌を歌い、あるいは詠み。そんなことをしている、ただそれだけである。
 そして、何度か宴が繰り返されるうちに、それにも緩やかに飽いてくる者が現れた。
 気の移りやすい幻想郷の住人達のこと。と言ってしまえばそれまでである。
 『紅葉狩り』という言い訳で回数が多くなっていただけのこと。そう言ってしまえばそこまでである。
 誰もが頃合いか、と思っていた頃、またも誰かが言い出した。
 ――温泉に入ろう。
 幻想郷の外れ、山間の辺鄙な場所ではあるが、温泉が湧いている場所がある。
 立地は悪いが、温泉の質は悪くない。
 きっと今頃、あの辺りも紅葉が良い頃合いだろう。
 そのような言葉であった。
 誰もが顔を見合わせた。が、それも僅かの間のこと。
 行こうか。
 行こう。
 と、そういうことになった。







 さて。
 以上を踏まえ、露天風呂である。







 温泉を目前にしての一番風呂を賭けた牽制のしあい(主に目で、一部弾幕ごっこ)の末。
 風が吹き、紅葉が舞い散る露天風呂――と言ってもそこまで整った設備があるわけではないが――に向け、ゆっくりと、タオルで体を隠しながら歩を進めるのは、博麗神社の巫女、博麗霊夢だった。
 後ろからの視線を受け、やれやれ、と呟きながら温泉の湯に触れ、ややぬるいような気はするが、ちょうど程よい湯加減であることを確かめる。
 そして、片足ずつ、湯にその身を沈めようとして――
「一番風呂いっただきーっ」
「もたもたしすぎだぜ」
 と、声を残しながら二つの影が霊夢の頭上を飛び越えた。一拍遅れて盛大な水飛沫が上がる。
 それに続くように、残りの皆も我先にとやってくる。もはや決めた順番など、誰も守ろうとする様子もない。
 なんだかなぁ、と霊夢は苦笑した。



 そんなこんなで、なし崩し的に皆で温泉に入ることになった。もとより、全員で入れないほど小さいわけでもなかった。
 温泉まで来ても大して変わったことをするわけではない。
 というか、何も変わっていない。
 何人かは当然のように酒を持ち込んでいるし、また当然のようにそれを飲む。ご丁寧に、全員分、どころか少し余り気味の御猪口まで用意されている。
 お風呂の中でのお酒はあまり健康には良くないのだが、それは普通の人間の話。そもそも人間でない者が大半を占めるこの場では、誰もそんなことは口にしない。そして、数少ない人間もそんなことは気にしない。
 大雑把というか、要するに適当なのである。



 さて、適当に個別の描写に入ろう。
 というか、こちらがメインである。



 まず、霊夢。
 霊夢は紫の持ってきた古酒を味わっていた。温泉に入っていることで血行が良くなっているせいか、いつもより酒の回りが早いようである。ちびちびと、舐めるようにしか飲んでいないというのに、その肌は既にほんのりと赤く染まり始めている。
「はぁー、極楽極楽」などと妙に年寄り臭いことを言っているが、それも何処まで本気か分からない。湯に付けた手拭いをぎゅっ、と絞り頭の上に乗せる。その動作も、妙に堂に入っていて、手慣れているように見える。
 霊夢はどちらかと言えばスレンダーな方であり、あまり胸のふくらみも豊かな方とは言えない。普段からサラシを巻いていることもあり、もともとかなり小さい方だと思われがちである。実際、こうしてサラシを付けていないときでも、それほど目立つ大きさではない。が、決して女性らしい体型をしていないと言うわけではない。
 うなじから肩、背中を通じて腰へと至るラインは、芸術と言っても差し支えないであろうほど美しいラインである。その上、無駄な贅肉は一切無い。柔らかで優美な、誰もが羨むような瑞々しい美しさを持っていると言っていいだろう。
 それに加えて、その肌がまた美しい。霊夢の性格からして、大した手入れもしていないだろうと思われるのに、その肌には目立った傷一つ、肌荒れ一つ無く、まさしく白磁の美しさである。その白い肌が、酒と湯の効果ではんなりと赤く染まり、実に艶めかしい。
 その天分と同様、天性の美しさを持つ、奇蹟のような肢体である。



 次、魔理沙。
 最初に霊夢に先んじて温泉に飛び込んだ内の一人が、この魔理沙である。トレードマークの一つと言ってもいい帽子は、さすがに今はかぶっていない。ウエーブのかかった豊かな金髪をまとめて濡らさないようにすることもなく、無造作に湯に付けてしまっている。
 魔理沙はアリス、パチュリーらの魔法使い同士で集まってなにやら会話を交わしている。
「この温泉の成分は……」「いや、わき出している水が地表に現れる前に地熱で暖められるというメカニズムが……」「鉱物中に含まれる物質が、お湯に溶け出してくるという過程で……」「私はどうでもいいぜ」
 魔理沙は端的に言って痩せ形である。収入があれば香霖堂で蒐集物を購入したり(大半はツケだが)して浪費してしまうため、あまり食費に回している余裕がないこともあり、また、研究に夢中になって寝食を忘れ、2食3食は平気で抜いてしまうことが原因の一端であることは確かであろう。博麗神社や紅魔館に食事をたかりに行っていなければ、餓死してしまってもおかしくないような食生活をしているようである。
 かなりの痩せ形と言うこともあり、魔理沙の胸は非常に慎ましやかである。細い手足、僅かに浮いて見える肋骨とのバランスを取るかのように、実に控えめで、自己主張の少ないふくらみである。が、そのおかげで、魔理沙の裸身は貧相になる一歩手前の部分で踏みとどまり、むしろ見る者に美しさを感じさせるようなバランスでまとまっている。
 魔理沙の人懐っこそうな笑顔、その表情、そして豊かな金髪が見る者に彼女の明るさを印象づけ、痩せぎすとも見られかねないその体型を、均整のとれた引き締まった体にしている。



 次、アリス。
 彼女はこんな時でも何体かの人形を宙に浮かべている。ただ、あまり人形達を水に濡らしても良くないので、さすがに温泉に浸けるようなことはしていない。そうして、魔理沙、パチュリーの三人で寄り集まって魔術的な、あるいは技術的な話をしている。先ほどから話が若干ループしているのは、もしかすると彼女達も酔っているからかもしれない。
 アリスは非常に均整のとれた、整った美しい体をしている。決して小さくはないが、さりとて大き過ぎもしない胸とお尻、細すぎも太過ぎもしない腰、と実にバランスの良い体である。惜しむらくは、この場の面々の、大小どちらにも自己主張の激しい体の中では若干埋もれてしまうことだが――まぁ、彼女の体の美しさには何ら変わることはない。
 程よくお酒も入り桃色に上気したその肌は、実になまめかしい艶っぽさを放っている。普段はフリルなどの付いた服で隠されているために、日の下に晒されることのないその肢体は、常の人形使いとしての顔とは違った印象を見るものに与える。



 次、パチュリー。
 パチェリーも魔理沙に負けず劣らずの痩せ形である。もともと病弱で喘息気味、おそらく食も細いのであろう彼女は、魔理沙ほど不摂生な食生活を送っているわけではなかろうが、それでもかなり痩せぎすな体型をしている。
 胸も薄くお尻も薄い彼女の体型は、とても儚く、触ると今にも壊れてしまいそうな雰囲気を醸し出している。だが、お酒と湯に暖められたことで血行が良くなったのか、青ざめていたような肌の血色もだいぶ良くなり、今の彼女は普段に比べてだいぶ健康的な様子を見せている。
 常にその表情に張り付いている疲れたような寝不足のような暗い影も、今の彼女の顔には見受けられず、かわりにどこかぽーっとしたような、半ば夢うつつのようなふわふわとした表情が、彼女に童女のような、明るい印象を与えている。また、今の彼女は、普段は無造作にくくっている髪をアップにして纏めている。いつもは帽子とその長い髪に隠れて見えないうなじが、上気して色付いた肌とも相まって非常に艶めかしい。
 こうなってくると、スレンダーというには痩せぎすなパチュリーの体型も、一種倒錯的な雰囲気を漂わせる、実に色気のある体をしているように見えてくる。不健康な色気、とでも言えばいいのか。そんなものを感じさせる肢体である。



 次、レミリア。
 流れ水に弱いと言われる吸血鬼が何故温泉にやってきているのか、しかも、雨に打たれることですら溺れてしまうと言われるのに、さも当然のように温泉に浸かって鼻歌まで歌っているのか。そう、疑問に思う者はこの面子の中に一人もいない。まぁ、日中でも日傘一本で当然のように出歩く彼女のことである。きっと流れ水程度は克服しているか、あるいは最初から気にも留めていないのだろう。そう思わせる何かが、彼女にはある。
 レミリアは既に500年以上の時を経たヴァンパイヤであると言われるが、その体は少女の、しかも未だ未発達の少女のものである。当然のように、体型も少女のものである。
 人間ならばまだ第二次性徴も来ていないのではないのか、と思われるようなその体は、彼女の醸し出すどこか高貴な雰囲気と、憂いと倦怠感を含んだ、どこか老成したような表情との間にアンバランスさを感じさせ、また、時折見せる妖艶な表情が、彼女に一種奇妙な美しさを与えている。
 もとより、種族全体がこの世の物とは思えないほどの美しさを持っているヴァンパイヤの一人であり、その美しさ、例えようもなく整ったその顔の造作、背の翼まで含めて一個の究極としてレミリアは存在している。血の気の感じられない非人間的で完璧な美しさが、生来の物、永劫不変のものとして彼女には与えられているのだ。



 次、咲夜。
 最初は甲斐甲斐しくレミリアの世話をしていた咲夜であったが、今はそのユニフォームであるメイド服を脱ぎ、ゆっくりと温泉に浸かって、紅魔館のメイド長としての、日頃の疲れを落としていた。その表情は穏やかで、普段の切れ者としての鋭い表情は影を潜めている。
 咲夜はまさしく、『意外と着やせするタイプ』である。私、脱いだら凄いんです。というわけではないが、普段の控えめなメイド服姿からは想像も出来ないほど、豊かで肉感的な体をしている。かといって、肉だけが無駄に付いているわけではない。出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる、まさしく女の理想、と言っても過言ではないような肢体である。
 メイド服という軛から解き放たれたそのバストは自らの存在を存分に主張し、また、細く締まった腰から安産型のおしりにかけてのラインが見るものの目に強烈な訴えを仕掛けてくる。それだけではない。日頃の労働の成果か、ふとももから膝、そしてふくらはぎにかけては無駄な贅肉も不必要な筋肉も一切無い、引き締まった実に美しい曲線を描き、見る物の目を引きつけて止まない。
 その咲夜は仰向けの姿勢で岩に背を預けるようにして温泉に浸かっている。僅かに湯の外に出たバストは、例え僅かではあってもその自己を主張し、また、その美しい形を崩すことはない。咲夜が身じろぎすると、ぷるん、と僅かに揺れ、すぐにまた元の形へと戻る。質感、量感共に極上の美乳である。



 次、妖夢。
 彼女は幽々子と紫が杯を酌み交わしているその傍らで、温泉の中だというのに律儀に正座をしながら、ほんの少しずつ、舌を僅かに出して、文字通り舐めるように御猪口に注がれた酒を飲んでいた。
 半分死んで半分生きている妖夢の半身、半幽霊も彼女の傍らにちょん、と座って(?)いる。半幽霊のその真っ白な体も、湯に浸かっているせいか、ほんの僅かに赤く染まっているようにも見える。
 妖夢は非常に引き締まった、いかにも警護役であり、剣の指南役である、と言えるような体をしている(普段やっていることは庭師としての仕事しかないのだが)。今も実際、頭の上に衣服と二本の剣、楼観剣と白楼剣を紐でくくりつけている。よく見れば、何気なく正座しているようなその姿勢も、いつでも素早く動けるように身構えている姿勢であると分かるし、ちびちびと酒を舐めている間も、その視線は油断無くあちらこちらに向けられている。
 引き締まっている、と言っても、女性らしい体型をしていないというわけではない。筋肉は付いているが、それも余分な筋肉というわけではなく、もともとの体の美しいラインを壊さないようにという配慮が為されたかのように、きわめて自然な形で筋肉が付いている。特に二の腕など、注意して見なければ筋肉が付いていることも分かりにくいというのに、妖夢は片手に一本ずつの剣を持ち、それを自在に振り回す。まさしく一部の隙もなく鍛え上げられた肉体と技術の賜であり、機能美と言っても差し支えのない程の美しさである。



 次、幽々子。
 幽々子は妖夢が警戒していることに気付いているのかいないのか、それとも気にしてもいないのか、いかんとも判断しづらい表情で紫と杯を交わしている。まあそれはいつものことだ。
 言うまでもないことだが、幽々子は亡霊である。既に死んでいる。故に温泉に浸かることにもあまり意味はないのでは……などとおもう者は幻想郷にはいない。なにしろ、幽々子は食事はするし酒も飲むのだ。しかもかなりの食いしん坊である。レミリアといい、やはりどこかおかしい気もする。亡霊とは何か、吸血鬼とは何か、と深く考えてはいけない。ここは幻想郷である。そういうものなのだ、と鷹揚に構えていた方が精神衛生上にも良い。
 普段着がゆったりした衣装であり、食いしん坊ということもあり、割と豊かな体つきをしていると思われがちな幽々子ではあるが、実は意外と細い。その上、服の上からでも分かるほどに出るところは出ているので、実に見事な体型をしている。亡霊になってから体つきが変わることはあまり無いと思われるので、これは生前からのものだろう。
 湯に浸かっていて、しかも紫にあわせてかなりのペースで飲んでいるというのに、その肌が朱に染まることはない。ほとんど透明だと言ってもいいほどの、白くてなめらかな極上の肌である。その上、見事な形の双丘がこれでもか、と言うほどに存在を主張していて、まったく何処に目をやっていいのか分からない。おっとりと、のんびりとした性格とは裏腹な、実に存在感のある体である。



 次、紫。
 紫は幽々子とは違い、だいぶ酒が回り始めている様子である。ほんのりと上気した頬に潤んだ目がえもいわれぬ艶を感じさせる。若干眠たげな様子ではあるが、一日の半分以上は眠っていると言われる彼女のこと、単にいつものように眠いだけで酒の影響はあまり関係ないのかもしれない。
 普段体の一部分、あるいは半分以上を自ら作り出したスキマに置いている紫ではあるが、今日はそのようなこともなく、全身を露出させて湯に浸かっている。こうして見ると、紫もなかなかに豊かな体つきをしている。その長い髪だけは肩の辺り、湯に触れるか触れないかのところでスキマに送っているようだが、そのおかげでその豊かな体が隠されることもなく、惜しげもなく日の下に晒されている。
 紫が御猪口を口元に運び、くいっ、と傾けて僅かに喉を鳴らす。それだけの動作でもその豊かな胸が揺れ動き、水面に波紋を立てる。幽々子がそんな紫の杯に追加の酒を注ごうとするが、既に空である。それを見た紫は、スキマから酒瓶を取り出す。幽々子は笑ってそれを受け取り、紫の杯に注ぐ。どこから手に入れた酒なのか、それは紫以外の誰にも分からない。



 最後、萃香。
 最初に魔理沙と共に飛び込んだのが彼女である。その萃香は、今は自前で持ち込んだ大量の酒を次々と消費している最中である。ひょうたんから手酌で自分の杯にどくどくと注ぐ。その杯は朱に塗られたひときわ大きな酒杯である。普通の何倍もの大きさの、体の小さい萃香にとってはかなり大きいであろうそれにいっぱいまで注がれた酒を、喉を鳴らしてごくごくと飲む。まるで流し込むかのように、どんどんと杯を傾けていき――。一息にすべて飲み干して、ぷはーっ、と息を吐く。そしてまた自ら酒を注ぐ。切れれば他のひょうたんと持ち変える。
 自分で飲むだけではない。他人にも飲ませに行く。
 酒を勧める。受けられる。注ぐ。お返しに注がれる。一気飲み。他の所へ行く。酒を勧める。断られる。とりあえず自分で注ぐ。一気飲み。他の所へ行く。この繰り返しである。
 もはやほろ酔い、などという生やさしい状態ではない。泥酔と言ってもいい。が、この鬼は宴会となればいつもこの調子なので、別に誰も気にしない。
 萃香の体は小さい。どこにこんなに大量の酒が入るのか、と誰もが不思議に思うほど小さい。完全に子供の体である。当然ながら、体型もそれに準じる。きわめて凹凸の少ない、フラットな体型である。端的に言えば、ぺったんこである。まったいらである。十勝平野も真っ青の大平原である。どっちが前だか後ろだか分からない、と本人(本鬼?)も言っている。誰か、『それはあんたが酔っているだけだ』と突っ込んであげるべきだと思う。単に前後不覚なだけのようである。



 そして、場所を温泉に移しただけの宴は続く。



 最初は酒に手を付けなかった人も妖怪も、だんだんと興が乗ってきたのか次々と酒を手にとって飲み始める。そうなってしまえば、あとはいつもの宴会と全く変わらない。
 途中から、騒ぎを聞きつけてやってきた者達が加わり始める。
 まだ昼だというのに夜雀がやってきて歌を歌い始める。目の前が暗くなったように感じる者も出るが、それは酒に酔っただけだと一笑に付される。そもそも、目が見えなくなったところで大して困らないような者達だって多いのだ。
 歌声を聞きつけた幽霊楽団がやってきて楽器をかき鳴らし始める。夜雀もそれに張り合うかの様に声を張り上げ、一部の者達はああでもないこうでもないと批評し合い、多くの者達はそもそも聞いてもいない。
 そのうち、永遠邸に住む者達が酒と肴を手に手にやってきて、この宴に加わりだす。一挙に大勢となったこの宴は、人数が二倍三倍と増えるたびにその騒がしさを二乗三乗と、加速度的に増していく。
 墓所が変わっても、人が変わっても、宴が宴であることは変わらない。
 それは幻想郷の不思議な法則である。







 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







「ねぇ霊夢」
 杯を手に問いかける萃香に、なに、と霊夢は答えた。
 時刻は既に夜。集まってきていた者どもも既にほとんどがその姿を消している。
 自分の住処に帰って眠る者もあるだろう、場所を変えてまだ飲み続けるものもあるだろう。
 だが、この場に残っているのは霊夢と萃香だけだった。
 萃香は注いだ酒をぐいっと、また一気に飲み干しながら、
「うーん、別にいいや。なんでもない」
 なにそれ、と霊夢は苦笑する。
 別にいいじゃん、と萃香は陽気に笑う。
 そして萃香はまた、自分の杯にひょうたんの中身を注ぎ、
「……これで最後だ」
「そう」
 宴は終わる。
 酒が切れずとも、料理が尽きずとも、人が誰も去らなくとも。
 宴は、いつか終わるのだ。
 と――
 風が、吹いた。
「あっ」
 ざあっ、と吹いた風に紅葉が舞った。
 そして、降り来る紅葉のうちの一葉が、萃香の大きな杯の内に飛び込んだ。
「紅葉酒だ」
 と、萃香が笑う。
 そんな言葉があるのかしら、と霊夢は思ったが、それは割とどうでも良いことなので、結局何も言わなかった。
「――乾杯」
「――乾杯」
 二人で杯を軽くぶつけ、くいっと同時に飲み干す。
 宴の終わりの時だった。
 どうも。ネチョ禁止、ということなのですが、本能とリビドーの赴くまま書き綴ったらこんな内容になってしまいました。良いんだろうかこれで。
 まぁ、枯れ木も山の賑わい。アホな内容のものもあっても良いよ……ね?
 僅かにでも楽しんでいただけたのならば幸いです。ありがとうございました。
RY(Type-春)
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2005/10/19 08:47:40
更新日時:
2005/10/21 23:47:40
評価:
25/26
POINT:
125
Rate:
1.15
1. 4 匿名 ■2005/10/20 02:36:52
試みは大好きです。
2. 5 おやつ ■2005/10/21 22:53:29
宴はいつか終わる。
そして、また始まる。
繰り返される日常……しかし、昨日という日は二度と来ない。
落とし方が非常に綺麗で読了感さっぱりです。
GJ!
3. 5 papa ■2005/10/22 14:30:16
紅葉とくれば温泉、温泉とくればお酒ですね。体に悪いですけど。

小説といいますか、なんだか設定資料を読んでいる気がしました。
4. 2 一之瀬翔弥 ■2005/10/23 00:15:31
みんな楽しそうだなぁ…。うらやましや。
5. 7 MIM.E ■2005/10/23 14:13:33
お前はアホダナァ。
とりあえず飲もうぜぃ
6. 4 おビールをお持ちしました ■2005/10/23 18:53:27
艶かしいな!
艶かしいな!
艶かしいな!
7. 5 床間たろひ ■2005/10/24 00:59:37
むー作者の精神力に感嘆する。
良くもまぁ、これだけ冷静に各自のプロポーション解説が出来るものだ。

俺? 最初の霊夢の紹介ですでに鼻血吹いてぶっ倒れてましたよ?
8. 5 Tomo ■2005/10/24 11:22:03
発想が面白い。こういのって普通はさり気なく描写することが多いのに、「あからさまに覗いてます」的な視線だけで構成されているのはある意味新鮮でした。ぜひこういうの続けてくださいw。
9. 4 藤村りゅ ■2005/10/24 15:53:46
 どうも元ネタ知ってるだけに興奮し切れませんでした。
 客観的な描写と本能的な欲望のせめぎあいなので、なかなか伝わりにくい面もあるかと思いますが。
 萃香のところはちょっとマジっぽい感じがしました。
10. 5 ■2005/10/24 18:01:28
´Д`)'`ァ'`ァ 入浴描写乙
11. フリーレス 楠木忍 ■2005/10/25 00:02:25
実に本能を感じさせる良い文章でした。
肉体描写が素敵。(;´Д`)
12. 6 木村圭 ■2005/10/25 21:41:19
無意味に丁寧な描写、お疲れ様でした(誉め言葉)
でも咲夜さんが巨乳は許さん。男物の服が似合うくらいスラッとした体付きが俺ジャスティス。
締めが穏やかでまったりしてて何とも言えず良かったです。
13. 7 世界爺 ■2005/10/26 00:57:41
エロァ。
ごめんなさい最初に抱いた感想がこれでした(何

それでもラストはしんみりとしっかり締められているあたりはやるなあ、と。
14. 6 銀の夢 ■2005/10/27 10:38:37
咲夜さんの描写に関して。
良く言った! と賛辞を送りたい。
15. 8 ■2005/10/27 23:16:17
詳細で熱のこもった描写に、大変えっちでよろしくない愛の形を見ました…そして、たんのーさせて頂きました(オイ


それにしても…虚乳じゃないんだ咲夜さ(殺人ドール
16. 6 七死 ■2005/10/27 23:20:50
(゚□゚;≡;゚□゚) 師匠!! 紫、幽々子と並ぶ幻想胸三本柱の師匠はどこだ!!

(゚Д゚) あれー!? ひょっとして永遠亭メンバーがいねーーーっ!?

ヽ(`Д´)ノ うわあああんもうこねーよっ!


冗談はさておき、筆主殿のあまりにもちぎれ飛んだ発想に乾杯。
17. 3 ■2005/10/27 23:35:02
完全に神視点で描かれているのでイマイチ話に入り込みにくいと思いました。
誰か一人のキャラ視点で描いたらまたおもしろくなる気がしました。
18. 4 美鈴まさき ■2005/10/28 03:10:38
 少女達の説明描写だけになってしまっていて、三人目くらいでダレてしまった。
19. 6 風雅 ■2005/10/28 14:34:11
Σ誰が各人の身体の評価をしろと
いやごめんなさい、性欲を持て余す。
余りに意表を突かれたのでアイデア賞の点数って事にしてください。
20. 6 セノオ ■2005/10/28 15:52:39
ふもっふ噴いた。秋、という感じが終わりににじみ出ていていいよー。
楽しめましたとも。ありがとうごさいます。
21. -3 名無し妖怪 ■2005/10/28 16:22:11
フルメタルパニックに全く同じコンセプトの話があった筈です。・・・これ、パロディではなくパクリに見えるのですが。しかもネタ元のフルメタルパニックの温泉の話自体が評判悪かった(ただ女性のスペックを羅列していくだけ)というのに。
22. 6 K.M ■2005/10/28 17:13:50
ドキッ!少女だらけの露天風呂!お酒もあるよ
・・・こんなスッタコなコメントしか思いつかん自分の頭が憎い」 ̄|○
23. 7 名無しでごめん ■2005/10/28 20:40:47
うっかりモニターをにやにや眺めてしまいました。
執念深い、その描写力に感服致します(主に胸とか肋骨とか)。敬礼。
締めの何処か寂しげな雰囲気がまた良いです。
24. 5 流砂 ■2005/10/28 21:26:38
リビドー赴きすぎだー、とりあえず「というかこちらがメインである」で大笑い。
25. 6 弥生月文 ■2005/10/28 23:20:32
なんつーか、描写からジャスティスを感じました。ひしひしと。
女体、好きなんですねぇw
ただ、ストーリー性に乏しいのが残念。
26. 6 SSを書きなぐる程度の能力 ■2005/10/28 23:57:28
きみはじつにネチョいな。……いや、褒め言葉ですよ?
紅葉を魚に宴会をし、今度は露天風呂で宴会し、最後の酒が紅葉酒。まとめれば実はこれだけの話なのに、それを感じさせないきっちりした各々の描写はお見事です。
それはそれとしてきみはじつにネチョいな。……褒め言葉ですってば。
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