奇焼酎Z とびっきりの酔いどれ対酔いどれ

作品集: 最新 投稿日時: 2006/03/25 06:35:56 更新日時: 2006/04/18 15:28:03 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00


 霊夢の質問に霖之助は苦い顔を見せた。
 意外な反応を見せられて、霊夢は目を丸くする。
 質問の内容は、こんなものだった。

『今まで飲んだ中で、一番インパクトの強かったお酒は?』

 霊夢にすれば、来週に控えた花見のことでそれなりに盛り上がっている最中の、ちょっとした軽い話題のつもりだった。
「……私、なにか悪いこといったかしら?」
「いや、霊夢が悪いわけじゃない。ただ……」
「ただ?」
 なおも眉をひそめる霖之助だったが、観念したように言った。

「一度、とんでもない酒を飲んだことがある」

 とんでもない、という言葉に込められた語調の強さに霊夢は興味を覚えた。
 渋い顔をする霖之助に、話してくれと迫る。
「――そうだな、もしかしたら知らずに飲まされることだってあるかもしれないし、霊夢には言っておいたほうがいいか」
 独り言のように呟き、そのままの口調で霖之助は続ける。

「結果から言うと、家が三棟吹き飛んだ」
「お酒で!?」
「酒を飲んで暴れたやつかいたからさ――僕も、結構な暴れぶりだったらしいけどね。とにかく、あの酒を飲むと気分が高揚して、その上短絡粗暴、いや違うな、すべての動作や言動に当たり判定ができるというか――」

 その後、霖之助の昔話はかなり長く続いた。
 真実味のある語り口で伝えられる大破壊劇に、霊夢は緊張した面持ちで聞き入った。
 その酒は、こう呼ばれている。
 畏怖をこめた名を呟き、霖之助は話を締めくくった。

「――奇焼酎」





『奇焼酎Z とびっきりの酔いどれ対酔いどれ』





 紅魔館。
 紅い館は威厳を称え、常に深く沈んでいる。
 ……のが普通だが、今は少しばかり様子が違った。

 紅い廊下に爆音が轟いている。
 引き伸ばされた広大な空間を塗りつぶす勢いで、光が瞬いている。
 戦闘だった。火力制圧戦だ。
 館のそこかしこに、高級そうな家具をかき集めたバリケードが構築されていた。
 そのうちで最大のものは正面玄関に積み上げられた、シャンデリアの残骸と階段手すりの細切れからなるものだ。同様に吹き飛ばされていた西洋鎧の兜が正中線上に鎮座するその様相は、まるで要塞の様だった。銃眼代わりの木切れの隙間から顔を覗かせるメイドたちが見て取れる。
 彼女たちが捕捉し弾幕を叩きつけ続ける目標は、高速、高出力、それでいて不安定な軌道で疾風怒濤と飛び回る緑の光だ。
 速い。
 尾を引く緑の光は、弾幕というよりはもはや壁の様相を呈しているキルゾーンに突入し、わざわざ大量の弾を食らっていくような軌道で荒れ狂う。被弾に構わぬ突進をメイドたちは食い止めきれない。

「正面玄関に敵機進入! 繰り返します、正面玄関に敵機進入!」
「無差別に撃ってくる! 総員頭を引っ込めて!」

 緑の光が真正面からバリケードに突っ込んでくる。
 後方で爆発、逆光のシルエットが明らかになった。
 箒にまたがった魔女。霧雨魔理沙だ。
 それともう一人、ストラップよろしく引きずられている人影がある。ただでさえふわふわと頼りないその人影は、猛烈な慣性重力と空気抵抗の前に人形よろしく生命感なく揺れている。
 彼女たちに共通するのは、笑顔。どこかネジの外れた、酔っ払いが浮かべるそれだ。

「くおーっ、ぶつかる! ここでアクセル全開、インド人は十進法を採用しました!」

 魔理沙が叫んだ。意味などない。
 ただ軌道は変化した。殴りつけられたような急激な横滑りを起こし、四方八方に魔法の箒の噴進煙を撒き散らしながら錐もみ状態に移行。直角起動でバリケードを回避。
 対衝撃体勢を取っていたメイド数人が顔を上げ――絶望する。

「かかったな、アホが!」

 本体から切り離された人影が真っ直ぐ、迷いなく突っ込んできていた。両手をXの字に交差させ、雷が分かたれるごとき速さで。

「敵機、アリス・マーガトロイドを投下!」
「退避退避退避ーっ!」

 西洋鎧にアリスが直撃する。
 衝撃音は人体が発するものとは思えないほど硬質。鎧が十文字に切り裂かれ、問答無用の貫通弾となった七色の魔法使いがバリケードを粉砕する。
 そのうえ、爆発物など何一つないはずなのに轟然と爆発。防御拠点が粉微塵に砕け散った。

「門番に救援を要請!」
「残存兵力総員で門を固めて! 咲夜さんが来るまで持ちこたえる!」

 数人を束ねる立場のメイドから続く、矢継ぎ早の指示。
 この事態に及んでも指揮系統は破壊させておらず。士気も高い。流石は紅魔館メイド部隊というべき練度だった。
 だが破壊は無慈悲に続く。
 あいも変わらずの曲芸飛行を続ける魔理沙と、それに追いすがろうとさらに無茶な軌道で飛行するアリスが壁に柱に扉にと激突し、一方的に壊していく。まるでドミノ倒しだ。
 被害が雪だるま的に拡大する中、門が補強されていく。
 惨状の中でのメイドたちの整然とした働きは、称えられてしかるべきものだ。

「――手伝いましょうか?」

 不意の呑気な声に、メイドの一人が『それどころじゃない!』とばかりに振り返り睨み付ける。
 だが、その声の主を知ったメイドは驚きに硬直し、歓喜した。
 パチュリー・ノーレッジ。
 紅魔館に間借りする強力な魔女。この場においては最良の援軍のはずだった。

「……ただし、真っ二つよ?」
「え?」

 ぱちん、とパチュリーが指を鳴らす。
 何故か本能的な恐怖を覚えて後退したメイドたちだったが、幸か不幸か特には何も起こらなかった。パチュリーは首をかしげ、自分の指を不思議そうに見詰めたあとで『やっぱり普通にやりましょう』と呟き――酒臭いしゃっくりをした。

 メイドたちが硬直し、酒臭い詠唱が始まる。
 威厳も、真摯さも、確たる主張もないままに紡がれていく言葉に、世界の神秘が集っていく。ある意味で、これ以上無く魔女らしい行為で集められた無形の力。
 それはもはや拳である。
 収束した力は、結局明後日の方向に暴発し分厚い外壁を粉砕した。

 紅魔館に、吸血鬼の館に陽光が侵入する。
 結界が破られたのだ。
 悲鳴が上がる。
 第二次紅魔事変と呼ばれる戦いは、まだ始まったばかりだった。

 ――ことの起こりは、一時間ほど前に遡る。




 § § § § §




 「奇焼酎ね」
 「奇焼酎だわ」


 一刀両断にされ、霧雨魔理沙はいきなりキレた。
 先日魔理沙が提案した魔女三人での飲み会、その冒頭での出来事だった。
「何が奇焼酎だ、寄生虫みたいな言い方するな! それにこれは焼酎じゃなくて私が全く新しい醸造方法で作り出した世にも珍しい酒だ!」
 椅子から立ち上がり、声高に宣言。叫び声と机を叩く音が薄暗くだだっ広い空間にこだまする。飲み会の会場となった紅魔館地下ヴワル魔法図書館に、少女の主張が高く響く。
 だが、その抗議は他二人の参加者に聞き入れられそうに無い。
「『私が造った』って……ひょっとしてこのラベルまで自作? 何よこの『恋と魔法』って」
 嫌なものを見た、とばかりに顔をしかめるのは魔女その2アリス・マーガトロイド。
 魔理沙の返事は湿った印象のあるアリスの声とは好対照に歯切れのいいもの、
「そりゃうちにあった本の表紙引っぺがしてラベル代わりに貼り付けただけだ。多分甘口の酒だからぴったりだぜ」
 無茶苦茶な理由付けをし、からからと快活に笑ってみせる。アリスはため息で返した。お供の上海人形・蓬莱人形も主人の仕草を真似てなどいた。
 その一方で、魔女その3パチュリー・ノーレッジは、一人しげしげと半眼気味のけだるげな視線で奇焼酎を観察していた。
「……凝っているようで糊付けやらレイアウトやらが甘い。34点」
「あー! なにすんだお前!」
 パチュリーは無表情にポエムラベルを引っぺがした。魔理沙が抗議の声を上げるが全く取り合わず、裸になったビンを蝋燭の明かりに透かす。
 光を透かさない濁った白色。
 なんとも不安な色味にパチュリーの表情がわずかに曇る。
「それはともかく。魔理沙、新しい醸造法と言ったけど――味は、安全は確認しているの?」
「こいつは出来立てのホヤホヤ、したがって開けてびっくり玉手箱だ」
「成る程。私たちが毒見役なのね」
「毒見じゃないぜ、楽しい試飲会だ」
 パチュリーはもうそれで何を言っても無駄と諦めたようだったが、アリスは納得いかないのか食って掛かる。
「魔理沙、貴女は『取って置きの酒を持ち寄って』飲み会をやるって言ってたわ。私はてっきり、貴女が棚の一番上にしまいこんでるものを持ってくると思ってたのよ」
「棚の一番上って言うと……ウヰスキーだな。なんだ、アリスあれ狙ってたのか」
「美味しいもの、あれ」
 アリスは膨れ面で頬杖を付いた。
「期待して来てみれば奇焼酎。これなら私もテーブルワインでも持ってくればよかったわ」
「奇焼酎言うな。で、アリスは何持って来たんだ」
「……これよ。結構取って置き」
 アリスが指でテーブルを軽く叩く。すると、上海と蓬莱がバスケットに入れられたワインボトルを引っ張り出してきた。人形らしからぬ滑らかで繊細な動きで瓶をテーブル中央に立てる。
「白ワインかこれ? ずいぶん古いな」
「貴腐ワインね。葡萄はフルミント」
 パチュリーがあっさり正解を口にする。
「ご名答。二十年物よ、この手合いは幻想郷じゃ珍しいでしょう?」
「そうね、紅魔館のセラーにもほとんど無い。あったとしても葡萄はソーヴィニョン・フラン。フルミント種のトカイ・ワインは希少ね。私も二十年物は流石に飲んだことが無い」
「抜栓してないものはそれで最後よ。トロッケンのアイスヴァンならまだ何本かあるけれど」

「……お前ら二人とも何の話してるんだ」

 魔理沙が少しいじけたように口を挟む。全く内容が理解できなかったのが悔しいらしい。ある種珍しい構図だった。
 その魔理沙を蚊帳の外に、妙に打ち解けた様子でアリスとパチュリーは話を続けている。
「貴女のはポートワイン? 甘口が揃っちゃったわね」
「メイドが持ってくるのは焼き菓子だろうし、どっちも合うわ。いきなり甘いもの持って来るあたり、あの子は今ひとつワインの飲み方がわかってないのよね……まあ、あとから辛目のものも用意しましょう――赤か白かはおつまみに合わせてで」
「あら、場所を提供させた上にもう一本じゃちょっと悪い気もするわね」
「ここのメイドは優秀だから、放っておいてもホストの役目ぐらいは果たすわ」
 珍しく、双方の魔女の顔には笑みが浮かんでいる。落ち着いた雰囲気で純粋に酒を味わうタイプの二人だけあって、それなりに気が合うようだ。
「悪くないわね、こういう席も」
「ええ、あとは――」
 穏やかに言い、二人は同時にため息まじりに呟く。

「「この奇焼酎の扱いね……」」

「だから奇焼酎言うなってば。これもお前らのに負けず劣らずの隠し玉だぞ? 味の想像も付かない酒なんてそうそうあるもんじゃなし、宴会にはもってこいだ」
 取り残されている魔理沙は、持ってきた酒のチョイスからもわかるように『酒は飲んで騒いで初めて美味い』という極右的思想の持ち主。この場においては野党だ。
「いやまあ、どこぞの巫女やら鬼が出張ってくるいつもの宴会ならそれでもいいのかもしれないけど、せっかく美味しいワイン揃えてるんだから、ねえ?」
「先に飲んで口直しをするか、後回しにしてうやむやにするかの二択ね。前者は舌がおかしくなる危険があるし、後者は魔理沙がさっさと飲めと騒いだ挙句ワインをかぱかぱ開けそうで怖い」
「お披露目のときにオーバーリアクションで机ごと叩き割っちゃうのが一番だったかしら?」
「それは駄目。図書館のかび臭さをようやく改善したんだから、得体の知れない酒を床にぶちまけて変な匂いをつけられても困る」
 アリスとパチュリーは好き勝手なことを言っている。
「お前ら、もっと物事を肯定的に考えろよ」
 それまでずっと立ちっぱなしだった魔理沙が憤然と椅子にかけた。帽子を取っているため、ボリュームのある金髪が椅子の背に絡んで落ちる。
「私は薬の調合に関してはちょっとしたものなんだ。その私が渾身で造ったこの……なんだっけ? ああ、銘酒『はなとゆめ』、それがまずかったり体に悪かったりするわけないだろ。お前らだって私に薬を作ってくれって依頼することがあるじゃないか」
「調薬の腕前は認めるけど、魔理沙はいつも一つ外したものを完成させるから不安なのよ」
 アリスは、魔理沙が昨年作成した『大きすぎて飲み込めない丹』と『本人含めて誰も知らない謎の爆薬・開発ナンバー80』を反証に挙げた。魔理沙の魔法全般につきものの『ちょっとした欠点』が味や毒成分の有無にでも現れていれば、えらいことになる。
 まだまだ言い足りないようでアリスはとつとつと文句を並べていたが――

 魔理沙はそれをあっさり無視して、いの一番に奇焼酎を抜栓した。
 ぽん、というよりは『BOMB』。コルクが抜けるにしては不自然なほどに重い音がする。
 不意打ちだ。
 身の危険を感じたアリスがとっさに椅子を引こうとして真後ろに頭から転倒、パチュリーは思いも寄らない俊敏さで横回転して距離をとり伏せる。

「さあさあ、文句言ってないでまずは駆け付け三杯だ!」

 二人のリアクションの大きさに構うことなく、魔理沙はグラスに奇焼酎を注いで回る。当然、ビールを注ぐようにグラスの縁ぎりぎりにまでたっぷりなみなみと、だ。
 白濁色だったはずの中身が、グラスに注がれるとピンクがかった透明になっていた。怪しい。
 三つのグラスから、同時にかなり大きい気泡が立ち上り粘質な音を立てて弾けた。それに対して、それぞれ恐る恐る元の席に戻ってきたアリスとパチュリーが再び同様の回避アクションを繰り返す。今度は警戒していた分、防御のためのスペルカードを構えるところまで行った。
「何をそんなに警戒してるんだ。いくらなんだって爆発したりしない」
 あくまで気楽な笑顔のまま、魔理沙は自分の分のグラスを手に取る。

「さっ、乾杯といこうか」

 アリスとパチュリーはアイコンタクト。
 『魔理沙が飲んで無事だったらOK』
 防衛本能に即した理解下のもと、緊張感あふれる乾杯の儀が始まった。
 アリスとパチュリーが恐ろしく精密な動作で、物理的に安定させたままグラスを持ち上げる。魔理沙はその仕草をじっと眺めていたが、大体目の前の高さになると同時、

「乾杯!」
「「!?」」

 遠慮容赦なくグラスを打ちつけた。
 魔理沙はアリス、パチュリーの順番に、打楽器を打ち鳴らすようにスナップを利かせて乾杯。粘度のある液体が中に入っているせいか、ガラスの音はやや濁る。
 顔色を無くし、硬直する二人をよそに魔理沙はグラスに口をつけた。

「「魔理沙……!」」

 正気、死ぬ気、と続く疑問形の言葉は、魔理沙がグラスの半分ほどを飲み干したことで引きつり固まった。アリスに至っては短く悲鳴まで上げている。

「……ぅぁ、効く」

 が、魔理沙は今のところ元気なまま。
 スプラッタな展開まで覚悟していた二人から安堵のため息が漏れた。
「ほらほら、早く飲めって。やっぱり予想通りちょっと甘口でイケる」
 笑顔で促され、アリス・パチュリーともに覚悟を決めた。死ぬことはあるまい。
 二人揃って、目を閉じ煽る。

 一口した瞬間、同時に目を見開き、アリスとパチュリーは見詰め合う。
 意外なほど、上品な甘さで美味い。

「な! 美味いだろ!?」

 得意満面の魔理沙に苦笑を返し、魔女三人はもう一度乾杯した。
 それがすべての始まりだった。
 魔女三人は、奇焼酎の色がまた少し変わったことに気付いていなかった――




§ § § § §




 異変に、最初に気付いたのは図書館の司書・小悪魔だったと言われている。
 そのことに関しては、『文々。新聞』上のインタビュー記事が詳しい。

『始めは、私もにこにこしながら見てたんですよ。ええ、パチュリーさまがあんなに楽しそうに笑っているのは珍しいですから。でも、今思えばその時疑っておくべきだったんでしょうね……あの笑い方は、どこかネジが外れていました。
 お酒をもっと持ってきて、と言われましてね。もう既にその時、テーブルには十本近い瓶があったんですが――どれが『あれ』だったのかはわかりません。
 そして、私がお酒の追加を持って行ったときですね。もう、始まっていたんですよ。
 ぞっとしました。
 完全に酔っ払いですよ、正気じゃない。パチュリー様が笑顔で、本を振り回してたんですよ。金髪の魔女――ああ、どっちも金髪ですよね。青い服を着ていたほうです。彼女をばっしんばっしん二キロほどある辞典で引っぱたいていました。叩かれるほうも笑顔ですよ。正気じゃない。
 私は早くその場を離れたくてしょうがなかった。
 お酒を置いて、すぐに逃げようとしたんです。
 そのとき、襟首をつかまれましてね――誰にだかはわかりません、見る暇もなかったですから。
 ものすごい声で怒鳴られました、『キャーベツーはどーおーしたー!』……え? 何を言っているのかって? 私にもわかりませんよ、とにかくそう怒鳴りつけられて……ガン! です。
 そのときの傷です……多分、椅子ですね。私はそれでもう気絶して、目を覚ましたときには図書館が崩壊しかけていました。ええ、あまり思い出したくはありません――』

 天狗の新聞、ということで誰もが捏造記事だと疑わなかったこの記事。
 だが、この時ヴワル図書館では、その通りの事態が起きていたのである。

 三人の魔女が、昏倒した小悪魔を前に顔を見合わせていた。
 すでに度を越した赤ら顔だ。

「やっちまったぜ……これから どうする?」
「こうまかんに、べつのおさけがあるかしら?」
「いってみる?」
「おれは どっちでもいいぜ」
「そうね。でももうあんまりおさけはないんじゃない?」
「いえてる。めぼしいものぜんぶ のんじゃったからからね!」
「いこう!」
「どこへ?」
「幻想郷へ(おれたちのせかいへ)!!」

 俺魔理沙に成り果てているあたり、もはや正気ではない。
 そんなノリで、三人の魔女は神殺しの勢いで外へと飛び出した。

 そして、魔女の奇行は冒頭の破壊劇につながる。




 § § § § §




 魔女たちは庭へと殺到した。
 先行して飛ぶのは魔理沙とパチュリー。アリスは一人、薔薇の花壇でくるくる回っている。
 正門へ向かおうとする先行二人は、既に異変を察知して館へ走っていた門番・紅美鈴と鉢合わせる。

「あれ、あいつは……なんだっけ?」
「味方よ。私の家の門番だもの」
「それじゃお前は?」
「多分敵、魔理沙は本を盗むし」
「そうか。じゃあ、あいつは敵の味方だから敵だな」
「貴女は敵で敵だから…味方ね」

「「いっしょにあいつをやっつけよう!」」

 途中でねじれた結果生まれた魔女同盟は、門番を一撃の下に粉砕。
 状況を理解できないまま大火力迫撃を食らって、美鈴は名乗りも誰何も悲鳴も上げる暇なく、もののみごとに吹き飛ばされた。

 ようやく、紅魔館の主力・メイド長十六夜咲夜が姿を見せたのはこのときだった。
 傍らには、状況を重く見たのか、それとも眠りを妨げられた怒りからか、当主である吸血鬼レミリア・スカーレットの姿も見えた。
「……よくもまあ、ここまで壊してくれたわね……!」
 彼女たちは玄関の被害状況に絶句。怒りに燃えて警告なしの迎撃を決意した。
 咲夜がナイフをスカートから引き抜き、レミリアが爪を構える。
 見るものに寒気を与えるほどの威圧感があった――

「やめて! 魔理沙を殺さないで!」

 緊張感を台無しにして横槍を入れてくるアリスに咲夜がナイフを投げた。
 額に当たる。

「私はどうなってもいいの!」

 あまり効いていない。
 とりあえず見なかったことにして後回しだ、と咲夜はレミリアに視線で告げる。早くも不安にとらわれ始めた主従だったが、気を取り直して前進を開始した。

 主戦線は魔理沙VSパチュリーだ。
 いつのまにか同盟が崩壊したらしく、景気のいい大火砲を真正面から交換し合っている。ただすべてとんでもない方向に狙いが向いているので、あたりに無差別破壊を振りまいているようにしか見えない。
 ほおっておけば、数分と持たず庭を全壊させてしまいそうな勢いだった。
 うかつには近づけず、距離をとったまま隙をうかがうレミリアと咲夜。それに気付いたのか、魔理沙とパチュリーの春だ一番大迷惑魔法合戦が中断される。

「あれ、あいつらは……なんだっけ?」
「味方よ。私の家の主とメイドだもの」
「それじゃお前は?」
「多分敵、魔理沙は本を盗むし」
「そうか。じゃあ、あいつらは敵の味方だから敵だな」
「貴女は敵で敵だから…味方ね」

「「いっしょにあいつらをやっつけよう!」」

 異常なくらい息のあった火力が放たれた。
 だが、流石は吸血鬼の名を関するレミリアだけはあった。

「面白いわ、本気で潰してあげる――! 咲夜、援護なさい!」

 言い捨て、真っ向から弾幕に突撃する。
 被弾面積を最小限に防御を固めて、弾丸速度で特攻。使い魔を容赦なく使い潰し、直撃コースの弾幕を力ずくで排除した。一度肉薄すれば吸血鬼の体力に拮抗できる存在は無い。
 その主の意図を完璧に汲んだ咲夜は銀のナイフで誘導弾を狙撃し、バックアップとしての任務を完璧に果たす。
 鉄壁のコンビネーションが、二大魔女の弾幕を食い破った。
 高速回転し貫通力と危害半径を増した紅い弾丸が魔女二人の中間点を切り裂き通り、魔女は左右下方に弾かれる。
 旋回し、狙う獲物は魔理沙だ。
 流石にパチュリーに対しては遠慮が多少はある。

 二人で止められなかったものが一人で止められる道理は無い。
 だが、魔理沙は不敵に笑った。少年誌的な笑みだ。

「やるな……だけど、私にはまだコイツがある!」

 魔理沙がミニ八卦炉を構えた。
 霧雨魔理沙の代名詞であり、その直線軌道の破壊力を体現するスペルカードの発射体勢だ。

「これはマスタースパークを超え……ファイナルスパーク、ファイナルマスタースパークをも超えた一撃必殺恋の魔砲! 名付けて!!」

 赤熱するミニ八卦炉を掲げ、魔理沙が赤ら顔で絶唱する。

「マスタースパーク!!」

 戻っていた。
 突進していたレミリアが思わず空中でコケる。
 その一瞬の隙だった。
 タッチの差で、巡り巡って初心に戻った無双の一発が開放された。
 まず、カメラのシャッター音にも似た、だが圧倒的に重い音が生まれた。
 同様にして現出した幾筋もの白光が柱状に絞られ展開する。光の柱は魔理沙を中心に直径二十メートルに及び、空に向かって天井知らずに延びていく。薔薇に彩られた庭が白く染まった。
 瞬間、空間に縫い付けられるかのように全ての運動エネルギーが打ち消された。飛び掛り爪を振り上げていたレミリアは自らの身体が不自然に硬直したことと、眩んだ視界の端に完全に運動を止め静止した銀のナイフを確認したことに絶句する。
 前奏たる白光の照射時間はコンマ以下。
 続く甲高い擦弦音は恋の魔砲の産声だ。
 そして本命が来る。
 射線が問答無用で爆裂した。
 生物無機物大小質量硬度その全てを問わず何もかもが砕かれ舞い上げられ、後方に向かって吹っ飛ぶ。濁音としか表現不能な低い一音として凄まじく響き、対照的な甲高い残響を残してすぐさま消えた。
 射撃シークエンスの全てが終わった後には、紅魔館の一角が完全に破壊されていた。
 被害半径は直撃を受けた二階東館を中心に三十メートルに及ぶ。レンガ造りの強固な構造により倒壊は免れたものの、紅い屋敷の全体が軋みを上げている。完全に大破した汲み上げ式の水道が、庭が丸坊主になる勢いで吹き散らされた薔薇の花びらを乗せて血のように飛沫いていた。
 館のシンボルでもある時計塔もわずかに傾いていた―――なにせ、時計盤の真下あたりにレミリアがめり込んでいる。ゼロ距離で直撃を食らって吹き飛ばされたレミリアは完全にのびているようでぴくりとも動かない。

「なんて威力……」

 顔色をなくした咲夜は呆然と呟いた。
 彼女はかろうじて直撃を免れたものの、爆風に打ち倒され地に膝を着いていた。
「その通り……なぜならば!」
 小柄な体を伸び上がらせて腕組みをしたまま、魔理沙は続けた。
「これはマスタースパークを超え……ファイナルスパーク、ファイナルマスタースパークをも超えた一撃必殺恋の魔砲! 名付けて!!」
「いやそれはさっき聞いたけど……一周してマスタースパークなんでしょう?」
「手を読まれた!? でもそんなことは関係ない、なぜならば本当の魔法使いは心にスペルカードを持っているから!」
 やり取りの方向性すら定まらないまま、魔理沙は手からビームを出して戦闘を再開。
 エビ反りポーズから放たれた直進光線を、空間を捻じ曲げて弾いた咲夜だったが、ベクトルを狂わされ生き物のように暴れるビームは館の破口をさらに蹂躙。素人目にも高級な家具が飾り物が砕けて乱れ飛ぶ。ついでに顔を覗かせていたメイドが二人ほど爆風に飲まれ、見上げるほど高くに吹き飛ばされた。
 さらに遠慮も容赦もなく続けざま放たれるマジックミサイル&レーザー。
 話がまったく通じない。
 咲夜は背にした噴水をかばうことを諦めて横っ飛びにそれを避ける。轟音。揮発する蒸気が火薬爆発に似た軌跡で粉砕された石造りを巻き上げる。
 頭から水をかぶりつつ、咲夜は空間を巻いての高速移動。本気の動きだ。
一気の接近を試みる咲夜に対する魔理沙の迎撃はわかりやすく、無茶苦茶だった。
スペルカードを掲げる真似をしてみせ、

「暖簾分けは既に完了! 今やこっちが本家の……ノンディレクショナルレーザー!」

 回転。さらにその状態で無差別にレーザーの乱れ撃ち。
「冗談でしょ……っ!」
 危なっかしくて近づけたもんじゃない、と咲夜は急制動をかけ後退。手持ちの五割近い銀のナイフを隙間に向かって投げつけるがそれもあっさりはたき落とされる。回転が反則的に速く死角があっという間に消えるのだ。
 ほぞを噛む咲夜の視界の端に、ようやく隊列を整え始めたメイド部隊を『元祖ノンディレクショナルレーザー!』などと元気に叫びつつパチュリーがなぎ倒している様子が映った。
 絶望的に戦意を挫かれかけた咲夜だったが、現在のシチュエーションを『ここはお嬢様が命をかけて守ろうとした紅魔館!』と思い込むことで何とか復帰(昆虫標本よろしく時計塔中段に埋まっているレミリアは主従補正で何とか美化)。設定的にはかなり苦しいが、適当なアップテンポの曲が流れていると仮定したのが功を奏した。
 そうこうしているうちに、戦いは再び三つ巴となる。
 魔理沙とパチュリーが本家と元祖で激突していた。譲れないところであるらしい。
 回転力が増してもはやまったく別のスペルカードと化したノンディレクショナルレーザー(本家と元祖)こと竜巻二つが鍔迫り合いをしていた。

「借りるだけだ! 私が死ぬまで!」
「もってかないでー!」

 竜巻からひょっこり顔を出した二人がなにやら言い合っている。
 そこをめがけてメイドたちが玉入れよろしく小弾やらクナイ弾やらを投げつけていたが、これは効果がありそうにもない。弾が当たりそうになると、頭の位置は竜巻の横に移動したりしていた。高速回転のおかげで頭がいくつもあるように見える間抜けな光景が咲夜のやる気を打ちのめす。
 だが、見た目に反して破壊力は疑うところもなく強大だ。
 帯電する竜巻はせめぎ合い縦横に蛇行。園芸用具を納めた小屋を踏み潰し、どう見ても体に悪そうな色の霧(農薬がぶちまけられたのだろう)を突風に乗せて撒き散らしていた。
 毒霧を浴び、かろうじて残っていた薔薇があっという間に褪色して枯れる。それを見たメイドたちが逃げ惑い、叫んでいた『状況! ガス!』。
 悲惨の一言だった。
 思わず咲夜は頭を抱えてため息。
 その直後、流れ弾が遮蔽物の陰から覗き込む咲夜の頭上を掠めた。ため息をつかなければ間違いなく当たっていた。
「……っ!?」
 異常に鋭い針弾が風を切って通り過ぎる感覚にぞっとする。慌てて回れ右の動作で引っ込んだ咲夜だったが、ターンした足が何かを踏みつけ転びかけた。

「むう……あれは超級はおーなんとか……」
「あら、美鈴?」

 踏んづけた気持ち柔らかめの何かが聞きなれた声でしゃべったので咲夜は足をどかした。
 美鈴は門柱に巻きつくような形で倒れていた。よくよく見ればいい感じに柱にめり込んでいて、ちょうど柱に巻きつく蛇の意匠と一体化している。美鈴は最初の一撃で詰め所からここまでの百メートルほどを吹っ飛ばされていたのだ。
「とりあえず助けてください咲夜さん……」
 頭からだくだくと出血している美鈴を引っ張り起こし(引っぺがし)咲夜は現状を簡単に説明する。
 煤煙を吸ったのかかなり不安をあおる類の咳を繰り返していた美鈴だったが、頑丈な妖怪らしく比較的早く正気を取り戻した。
「うう……死ぬかと思いました」
「私もよ、現在進行形で」
 咲夜の言葉を確認するように物陰からこっそり顔を出した美鈴は、庭で繰り広げられる一大ページェントを目の当たりにする。貧血気味の顔色がさらに蒼白になった。
 庭では丁度、金色になった魔女二人がエネルギーチャージの余波で岩盤ごと植え込みをめくり上げているところだった。その真ん中あたりでどこから現れたのかアリスが涙ながらに『止めて!私のために戦わないでー!』などと悲痛な叫びを上げている。膨れ上がる魔力は空気を帯電させ小規模の稲妻を走らせていたが、何故かアリスにはまったく当たらない――それとその足元には上海人形と蓬莱人形が手を繋ぎあって横たわっていた、演出の一環だろう。
 当然、全てにおいて意味不明理解不能だ。

「さて、どうしましょう?」
「さあ、どうしましょう?」

 引きつった笑顔で微笑み合った二人は、次の瞬間大爆音に殴り倒された。
 ストックホルム症候群の一種か、咲夜と美鈴は固い絆で結ばれた姉妹のようにお互いをかばい合って立ち上がる。
 ソニックブームでくの字にひしゃげた門柱(鉄芯入りだ)の向こうでは、魔女二人がアリスを大岡裁きの真っ最中。攻防は一進一退。そのたびに衝撃波が走り、何かしら物が壊れる。マーフィーの法則なのかなんなのか、高そうなものから壊れていくのが素敵極まりない。
 アリスを巡って(そう見える)死力を尽くす二人の争いはさらに激化していった。
「そいつをよこせ! わたしはかみになるんだ!」
「ころしてでも、うばいとる!」
 なにか呪術的な力を持つらしい古語が新たな力を呼び覚まし大地を割った。 左右から引っ張られるアリスはといえばなんとも嬉しそうに泣いている。
 あまりといえばあまりな光景に貧血を起こしかけた咲夜を、今度は美鈴が抱きとめる。
「駄目です咲夜さん! この展開で寝たら八割強館炎上エンドです!」
「そうね……希望を捨ててはいけないわ……例えば、あの三人が潰しあってくれればもしかしたらなんとかなるかも」
「そ、そうですね! どう考えても和解なんてありえそうにないし――」
 涙ぐみつつ明るく言って、美鈴は振り返った。

 魔女三人が手を繋ぎ扇の形を作っていた。
 戦いの果てに分かり合ったらしい。やたらと早いが。
 日の丸背負った組体操が末広がりの虹色レーザーを七本、放射状に放っている。
 奇数弾だ。
 バリケードに直撃する。

「っきゃああああああああああ!?」

 抱き合ったまま二人は吹っ飛んだ。
 ピンボールよろしく壁に瓦礫に弾かれ、結局ただただぼろぼろになってスタート地点に戻ってくる。どういう力が働いたのか、二人の絡み合った体勢は卍固めの格好になっていた。
「……だー」
「咲夜さん、諦めちゃ駄目ー!」
 なにもかも嫌になった、と言いたげな口調で呟く咲夜を振りほどき、美鈴はその肩を揺すって励ました。美鈴も涙目ではあったが。
 いまや名実とともに破壊の権化となった魔女三人はその光景を見て、何か感じ入るものがあったようだった。深く頷き、妙に真っ直ぐで曇りない目で揉み合う二人を見詰めている。

「あれを見なさい! あの友情の力!」
「いい勝負をしよう! いい勝負とはいい弾幕ごっこをすることだ!」
「私は人形遣いなのよ!」

 そういう鋼鉄リーグな結論が出たらしい。
 戦いはついに四つ巴になった。
 はた迷惑なことに、魔女三人は全員が揃って全方位への無差別飽和攻撃を選択した。普通の白黒魔法に人形遣いの七色魔法、月火水木金土日の七曜魔法。全スペクトルを内包する魔法の無秩序な炸裂は、絵の具を片端から混ぜ合わせたような濁った色を作り出す。
 そして三人が三人、何故か回る。
 形状美もへったくれもない最悪の高密度弾幕が紅魔館を嘗め尽くした。壁の塗装がはがれ、窓ガラスのことごとくが砕け散る。それまでは奇跡的に被害を免れていた西館までもがここに来てついに被災した。
 もはや避けるとかそういう次元の話ではない。
 咲夜と美鈴はバリケードを作り、タコツボを掘って潜り込むことでなんとか生き延びている。運良く惨状に生き残ったメイドたちも同様だ。
 現状はどう好意的に見ても弾幕戦というより、陰惨な塹壕戦である。
 戦況は刻一刻と悪化していた。
 そしてまた、思い出したように大きいのが来る。
 申し合わせたように魔女三人が斉射した極太レーザーが互いに干渉しあい、ここでもまた申し合わせたように三発全部が紅魔館に大仰角で突っ込んだ。

「テラスに直撃弾! 崩れます!」
「ヴワル図書館への通路が爆砕されました! 小悪魔とメイドが生き埋めです!」
「地下ワイナリー被雷! 赤三十年物全滅、白の損耗率80%超!」

 生き残りのメイドたちによる悲鳴交じりの被害報告。
 どれもこれも深刻だったが、とりわけ後ろ二つは大きな意味を持っている。紅魔館内部の重要区画、館の構造上重要なブロックには咲夜自信が施した空間制御による一種装甲板のようなものが張られている。例えば、館の中心を走る大動脈のような通路、貴重品・食料の多くが保管されている地下倉庫群、またレミリアのプライベートスペースである紅の間――そうした紅魔館の心臓部ともいうべき場所にまでついに被害が及んでいる。わかりやすく言えば度重なる衝撃にとうとうバリアがぱりんと割れてしまった。
 もはや紅魔館には通常建築物と同様の耐久力しか残されていない。
 レンガは砕ける、木は燃える。大理石の支柱だって折れるのだ。
 運が悪ければ支柱基部に直撃を受け一発倒壊、どれだけの悪運に恵まれても館自体が傾いてしまうのにそう時間はかからない――

 咲夜は決断した。
 これ以上は館が持たない。帰るべき家が持たない。
 紅魔館を無くすわけにはいかない。
 それは何にも増して当然のことだ
 咲夜は眦を決して生き残りの全軍に叫ぶ。

「紅魔館メイド部隊に告ぐ! 全軍突撃、全軍突撃!」

 咲夜が銀のナイフを展開させる。
 数は十二本。生き残りの戦力と同数のそれは、魔女三人にではなく、味方であるはずのメイドたちの背に突きつけられた。美鈴と、咲夜自身の背にも匕首は突きつけられる。
 何を、と問うものなどいない。
 咲夜の纏う不退転のオーラは視認さえ可能なほど高まっている。
 その牙はメイド、肉体はメイド、燃える瞳は原始のメイド。
 ミステリアスジャック改めバイオレンスジャックとなったメイド長の伝える意思はただひとつ。
『後退は死あるのみ』
 無体で明瞭な不退転の証。ロシア式だ。
 咲夜を含めて、自暴自棄で熱狂的な戦意が彼女らに湧き上がった。

「私と門番を衝角に全戦力を以て突進! 一挙に我等がホームを蹂躙する魔女を撃滅する!」

 咲夜は七色の弾丸荒れ狂う中すっくと立ち上がり、構わず手刀を振り上げた。
 何発かが掠め出血するが、咲夜は表情一つを変えない。彼女は戦乙女のように凛々しく傲慢な口調を意図無くして作り上げていた。
 横で青くなっている美鈴を前線に蹴り出し、咲夜はナイフと呼ぶにはあまりに無骨で大振りな銀色の肉切り包丁をスカートから引き抜いた。
 長は蛮刀を十字に構え聖堂騎士の如くに宣言する。

「瀟洒に果敢に、私の後に続きなさい! いまや円卓の騎士となった侍従たち!」

 叫んだ。

   レミリア・うー
「――お嬢様万歳!」

 連鎖した。
 庭仕事の鎌を、鍬を、バケツを。料理用のナイフを、フライパンを、雪平鍋、すりこぎを。生活の一部だったガラス片を、石くれを、鉄骨を――思い思いの武器を掲げメイド達が従い叫ぶ。

「万歳!」
「万歳!」


「「「お嬢様万歳!!」」」


 血には血を、パンにはパンを。
 無茶には無体を、無理に無謀を、荒野に花を、明日に希望を――戦争を教えてやるそのために侍女と門番、彼女たちの長は魔女の造る鉄と炎の庭に破城槌となり突撃する。
 それを疾風怒濤が、虹の七色が、輝ける一週間が迎撃した。
 第一抵抗線には幻・時・彩・魔・恋・火・金・操のスペルカード8枚が集中する。焦点となった薔薇の花壇が轟然と爆裂、蒸発した。
 咲夜と美鈴のスペルを相殺し突き抜けた弾幕に、左翼のキッチン部隊が直撃を受ける。
 真正面から大河が衝突し覇を競う原初の闘争を潜り抜けたのは8名、瞬く間に三割を超える損害を出すが指揮官は怯まず、また天を突く士気も止まらない。
 魔女の言葉を鉄血の拳で破らんと、人と妖怪は屍を乗り越え前進する。
 それは印象派が描く宗教画のような光景だった。




 § § § § §




 紅魔館地下、ヴワル魔法図書館。
 振動に数千冊の蔵書がぶちまけられ、きな臭い埃の漂う空間は今も緩やかに崩壊を続けていた。書架から落ちた本が、振動にさらされ生き物のように蠢く。
 頭に巨大なたんこぶをつけた小悪魔をリーダーにして続けられていた必死のダメージコントロール作業も、東西にそびえる最大規模の未整理書架が倒壊したことでむなしく全員生き埋めの結果に終わっていた。
 その結果として生まれたのが、この本の海だった。
 ヴワル図書館は中央のテーブル(飲み会の場所になった始まりの地だ)を除き、見事なまでに崩壊している。
 だが奇妙なことに、テーブル上は何故かそれほど荒れていなかった。
 件の奇焼酎のビンは倒れて中身を床にぶちまけてはいたが、あれほどの揺れにもかかわらずテーブルから落ちていない。机上の燭台も、図書館でただひとつの明かりを湛えたままだ。
 皮肉にも、始まりの場所は姿をそのままに保ち続けている。
 その場所で、もうひとつの始まりが起ころうとしていた。

 ――小さな手が奇焼酎のビンを拾い上げ、舞台は新たな幕を開ける。




 § § § § §




 戦いは十分ほど続いた。
 わずかそれだけの間に、さまざまな事がおきていた。
 愛も芽生えた。名台詞もあった。死亡フラグもよく立った。総評していい最終回風味だった。

 迂闊に『今日の献立ってなんだっけ? パインサラダ?』と口にしたメイドが不意打ちを受けて吹っ飛ばされたり、危ないところを助けられた犬猿の仲のはずの同僚に『私ほんとはあなたのこと』と口走ってもろともになぎ倒されたり……美鈴と咲夜に大事にしていた鉢植えの世話を頼んで吶喊したメイドもいた。
 無尽蔵の反則スペルに一人また一人と戦力を撃ち減らされた紅魔館防衛軍は、旗艦である咲夜が柄にも無く美鈴を庇い(ノリだろう)超大型星弾の頭部直撃を受け轟沈したことで事実上無力化した。
 一方、三人のおじゃ魔女もまた、それなりの損害をこうむっている。
 魔理沙は赤ら顔を通り越して紫色に顔色を変えつつあるし、パチュリーは詠唱のしすぎでヤバい感じの咳を繰り返している。アリスにいたっては間接部に十年単位で油を差していないロボットよろしくの怪しい機動だった。
 それでもなお、魔女たちは最高のテンションで戦い続けている。酔えば酔うほど強くなる、まったく以て度し難く手におえない。
 東館中央支柱基部を損傷した館は、ついにその威容を傾がせていた。
 時計塔も、だるま落としのように中央部だけをそっくり失っている。戦闘終盤、魔理沙が放ったマスタースパークを振り回す荒業『マスターホームラン』により、埋め込まれたレミリアごと地平線のかなたに中央部ブロックをかっ飛ばされたのだった(付記すると、その際打ち返されたパチュリーの『セントエルモピラー』は地下水脈弁に直撃し館を半ば水没させた)。

 突入部隊のうち、現在動けるのは美鈴一人のみ。
 その彼女もスペルカードを使い切り重傷。戦闘続行はもはや不可能だった。
 美鈴が完全に脱力した咲夜を抱え、何とか瓦礫の影に転がり込む。
「……あなただけでも逃げなさい」
 クライマックス風味の優しさがにじんだ咲夜の言葉に、美鈴は絶句する。
「もうここにあなたの守るべき門は無い……私はここを離れられないけど、貴女は違う。貴女は誰にだって愛される、誰だって愛せる……」
「さ、咲夜さん!? 駄目です! 忘れてるかもしれないですけど、これどう考えてもシリアスに全滅エンドは無い展開ですよ絶対!」
「そうね、きっとこれは全部夢。私は紅茶の匂いで目を覚ますの、そこはいつものお茶の席で、皆がうたた寝していた私を笑って、私も笑う、そうしたらお嬢様も笑って……うっ……」
「うわあ! 咲夜さんマジ泣きしてるー!?」
 あくまでカッコよさげな方向に現実逃避しようとする咲夜を、美鈴はぶんぶか揺さぶってこっち側に戻そうとする。ここで本当に一人にされては堪らない。三対一では袋叩きだ。
 美鈴は言葉の限りを尽くして咲夜を元気付けよう発奮させようと頑張った。太鼓持ちから自分を卑下する後ろ向きな姿勢にシフト、宗教的な信奉とほめ殺しの境界線上に言葉が乱れ飛び、ようやく咲夜の目に光が戻りかけてくる。

「ああ、そうね……私はもっと頑張らないと、貴女みたいにヨゴレっぽく頑張らないと……」
「そうです! ええその通りですともええ! 思うさま汚れてください咲夜さ――」

 涙を流しながらの言葉が呑気な叫び声に遮られた。

「今日は調子がいいから取って置きの宴会芸を見せてあげるわ!」

 通りのいい声。
 あまりに溌剌とした物言いに、全員が全員、パチュリーの声であるとは一瞬気付かなかった。
 美鈴は背中を走った悪寒のままに振り向き、絶句した。
 その視線を追った咲夜もまた、目を見開き言葉を無くす。

 太陽が膨れ上がっていた。それも、ごく間近に。
 天高く舞い上がったパチュリーが、紅魔館に匹敵するほどの巨大な熱球を捧げ持っている。
 絶望的な光景だった。
 パチュリーの最強スペル、日符・ロイヤルフレアだ。それも規模が尋常ではない。
 魔理沙とアリスもまた、花火に見とれる子供のように茫漠と赤熱する空を見上げている。だが、その沈黙に緊張感が伴っていないのはだらしなく半開きになった口と、漫然と拍手を続けていることから良くわかる。
 もう駄目だ、と咲夜が完全に意識を手放した。
 美鈴もがっくりとうなだれる。
 それをよそに、魔理沙とアリスはどこかネジが外れてしまったテンションで叫び始めた。

「私のマスタースパークにそっくりだ!」
「リトルレギオンもだ!」

 似ていない。特にアリスがひどい。
 だが当然、突っ込む余裕のあるものは誰もいなかった。

「四倍だー!」
「パチュリーに撃たせろ!」
「夢だけど!」
「夢じゃなかった!」

 魔理沙とアリスはひたすらはしゃいでいた。
 術者であるパチュリーもまた自身の『取って置きの宴会芸』に対するリアクションに満足し、口の端を吊り上げるニヒルな笑みを見せていた。
 魔理沙とアリスは全身をかがめ、1・2・3のタイミングで大きくジャンプを繰り返していた。邪神を呼び覚ます奇怪なダンスにしか見えない挙動だった。何故か足元の雑草が永夜事変を髣髴とさせるすごい勢いで伸びている。

 呆然と見詰める美鈴の目に、決定的なものが映ったのはそのときだった。
 パチュリーがほんの小さな、可愛いしゃっくりをした。

 瞬間、空がズレた。
 太陽に手を伸ばす蔓草が煙も残さず蒸発した。
 圧倒的な危害半径を持つ熱火球が投げやりな放物線で自由落下。着弾にはるか先駆けて直下の正門が飴のように溶け、灼熱した大地が溶岩の池を作る。門番詰め所の小屋が地獄の沼に飲み込まれ消えた。
 超ド級のファイアーボールが紅魔館を飲み込まんとさらに膨れ上がる。上空ではついでに術者自身であるパチュリーも火達磨になっている――が、元気そうではあった。いまさら発射ポーズを作って大見得を切ってなどいる。
 空気が膨張し空が裂ける音は雷に良く似ていた。
 空間を伝播して無秩序に熱が溢れる。横倒しになっていた植木が沸騰して内部から破裂炎上、百メートル以上離れた館にまで火が着いた。
 危険を感じない限り火遊びは原始的に楽しい、魔理沙とアリスは大喜びだ。二人とも熱源に近すぎて服がごうごう燃えているが全く気にもしていない。手のひらを太陽に、フィールド全開と叫んで着弾地点に走り寄る。
 その終末を讃えるサバトのような光景を美鈴はぞっとした顔で眺めていたが――それどころではないことに気付いて逃げようとした。だが、怪我を負った上に咲夜を抱えている。もとより逃げ切れるものでもない。諦めて、最期まで心だけは清くいよう、と咲夜に覆いかぶさって目を閉じた。

 その瞬間――轟音が周囲を圧した。

 何百枚という数を重ねたガラスを一息に割ったような、重く透明感のある破砕音。
 物理を超えて発生した絶対破壊の効果音に、美鈴は引きつった悲鳴を上げて身をすくめ、腕の中の咲夜を抱きしめる力を強くする。
 その力の強さと押し付けられる美鈴の胸の圧力に目を覚ました咲夜は見た。
 怒りを通り越し愛さえ覚える美鈴のバストと、その向こうで太陽の砕け散る様を。
 水面に落ちる月へ石を投げたように。
 虚像の映りこむ鏡を叩き割ったように。
 つまりは全く現実感無く、事象そのものが木っ端微塵に砕け散った。
 火球は立体を失い円となり、色をも無くし、遂には握りつぶされるようにして割れ崩れた。断片は空気に溶けて消え、後には何も残らない。保持していた膨大な熱量さえもが完全に破壊しつくされていた。
 空間破壊によって生まれた真空に空気が流れ込む引き戻しの突風だけが、コンマ以下に展開された惨劇の規模を伝える唯一の証人だ。
 猛烈な風圧に時計塔上部が落下した。それで今度こそ致命的に歯車が狂ったのか、ひしゃげて変形した鐘をハンマーで叩く音が止まらない。めくれ上がった地面に接触した鐘の音は内に篭って、打楽器に似たものになる。紅魔館には、そのティンパニーのような打撃音が周囲を圧してBPM120、マーチのリズムで轟いていた。
 それを大仰なBGMに、圧倒的な存在感を持つ何かが真紅の炎と共にせりあがってくる。
 流石に呆然とする魔女三人の前に、奇怪な翼を持つ影が現れた。吹き飛んだ館最上部――屋上展望台に酒瓶担いだ腕組みのシルエットが浮かび上がる。

「妹……さま?」

 美鈴に抱きつかれたままの咲夜がか細く呟く。
 悪魔の妹、フランドール・スカーレットはただそこにいるだけで周囲を畏怖させるに十分な存在感を示していた。姉であるレミリアをも上回る、貴種の威厳と圧力が無言のうちに発散される。
 ガラスの割れる音がもう一度。
 フランドールが四人に分身した。
 リミッターの外れた魔女三人以上に絶望的な破壊の空気を纏い、紅魔館の最終兵器フランドール・スカーレット(WITH ファーオブアカインド)は戦場に降り立った。
 酒瓶片手に。奇焼酎片手に。酔いどれ風味で。

「だ、駄目です妹様! 今出てきては!」
「はッじまるよー!」

 やり取りひとつで完全に酔っ払っていることが判明した。
 何もかもを諦めた者だけが作れる笑みを浮かべて、咲夜が再び卒倒する。
 それでも、美鈴は食い下がった。普段からややアレなフランドールが、酒の影響で少しまともになっている、という展開に一縷の希望を託す。

「い、妹様! この惨状はあの三人が――」
「大丈夫! 紅魔館はこんなに紅いのにお姉さまは好きだという!」

 フランドールは力強く意味不明な言葉を作り、奇焼酎をラッパ飲み。いつも以上に壊れていることがあっさりと判明した。
 手持ち無沙汰風だった分身が凄まじい速度で三人の魔女に密着し、掴んで、ダンスのステップで振り回す。何故か帯電している。
 魔女と悪魔のダンスは大回転しつつ、館と外壁を突き抜け加速する。
 ひとしきり指揮者のようにリズムを取りながらそれを楽しんでから、フランドールは見ているほうが恥ずかしくなるぐらいポップでキャッチーな決めポーズを作った。
「コンパロコンパロ、私よ集まれー!」
 それを合図に分身が消える。いや、再合体する。
 一度四人に分身して、再合体するとパワーが四倍。根本的な数の理解が壊れているからこそできる芸当だ。
「さーらばいばいさらばー地球よー♪ こんないいお天気の日にお別れするなんて本当につらい!」
 気分よく鼻歌を口ずさみながら(というかもはや歌ではない)、四倍フランドールの小柄な体がゆらゆら揺れる。
 揺れは次第に大きくなり、最後には展望台から落っこちた。
 だが、歌だけはのんきに続いている。
 肘の関節が逆方向を向いた細い腕が突き出され、握りこぶしを作る。
 無邪気な声で朗じられるフレーズは、絶叫で結ばれた。

「地獄の門が閉まっちゃう♪ ほぉら……捕まえたぁッ!」

 紅魔館がひしゃげ、何もかもを道連れにすり鉢上に崩落した。
 爆風が来る。
 中心に向かって収縮し、キノコ雲を作る流れだ。

 ……それを最後に、美鈴の意識もとうとう飲み込まれて消える。

「ごめんなさい咲夜さん……やっぱり全滅エンドでした」

 昏倒したメイド長に詫びて、美鈴はむしろ清々しく気絶した。




 § § § § §




「……やあ、いらっしゃい」
「鉄骨二十本とガラス二百枚、木材5トンと――それと、拷問具を売ってちょうだい」

 空から降ってきてガラス窓から突入、窓際陳列台を大破させ床にめり込んだレミリアを、香霖堂店主は比較的穏やかに迎え入れた。
 その横で、霊夢が絶句している。珍しいことだった。

「……なにがあったのよ、レミリア」
「……ろくでもないことよ」
「って、お店こんなにして! 何考えてるのよ!」
「それどころじゃなかったのよ!」

 流石に怒鳴る霊夢に、怒鳴り返すレミリア。
 そのままもみあいが始まるがただでさえぼろぼろのレミリアに勝ち目など無い。あっさりと霊夢に取り押さえられてしまう。

「何があったか知らないけど、ちゃんと説明しなさい!」
「だからろくでもないことがあったのよ! ああもう! なんで私がこんな目に――!」

 瞬間。
 ガラスの砕ける音が店内で炸裂した。轟音が店の半分を一気に壊滅させる。
 床が吹っ飛び、その下の地面がえぐれ――

 そこに、フランドールがいた。

「ふ、フラン!? なんでここに!」
「ワープです!」

 腕組みし、あまりにも堂々と背をのびやかすフラン。
 当然、まだまだ酔っ払いだ。

「お姉さまと私の絆に、もはや距離など関係ないのです!」
「いや、そういうことじゃなくて!」
「私は本当に馬鹿だったわ……地下に閉じ込められているとか、どうでもいいの! 外に出られれば、なんて思うものが本当の遊び相手を見つけられるはずが無いもの!」

 口上などどこ吹く風、霊夢が立ったまま気絶している霖之助を担いで逃げ出した。

「きっと、本当の吸血鬼は……本当の悪魔の妹は!」

 レミリアは確信した。

「心に紅魔館を持っているのだから!」

 爆発オチだ。








誰もが脊髄反射で思いついたネタを誰よりも派手に!

……コンセプトが間違っていた気もする。反省はしていない。





4/15

段落頭があんまりにもあんまりだったのでいくつかの誤字脱字と併せて修正。
なんというか、その、予想外に過ぎる高い評価には皆様の懐の深さを実感せずにはいられませんw
読了、コメント、本当に感謝します。




追記:こんぺスレの540さん、正解です。

                                                                           今日も夜勤前@二俣
夜勤前
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2006/03/25 06:35:56
更新日時:
2006/04/18 15:28:03
評価:
0/0
POINT:
0
Rate:
5.00
1. 10 ■2006/03/25 02:23:48
全編大爆笑。文句なし!何かが間違ってる気もするけどそんなこと気にしない!
2. 7 月影蓮哉 ■2006/03/25 16:52:29
魔理沙襲撃シーンで「ANGEL ATTACK」が脳内再生された月影です。
こういう弾幕ごっこは個人的に大好きです。オブイェークト。
3. 9 落雁 ■2006/03/25 20:28:34
真剣に馬鹿をやっている文章は大好きです。
4. 10 kt-21 ■2006/03/26 18:49:52
ああもう笑いが止まりませんでした。

   レミリア・うー
「――お嬢様万歳!」

ステキに無敵ですわ。
5. 4 爪影 ■2006/03/28 16:38:28
酔う事は、気持ち良いですからね
6. 10 名無し妖怪 ■2006/03/29 01:33:34
突き抜けて突き抜け過ぎて美しさすら感じさせる。
7. フリーレス 反魂 ■2006/03/31 00:24:37
ごめんなさい、私にはちょっと分からない……
読ませては頂いたのですが、採点辞退ということでご勘弁を。
申し訳ないです。
8. 9 名前はありません。 ■2006/03/31 19:42:19
息切れせずに読めました
大変面白いです
9. 6 つくし ■2006/04/02 14:38:13
なにこのカオス。咲夜さんの勇姿に全幻想郷が泣いた。すがすがしすぎていろいろ測定不能ですが楽しませて頂きました。ごちそうさまです。
10. 6 Fimeria ■2006/04/04 01:46:03
小悪魔のインタビューから始まり笑いが止まりませんでした。

酔っ払いの凄まじさと理不尽さというのを肌で感じるような壊れたギャグ物と思えました。
ネジがぶっ飛んだ三人の魔女(特にアリスが酷い)+最終兵器の動かし方やギャグセンスに脱帽です。

壊れた三魔女に6点を
11. 8 水酉 ■2006/04/04 07:00:52
最後までネタで押し切ったナイス力業に敬意を。

  レミリア・うー
「――お嬢様万歳!」
12. 6 おやつ ■2006/04/05 00:19:23
この酒に元ネタってあるんでしょうか……?
いや、そんなことは些細なことか。
非常にわらかしていただきました!
いやもう……ぶっ壊れお邪魔女トリオ最高w
そして妹様を加えてカルテットw
もう手が付けられませんな。
特攻していった円卓の騎士達が非常に熱かった!
「レミリア・うー!」
13. 7 藤村琉 ■2006/04/07 02:00:30
 酔っ払って大暴れするならこれくらい書いてもらった方がむしろすっきりします。
 だから好きだ。
 特にアリスがひどいところがひどくてたまらない。
 あくまで格好よさげな方向に現実逃避する咲夜さんも好き。
 最後もしっかり締めてくれていますし、レミリアの立つ瀬がなくなってますがまあそれはそれで!
14. 9 かけなん ■2006/04/10 01:35:30
失礼かも知れないが言わせてもらう。
何このハイテンションお馬鹿たちwwwww

褒め言葉です、褒め言葉なのです。
15. 8 papa ■2006/04/11 02:03:42
単なる酔っ払いの暴走をここまで事細かに、しかも面白くかけるのはすごいです。
本当に酔っ払った魔女たちは恐ろしいですね。
16. 7 MIM.E ■2006/04/11 21:43:18
爆発オチは!? 
<ふぉんと=すごくおっきい>
どっカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!</ふぉんと> は!!!??
いやもう救いの無さと思い切りの良さに乾杯
17. 9 木村圭 ■2006/04/12 02:44:42
ちくしょう、マイ幻想郷が崩壊しちまったじゃないか! 面白すぎました、それこそ酔ってしまうくらいに。もうカンパイだよ、アンタ最高だ!
18. 7 とら ■2006/04/12 05:12:27
酔っ払い最強説。
幻想郷の終わりを垣間見ました。
19. 10 K.M ■2006/04/12 20:12:57
素晴らしきヒィッツパチュリーとかなんとか覇王電影弾とか…このネタ密度には畏敬の念しか浮かばびませんでした
20. 10 ぱじゃま ■2006/04/12 21:09:24
ギャグにもかかわらず、震えるほど感動しました。
21. 8 偽書 ■2006/04/12 21:58:01
レミリア・うーーーーーー!!(挨拶 いや、返す返すも素晴らしい、或いは凄まじい。超大作、お疲れ様でした。
22. 8 ■2006/04/12 21:59:02
一周してマスタースパーク吹いたw
いや、とにかく笑わせてもらいました。ごちそうさまー
23. 7 椒良徳 ■2006/04/12 23:39:00
御免なさい。時間がないようなので、コメントはまた後日書かせていただきます。
24. 8 名無し ■2006/04/12 23:58:10
序盤はものすごい川上臭があったんですが途中から文体が変わって
……と、そんなことはどうでもよくなるくらいただただ笑いました。
名前 メール
評価 パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード