それは大切なものだから

作品集: 最新 投稿日時: 2006/10/22 16:21:45 更新日時: 2006/10/25 07:21:45 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00
今日もいつもどおりに目が覚めた。
窓の外に目をやるとまだ太陽は東の空の方にあった。
いつもどおり、本当にいつもどおりの朝。
主が起きている間は主の世話を、主が眠りにつけば残っていた仕事をこなしてから床に入る。
もっとも、当館の主人は血を吸う魔物であり、夜行性であり、尚且つ自分勝手に行動するため、それに付き従う私の睡眠時間は日によって大幅に変わるのだが。
昨夜は(といっても、日が昇り初めていたので今朝と言った方が良いのかも知れない)割と平均的な時間に眠りにつかれたために、私の睡眠時間も安定して取ることが出来た。
まぁ、「睡眠に必要な時間」は私にとっては余り問題視することではないのだけれども。
部屋の壁にかかっている時計を見ると、眠りについてから片手で数えれる時間しかたっていないことが分かった。
とりあえず体に残っている眠気を払うために上半身だけを起こしてみる。
両手を上に挙げて、ぐるぐると首を回す。
肩にかかるか、かからないかといった長さの髪の毛が頭の動きに合わせて揺れ、寝巻きと擦れる音が静かな部屋に響き渡る。
暖かな寝床がかなり魅力的な誘惑をしかけてくるのを振り払い、ベッドから起き上がる。

「あー、もうそんな季節か」

暑い夏が過ぎ、すごし易い秋ももうほとんど終わりに近づいている証拠なのか、素足のまま着いた床は僅かに残った眠気を完全に吹き飛ばしてくれるほどに冷たかった。
この館には寒さで死ぬような柔な住人はいないけれど、それでも寒い事が嫌いなのに変わりは無い。
暖炉にくべる薪が冬の間尽きることが無いように、部下のメイド達に指示を出さなければ。
そんなことを考えつつ、クローゼットの扉を開く。
中に並んでいるのは同じデザイン、同じ色のワンピースとエプロン、それにカッターシャツ。
そういえば、と自分の今の姿を見てみる。
さすがに疲れがたたったのか、寝巻きに着替えるのを不精してしまい、昨日は糊が利いてしっかりと形を保っていたシャツが、今はよれよれになっている。

「また、やっちゃった」

普段はしっかりと仕事をこなしているのだが、どうにもエプロンを外すと気が緩むようだ。
今月に入って何度目だろうか、などと考えつつ、クローゼットから替えのシャツを取り出して着替える。
床から上がってきた冷気が、露わになった素肌に厳しく突き刺さった。
今年は冬の訪れが例年よりも若干早いようだ。
館のある島の外に広がる湖では、冷精が無邪気に喜んでいるだろう。

「今年は暖炉に火を入れるのを早めたほうが良いか……」

エプロンをキュッとしめて、頭の上につけたプリムの位置を微妙に調整する。
緩んでいた心が、音を立てて引き締まったような気がした。
どの部屋にもひとつは置いてある姿見に身を写し、不備がないかチェックを入れる。
皆の手本たるメイド長は、完全で瀟洒でなくてはならないのだ。
問題が無いことを、念を入れて三度確認した後、使い込まれてはいるがそれ自体が良い味をかもし出している机へと向かう。
机の上に置かれた小さな箱を手に取り、もう片方の手で机の一番上の引出しからその箱に見合った小さな鍵を取り出す。

カチリ

静かな部屋に小さな箱についた小さな鍵が開く音が、大きく響いた。
箱の中には、大事にしまっている銀色の時計とそれに繋がった鎖。
『ルナ・ダイアル』
それがこの銀色の懐中時計の名前だ。
傷など付けぬようにそっと取り出して、鎖を首に通す。
長いとは言えない髪の毛が、この時は楽で良い、そう思った。
さて、身支度はこれですべて整った。
今日も今日とて、万事いつもどおりにすむとは限らないが、完全で瀟洒なメイド長であるために

「がんばりますか」

廊下への扉を両手で開いた。





幻想郷の中にある大きな湖の中にある島、その中にある建物。
ここは紅魔館、吸血鬼であるレミリア・スカーレットを主に、以下数百人の妖怪メイド達が暮らしている場所である。
そんなメイド達を束ねるのがメイド長、私だ。
メイド長の下には掃除、洗濯、料理に庭の手入れ等それぞれの部門の責任者がいるのだが、それらを管理指示するのは結局のところメイド長の役になってくる。
ようするに、私は毎日多忙なのだ。
人手の足りない場所へ援護にでかけ、廊下で目にとまった汚れを洗い、偶に訪れる客をもてなし、招かれざる客のもてなしも行う。
さらには日が沈む頃に起きてくる主に目覚めの紅茶をいれ、その後は主が眠りに着くまで行動を共にする。
削れる時間といえば、睡眠時間くらいのものだが、幸い私にはそれは余り関係のないことだった。
今日も仕事に忙殺され、気がつけばもう夕暮れ時を迎えていた。
主の部屋のそばにある主専用のキッチンにて私自らが紅茶をいれ、主の部屋へと向かう。
コンコン、と二つノックを入れた後

「お嬢様、起きられていますか?」

こちらの声で起きたのか、それとも既に起きていたのだろうか、入室を許可する声が返ってきた。

「失礼いたします」

扉を開け、一礼。
ベッドの上で上半身を起こした主を視界の端にいれつつ、そばにある机の上に紅茶のポットを置く。
主に何も言われぬままに、カップに紅茶を注ぎミルクを入れる。
寝起きの主はストレートよりもミルクがたっぷり入った甘めのものを好まれるのだ。

「どうぞ、お嬢様」

差し出したティーカップを無言で受け取り、静かに口をつける主。
これは毎日繰り返される行動だ。
極まれにストレートで飲まれることもあるが。
紅茶を飲み終わられた主の着替えを手伝う為に、私の部屋と同じくらいの大きさをもつ洋服部屋へと入る。
そこに並ぶのは豪華でフリルに溢れた洋服。
サイズは子供サイズだ。
主と知り合ってから結構な年月が経つが、私には一向に主が成長した様子は伺えなかった。
いや、成長しているのかもしれないがそれも本当に僅かなのだろう。
今更ながら、主が種としての成人を迎えるころには私は側にはいれないのだろう。
などと馬鹿な考えが頭によぎった。
……本当に馬鹿な考えだ。
余計なことに労力を使ってしまったことを恥じながら、これはいらないもの、と心の中に沈める。
少しばかり時間がたっていたのか、部屋の外からは主が私を呼ぶ声が聞こえた。
いけない、いけない。
主を待たせるようでは完全で瀟洒なメイド長の名前に傷がついてしまう。
急ぎながらも慌てず、慎重に今日の衣装を選別、主のいる部屋へと向かった。





今日は主は館の庭を散歩することを選ばれたようだ。
とはいえ、すでに日は落ちて辺りは薄暗闇に包まれているのだが。
まぁ、吸血種である主の目にはそれこそ昼のように周りの景色は見えているのだろう。
ぐるっと紅魔館の周りを一周された主はおもむろに空へと飛び上がった。
慌てて私もそれに着いて飛び上がる。

「お嬢様、どこへ向かわれるのです?」

問い掛けに主は答えを返さなかった。
ただ、ただ、星と月とが灯りの暗闇の空を主と従者が飛んでいく。
辺りに広がるのは昔と何も変化を見せない幻想郷の姿。
朝に思ったとおり、冬の訪れを喜んでいるのか冷精が踊り、居合わせたのだろう夜雀が綺麗な歌声を響かせ、その歌声に招かれたのだろうか騒霊の三姉妹が楽器を奏でる。
歌と楽器が聞こえなくなった頃、目下に広がるのは竹林になっていた。
一瞬、付近が昼のように明るくなったかと思うと遅れて爆発音がついて来た。
はるか視線の先、黒い長髪の少女と白い長髪の少女が争っていた。
先ほどの爆発音が白い少女が纏う鳳凰が火の塊を放つか何かした際のものなのだろう。
主も面倒を避けることにしたのか、逆の方向へと翼をはためかせた。
最後に主が向かったのはこの幻想郷で唯一存在する神社「博霊神社」。
とはいえ、すでに夜は更けている。
懐にある懐中時計を見てから、西の空に浮かぶ月を見る。
もう1,2時間もすれば夜が明ける時間だった。
今夜は結構な時間飛び続けていたことになる。
視線を時計から主に向けると、主は何か言いたそうな顔をしていた。

「巫女を起こしてきましょうか?」

巫女が何時に起きているのかはしらないが、2,3時間早めに起こしたところで異変が無い限り縁の上で茶を啜るだけが生活のような巫女のことだ。
突然の来訪者に驚きと睡眠の邪魔をされたことに対しての怒りを露わにするだろうが、主の話相手になってくれることだろう。
しかし、主は首を横に振り、紅魔館へと飛び始めた。
珍しい行動に少し頭を捻るが、まぁ、好きに生きているお方だ、今日はもう帰って寝ることにしたのだろう。
引き離されないように私も飛ぶ速度を若干上げることにした。





寒空の下で飛びつづけた主は館に着くなり、食事と暖かい飲み物を求められた。
料理を配下のメイド達に作らせる間に、私はまた紅茶を入れる。
食事が終わった頃合を見計らって主の部屋の扉を開けるなり、暖かな空気が私の頬を撫でた。
メイドの誰かが主の為に今年初めての火を暖炉に入れたのだろう。
パチパチと薪が燃える音が暖炉から響いていた。

「お嬢様、紅茶でございます」

寝起きとは違い、少し薄めのストレートティー。
主はすぐには飲もうとせずにカップを両手で持ったままじっとそれを見つめいていた。

「お嬢様?」

紅茶は熱いうちが美味しい。
温度が下がるにつれ、香気が減ってしまうからだ。
それなのに、主は一向に飲もうともせずにカップを両手で包み続けるだけだった。
それほどまでに冷えてしまったのだろうか、やはり寒空の中を飛行などさせずに引き止めていればよかったか。
今更ながらに数時間前の己の行動を恥じる。

「淹れなおしますね」

そう言って主からカップを受け取ろうと手をのばした矢先、ぐいっと主が紅茶を一息に飲み干した。

「もう、行儀が悪いですよ」

飲み干されたカップに次の紅茶を注ごうとポットを片手に持って主の側によるが、主はカップを差し出してはこなかった。
何か考え事をしているのだろうか、空になったカップを再び両手で包み込みじっとそれを見つめている。
考え事をされているのならば、それを妨げるのは従者のすることではない。
そう判断し、ポットを机の上へと戻す。
そのまま机の側に立ったまま、動かない主からの命令を待つことにした。





結構な時間が経ったのだろう、既に空は明るくなり始めていた。
懐から懐中時計を取り出し、時間を確かめる。
主の部屋に時計は無い。
自分の好きなときに好きなことをするのが主だ。
時間に縛られることは嫌っていることのひとつだった。
起きる時間だけは私が決めるのだけれど。
それは規則正しい生活をすることで完璧なレディを目指す為には必要な事だ、と言われたことがあった。
ふと、時計から主に目を戻すと、カップを見つめていたはずの主が、神社の上空にいた時と同じような目でこちらを見ていた。

「おかわり、飲まれますか?」
「いらないわ。あなたの紅茶、おいしいもの」

今日、幾度も言葉を交わしたにも関わらず、初めて聞いたような感覚があった。
主が紅茶を断る、これはいつものことじゃない。
え、と小さい声が部屋に響き渡った。
これは誰の声だ。私だ。私の口から漏れた声だ。

「お、おいしいと誉められているのに、お飲みにならないんですか?」

思わず、どもる。
なぜだろう、舌がうまく回らない。
全身が風邪を引いたときのように鼓動を感じ、意識が自分の体の斜め上の方から見下ろすような変な感覚を覚えた。

「ええ、おいしいから飲まないの。だってもう私は眠りに着く時間のはずでしょう?
 これ以上紅茶を飲んでは眠れなくなってしまうわ」

なるほど、それもそうかと頷く。

「だから、その紅茶はあなたが飲みなさい」
「は……?」

駄目だ、完全で瀟洒なメイド長はこんなマヌケな切り返しはしない。

「それを飲んでいいかげんに、あなたも夢から目を覚ましなさい」
「な、何を言われるのですかお嬢様。私はこのようにしっかりと目を開けて―――」

ギッと鋭くなった主の視線を受けて、私は言葉を詰まらせた。
咎めるような視線を受けるのがつらくて、顔を伏せる。
私は何か主を怒らせるような事をしただろうか?
私は何か主を困らせるような事をしただろうか?
いや、今日もいつもどおりだったはずだ。
「完全で瀟洒なメイド長であった」はずだ

「いいかげんに……いいかげんに、あなたも吹っ切りなさいよっ!」

主の声に反応して、顔を上へと向ける。
いつの間に近づいたのだろうか、視界には一杯に主の顔があった。
主の幼さが残る、いや、未だ幼いその顔には、その瞳には一杯の涙が浮かんでいた。
「永遠に赤い幼き月」、紅魔館の当主であるレミリア・スカーレット様が泣いていた。

「……あっ」

思わず両手を胸に抱くようにして後ずさる。
しかし、お嬢様はこちらの見えない速さでその手を繰り出し、私の胸元で光る懐中時計を掴んでいた。

「この時計、もう止まってるじゃない」
「やっ! は、離してくださいっ!」

思わずお嬢様から時計を奪い返し、体で包み込むようにしてそれを隠す。
もはや、この身は完全でも瀟洒でも無い。
メッキはいずれ剥がれてしまうモノなのだ。

「今の行動は私にはむかう、と言うことなのかしら?」

すっ、とお嬢様の目が細められた。
泣いていた目は既に涙を止め、紅い瞳がこちらを見据える。
たったそれだけ、たったそれだけで格の違う私は心臓が止まりそうな恐怖を感じる。
小さく悲鳴をあげながら、それでも胸にあるこの時計だけは離したくない、そう思った。
お嬢様から背を向けて、この身が消えてもこの時計だけは消えぬように、と。
しかし、お嬢様の重圧はすぐに消え去り背中に柔らかな重みがのしかかってきた。

「あなたが辛いのは、私だって分かっているわ。それでも、それでもね……」

重みはお嬢様だった。
おでこをこちらの首筋に擦りつけているのだろうか、柔らかい髪の毛が私のうなじを擽った。

「お嬢様、それは違います」

懐中時計は胸にぶらさげたままに、体を反転させてお嬢様を正面から抱きしめる。

「私は、私は辛くなんて無いんですよ、お嬢様」
「嘘よそんなのっ! 主に嘘をつく僕は殺すわっ!」

もの凄い形相でこちらを睨むお嬢様。
でも、先ほどと違い涙にまみれたその目は恐怖を感じさせることはなかった。

「いいえ、本当です。
 この手はあの人の手の温もりを覚えています。
 この目はあの人の笑顔を覚えています。
 この耳はあの人の声を覚えています。
 この口はあの人と語らった全てを覚えています。
 この胸にはあの人と過ごした全てが残っています。
 そして、それら全ては『幸せ』として、私として残っています」

言い切り、しっかりとお嬢様を見つめる。
そのまま私はお嬢様が涙を止めるのを待ちつづけた。










「……美鈴」
「はい、お嬢様。
 私は『紅 美鈴』です。
 この身は決してあの完全で瀟洒なメイド長には及ばないでしょう。
 それでも、あの人の最後の言葉を忘れることは出来ません。
 『正直頼りないけどあなたになら任せてもいいわメイド長……お嬢様を頼むわね』
 私は馬鹿です、私は馬鹿ですからあの人に近づく為にはあの人にならねばなりません。
 それは恐れ多いこと、不可能なこと、それであり尚且つお嬢様を不機嫌にするでしょう。
 ですが、どうか、今しばらくはご容赦ください。
 私はあの人のしてきたこと、出来たことを知りたいんです。
 完全で瀟洒ではなくても、私はあの人に咲夜さんに――」

近づきたい、最早それは不可能であろうとも。
髪を切り、動かなくなった時計を身につけ。
咲夜さんと同じだけ働けるように内功を強化して睡眠時間を削り。
私はあの人の影を追いかける。
完全で瀟洒で、何時もお嬢様の側で優雅に微笑んでいたあのメイド長に追いつきたい。
そんな事を言いながら、困ったときや悩んだときは時計を見つめる、そんな馬鹿です。
だから、だからこそ、咲夜さんが居なくなったことを悲しんでいる暇なんて無い。
だから私は涙や悲しみは心の底にある小さな箱に鍵をかけてしまっておくことにするんです。
何時か私が咲夜さんを見返してやるくらいの、それはもう素晴らしいメイド長になった時。
その時までこの懐中時計はお守りとして持っていても良いでしょうか?
そして、その時がきたら私はこの時計を今度こそ鍵の開かない箱へとしまい、変わりに中にしまっておいた涙や悲しみを得ても良いですか?
私があなたの為に泣くのはきっとその時、何時になるのかは分かりませんが。


私はきっとあなたの為に涙を流すでしょう。

箱、箱とイメージしていてやはり思い浮かんだのが『大切なものをしまっておく』というのと『見たくないもの、見られたくないものを隠しておく』ことでした。
あと、美鈴の紅茶が美味しいっていうのは個人設定であり、レミリアの発言上は別に本当に美味しくなくても良かったんですが
やっぱり美鈴のステージ曲が「上海紅茶館」だったので、スンマセンなんとなくです。
それではまた、機会がありましたら。
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2006/10/22 16:21:45
更新日時:
2006/10/25 07:21:45
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1. 3 箱根細工 ■2006/10/28 04:41:38
さてはて。
2. 7 読むだけの人 ■2006/10/28 05:44:06
もう一捻り欲しかった
3. 6 床間たろひ ■2006/10/28 08:10:25
くっそう……不意打ちだった。
不覚にも潤んでしまったじゃねーか……

偉そうな事言える立場じゃないですが、技術的な部分がちょっと惜しいなぁと。文頭空けとか言い回しとか。
それでも痺れたのは確かです。美鈴の優しさと決意が痛いほどに伝わりました。
4. 4 爪影 ■2006/10/29 03:18:26
 終わりの先は終わり。
 はてさて、そもそも終わりとは此処に在るのか否か?
5. 8 a ■2006/10/29 22:07:15
いいメイド長だな…少し借りるぞ
6. 8 Fimeria ■2006/10/30 00:14:07
……いつか来る終りの姿。とても良いものでした。
美鈴が完全で瀟洒、咲夜とは少し違ったそれを得たときに流される涙はきっと綺麗なものなのでしょうね。
7. 5 らくがん屋 ■2006/10/30 17:35:03
後書き無視して本文だけで判断すると、作中のテーマ比重は箱<叙述トリックなので、あまり高評価は出来ないかなあ。騙されたからちょっとサービスするけど。(でもヒントほぼ皆無だよね)
8. フリーレス サカタ ■2006/10/30 22:41:38
なるほど。面白い作品でした。転の部分もよかったです。
ただテーマを作者からのメッセージで説明してしまったのは残念でした。作中で語れるといいと思います。
9. 5 2:23am ■2006/10/30 23:13:39
ちょっと短かったように感じました。もう少し平穏と思わせるパートを増やして、最後のところをより引き立たせた方がいいと思います。
短い槍では心に悲しく突き刺さらない。そう思うのです。
10. 4 翔菜 ■2006/11/01 18:48:21
ううむ……評価が難しい。
個人的に、前半があまりに『咲夜さんっぽく』感じたために、どうしても最後で微妙な感じを振り払えない。
美鈴が必死に近づこうとしている事はよくわかるのですが、どうしても。

心の箱に鍵をかけるというのはどうにも辛い事です。
11. 8 nn ■2006/11/01 21:24:02
まず、何か童話か絵本を連想させるような描写が素敵でした。この描写で作品のカラーが明確に浮かび上がったような気がします。メイド長の咲夜っぽくない感じやレミリアが常に無言であるという違和感が最後に氷解する感じもお見事でした。そして、お題に対する解釈を作品中で語らず、後書を見ると合点がいくという構成が瀟洒であったと思います。
12. 5 おやつ ■2006/11/01 23:09:48
なんとなく感じていた違和感の正体が最後に腑に落ちました。
こういうお話は大好きです。
13. 5 反魂 ■2006/11/02 01:17:12
箱に付したイメージとしては凄く明確且つ分かりやすいのですが、ならばもう少し、「箱」という存在感が際立つような描写が欲しかったかも。

でも、まあ基本的に『やられ』ました。この表現が適切かどうか分かりませんが、面白かった。
咲夜とレミリア、双方を等しく想う美鈴の心が、よく表れていたと思います。
私自身こういうトリッキーな物語を書く能がないので、そのミスリーディングの選び方や配置の巧みさなど、技巧面でも脱帽でした。
14. 5 椒良徳 ■2006/11/03 10:20:14
咲夜さんにしては敬語が瀟洒じゃないなと思っていたら、実は美鈴でしたか。これはやられた。
さて、文と文の接続が悪いせいか、スムーズに読み進めることができなかったので五点にしときます。
15. 3 つくし ■2006/11/04 13:16:41
叙述トリックは成功しています。少なくとも私はだまされました。せっかくの良いプロットなのですが、冒頭などに余分な説明が多く、少し読むのに疲れます。読者と作者がどれだけの情報を現時点で共有しているのか、いま読者に伝えるべき情報は何か、ということを書きながら常に意識すると良いと思います。また、地の文のお嬢様の行動が尊敬語になっていたり、平常の語法になっていたりと揺れ、さらに「起きられていますか」というそもそもの尊敬語の間違いなども玉に瑕です。
16. 8 as capable as a NAMELESS ■2006/11/05 13:37:20
っわ、読み返してみるとこれは確かに美鈴だ。すげぇ。
17. 4 雨虎 ■2006/11/06 14:24:54
粛々としていて、死を悼む美鈴の心情にぐっときました。
ただテーマが「箱」という点では少し薄かったように思います。
18. 8 ■2006/11/10 23:45:59
やっぱり、美鈴だけでなくレミリア様にしても色々と思うところがあるんでしょうね。ちなみに、私は見事にミスディレクションされました。
19. 6 たくじ ■2006/11/12 22:39:25
一度目読み終えた時、美鈴がメイド長をしていたことに気づきませんでした。
レミリアが泣いた後の改行を場面転換ととらえてしまったので。
読んでいる時に気づけたらもっと面白かったんだろうなぁ。もったいないと思いました。
20. 5 藤村うー ■2006/11/13 01:03:33
 初め、死んだレミリアを咲夜が生きているように動かしている、というオチを予想していました。レミリアがあまりにも沈黙を続けていたので、つい……。
 そのあたり、読み返してみると美鈴の痛々しさが表れていて、心情的に辛いシーンではあったのだと思います。
 最後、独白だけじゃなく、もう少し「これからの紅魔館」などの書き込みがあってもよかったような気も致しました。このままだと、どうにも不幸な未来の方ばかり頭に浮かんでしまうので……そういう意図もあるかと思いますが。
21. 5 いむぜん ■2006/11/15 20:18:23
二度読むと風合いが全然違う。じんわりしんみり。
しかし、「博霊神社」はまずかろう。
22. 6 blankii ■2006/11/16 20:23:22
妙に生活感のある咲夜さんの描写……と思っていたらば最後のどんでん返し。そういう意図だったのね、と一人納得でした。
23. 3 しかばね ■2006/11/16 20:26:11
「箱」との繋がりが薄いところが難点かと。
咲夜が「咲夜本人ではない」というのも途中で読めてしまいますし……
咲夜がいなくなってからの紅魔館、というのは魅力的なテーマでは
ありますが、なにぶん難しいですね。
24. 8 ABYSS ■2006/11/16 21:29:37
確かに物質的なものじゃなくてもいいんですね。目からうろこが出た気持ちです。
テンポもよく、ミスリード誘いも巧みです。
しかし、締め方がちょっと尻切れな気がします。本人だけが納得しているので、レミリア様はどうした?といった感じですね。
それ以外はとても完成された話だと思います。
25. 9 じーにょ ■2006/11/17 00:27:12
話に意外性がありSSらしい楽しみがあると思う。
26. 7 灰次郎 ■2006/11/17 02:08:58
素敵な美鈴ですね
……だからこそ切ないなあ
27. 2 人比良 ■2006/11/17 20:25:17

箱を大事にしているのではなく、時計を大事にしているのだ、という形。
話が面白いだけに残念です。
28. 4 目問 ■2006/11/17 21:41:08
 話自体は良いのですが、今となってはあまり目新しさがなかったのが残念。
 箱の立場もちょっと弱かったように思われました。
29. 8 K.M ■2006/11/17 22:27:14
全然気付かなかった…完全にしてやられました。
30. 2 木村圭 ■2006/11/17 22:45:42
なるほど、違和感の理由はそんなところに。
31. 5 時計屋 ■2006/11/17 22:46:38
残念ですけど、これでは箱をお題にしたとは言い難い。
ただ文章は丁寧で、話もまとまっていて読みやすかったです。
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