どちらの箱でしょう

作品集: 最新 投稿日時: 2006/10/28 08:54:51 更新日時: 2006/11/27 02:18:28 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00
夜も更ける静かな月夜、普段はその夜にも負けないほど静かな永遠亭から、珍しくも騒がしい声が聞こえていた

「第六回! 『姫様の暇つぶし』をはじめるよー! 」

「「「「「「「「「「「 兎ー! 」」」」」」」」」」」

どんちゃん騒ぎ、妖怪兎の因幡てゐの声に他の妖怪兎達が謎の叫び声を挙げる
気の早い兎などはこの騒ぎの主賓、蓬莱山輝夜の前に飛び出して早速芸を行っていた

「壱番、香霖堂にあった『ばにーすーつ』を着て踊ります! 」

「弐番、一発芸の『うさぎおいしぃ? 』」

「参番、弐番を上手に焼きます! 」

「ちょ!? 熱い熱い熱い熱いぃいぃぃぃぃですぅ!? 」

「「「「「「 大変上手に焼けましたー! 」」」」」」

上手に焼かれた兎が大皿に乗せられ目の前に出された事に月の兎、鈴仙・優曇華院・イナバはその笑顔を引きつらせる
しかし出された本人である姫様は愉快そうに笑っているので問題ないのだろう
気がつけば焼かれた兎も元通りに戻って芸を始めている、どんなリザレクションか

「あらイナバ、楽しくないの? 」

「・・・・・・姫様、私も何か芸とかした方が良いでしょうか? 」

「止めておきなさい」

「あ、師匠」

悩む鈴仙に声をかけたのは、鈴仙の師匠であり月の頭脳とまで呼ばれていた八意永琳その人である

「今目の前で行われている芸は、全て因幡てゐ個人によって動かされている舞台芸。貴女が混ざってもからかわれるのが落ちよ」

「てゐの? これがですか? 」

まるで信じられないといった口調で言う鈴仙の目の前では、手品を行おうとした兎が何をしたのか数匹気絶していた
そんな兎達を慌てて他の兎達に退かせようとしているのが、永琳が言うところの因幡てゐである
どう見ても、本気で慌てているようにしか見えない

「外見では発汗機能までも制御下の元で慌てているように見せているわ。脈拍は正常値、もしくはそれ以下。流石ね」

そう言って、主賓である姫がころころと愉快そうに笑っているのを確認して八意永琳は満足そうに頷く
そんな師匠の態度に面白くない弟子、鈴仙・優曇華院・イナバ
永琳はどうやら、自分よりも因幡てゐの方を信用しているように感じられるのだ
自分のほうが信頼はされている、そう思いつつも因幡てゐより未熟者であると遠まわしに言われているようで納得がいかない
そしてどんちゃん騒ぎは鈴仙の思いも関係なしに恙無く進み、因幡てゐの出番がやってきた

「さて、そろそろ姫様も兎の芸には飽き始めた頃でしょう」

そう言って出てきたてゐの姿は黒の紳士服に懐中時計、シルクハットに素敵なステッキ
なんとも微笑ましい姿で、無駄に可愛い

「私が今回用意しましたのは、この二つの箱。姫様と永琳様への貢物に御座います」

取り出したのは、なんの変哲もない贈呈用の箱
色、形、まったく変わらず同じな二つの箱

「私と永琳に二つの箱、つまり二者択一なのかしら? 」

「本来ならば二つとも姫様に差し上げたかったのですが、永琳様が受け取って貰えるだろう物が他に見つからず」

「イナバ。その堅苦しい喋り方、似合わないから止めなさい」

「はーい」

鈴仙は、てゐが私に対してもこんな風に素直だったらなぁと思いつつ、輝夜の様子を横目に見る
どちらかしか貰えない、普段ならどちらも貰えるのが当然の立場なのに割と楽しそうに見える
選ぶのが楽しい?
自分ではこんな風に喜ばせる事は不可能だと分かりつつも、納得できないのは何故だろうか

輝夜は、本人から見て右手の箱を選んだ

箱についている結ばれたリボンを輝夜が少し引っ張れば、パカッと開いた小さな箱
中には一枚の紙、『スカ』とか書いてたら面白いだろうと考える鈴仙は誰かに毒されすぎている

「健康兎の極楽地獄券? 」

「みんな、やっちゃってー」

「「「「「「「「「「兎ー! 」」」」」」」」」」

「ちょっ!? 」

てゐの合図に、兎達が一斉に姫へと襲い掛かる
もこもこした兎達が襲い掛かり、マッサージやらつぼ押しやらを強制的執行

「も、もこもこしてるぅ・・・・・・もこもこ・・・・・も、妹紅ぅ! 」

「はいはい、ちょっと落ち着きましょう」

ドス、眉間に突き刺さる指

「ぬぉ! 体が動かぬ! イナバ、貴様何をした!? 」

「ちょっと動けなくなるつぼを押しただけですって」

そんなちょっとしたホームコメディもどき(ポロリもあるよ)
対して永琳が受け取った箱の中身は兎の尻尾、を模した飾りであった
これまたもふもふしている

「あら、触り心地は殆ど一緒なのね」

「はい、本物に似せるためにわたしの毛を使ってます」

「てゐの・・・・・・・ごふっ! 」

「師匠!? 」

突然吐血、と見せかけて鼻から大量に緑色の液体を噴出した永琳

「尻尾から抜け落ちた毛を使いましたー」

月人の血は緑色らしい、だが慌てた鈴仙が立ち上がる前に緑色の液体は蒸発したかのように消失
何事も無かったかのように元通り、まるで一時の悪夢のようで

鈴仙が呆然としている間に、宴はそろそろ終わろうとしていた
だが、宴を切り盛りするてゐがそのまま終わらせるわけが無く

「さぁ、最後は皆が待ちかねた永遠亭のアイドル(玩具)、鈴仙・優曇華院・イナバぁ! 」

「「「「「「「「「「兎ー!! 」」」」」」」」」」

「え゛!? 」

驚く鈴仙を置き去りに劇は進む

「鈴仙の為、特別に用意したた二つの箱! 」

てゐの合図に、天井から飛び出してきた二つの箱

「大きな箱! 」ドギャーン!

「小さな箱! 」ギョギューン!!

てゐの声と変のポーズに謎の効果音が箱から聞こえるが、それに対して疑問を持つものはいなかった

「えっと、どちらか選べば良いの?
 (なるほど。師匠と姫様の場合はどちらが当たっても問題ないのに
  対して、私の場合は容赦しないってことか。けれどてゐ、確立2分の1
  で私が外れを引くと思ってるの? なめられたものだわ) 」

「(ふふ、余裕そうね鈴仙。でもその余裕面もそこまで)
 本当はそうなんだけど、鈴仙は運が良い。今日はもう一つ用意してあるんだ」

「おいでませ! 中くらいの箱! 」ズキューン!!!

効果音を出すために使われた小道具のせいで、一匹の兎が胸を押さえて倒れるが誰も気にしない
普段なら気にしたであろう鈴仙も、突然現れた第三の選択に一杯一杯だった

「(一見安全そうな小さな箱は姫様が選んだ箱の中身の如く、むしろ安全そうだからこそ・・・・危険!
  だから私は初見で大きなほうを選ぼうとした、けれどてゐが出してきた中ぐらいの箱
  大きな箱と小さな箱より安全、そう思わせる中間の大きさ。普段なら私はそれを選ぶ)」

「(と、鈴仙は考える。危険な物より安全な物の方が良い。それは当然の事、当然の考え
  普段私に騙されている鈴仙はより安全なほう、を選ぶ
  けれど2クッション、最初に出した二分の一による結果と、後に出す新たな選択
  だから)」
  
「(だが新たに出された中くらいの箱と言う選択、それは私の思考を混乱させる為に出されたてゐのフェイク! )」

「(鈴仙は気づく、気づかせる)」

「(諦める事、騙されている事を許容した場合に選ぶのは中くらいの箱
  騙されても被害を最小限に、そう考える私の思考は迷わずに選んでいた
  だけど)」

「(気がつけば思う、騙されたくないと。私の鼻を明かせてやりたいと)」

「(私は気がついた、後になって最初はこちらを選んでいたのにと嘆く事になるだろう結果に
  つまり)」

「「 ( 私は/鈴仙  は、大きな箱を  選べば良い!/選ぶだろう! )」

ほんの数秒だった、鈴仙が箱ではなく司会者の役割を行っていたてゐと見詰め合っていたのは

「私は、大きな箱を選ぶ!! 」

鈴仙の大きな声が永遠亭に響き、他の皆が静まる
皆が鈴仙の答えを受けたてゐを見つめる中、てゐは鈴仙へと優しく微笑む

「おめでとう鈴仙」


その柔らかく優しい声に、その笑顔に鈴仙は自分が間違っていなかった事を確信し


「大きな箱の中身は! なんと紅魔館の連中が作った月まで飛んでくらしい変な道具!
 何故か壊れて放置されていたそれを私が拾って直して完成させた『鈴仙18号! 』
 それを使って月旅行をプレゼンツ! 」

突き落とされて膝をついた




「おぼえてろぉーーーー!! 」

月まで飛んでいくと言う『鈴仙18号! 』に、ロープで括り付けられる格好でいる鈴仙
凄まじい轟音と共に飛び出した『鈴仙18号! 』は、てゐが姫に渡した残っていたほうの小さな箱の中身
何かのスイッチ、ボタン部分が赤色で『押したらダメ』と表記されているそれを押して爆発

「たーまやー」

「かーぎやー」

「「「「「「「「うーさぎー」」」」」」」」

宴は、風流な火花で終わりを告げた
何かやっつけ仕事でごめんなさいと書いてあるのを見て、不快な気分なったらごめんなさい
中くらいの箱の中身や鈴仙とてゐの読みあいなどが、時間がなくて中途半端になってしまったのでやっつけと書いてしまったのですが関係ないですねごめんなさい

ちなみに、中くらいの箱の中身は人参です
とくめい
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投稿日時:
2006/10/28 08:54:51
更新日時:
2006/11/27 02:18:28
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1. 1 反魂 ■2006/10/29 15:25:02
う〜ん、どうにもこうにも物語の態を成していない気がします……。
技術的には、体言止めを多用する地の文と、あとやはり句点を使わないという手法がどうしても気になる。突き詰めればそれなりに特徴にはなり得るかもしれませんが、どちらにせよこの作品のパターンでは今ひとつ働きが薄い気がします。
2. 2 as capable as a NAMELESS ■2006/10/30 10:31:31
絶対逃れられないよな、この状況。
3. 2 らくがん屋 ■2006/10/30 17:18:08
一番の盛り上げ所とおぼしき鈴仙とてゐの心理戦が、ひぐらしにしか見えず全くノれなかった。つーかそこ外すと後何も面白い所ないよね。
作者自身やっつけ仕事とのたまわれていることですし、このあたりが妥当かな、と。
4. 4 VENI ■2006/10/31 01:14:28
楽しげな雰囲気が伝わってくるのは良いんですが、
全体にもうちょっと厚みがあるともっと綺麗にまとまるんじゃないかなぁと思います。
ちょっと展開が早いですね。
5. 4 椒良徳 ■2006/11/03 13:28:55
やっつけすぎるぜw
だが、そこがいい。
6. 2 箱根細工 ■2006/11/05 01:18:21
あなたは自分が謝るような作品を読ませるんですね。
7. 3 スミス ■2006/11/05 22:09:46
ぱにょーん
へたれ具合がいいですね。ちょっと読みにくいのが難点ですが。
8. 3 nn ■2006/11/08 02:19:06
「第六回! 『姫様の暇つぶし』をはじめるよー! 」

「「「「「「「「「「「 兎ー! 」」」」」」」」」」」

この二行の勢いに
9. 4 爪影 ■2006/11/10 13:54:30
 無茶しやがって。
10. 8 ■2006/11/11 00:54:33
いいなあ、このディナーショウみたいなテンポw
小道具のせいで胸を押さえたあたりで噴きました。
11. フリーレス サカタ ■2006/11/12 04:45:48
勢いはありました。
が、後書でやっつけはないんじゃないですか。読んだ人に失礼です。そんなやっつけを読まされたの?って思うし。
12. フリーレス たくじ ■2006/11/12 21:56:03
やっつけであろうがなかろうが作品そのものを評価すべきなのでしょうけど、「やっつけ」だとの一言で評価する気が失せたのも事実です。
ギャグとは言え、行動や言動が崩れすぎだと思いました。
13. 3 藤村うー ■2006/11/13 02:46:51
 仮にやっつけでもやっつけって言わない方がいいとは思いますが……。
 それを抜きにしても、鈴仙の思考とてゐの思考が完全に重なり合っていましたので、トリックの読み合いという本来あるべき緊張感がなくなり、たたの鈴仙いじめのてゐ一人勝ちで、出来レースだったなあと思えてしまったのが残念。
 途中までのウサギたちのノリは好き。
14. 5 ABYSS ■2006/11/13 07:14:20
勢いでのされた感じがありありと。
二羽のウサギの読みあいが熱かったです。
結局負けるウドンゲが素敵。
15. 6 Fimeria ■2006/11/13 22:19:41
テンポの良いネタには丁度良く、短いながらも良質なSSだと思いました。
兎が可愛い、凄く可愛い、月の兎? 知らん。
16. 3 おやつ ■2006/11/14 11:27:18
勢いあんなぁw
てゐとレイセンの深い読みあいは面白かった。
一歩を上回ったてゐに惜しみない拍手を!
17. 4 翔菜 ■2006/11/15 10:54:30
確かにやっつけには思えましたが意外に微笑ましい。
いやぁー、読み合いでてゐに勝とうなんて鈴仙にはねぇー?
18. 3 いむぜん ■2006/11/15 21:03:58
もうなにがなにやら。でも、まぁいいんじゃない?
19. 6 blankii ■2006/11/16 21:12:28
突っ走る勢いで、月まで駆け昇る『鈴仙18号!』みたいな文章に乾杯(月見酒+α)。
20. 4 つくし ■2006/11/16 21:39:01
今回のこんぺで何か足りないよなあ、と思っていたのが、このSSを読んでスッキリしました。そうだ、爆発オチだ。本当にありがとうございました。
てゐとうどんげの駆け引きとか、笑いのツボをチクチク刺激する感じが良かったです。あとひとつくらい爆発的な一行があればよかったかも、です。
21. 4 雨虎 ■2006/11/17 16:42:46
軽快に疾走するかの如き流れで読みやすかったです。
随所の小ネタにも笑わせていただきました。良かったです。
22. 3 2:23am ■2006/11/17 19:54:52
最後まで勢いが欲しかったですね。
23. フリーレス 人比良 ■2006/11/17 20:07:08

舌切り雀で大きい箱を選んだら中からオバアサンが出てきましたみたいなお話でした。
24. 5 K.M ■2006/11/17 21:06:53
あぁもうなんていうかこのメンバーもダメダメやね。(棒読み
鈴仙はてゐの掌から逃れられないっぽいしw

本筋とは関係ないですが、「確立2分の1」という部分にちょっと引っかかりました。
25. 3 目問 ■2006/11/17 22:32:35
 放棄という選択肢が無い時点で、鈴仙の敗北は約束されていたんだろうなあ……
26. 2 木村圭 ■2006/11/17 22:59:48
妙なテンションが奇妙に面白いです
ところで中くらいの箱の中身は何でしょう
27. 4 時計屋 ■2006/11/17 23:26:38
兎がゴミのようだ。
永遠亭らしい楽しい騒ぎでした。
心理戦はモンティ・ホール問題の改変かな?
ここのシーンがもうちょっとわかりやすい文章だと良かったです。
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