火鳥風月

作品集: 最新 投稿日時: 2007/04/18 23:04:41 更新日時: 2007/04/21 14:04:41 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00

 今宵も黒衣で覆われた天空を、虹色の弾幕が、真紅の炎が彩り舞う。
 それらは二人の少女が互いの命を奪わんと放ち合っている狂気の光。
 長い歳月をものともせず、二人の少女は殺し合い、そしてまた生き返る。
 死んでは生きて、生きては死んでの繰り返し。


 今宵の勝負は業火の翼を纏った白髪の少女が勝った。
 かつて蓬莱の薬を飲み、図らずも不老不死の体を手に入れてしまった、藤原妹紅と言う名の蓬莱人だ。
 弾幕で煤けてしまった髪を櫛で梳きながら、隣に横たわり絶命している少女に視線を向ける。
 生気を失った瞳は虚ろで、そこには何も映っていない。
 眼球はあるのにまるでそこには穴が開いているかのようだ。
 刹那、その真っ黒な眼球に光が灯る。そして次第に赤みを増していく頬と唇。
「あーぁ、負けちゃったわね」
 自身が一度死んでいたにも関わらず、起き上がった少女は事も無げに呟いた。
 彼女は妹紅が蓬莱の薬を飲んでしまう切っ掛けを作った張本人。
 月から堕とされ、地上人として育てられた元月の姫、蓬莱山輝夜である。
 彼女もまた死ぬことも老いることもない体を持った不老不死の人間だ。
 蘇った輝夜に妹紅は櫛を放り投げる。見れば輝夜自慢の長い黒髪も戦いの所為でぼさぼさだ。
「この間の借りを返したまでよ。決着は付いてないわ」
「そうね。この前は私の勝ち。その前はあなたの勝ち。いつまで経っても終わりやしない」
 クスクスと失笑を漏らす輝夜。妹紅も笑いこそしなかったが気持ちは同じだった。
 不毛とも言える死なないもの同士の殺し合い。
 しかし彼女たちはずっとそうして争い続けてきた。
 相手が憎い。
 それもある。だが昔ほどその理由が鎌首もたげることはなくなった。
 そもそもは妹紅の輝夜に対する憎しみが発端だったのだが、そんな感情は風化してしまうほどの歳月が経っているのだ。
「どうする? って言っても今日はもう良いわね」
「当たり前よ。これ以上服を汚して帰ったら、また永琳にお小言を言われてしまうもの」
 言いながら輝夜は着物に開いた焼け焦げの跡を弄くっている。
 妹紅の服も似たような状態だが、彼女は自分で繕うため特に問題はない。
 多少面倒が増えることにはなるが、どうせ時間など関係の無い体だ。裁縫の時間が増えるのは良い暇潰しになる。
「まあ精々絞られなさいな。少しくらい怒られた方が良い薬になる」
 最後に軽くからかうことで、また次の殺し合いへの約束を告げて妹紅はその場を後にし家路に着いた。
 遠くの方で輝夜が怒っている声が聞こえ、元気な奴だと苦笑を漏らしながら。



 迷いの竹林にぽつんと佇む一軒家。それが妹紅の住居である。
 周囲に住んでいる者は誰もおらず、常に静寂に包まれた場所。
 誰とも接点を持たないように、誰からも干渉されないように、そんな想いが込められているかのようにひっそりとしている。
 長い歳月の内に立て付けの悪くなった戸を多少乱暴に開いて中にはいると、妹紅は先に敷いてあった布団に倒れ込んだ。
 堅い煎餅布団だが、床に直で寝ころぶよりは遙かに心地よい。
 ましてや一戦交えてきた後だから、その心地好さは何とも言えない恍惚感だ。
 不老不死とはいえ疲労は溜まるし、睡魔だって襲ってくる。
 妹紅は疲れと眠気で朦朧とする意識の中、今日の輝夜との戦いを思い返していた。
 そして真っ先に思い浮かんだのは、戦いの後の輝夜との会話。
 自分でもたまに思うが、よくもあれだけ同じ事を繰り返して飽きないものである。
 だがその理由はなんとなくだがわかっている。
 憎いからという理由で戦っていたのは本当に最初の最初だけ。
 輝夜だって多分同じ筈だ。だから互いにやめようと言い出さないのだろう。


 それは心にぽっかりと穿たれた「空虚」を埋めるための遊戯。





 空虚、虚無、今の自分を表すならこれ以外に的確な言葉は無い。
 どれだけの時が流れても、自分の中には何も残らない。
 生も死も無くなってしまったこの体で、一体何をすれば何が残るというのだろうか。


「はぁはぁ、っしょっと」
 井戸のない場所に家を建てたのは間違いだった。
 水場までの道のりが険しく、女の腕では持てる水の量も決まっている。
 こうして飲み水を確保するだけでも一苦労を強いられてしまう。
 水浴びは滝壺まで行けば事足りるのだが、飲み水や生活水として利用するにはこうして汲んでこなければならないのだ。
「まったく、死なない体でも水は必要なんだから不便よね」
 水桶を置いて妹紅は自嘲気味に呟いた。

 この体が死なない、もとい死ねない体だと分かってからはこうして独りで暮らすことを決めた。
 誰かと暮らせば必ずいつかはこの体の秘密を知ることになる。
 その時相手はどんな反応を示すだろうか。
 珍しがって見世物にするかもしれない。
 共に同じ時を過ごせないことに嘆くかもしれない。
 気味悪がって離れていくかもしれない。
 そのどれも妹紅には苦痛でしかない。だから自ら距離を置くことにしたのだ。

 そして独りで生活を始めてから随分な歳月が経った。
 すでにそうして生きることに躊躇いも寂しさも感じはしない。
 それが当たり前だと思えるようになれば、だいぶ気持ちも楽になった。
 自分を知っている者はもういないのだし、今から知られる事もない。
 ただ一つ問題をあげるとすれば、人から見つからない場所に家を建てようとすると、まず不便な場所しか選べないことか。
 この場所では水辺が遠いというのが最大の欠点と言えよう。
 いくら死なない体になっても、喉は渇くし洗濯はする。
 曲がりなりにも女の子なのだから体を清潔に保ちたいと思うのは当然のこと。
 そういう面では、そろそろ引っ越しを考えても良いかもしれないと妹紅は考えていた。



 そんなある日の事。
 いつものように水場から生活水を汲んで帰ってくる途中、妹紅は獣が呻くような声を聞いた。
 この周囲には獰猛な狼などは住んでいなかったはずだ。
 よくよく耳を澄ませてみるとそれは獣の声ではなく人の声であることが分かる。
(どうする。ここで見つかればまた面倒なことになってしまう……)
 人との関わりは面倒事の種にしかならない。
 そう思い続けてきた妹紅は無視して帰ろうとするが、どうにもその声が気に掛かってしょうがない。
 心の中でもう一人の妹紅が話しかけてくる。
(少し様子を見るくらい大丈夫。もし見つかったとしても、どうせ引っ越すつもりだったんだから)
 見過ごせば別にこれまでと変わりない生活ができる。
 でもしばらくはあの声のことが気になってしょうがない日が続くだろう。
 様子を見に行けば、鎌首もたげた好奇心も収まりを見せるに違いない。
 しかし見つかってしまえば、すぐにここを離れざるをえなくなる。


 結局妹紅が選んだのは、後者の選択だった。


 声がする方角へと近づくと、そこは茂みに隠れて足下が見えづらく、
 さらに山肌が削れて崖になっている箇所の多い危険な場所だった。
 どうやら声の主はここを通る途中、足を滑らせて崖下に落ちてしまったらしい。
 見ればすぐに危ない場所だと気付くだろうに馬鹿な奴だ。
 妹紅は呆れながらゆっくりと歩を進める。
 この山は彼女にとって庭同然。
 落ちてしまった何処かの間抜けと違って足を滑らせることはない。
 ゆっくりとだが確実に声の元へと近づいていく。
 そして数分もしないうちに、その声の主の姿を確認するところまでやってきた。
 草陰からこっそりと崖下へと視線を動かす妹紅。
 そこにはここから一番近い――と言っても距離はだいぶあるが――里の者らしい男がくの字になって横たわっているのが見えた。
 年の瀬は十代後半くらい。多分自分の見た目の年齢と似たようなくらいだろう。
(なんだただの怪我人か)
 運が良ければしばらくジッとしていれば動けるようになるだろう。
 運が悪ければ骨の一本でも折っていて、動けずそのまま白骨になってもおかしくはない。
 ただ獣に喰われるという悲惨な結末だけは回避できるはずだ。
 死ぬときはじわじわと薄れ行く意識の中でその時を迎えることになるだろう。
(って、どっちにしても死ぬことに変わりはないか)
 どっちの死に方が良いかと聞かれてすぐにこっちだと答える馬鹿はそうそういない。
 まずは生き伸びられるという選択肢はないかと尋ねるはずだ。
 そしてその選択を与えられるのは今この場にいる妹紅しかいない。
(……なんで私が助けなきゃいけないのよ)
 その可能性を考えて、思い切り首を横に振る。
 しかしここで悩んでいては、先程の二の舞だ。
 もうここまで来てしまったなら最後まで突っ走ってしまう方がさっぱりしていて分かり易い。
 何度も悩むのは、それこそ面倒だ。
 決意するやいなや妹紅は草陰から顔を出すと、大きな声で安否を確かめた。
「おーい、大丈夫かーいっ」
 まさかこんな所で女の子の声が聞こえるとは思っていなかったのだろう、男は周囲を吃驚した表情で見渡し始めた。
 どうやら意識はしっかりしているらしい。
「上だよ上」
「た、助けてくれ」
 開口一番がそれか、と妹紅は溜息をつく。
 人に頼み事をするならそれ相応の言葉遣いや、手順というものがあるだろう。
 しかしそうも言っていられない状況なのだ。
「仕方ないか。どこか痛めたりしてないんだろうねー」
「左足が折れているようだ」
 最悪のパターンか、と再び溜息。
 足の折れた男一人を引き上げるのは女の子一人の力では中々に難しい。
 かといって里から救援を呼んでくるのも妹紅にはできない相談だ。
「ちょっと待ってて。何か掴まれる物と添え木を持ってくるから」
 ひとまずは応急処置だ。
 そう考えた妹紅は一旦家に戻ることにした。


 家から綱と木の板、そして布切れを持ってきた妹紅はまず男に板と布切れを投げ渡した。
「それを足に当てて布できつく縛って動かないようにして」
「わ、わかった」
 妹紅が崖の上から指示を出し、崖の下でその指示に従う男。
 微妙な距離を置いたまま二人は着々と作業を進めていった。
 男の理解力があったのも幸いして、応急処置はすんなりと終わった。
 問題はどうやってこの男をこの崖から引き上げるかだ。
 高さは軽く五メートルくらいあるだろうか。
 言ってしまえばそれだけだが、実際に目の当たりにすると中々の高さである。
 そのうえ片足を怪我した状態では見るよりずっと上るのは困難になる。
「私一人の力じゃどうしようもないしなぁ」
 綱の長さは充分足りている。だが引き上げる力が無ければ。
「近くにしっかりした木はあるか?」
「え?」
 随分落ち着きを取り戻した男が突然話しかけてきた。
 何やら策があるらしい。
 考えても埒のあかない妹紅はひとまずその指示に従うことにした。
「その木に綱をしっかりと巻き付けてくれればそれでいい」
「でも私一人じゃあんたを引き上げられないよ?」
「向こうがしっかりしていれば問題ない。片足は動くしな」
 見ると男は自分の方に垂らされた綱を腰に巻き付けていた。
 そして妹紅に引っ張るように言うと、自身もその綱を掴んで昇り始めた。
 足は支えているだけで、後は手を使って綱を手繰り寄せている。
 畑仕事で鍛えているのか、妹紅が引っ張らずとも登り切るのではと思える速度で男は崖を登り切ったのだった。


 骨折した男を足場の悪い山から下りさせるわけにもいかず、妹紅は自分の家まで連れ帰ることにした。
 どうせ顔は見られているのだ。
 それにもう最後まで面倒を見ると決意を固めたのだから、とやかく考えたりはしない。
「まったく何であんな所に落ちていたのよ」
 攻めるような口調で言うと、男は面目ないと失笑を漏らした。
 どうやら食物を探していて道に迷った挙げ句、足を滑らせてあの態だという。
 下手をすればあのまま飢え死にしていたかもしれないのによくも笑えるものだ。
 妹紅が助けようとしなければ、その可能性は間違いなく現実のものとなっていただろう。
「でも助けてくれたじゃないか。本当に感謝している」
 妹紅の言葉に男が返したのはそんな台詞だった。
 別に助けたくて助けた訳ではない。なんとなく好奇心が疼いただけ。
「な、治ったらさっさと出て行きなさいよ」
 素直に礼を言われるとこちらが恥ずかしくなる。
 その照れを隠すために妹紅は後ろを向いて、そう言い返すしかなかった。
 だがどれだけ重大なことを口走ってしまったか、その時の妹紅の頭は気付いていなかったのだ。
 治ったら出て行く、それ則ち治るまではここに居ても良い、そういうことだ。

 それからしばしの逡巡の後、妹紅がそれに気付いて絶叫をあげたのは言うまでもない。



 奇妙な縁で始まった同居生活。
 勿論妹紅は常に男が何かしてこないか自分の秘密に気づきやしないかと警戒を怠らなかった。
 そんな妹紅の警戒を見抜いているのか、男は執拗という程ではないがやたら親しくなろうと話しかけてくる。
 今朝だって妹紅が作った味噌汁を美味しいと褒めたり、何か手伝えることはないかと言ってきたり。
 こちらの調子は崩されっぱなしだ。
 少し一緒にいただけで、ある程度の性格は把握できる。
 この絵と子は天然で優しさを振りまける、奇特な人間なのだ。
 妹紅からすれば取っつきにくいことこの上ない。
「はぁ、さっさと出て行ってくれればいいのに」
 だがどこかで今の状況に胸躍らせている自分が居るのも薄々気付いている。
 久方ぶりの人との関わりはどうしようもなく楽しいのだ。
 でもそれを認めるのが癪で、どうしてもあの男には突っ慳貪な態度しか取れずにいた。
「何よ。助けた貰った恩を返そうとでも言うの?」
 ざっしざっしと乱暴な手つきで洗濯物を板に擦りつける。
 先程から同じものを繰り返し洗っていることにも気付かず、募るもやもやをぶつけ続けていた。
 頑固な汚れもイライラのはけ口にされては大人しく洗い落とされるほかない。
 妹紅は乱暴ながらも真っ白に洗い終えた衣服を持って家へと戻った。

「何してんのよ」
 思わず洗い終えたばかりの洗濯物を落としそうになりながら、妹紅は唖然と呟いた。
「何って掃除でもしようかと思っていたんだが」
「あのね、勝手なことしないでくれる? ここは私の家で全ての権利は私にあるの」
 それに掃除なんて有り余る程の時間を使ってよくやっているから埃もあまり溜まっていない。
 戸を開けて見た瞬間は家捜しでもしているんじゃないかと思ってしまうほど、特に変わったことはない。
「まぁ動けるなら動いていた方が治りが早いかと思ったんだが」
 どうやら嫌われているらしいしな、と男は自嘲気味に続けた。
 そんな言葉はずるい。
 妹紅は思わず歯がみしてしまう。
 別に嫌っている訳じゃない。ただ心を許してしまえば、きっと後悔する。
 心を許せるのはこの体の秘密を知っても隔てなく付き合ってくれる者だけ。
 そんな人間がこの世にどれだけいることだろうか。
 もし目の前の男がそうであったとして、その周囲の人間全てがそうだと言えるはずがない。
 一人と関わりを持つと言うことは、いずれその一人と繋がる者とも関わることになるということだ。
 関わりを持つということは多くの糸と繋がりあっていくことに他ならない。
 その糸を焼き切り、誰とも繋がないように生きてきた自分が今更できることではないのだ。
「そ、そうね。早く治してさっさと自分の村に戻るのが賢明な判断だわ」
 期待しても得られない。
 期待すれば傷つくのは己自身。
 ならば期待しないように、したくならないように、自分は突き放した態度を取るしかないのだ。
 だがどれだけ突き放しても、一度関わり合うことの温もりを知ってしまったら
 その心にぽっかり空いた「空虚」という名の穴は埋められてしまう。
 埋まっている間は構わない。
 しかし埋められた穴は雨が降ればまた深淵の闇を覗かせることだろう。
 その苦しみ痛みに“慣れるまで”、どれくらいの時間が掛かるかは分からない。
 やはり後悔することになる。
 だが求めずには居られない。


 この二つの相反する心の間で、妹紅はある一つの選択を投げかけられていた。




 男の足は本人のやる気もあって、順調に回復していった。
 妹紅の態度は一貫して変わらず、だがそれでも男は妹紅を嫌いにはならなかった。
 そんな優しさ相手に、妹紅は益々助けたことを後悔してしまっていた。
 この温もりは思い出していけないものなのだ。
 もはや今更言っても仕方のないことだが、またしばらく孤独、空虚という名の痛みと苦を共にしなければならなくなる。
 長い歳月を生きて、不老不死の人間として生きる術を見つけてもまたこうして束の間の安らぎを求めてしまう。
 この繰り返しを止めるには、一つの方法しかない。
 妹紅はその方法を取るか、取らざるべきか、ずっと悩み続けていた。


 そして男が村に帰ることなった前日の夜。
 妹紅は男と最後の晩餐を共にしていた。
 最後だからといって別段豪勢なわけでもない。
 山菜が湯に味噌汁といった極々いつもと変わらない食事だ。
 特別なものでないからこそ、妹紅も男も気にしている様子ではないように見える。
 だが妹紅の心境は見かけよりずっと複雑な思いが渦巻いていた。
「……世話になったな」
 徐に男が礼を述べた。
 まあその位は予想していた言葉だ。
「思ったより早く治って良かったわ。これでようやく厄介払いができるもの」
「最後まで相変わらずか」
 苦笑を漏らしながら、どこか寂しげな雰囲気を含ませて男は言った。
 そんな顔を見るのが嫌で、妹紅は目を眼前の食事に集中させる。
「最後ついでに聞いても良いか」
 突然男の声が真剣味を帯びたものに変わって、妹紅はふと男の顔を見てしまった。
 そこには声同様とても真剣な眼差しを湛えた表情が浮かんでいた。
「どうして君はこんな所に一人で暮らしている」
 成る程ここでそう聞くか。
 妹紅は真っ先に聞かれてもおかしくなかった質問をここで聞かれるかと意外に感じた。
 迷ってくらいでしか近寄る者のない山奥に、年頃の少女が一人暮らしているとなれば疑問に思わない方がどうかしている。
 だからそれを聞かれずにいたことを、妹紅は疑問に思っていたのだ。
 だがそれをここで聞くとは。
「ふっ、あはははっ、あんたって最初から思ってたけど変な奴ね」
 だから思わず笑ってしまった。
 もうどうせ最後なのだ。
「こっちが真剣に尋ねているのに笑うとは、君はやっぱり酷い奴だ」
「そう言うあんたも顔が笑ってるわよ」
「そんな可憐に綻ぶ花のような笑顔を見せられたら仕方ないだろう」
 そんな世辞を言われるのも何十年ぶりか。
 ここ数日の妹紅なら、そんなことを言われれば逆に怒っていたことだろう。
 だが最後だと割り切ることで、そんな歯の浮くような台詞も素直に受け止めることができていた。
 だからここでそんな一言を聞くことになろうとは全く予想してなかったし、
 油断していて狼狽を隠すこともできなかった。


「俺の村で暮らさないか。お前さえ良ければ一緒に」



 翌朝。
 妹紅と男は朝靄の残る森の中を人里に向かって歩いていた。
 どちらも何も喋らない。
 だが気まずい空気が漂っているというわけではなかった。
 むしろ妹紅の顔には清々しささえ感じられる。


 昨晩男が妹紅に持ちかけた言葉。
 それに対して妹紅は狼狽こそしたものの、返事はすぐに返したのだ。
「それはできないわ。理由は言えないけれど」
 あれだけ悩んで自分の中で答えが出せずにいたことなのに、
 いざ相手から切り出されるとすっぱりと諦めがつくから不思議なものだ。
 男の方もまさかそこまであっさり断ってくるとは思ってなかったらしく、しばらく言葉を返せずにいたが、
 すぐに笑いを溢してそうかわかったよと一言告げた。
 それでその話ははいお終い。
 後は他愛もない話をつらつらと続け、最後の最後で二人は笑いを交えた会話に花を咲かせたのだ。


 そして一眠りして朝を迎えた二人は、最後の時をこうして過ごしている。
 男は一人で帰れると言ったのだが、迷ってここまで来たのだから案内くらいはすると妹紅から提案したのだ。
 それは心の何処かに未練が残っていたからなのかもしれないが、これで全て今回の話は終わり。
 それなら少しくらい未練がましい行動を取ったところで、何も変わりはしない。
 そう、何も変わりはしないのだ。
 男を見送って引っ越して、またどこかに家を建ててひっそりと人知れず歳月を経ていく。
 凪いだ湖に、たまには石を投じてみても良いじゃないか。
 未練は残っていても随分諦めのついた妹紅はそんな風に考えられるようになっていた。
 ずっと悩んでいた数日がまるで馬鹿みたいに思えてくる。
 だがこの別れ方ならきっと乗り越えられる。
「この峠を越えれば、俺の村が見えてくるはずだ。そこまでで案内は充分だ」
「そうだね、私ももうそろそろここいらが限界だし」
 あまり下手に人里に近づいては何処で見られないとも限らない。
 引っ越すことは確定なのだから別に構わないと言えば構わないのだが、
 やはり面倒事の種は拾わないに越したことはないというわけだ。
「本当に助かった。俺がこうして無事に村に帰れるのはお前のおかげだ」
 茶化す様子は全くなく何度目とも知れぬ、そして最後となるであろう礼の言葉を口にする男。
 どれだけ突っ慳貪な態度を取らずに済むようになったとしても、面とむかつて礼を言われると照れてしまうのは人としての道理。
 妹紅は頬を朱に染めくるりと背を向けた。
「もう礼は良いわよ。いい加減照れ臭いんだから」
 そのまま歩き出して、それで全て終わる。
 すっぱり別れて、すっぱり未練も断ち切ればいい。
 そう、それだけのことだった。その為のお膳立てだって完璧だった。

 そのはずだった。

 向こうの山から吹き下りてきた風が村を通り抜けこちらの山まで流れてくる。
 さやさやと二人の別れをつなぎ止めるように草木が揺れた。
 その風に乗って届いたのはツンと鼻をつくような嫌な匂い。
 男は勿論のこと、妹紅も峠を走って登り村を見下ろしていた。
 そこで見たのは全壊した家屋が並び、至る所から黒煙が立ち上っている悲惨な光景。
 一目見て夜盗か妖怪に襲われたのだということが理解できた。
「そんな……」
 そう呟いたのはどちらの方だったか。
 いや今はそんなことは些末なことでしかない。
 目の前の事実を受け入れられないのは妹紅も男も同じだ。
「親父、お袋っ」
 男はよろよろとその歩を進めようとする。
 だがその袖を引っ張って妹紅は止めた。
 まだ荒らされて間もないように見える以上、あそこには夜盗か妖怪がまだ残っている可能性は高い。
 そんなところにのこのこ出て行ったら、その結末は言わずもがな“死”しかない。
 それならいっそ、いっそのこと――
「ねぇ私と一緒に暮らそう?」
 妹紅は口が勝手に動いているような錯覚を覚えた。
 それだけたった今自分で言った一言が信じられなかったのだ。
 だが一度堰を切ってしまえば、後は止め処なく流れ出すしかない。
 妹紅は止めたくても衝動がそれをさせようとしなかった。
「私とずっと一緒にいれば良い。私は、何があっても死なないの」
 言ってはいけない。
 それ以上彼を引き留めてはいけない。
 でも止められない。
「何を言ってるんだ」
「私は歳を取らないし、死ぬこともない。信じられないだろうけど本当のことよ」
 そこから先は殆ど一息で話したと言っても過言ではない。
 ずっと警戒して溜め込んでいた分が一気にあふれ出したのだ。
 死なない体、老いない体。どうして一人で隠れて生きてきたのか、どうしてあんな素っ気ない態度をとっていたのか。
 そして妹紅は自身の独白の最後をこの話で締めくくった。
「ねぇあんたは“火の鳥”の伝説を知っているかしら」
 それは太古の時代より存在し、決して途絶えることのない命を持つたった一羽の鳥。
 鳥の姿をしているだけで本当は鳥ではないのかもしれないが、それよりも重要なのはその逸話に残る伝説の一つ。
“彼の幻獣、火の鳥の生き血をその口に含み飲み干せば、永久の生と命が与えられん”
「火の鳥が不老不死の生き物を指すなら、私の生き血にもきっと」
 そんな妹紅の言いたいことを視線で察したのか、男は首を横に振った。
「魅力的だけど今はできない。俺はあそこに帰る」
 家族が居る。
 友が居る。
 もしもういなくなっていたとしても、戻らなければならない。
 あそこが彼の居場所なのだ。
「……本当に?」
「実のところを言うと迷ってる」
 不老不死が手にはいるかもしれない千載一遇の機会。
 迷って当然だ。だが彼には今の状況がある。
「でもやっぱり今はあそこに戻る方が大事なんだ」
 そう言うと男は躊躇いを振り切るように峠を下り始めた。
 その後ろ姿が小さくなり見えなくなるまで、妹紅はただ見つめることしかできない。
 もしかしたら彼の気が変わって戻ってくるかもしれないと、そんなあるはずのないことを考えてしまう。
 恋い焦がれていたわけではない。
 ただ道連れが欲しかったのだ。一人で生きるには永遠の時は辛すぎる。
 どれだけ強がっても慣れたフリをしてみても、やはり空虚の穴は心に寂れた風を吹き付けてくる。
 からあの言葉は全て我が侭だったのだ。
 そんな我が侭を押しつけるのが嫌で、だけどそうしたい自分も居て。
 結局は向こうから一緒にという提案を出してきてくれたおかげで諦めがついたというのに。
「そうか……わかったよ」
 妹紅はぽつりと呟きを漏らす。
 それは自身に言った一言ではない。言うなればこの運命に対してといったところか。
 永遠にこの穴を埋める術が無いというなら、探し出してやろうではないか。
 どうせ何をしたって死なない体なのだ。
「この命、派手に使ってやろうじゃないの」
 妹紅の顔には悲痛も後悔も浮かんでおらず、何かを悟りきった不敵な笑みが浮かんでいた。
 そしてしっかりと踏みしめながら歩み出す。
 死の匂いが香り立つ人里へと。




 全て殺し終えた。
 喚きながら飛び込んできた馬鹿な男も今はただの肉塊と化している。
 金目の物は何も持っておらず手間が少し掛かった程度だ。
 あらかた金目の物や食料は奪い終わったし、もうこの村に用はない。
 村を襲ったのは盗賊の一団で、その首領は村の中央で子分共が仕事を終えるのを悠然と待っている。
 もうすぐその仕事も終わり、そうなれば次の獲物を求めて馬を走らせることになるだろう。
 早速手に入れた野菜を手に取り豪快にかぶりつく。
 強奪したての味はまた格別で、まさしく勝利の味だと彼は笑った。
 だがその笑いが突然止まる。
 彼方から仲間の断末魔が聞こえてきたのだ。
 それも一つや二つではない。
 その数は次第に増え、しかもこちらに近づいてきているように聞こえる。
「何があった!」
 連絡手段は口づてしかない。
 彼は走ってきた子分に事の次第を尋ねた。
「ば、化け物がっ」
「なんだ妖怪か。そんなもんにいちいちビビってんじゃねぇっ」
 妖怪の相手などこれまでにも幾度となくやってきたことだ。
 勿論勝ち目のない相手にあたったこともあるが、その時もどうにかこうにか逃げ延びている。
 そこで死んだ奴がいたら、それはその程度それまでの奴でしかなかったということだ。
 だがどうにも仲間の様子がおかしい。
 そんなに強い妖怪なのか。
「あんたが親分か」
「てめぇが妖怪変化の正体か?」
 断末魔を響かせてやって来たのはまだまだ稚さが残る少女。
 見た目通りではないことくらいわかっているが、どうにも強そうには見えない。
 迫力だって雰囲気だって二流程度も感じられない。
「ふん俺の子分の質も落ちたもんだ。てめぇみたいな乳臭いガキ相手に遣られるとはな」
「だったらあんたの強さも知れたもんだね」
 言うじゃねぇかと彼は不敵で下衆な笑みを溢す。
 だが少女も負けずに肉食獣のような鋭い視線を投げてくる。
「その腹に風穴あけてやるよおっ!」
 彼が合図をすると取り囲んでいた子分達から火矢が放たれる。
 跳んでも避けられないくらいの全方位から向けられる敵意。
 だが少女はまったく避けようとはしない。避けても無駄だと悟ったのか。
 しかし動かなければ当たるのは当然で、矢はその華奢な体に次々と刺さっていく。
「はははっ、呆気ねぇぞ」
 所詮は突然現れた得体の知れない相手に怯えた木偶の坊共だったのだ。
 きちんと策を用意していればこの程度の妖怪など相手にならない。
「この程度の穴ならすぐに埋まるわ」
「んなにぃっ?」
 笑いが一変して驚愕に変わる。
 炎の中から聞こえるのは高笑い。
 刹那その炎がまるで翼のように広がった。
「私が埋めたいのはもっともっと埋めにくい穴なのよ」
 ゆっくりと起き上がってくるのは先程火中に飲み込まれたあの少女に間違いない。
 矢で破れてしまった所からは陶器のような白い素肌が覗いている。どこにも火傷など外傷は全く見られない。
 少女は炎の翼を背に湛え、まったく平気な様子でこちらを見ている。
「ば、化け物……っ」
「さっき遣った連中も同じ事を言っていたね。でも私から見たらあんた達だって充分化け物よ」
 ただずっと弱いけどね。
 少女が呟くと、まるで呼応するかのように炎が広がり周囲の者を次々と焼き尽くしていく。
 近辺に水場はなく、為す術もなくただ己が身の焼け焦げる悪臭を嗅ぎながら地に伏していくしかない男達。
 そしてその炎は次第に彼の元へも近づいてきていた。
 馬は余りにもの暑さに耐えきれず、暴れ回って男を落とし山の中へと走り去っていってしまった。
 一瞬で子分も馬も生きられる可能性も無くしてしまった男。
「やっぱり、殺されちゃったのね」
 しかし少女は憎悪の視線を向けてくる男よりも、すでに絶命してしまっている男へと話しかけていた。
 慈しむように、それでいてどこか安心するように。
「でもこれで全てに諦めが付いたよ。後は全部焼き尽くすだけ」
「っ、っそがああああっ」
 男は刀を振り上げて鬼の如き形相で突っ込んでくる。
 だがその刃は少女に届く寸前に焼け溶け、そのまま男の体も一瞬で灰燼に帰した。



 何も残らない。
 灰は風に乗って山に散り、残ったのは焦げ跡の残った空き地。
 その中心にぽつんと佇むのは白い髪を風になびかせ立つ妹紅。
 最早何もないこの地で、彼女は新たな道を見つけた。
 今までその穴から吹いてくる風を我慢していた自分。
 これからはその穴を埋める術を見つけ出すのだ。
 “誰か”などに頼るのではなく、自身の手で埋めてみせる。
 黒く焦げた土を強く踏みしめ、妹紅はどこに続くとも知れない道を歩み始めた。


 彼女が蓬莱山輝夜と再会するのは、それからしばらくしてのことである。





 ふと目蓋越しに眩さを感じて、妹紅は目を覚ました。
 どうやら昨日は輝夜との一戦を終えた後そのまま寝てしまったらしい。
 確かに昨夜の戦いは中々にハードだった。
「あいつのことだからすぐにリベンジしてくるわね」
 だったら今の内に朝風呂でも浴びておいた方が良いだろう。
 服もぼろぼろのままでは格好が付かない。
 今日はやることが少し多そうだ。
「そうと決まればさっさと起きなきゃ」
 上半身を延ばし、そのまま布団から出て今度は下半身も伸ばして立ち上がる。
 目覚めが全身を駆けめぐり、直後大きな欠伸が出た。
 誰も見てないことを良いことに大口開けての豪快なものを一つ。
 そのまま今度は土間に下りると水瓶から生活用の水を一杯汲んで顔を洗う。
 冷たい水は目を覚まさせる一番の薬だ。
 しゃっきりと目が冴え、しっかりと体も起きた。
「さて、今日もしっかり生きますか」
 戸口を開いて朝日をその身に浴びる。
 太陽の光は蓬莱人にも分け隔てなく降り注ぐ。
 その光を一心に浴びて、妹紅は今日も一日を生き始めるのだった。


〜終幕〜  
色々自己解釈が入ってますが、いかがだったでしょうか。
ここまで読んでくださった方にはまずお礼を。
ここから読み始めた方には、とりあえず読んでみてくださいと言っておきましょう。

妹紅の過去はあまり資料がありませんが、とても凄惨な想像をしてしまいます。
実際に不老不死になることは今のところできませんが、
もしできるようになったとき、人は何を思うのでしょうか。
目先の利益に囚われて、永遠の苦しみを背負うことになるのか、
それともそれすら娯楽に変えて強く生きていけるのか。
……考えても仕方のないことですけどね。

ご意見、ご指摘など頂ければ幸いです。
雨虎
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2007/04/18 23:04:41
更新日時:
2007/04/21 14:04:41
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5.00
1. 5 A・D・R ■2007/05/13 01:10:12
感じたのはたった一言、悲しい…でも、お話はしっかりまとまっていたと思います。最後のところがとても心に残りました。
ただ、お題へのつなげ方が多少強引だった気がしたりとか。
2. 3 床間たろひ ■2007/05/13 01:13:29
王道とありがちは紙一重。
残念ながら読んだ感想としては、ありがちの方に傾いてしまいました。
男と妹紅の交流が浅いのが原因で、感情移入させる間もなかったな、と。
誤字、脱字っぽいのがいくつかあったのもマイナス点。また内容についても、もっともっと練れば良い話が書けるだけの技量があると思いますので、これからも頑張ってくれればと。妹紅のキャラ付けなんかは好みだし、過去を書き切ろうという気概は実に素敵ですのでw
3. 2 ■2007/05/13 01:59:16

これが書きたかったんだー、という作者さんの熱意は伝わってはくるものの、
この題材を書ききるにはいささか尺が足りていなかったかなぁと思います。
作中でキャラクターの心情を変化させていくには、
読んでいる方にもそれが自然な流れであるかのように思わせなければ色々と難しいです。
で、そうするにはやっぱり尺を持ってしっかりとキャラクターを書く以外に方法がなく。
時間の限られたコンペという場では難しかったかもしれませんが、勿体無いなぁ、と。
4. 6 新角 ■2007/05/13 09:50:34
心の穴というのは結構メジャーな選択なのかしら
展開的にはありきたりかな
オリキャラをもうちょっと巧く使えた気もしなくもない
5. 5 爪影 ■2007/05/13 16:17:42
 虚しく逝きて実ちて生きる――なんて、ね。
6. 5 shinsokku ■2007/05/14 00:38:51
読みやすく、堅実なつくりである分、「これだ!」という味付けが少々薄く感じます。
濃い目が好きな子供舌の自分にはちょっと物足りなく思ってしまいました。
それは兎も角、真面目っ子な妹紅の優しい凄惨さは好み。
7. 3 どくしゃ ■2007/05/16 03:17:12
コンペのお題が決まったとき、心の穴が真っ先に浮かんで。
予想を外さない使い方の作品だったけれど、面白かったです。
同じ「心の穴」でも、使い方次第だと思いますし。
8. 10 KIMI ■2007/05/16 17:46:23
つい読み入ってしまいました。
妹紅の喜怒哀楽さまざまな感情表現がよかったです
9. 5 秦稜乃 ■2007/05/16 20:46:42
なにこのもこたんのツンデレっぷり。
それはそうと蓬莱人の苦悩とか、そういったものを感じられる作品でした。
10. 10 ■2007/05/22 00:42:57
これだと、ぐもんしきで妹紅が人と進んで関わっているのが非常に自然になりますね。違和感がなくて、すとんと落ち着きました。また、妹紅が人間に寄り過ぎていないのも高得点です。それに、永遠の身に人の心を宿したものの、虚ろではなく空の感じがよく伝わって来ます。ごちそうさまでした。
11. フリーレス 人比良 ■2007/05/26 20:51:58
輝夜にちょっと違和感。
話自体としては、都合のほうが先行してしまっている気がしま
す。
ところで二人は褥をともにしたのでしょうか?
12. 4 流砂 ■2007/05/26 21:37:01
昔の妹紅はまだまだまだまだ人間ですね、蓬莱人になって100年も経ってなさそう。
きっとこの男の他に、その後に何人かの人と生活を共にした事もあるでしょう、
そして失い、傷つき、裏切られ、と数を重ねて今に至る……。
でも未だ少女らしさを持っているという事は、人間もまだまだ捨てたものじゃないのかも。

場面転換が多いので、もう少し間を空けたりなどの工夫が欲しかったです。
例えば盗賊親分視点からおもむろに第三者視点になると「あれ?」とも思う。
13. 5 deso ■2007/05/27 00:12:58
生きることに空しさを感じているわりには、男と出会った頃が元気が良すぎる気がします。
空虚の部分をもっと深く掘り下げていたら、もっと良くなると思うのですが。
あと些細なことですが、誤字が。「絵と子」は、多分「男」、ですよね。
ついでに言うと、時代が現代で無さそうなので「メートル」も微妙かなぁ。
14. 7 詩所 ■2007/05/27 02:40:05
妹紅に関して言えば、同じ不老不死の輝夜という自分を知る相手がいるだけ幸せなんじゃないかな。
私が思う不老不死はある限定された人だけが得ることで価値が生まれるのだと。死があり、それを見てきたからこそ願うのでしょう。

絵と子→男?
15. 4 反魂 ■2007/05/27 03:23:07
少々説明が淡泊すぎるかな、と。
次々と心情が入れ替わり場面が転換してゆくため、些か混乱しました。本来ならもうちょっと長尺の文章で読むべき物語だったかな、という印象です。最小限の説明にとどまった為、妹紅や男の行動に唐突さを感じることが多かったです。一足飛びに進んでしまった印象でした。
ただ物語そのもの、男を通じて妹紅の身空を描き出す、というストーリーについては、私好みでした。その点で楽しめる作品であったことに間違いはないです。ありがとうございました。
16. 10 風見鶏 ■2007/05/27 03:24:05
幻想郷には男はいらぬ。と思ってたけれども結構いいかも。
17. フリーレス 反魂 ■2007/05/27 03:39:26
追記 誤字誤用
・年の瀬は十代後半くらい→年の頃は など
 「年の瀬」は年末のことで、外見の年齢を指す言葉ではないです。
・山菜が湯→山菜粥
18. 5 blankii ■2007/05/27 10:37:49
これは良いツンデレ妹紅、とかコメントする俺は駄目な奴に間違いない。過去編だと途中まで気付かなくて少し、えーとか思った部分もありましたが、昔の話とすると納得です。
19. 4 椒良徳 ■2007/05/27 19:28:11
「鎌首もたげることは」は「鎌首をもたげることは」
「この絵と子は」は「この男は」
「山菜が湯」は「山菜粥」でしょう。
誤字かどうか判りませんが指摘させていただきます。
あと、穴というお題が弱いように感じます。あかんわけではないですが。
 さて、妹紅と人間のかかわりというありきたりな題材にしてはこの作品は強く印象に残りました。ただ、点数には結びつかなかった。しかたがないとはいえ、オリキャラの登場がちょっと。
20. 1 木村圭 ■2007/05/27 23:18:31
現在と過去の境目が曖昧過ぎて困ります。空虚、虚無、〜からが過去だと思うのですがあまり自信がありません。空白の使い方を工夫するか記号を用いていただけると助かります。
輝夜との出会い、やり取りが抜けているために過去と現在が全く繋がりません。現在の妹紅の心情に対するフォローも曖昧なため、輝夜に頼っている現状をどう思っているのか、空虚は埋まりそうなのかなど色々と不明。男とのやり取りが書きたかったのであればそこだけを書いた方が良いと思います。
21. 1 乳脂固形分 ■2007/05/28 02:58:12
うーん。ストーリー自体はいろいろと見どころを作れるものを選んできたように思うのですが。
どうにも歯切れが悪い。一番ネックなのは、セリフに魅力が感じられない点でしょうか。
丁寧に書いてある印象は受けました。
読点の置き方が、自分の中の感覚と合わないせいか、読みづらく感じました。
もう少し多くてもいいのではないかと思いました。
長さの割に、誤字が多い気がします。
表現の面でも、「突っ慳貪」が二回でてきたのがちょっとなあ。
22. 5 らくがん屋 ■2007/05/29 11:11:31
妹紅の心の穴というのは、まずまず表現できていたように思います。ただ、いくつか気になる点が。
夢のシーン(過去話)に移ったというのが全く理解出来ず、唐突に出てくる
>彼女が蓬莱山輝夜と再会するのは、それからしばらくしてのことである。
に?でした。竹林周辺に移り住む前、ということなんでしょうが、それを理解できる文章も見当たりません。再読時、崖がどうこう、というので察することは出来ましたが、やはり不親切な構成の文章だと思います。最初の殺し合いは不要かもしれません。
次に、幻想郷で山賊ってそんなに長生き出来るのか? と。まあこれは些細な物ですね。
最後、結局妹紅自分で穴埋められて無いじゃん、と。輝夜との戯れで穴を埋めているのだとしたら、話の流れとしてはちょっと落ち着きが悪いですね。過去話を持ち出すなら、輝夜ではなく慧音とかでポジティブ方向に持っていくのが素直な流れじゃないでしょうか。あるいは、「妹紅が自分で穴を埋める」というのをいっそ書かなければよかったんじゃないかな、と。
以上、長文失礼いたしました。
23. 5 鼠@石景山 ■2007/05/30 00:41:31
文章が丁寧な印象を受けました。
ただ山が特に無く、結末も想像の範囲を超えることはなかったのが残念かと。
こうして見ると妹紅は妖怪紙一重なんだとつくづく思う。
24. 4 いむぜん ■2007/05/30 02:15:49
それがあるから今の妹紅か。
ただ、過去妹紅の話は結構こういうのが多いのも事実。なんというか、意外性に欠ける、というか。
25. 3 ■2007/05/30 02:33:38

文章が、プロットを消化するために必要なことだけ淡々と綴られているような印象を受けました。
プロットが魅力的ならそれでもいいのですが、今回はシンプルなお話でしたので、ストーリーが山場に差し掛かるまでが少々退屈でした。
大枠である起承転結の流れとは別に、随所に緩急をつけて読者を楽しませるように意識すると、面白い文章が書けると思います。
26. 4 リコーダー ■2007/05/30 16:24:21
もこたん、こういう男本当に好みなんかなぁ……
順当に青年が殺されて、一味がボコられて、という感じだったので、クライマックスに緊張感が足りない感じでした。
27. 6 眼帯因幡 ■2007/05/30 17:09:41
>この絵と子は >山菜が湯
これは誤字でしょうか?。
とても、私好みのお話でした。素敵な昔話です。
輝夜と出会う前に、妹紅の穴を埋めようとしていたもの、私も一度書いてみたいものです。
お疲れ様でした。
28. 3 二俣 ■2007/05/30 19:01:50
起承転結の承がちと弱い感じ。
自己解釈で突っ走るなら妹紅の心情などへもうちょっと突っ込んで欲しかったな、と。
29. 6 K.M ■2007/05/30 20:21:46
ぐっはぁ……重い話ですね。
30. 6 たくじ ■2007/05/30 22:36:28
男との最後のやりとりが良かったです。諦めてたはずなのに言ってしまった言葉。いいなぁ。ただ、誤字の多さが気になりました。(絵と子)(山菜が湯)(迷ってくらいでしか)面白かったのでなおさらもったいない。
31. 1 時計屋 ■2007/05/30 23:08:05
『火鳥風月』1点
まず文章が長さのわりに平坦です。
説明描写、内面描写ともにもう少し抑揚をつけた方が良いと思いました。

あと、妹紅と男が惹かれてあっていく部分に説得力が欠けています。
特に妹紅については何百年も生きてきた不老不死の人間という設定に比べて、
あまりに心の推移が単純すぎるように思われます。
こういうボーイミーツガールものの肝は、いかに二人が距離を縮めていくか、です。
SSでも割とよく書かれる類のお話ですが(もっとも東方だとほとんどガールミーツガールになっちゃいますが)、
短いお話の中では上記の点を十分に描写しきれないことが多く、いかに読者を納得させるか、
書き手が一番頭を悩ませる部分なので、ここを重点的にもっと練りこんでみてください。

最後になりますが、お題に沿った内容とは言い難いため、次回以降参加されるときは気をつけてください。
32. 7 藤村る ■2007/05/30 23:11:08
 妹紅マジつんでれ。
 どこからが過去話かわかりづらく、最初読んだだけだと輝夜の戦いの続きなんだなーと自然に思ってしまいました。まあそれでも自然には読めたのですが。
 話の展開としては非常にシンプルで、予想外のことはそう起こらなかったのですが、よく書き込めていたので飽きずに読むことができました。若干、繰り返しの説明などが過剰なところは気にはなりましたが、許容範囲ではありましたし。
33. フリーレス 雨虎 ■2007/06/01 01:56:48
>A・D・Rさん
悲しさを代償に手に入るものもあります。
ただ不老不死はどうしてもこういった先入観がありますね。
>床間たろひさん
確かに急ぎすぎた感は自分でも否めません。
時間があればじっくりと書き直したいネタです。
>紫さん
書きたいネタがありすぎて、一つ一つが雑になってしまったようです。
今読み返すと確かに書きたいところだけを書いてますね、私。
>新角さん
心の穴は結構あると思ったのですが敢えて。
オリキャラの性格付けは曖昧でした。もう少し練っても良かったか。
>爪影さん
そうですね。何もない生は死と同じという文をどこかで読んだ気がします。
>shinsokkuさん
あぅ、的確に弱点を示してくれてますね。
あなたの舌を満足させられるよう精進します。
>どくしゃさん
そうですね。同じテーマでも書く人によって全く異なりますし。
そういう意味でもコンペの場は楽しめます。
>KIMIさん
10点とはありがとうございます。
求聞史記を読んでから妹紅は可愛いイメージが強まりましたね、
>秦稜乃さん
伝えたいことが伝えられて良かったです。
あと妹紅のツンデレはデフォだと言っておきます。
>翼さん
完全に人を遮断しないという輝夜との違いが妹紅にはあります。
そこをどうにか使えないかなと。10点ありがとうございます。
>人比良さん
急ぎすぎて都合に走ってしまったのは反省すべき点ですね。
ちなみに健全SSなのでそれはなかったということでw
>流砂さん
なんだかんだで人間にはまだ希望があると信じてます。
場面転換に関しては、そうですね工夫できるよう努力します。
>desoさん
空元気……という解釈では納得できないでしょうか。
あと昔の尺度についてはこれから勉強してきます。orz
>詩所さん
そうですね。輝夜との出会いに繋げたのはそういう意味合いもあります。
何が人間怖いって忘れ去られるのが怖いのだと思いますよ。
>反魂さん
そこはやっぱり時間をかけられなかったことが目立ってますね。
急ぎ足で書きすぎました。
>風見鶏さん
たまには、ねw
10点ありがとうございます。
>blankiiさん
いえ間違っておりませんw むしろ賛同を。
過去と今の境界がわかりにくかったのは直します。
>椒良徳さん
オリキャラは悩みます。好き嫌い分かれる題材ですからね。
ただ敢えて挑戦してみたく。お口に合わなかったようで失礼しました。
>木村圭さん
やっぱり記号等で分断するべきでした。
実はわざとしてないんですが、素直にやっとくべきでしたか。
>乳脂固形分さん
色々とご指摘ありがとうございます。
次回に活かせるようよくよく噛みしめておきます。
>らくがん屋さん
説明不足、わかりにくさは申し訳ないです。
もう少し工夫が必要なのは改めて痛感しています。
>鼠@石景山さん
山がないのは私の最大の短所みたいです。
もっと楽しませようという努力が足りないのでしょうか。頑張ります。
>いむぜんさん
意外性はあまり狙っていません。
それならそれでもっと楽しませろよって感じですが。
>執さん
主軸以外で緩急ですか、成る程。
使いこなせるには時間が掛かりそうですが頑張ります。
>リコーダーさん
やはり山場が問題ですね。
妹紅の好みについては、人それぞれなのであまり気になさらず。
>眼帯因幡さん
好みと言っていただけで幸いです。
是非眼帯因幡さんのお話も読んでみたいですね。
>二俣さん
中途半端な冒険で申し訳ないです。
中途半端に臆病な性格をしているので。
>K.Mさん
やはり死が絡むとどうしても重くなってしまいます。
その重さとどう付き合っていくか、蓬莱人は大変ですね。
>たくじさん
誤字は本当に申し訳なく思っています。
この作品は本当に急ぎすぎました。
>時計屋さん
問題点を細かく取りあげていただき大変参考になります。
頑張って次回に活かせるよう精進します。
>藤村るさん
やはり区切りは大切ですね。今回で身に染みました。

本当に色々な指摘感想を皆様ありがとうございました。
誤字脱字の指摘に関しては近々直す予定です。申し訳ない。
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