Let's play 悪ing!

作品集: 最新 投稿日時: 2007/05/12 07:12:47 更新日時: 2007/05/14 22:12:47 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00
※俺設定多数注意


「……はぁ」

赤くて大きな屋敷の中、吸血鬼は悩んでいた。

「どうすればいいのかな…」

この赤くて大きな屋敷、紅魔館は、今財政難に陥っていた。
それも、とても深刻なもので、下級のメイドや門番長などは明日食べるパンもないほどだという。
いくら我侭が服を着て羽をつけて手の形を固定して歩いているようなレミリアも、
この財政難を見過ごすことはできなかった。
もちろん、それならケーキを食べればいいじゃない、などということを冗談でも口走ることもしなかった。

「ねぇさくや」

レミリアは誰もいない方向へ呼びかける。すると、音も立てず突然一人のメイドが現れた。
ちなみに呼んだメイドの名前が平仮名だったのは新月が近づいてレミリアが幼女化しているからだ。

「どうしました、お嬢様」
「いまこうまかんにお金がないんだけど、なにかいいアイデアない?」

咲夜は、完全で瀟洒な従者。咲夜ならきっと何とかしてくれるとレミリアは考えたのだ。
重ねて言うが、今のレミリアは幼女化しているので口調もやや幼い。

「私にお任せください…と言いたいところですが…さすがの私でも、この状況を今すぐ打開する策は浮かびません」
「そっか…」
「しかし、香霖堂のほうに手紙で融資の相談をしました。そして、今その返事が届いたところです」
「さすがさくや!」

レミリアは手をぱちぱちと鳴らした。その様子を見て咲夜は、鼻を押さえつつ、

「で…では…早速中身を確かめてみますね…」

咲夜は手紙を開く。

そこにはただ、こう書かれていた。



『ジメン
 ホレバ
 セキユ
 ワクジャン』


「沸くか―――――!!!!」

咲夜は思わず叫んでしまった。
その直後、その声にレミリアがおびえてるのを見て我に返り、こほん、と咳払いをした。

「なんでしょうかこれ…ふざけているのかしら?
 これだから魔法の森に住んでるようなやつは……!!
 …って、お嬢様?どこへ行くのですか?」

レミリアは部屋を出るといきなり窓から飛び出した。
咲夜もあわててその後を追う。

「お…お嬢様?」

レミリアはどこから持ってきたのか、小さなスコップを手に持つと、さく、と地面を掘り始めた。
さく、さくさく、とレミリアが地面を掘る姿に咲夜はしばらく硬直していた…おそらく、鼻血を抑えていたのだろうが、しばらくして、

「掘ります!掘ります掘ります掘りますとも―――!!!」

咲夜は一心不乱に地面を掘り始めた。
石油が出るなどとは信じていなかったが、とにかくその手を動かし続けた。
そして、

「さ、咲夜さん!私も手伝います!(きっと手伝わないと後でお仕置きされる…!)」

「おう、石油掘ってるんだってな?私も手伝うぜ、分け前はきっちりもらうけどな」

「掘ると聞いて飛んできたぞ…さあ、私に掘られたいのは誰だー!」
「な、何で満月でもないのにっていうか私じゃなアッ-!」

三名加わり、そのうち一名が脱落し差し引き合計三名となり、さらに紅魔館のメイドたち多数が加わった。
そしてパチュリーとレミリアは傍観していた。もちろんパチュリーは手伝う気などまったくないが、レミリアは咲夜に止められた。

そして数時間後。

「!?何か硬いものに当たったぞ!」
「どれどれ…金属の箱?」

咲夜は慧音が掘り当てた箱を引き上げた。
開けようと試みるが、咲夜でも、
紅魔館で最も腕力のある美鈴(気絶しているところをたたき起こされた)でも箱は開けられなかった。

「パチュリー様、この箱は物理的な力では開けられないようですが…魔法では開けられそうですか?」
「んー……これはかなり強い封印ね…解けるには解けるけど、時間がかかりそう…」

そのとき。

「きゅっとして…」

「!?危ない、みんな伏せて!」
「え?」

「ドカーン!」

「きゃああぁ!!」

箱がいきなり爆発した。周囲にいたもののほとんどは咲夜の言葉で伏せていたからほとんどなんともなかったが、
美鈴だけは反応が遅れてモロに爆風を受けてしまった。

「中国、大丈夫!?」
「うぅ…いつもこんな役ばっかりだあぁぁ…」

すぐにレミリアが駆け寄ったが、地面に倒れ伏した美鈴はそのまま気を失った。

「さくや、中国をおねがい」
「かしこまりました」
「私も行く!」

咲夜と慧音は美鈴を抱えて去っていった。

「ちょっとフラン、いきなりなにするの!?」

そこにいたのは、もちろん悪魔の妹、フランドール・スカーレット。
ちなみになぜか幼女化はしていない。なぜだ。知るか。

「そっちこそ、私をほうっておいて、なに楽しそうなことしてるの?
 しかも、その箱の封印を破壊だなんて、私の専門分野じゃない!」
「だからといって、箱ごとこわさなくてもいいじゃない!中国がけがしちゃったでしょ!」
「大丈夫、私はちゃんと箱だけ破壊したから。中身は無事よ。」

そういうと悪魔の妹、フランドールは外だけ綺麗に破壊された箱の中身を拾い上げた。

「なにこれ…紙?」

そこに落ちていたのは、沢山の紙の束だった。

「将来の夢…魔法使い、すっごい人に弟子入りして、きらきらした魔法を教えてもらうわ。
 そしてとびっきり可愛い魔法少女になって、いつかかっこいい白馬の王子様のお嫁さんになるの〜♪…なにこれ?」
「わああぁぁぁぁ!見るなあぁぁぁ!」

フランドールが紙に書かれた内容を読み上げると、突然魔理沙が阻止しに来た。

「え?何、魔理沙…あ〜、もしかしてこれ書いたの魔理沙?」
「うっ、しまった…」

言わなければばれないかもしれなかったことに気づき、魔理沙は自分の迂闊さを呪った。

「へぇ、どれどれ…うわぁ、乙女ねぇ〜…」
「どうしてこんな乙女がこんな風になっちゃったのかな…?」
「うう…本当に勘弁してくれ…」

パチュリーとフランドールが魔理沙をからかっている中、レミリアは紙を見つめていた。

「…ねえ魔理沙、これってタイムカプセルってやつ?」
「あ、ああ、そうだぜ」
「でも、これ書いてるのみんな子供だよね?一体どうやって埋めたの?」
「そうね…普通の子供じゃこんな封印できないわ。どころか、私のような魔法使いでもそう簡単にはできるものではないわ」

魔理沙以外の全員がそろって首をひねる。

「ああ、それはな…昔、私たちと遊んでくれていた妖怪がいたんだ。その妖怪に埋めてもらった」
「へぇ…それは初耳ね」
「当然だ。言ってないからな」
「でも…こんな強い封印ができる妖怪なんて、それこそスキマクラスの大妖怪じゃない?
 そんな妖怪と一緒にいて、大丈夫だったの?」

パチュリーの疑問ももっともである。
強い妖怪の類の能力は、近くにいるだけで影響を及ぼすことがある。
西行寺幽々子の死を操る程度の能力などがそうだ。特に、まだその力を制御できなかったころは大変だったらしい。

「大丈夫だったぜ。その妖怪の能力は周囲に闇を作り出すもの…それも力を吸い取るでもない、ただの闇だ。
 だから近くにいるだけなら大丈夫だった。ただ、他の霊力とかはすごく強かったけどな…」
「でも、食べられたりはしなかった?」
「ああ、それも大丈夫だ。本人曰く、闇を食べていればそれ生きていけるんだそうだ」

闇の妖怪…そのような妖怪は名前のある妖怪にもない妖怪にも存在するが、
闇を食べて生きていけるほどの妖怪は少なくともこのメンバーには心当たりはなかった。

「で、その妖怪はどんな外見だったのかしら?」

パチュリーが質問を続ける。

「ああ、長い金髪で…黒い服だったな」
「金髪で…黒い服?」

パチュリーは、何か引っかかるものを感じた。
パチュリーだけではない。レミリアもフランドールも首を傾げていた。

「…そういえば、似たような妖怪を神社で見たかも」
「私も見たことあるわ」

その場の全員の頭には、ある金髪の少女が浮かんでいた。

「…でも、あいつは髪が短いぜ?それにあの妖怪はリボンつけてなかった」
「切ったのかもしれないし、リボンは最近つけたのかもしれない」
「まあそれはそうかもしれないが…それだけじゃない、その妖怪は背が高くて美人だったぜ。
 しかも、あの妖怪は闇だけじゃない、光まで操るんだ」

闇と光を操る程度の能力。それと似たようなことができる妖怪はいるが、それを能力とする妖怪は彼女たちには思い浮かばなかった。

「でも、闇は魔力をもつ特殊なもの以外は光を失うことにより生じるもの…
 だから、基本的に闇を操ることは光を操ることに等しいのよ。ちょうど咲夜の時を操る能力で、空間も操れるように」
「なるほどな…だが、あの妖怪は私たちを別の妖怪から守るとき、でっかい剣で戦ってたんだ」

巨大な剣。このキーワードの該当する妖怪は、彼女たちの頭にはなかった。
ただ一人、魔理沙の記憶に残るあの妖怪しか。

「それで、その妖怪は結局どうなったの?」
「さあ…それは分からない。私たちが妖怪とばっかり遊んでいたから、里の大人たちが出てきてな…その妖怪を追い出そうとしたんだよ。」
「で、どうなったの?そんなことして大丈夫だったの?」
「ああ…殺されてもおかしくないと思ったんだけど…その妖怪は、ただ悲しそうに去って行っただけだったよ
 それ以来、行方は分からない」
「うーん…結局、あの子なのかそうじゃないのか分からないね」

魔理沙の証言では、あの妖怪が神社によく来る娘であることを否定する材料も肯定する材料も沢山あった。
それに、考えてみればあの娘…ルーミアのことについては謎に包まれている。
そのことを考えると、ルーミアがあの妖怪であることを完全に否定することはできなかった。

「では、直接確かめてみるのがいいのではないかと」

いつのまにか、咲夜は戻ってきていた。

「あ、さくやー、中国はどう?」
「とりあえず、部屋に寝かせてきましたわ。慧音さんが様子を見ています」
「そう、ならいいんだけど。それより、あの妖怪が気になるの。たしかめにいっていい?」
「よろしいですが、お嬢様が元の姿に戻ってからでないと、私の理性が…じゃなかった、お嬢様の身が危険です」
「そうね、じゃあ満月が近づいてから行こっか」
「ちょっと待て!」

魔理沙が真剣な表情で制止する。

「…私はその意見には、賛成だ」
「じゃあいいじゃない!」

…どうやらこれが言いたかっただけのようだ。

「まあそんなことはともかく、当然私も行くぜ。満月の夜だな」
「私はパス。なんか危なそうだし。そんなことするぐらいなら、本でも読んでるわ」
「ねぇねぇ、私も行っていい?そんなに強い妖怪なら、きっと私と遊んでくれると思うの!」

そんなわけで、ルーミアの謎を解き明かす作戦が立てられた。

   ★★★



満月の夜。

吸血鬼が本来の力を取り戻し、ワーハクタクが変身する夜である。
…先ほどの慧音が満月でもないのに変身していたのは気にしないことにして。
魔理沙とレミリアと咲夜と、そしてフランドールの四人によって、
ルーミアの正体を暴く作戦が今まさに決行されようとしていた。

「お、やっぱりいるな…」

ルーミアは、大概あてもなくふらふらしていて、探しにくいかと思われたが、
小悪魔の調べにより、よく神社に遊びに行くことがわかった。
そして、今夜も例に漏れず神社でチルノと遊んでいた。

「小悪魔の情報は正しかったみたいだな…」
「さすがね」

小悪魔曰く、低級悪魔には姿を消したり遠くを見たり小さな音を聞き取ったりという偵察や悪戯に使うような魔法は必修科目らしい。

「霊夢は今寝ている、ルーミアはチルノと遊んでいる。作戦実行には好都合だな」

作戦会議では、ルーミアの姿や能力の調査報告、分析が行われた。
そして、ルーミアのリボンは、ただのリボンでない可能性が高いとの結論が出た。
彼女らは、あのリボンはルーミアの力を封印するもので、
あのときの妖怪が力を封印されて今のルーミアになったという仮説を立てた。
つまり作戦とは、フランドールの力でリボンを破壊する、というものだ。

「よし、フラン、頼んだわよ!」
「OKお姉さま!」

フランドールがいつものように、リボンの『目』を右手に集めて握りつぶす。
だが。

「!?…きゃあああ!!」

突然フランドールが見えない力に弾き飛ばされた。

「ど、どうしたのよフラン!?」
「な…なんかよくわかんないけど、ものすごい力が…」

そこでフランドールの意識が途絶える。
フランドールの右手の中の『目』を通して、力が送られてきたのか。
とにかく、あのリボンの魔力は尋常ではないようだ。

「フラン?!大丈夫!?
 咲夜、すぐにフランを館まで運んで頂戴!」
「かしこまりました!」

咲夜はフランドールを抱えて紅魔館まで走っていった。

「おい!見ろレミリア!」
「どうしたの…!!」

神社のほうを見たレミリアは、その光景を見て言葉を失った。
ルーミアからものすごい闇の力が放出され、地面に小さなクレーターを作り上げていた。
近くの木はなぎ倒され、遠くの木も大きく揺れていた。


   ★★★


ここは博麗神社、この場所を説明するには、この言葉を引用するのが早いだろう。
『ここは誰も来ない。人間も神も。妖怪?ああ、毎日来るわ。』
…ここはそういう場所なのである。神社のくせに。
まあ実際は人間も来るが、そんな人間はもはやほとんど妖怪みたいなもんだろう。

「…いまものすごくひどいこと言われた気がするぜ」

うるさい。

まあそれはともかく、今日も神社には妖怪、そして妖精が遊びに来ている。
今は弾幕ごっこをしているようだ。

「腕を上げたのね、ルーミア」
「えへへ〜、今度こそチルノちゃんに勝ちたいからね!」
「でも、その程度じゃまだまだね!今度もあたいが余裕勝ちよ!」
「よし、じゃあ続き…!?」

ルーミアのリボンが、突然光を放った。
それと同時に、ルーミアが頭を抱えてかがみ込む。

「ど、どうしたのルーミア!」
「チ…チルノちゃん…近づかないで…離れて…」
「へ?う、うん…」

チルノは言われるままにルーミアと距離を置く。
その直後、ルーミアからすさまじいエネルギーが放たれた。

「うわあぁぁぁ!!」

その衝撃にチルノはあっさりと吹き飛ばされる。

「あいたたた…」

チルノは身を起こし、ルーミアのほうを見た。

そこには、黒い剣を持ち、翼をもったルーミアが立っていた。
フランドールの力はリボンを完全に破壊するには至らなかったが、それでもリボンの封印を弱めたのだ。

「な…なによあんた…」
「わかんない…でも、力がわいてくる…これなら、チルノちゃんにも絶対勝てる…」


   ★★★


「なによ、あれ…」

封印が弱まったルーミアの力は、レミリアに比べればまだ弱い力ではあった。
しかし。

「封印がちょっと弱まって…あれだっていうの!?」

まだ封印は解けたわけじゃない。弱まったに過ぎないのだ。

「で…どう、魔理沙?あの妖怪かしら?」
「いや…わからない。確かに剣は持ってるけど…もっと大きかったぜ?
 姿だって、小さいままだし…
 封印が完全に解けたら大きくなるのか…それとも、そのままなのか…」
「でも、こんなやつの封印を解いたら…恐ろしいことになるわ」
「ああ、わかってる…私たちが愚かだったんだ。
 だから、再び封印してそっとしておこう」
「でも…どうやって?あいつを封印していたのはフランの力ですら相打ちになるような強い封印なのよ?」
「うーん…どうすれば…霊夢か紫当たりに頼むしかないか?」


   ★★★


(うわ…すっごい力…)

チルノも、ルーミアの力の恐ろしさは感じていた。

(あの剣もいつもより大きいし…正直…あたいでも止められるか怪しいところね…)

周囲の惨状を見回し、チルノは身震いした。

(でも、あたいが何とかしないと!…そうだ)

「ふふ、どうやら本気を出したみたいね!ならあたいも本気で行くわよ!」

そう言うとチルノは、力を右手に集中する。

「あんたのその剣、カッコいいよね…だから、あたいもレティの力を借りてねんがんの必殺武器を手に入れたの!」

チルノの手から放たれた冷気は、剣の形をとって収束する。

「…名づけて、アイスソード。なんてどうかしらね?あんたの剣に対抗するための武器よ
 この剣だったら、今のあんただって一撃よ!」

チルノは自信たっぷりに言い放ち、剣を振りかざす。

しかし、背中は冷や汗でびっしょりだ。

(こうハッタリをかましておけば、向こうもちょっとはこっちの動きに注意するはず…
 そうすれば多分ルーミアに隙ができるわ!)

だが。

「へぇ、すごいねー…でも」

ルーミアは妖しい笑みを浮かべ、突然チルノに斬りかかる。
それをチルノはとっさに剣で防いだ。

「そう かんけいないね」

そう言うと、ルーミアはものすごい速さで攻撃を開始した。
それをチルノは何とか剣で受け止め、あるいは受け流す。

(ちょ、ちょっと…速すぎるわよ!)

チルノの顔からは演技の余裕の色すら消え、
もうすでにいっぱいいっぱいであった。

(こいつ…あたいがどんな作戦で来ても力でねじ伏せるつもりだ! 
 まずいなー…なんも作戦用意してないのに…)

そんなことを考えてる間にも、お構いなしにルーミアは攻撃を仕掛けてくる。

(でもこうやって戦いになっちゃった以上…やるしかないわね!)


   ★★★

「あいつ…すごい力だな…」

魔理沙が二人の戦いを見て唸る。

「ええ…あの子、あんなにすごい妖怪だったなんて…」
「でももっと意外なのはチルノだな…
 ルーミアの封印は解けつつあるみたいだが、それでも対等に渡り合うなんて」
「まずいわねー…早く封印しないと大変なことになるかも…」
「だけど一体どうすれば…とりあえず、チルノに頼んでルーミアのリボンを結びなおさせてみるか?」
「結びなおすって…それで封印できるの?」
「わからない…でも、あのリボンは完全に壊れたわけじゃないし、まだ魔力は十分残っているはずだから、
 力を抑えるぐらいはできるかも…とりあえず、チルノに呼びかけてみるぜ」

   ★★★

(あいつら…いつの間に来てたのよ!?見てるなら加勢しなさいよ!)

今のチルノは、完全にいっぱいいっぱいであった。

(なんか話してるわね…って対等ですって!?冗談じゃない、こっちは何とか攻撃を防ぐので精一杯だってのに!)

そんなことを考えている間にも、振りかざされたルーミアの剣から弾幕が放たれる。

「一体何を企んでるのか知らないけど、そんなんじゃ落としちゃうよ!」

(何にも企んでないってーの!)

「くっ… 凍符『パーフェクトフリーズ』!」

その弾幕を、何とかスペルカードを撃って防ぐ。

「ふふ、そんなにスペルカード撃っちゃって、大丈夫かしら?」

ルーミアが意地の悪い笑みを浮かべて言う。

(まずいわね…あいつの言うとおりスペルカードも残り少ない…このままじゃ…やられる…)

そのとき、チルノの背後から声が聞こえてきた。

「おいチルノ!そのリボンを何とかしてくれ!」

(え…リボン?何のこと?…あ!)

チルノはルーミアの頭にリボンがついていることを思い出した。

(そういえば、あいつリボンしてるんだった…でも、いつもと何か違うような…そうか!)

そう。リボンが解けかかっている。
どうやらチルノは魔理沙の言葉から状況を理解したらしい。チルノにしては珍しい。

(あのリボンの所為でルーミアはおかしいのね!どうりで性格が違うわけね…じゃああのリボンをぶっ壊せば!)

…そうではなかったらしい。やっぱりチルノはチルノだった。
まあ今のは魔理沙の言い方も悪いと思うが。

(なら、力いっぱいスペルをぶつけて、そのキレイなリボンをフッ飛ばしてやる!!)


   ★★★

「ねえ、そんな言い方で伝わるの?」

伝わってません。

「大丈夫だ、チルノも気づいたみたいだぜ」

大丈夫じゃありません。

「でも、どうやってルーミアに近づくつもりかしら…」
「さあ…そこまで考えてなかったな…」
「えー、何も作戦ないの?いくらなんでもあの状態のルーミアにチルノが勝てると思う?」
「さあ…もうそればっかりはチルノしだいだな…」

   ★★★

「うわっととと… 雪符『ダイアモンドブリザード』!」

ルーミアの弾幕をスペカで打ち消したチルノは、さらにもう一枚のスペルカードを取り出す。

(よし…今がチャンスね!)

チルノはスペルカードに今まで以上に力を込めた。

「ふふ…ようやく何か作戦を使うみたいね…」
「ふん、あんたに小細工を仕掛けてもどうせ力技で吹っ飛ばすんでしょうが」
「ご名答〜。さあ、どこからでもどうぞ」
「じゃあ、遠慮なく行くわよ!」

そしてチルノは、スペルカードに込めた力を一気に放った。

「くらえ!氷符『アイシクルフォール-easy-』!」

   ★★★

「「なにィィィ!!」」

二人はそろって驚愕の声を上げる。

「くそっ、やっぱりHに期待した私が馬鹿だったぜ…」
「何でこんな相手にこんな馬鹿スペルの代表とも言えるほどの弱いスペルなのよ…
 動きを止めたいなら、もっと強いスペルをどーんと撃っちゃいなさいよ!」
「しかも、スペルの発動に集中してるみたいだぜ…そんなスペルに全力を使うなよ…」

アイシクルフォールは、左右をはさむ氷柱で対象を攻撃するスペルカード。
しかし、そのeasyには致命的な欠点があった。

「あのスペカは目の前に行ったら楽勝でかわされてしまう、一体何を考えて…!まさか…」

チルノとよく弾幕対決しているルーミアは、このスペルの弱点も知っているらしく、チルノに近づいていく。

「これが狙い…?」

   ★★★

(!?…こんな弱いスペルを打ってくるなんて…何を企んでいるの?)

これにはさすがのルーミアも警戒した。

(でも…さっきの剣のときもいっぱいいっぱいだったし、これもハッタリね。
 きっともうスペカが尽きたのね)

どうやらルーミアは、先ほどのチルノのハッタリを見抜いていたようだ。
また、先ほどからチルノは必死に弾幕をスペカで消していた。
だからルーミアはチルノがすでにスペカをほとんど使い切ってると踏んだのだ。
さらに、まだ他にスペカがあったとしても、今はこのスペルに集中しているから、
チルノは他に何も仕掛ることができないとルーミアは思っていた。

だが、それこそまさにチルノの思う壺であった。

「油断したわね…隙ありっ!」
「なにィ!!」

そこでようやく、ルーミアはチルノの策に気がついた。
スペルに集中しているのも、ルーミアを欺くための演技だったのだ。
だが、そのときにはすでに遅かった。

「くらえぇ!」

チルノの剣が、見事にルーミアのリボンを切り裂いた。

   ★★★

「「ちがあああう!!」」

またもや二人の声が重なった。

「ほら見なさい!あんな言い方じゃ駄目じゃない!」
「あ、あれ…?」
「あれ?じゃないわよ!ああもう封印が完全に解けたらどんなことになるか…」

…だが、この先の展開は二人の予想を裏切るものだった。

   ★★★

「え?違う?」

チルノは魔理沙たちのほうを向き、間の抜けた声を上げる。

「で、でも、何とかしろって事は壊せって事よね?」

残念、違いました。

「ってそうだ、ルーミアは…」

ルーミアのほうを見ると、頭を抱えて苦しんでいた。

「う…うう…なに…これ…すごい力が…」

これは意外、チルノがリボンを完全に破壊し力を解放したことにより、
逆にルーミアが湧き上がる力を必死で抑えることになってしまったのだ。

「よ、よくわかんないけど…今がチャンスね!」

チルノはスペカと剣を構え、

「氷剣『冷凍剣 -IceSword-』!」

ありったけの力をルーミアに向けて放った。

「はっ、しまっ…きゃああぁ!」

さすがのルーミアもこれには吹き飛ばされた。
そして、木にぶつかり動かなくなった。

「や…やった…かな?」

チルノは倒れているルーミアに恐る恐る近づいてみたが、どうやら完全に気を失ってるようだ。

「よ…よかった…何とか勝てたみた…い…」

安心すると同時に、チルノも地面に倒れ伏してしまった。


   ★★★


「…なるほど、そういうことだったのね」

さきほどの二人の戦いで、さすがの霊夢も起きだしてきた。
霊夢は簡単に事情を聞くといつの間にか来て寝ていた紫をたたき起こし、ルーミアが気を失っている隙に再び封印した。
そして、今、戦っていた二人は神社で眠っている。

「で?二人が危ない目にあった落とし前はどうつけてくれるのかしら?」
「い、いやまあその」

霊夢は二人をジト目で睨んだ。

「まあいいじゃない、何事もなかったんだし」
「そうね、今回のことは許してあげる」

二人は霊夢の言葉を聴いて、ほっと胸をなでおろした。
霊夢を怒らせると、相当恐ろしいからだ。下手をすれば、封印の解けたルーミアより恐ろしい相手かもしれない。

「でも、もうルーミアの封印を解こうなんて思わないことね」
「ああ、わかってる。もう二度とこんなことはしないよ」

霧雨魔理沙さん(本人)

「こら紫、変なことはしないの」
「数ヵ月後、そこには元気にルーミアの秘密を暴こうとする魔理沙の姿が!
 なんとも懲りない女である」
「いやないない」
「リボンを解くと、そこには信じられない光景が!
 霊夢は!魔理沙は!一体どうなってしまうのか!!」
「ネタ混じってる混じってる」
「まあ、そんなことよりも霊夢、あのルーミアって一体何者なの?」

レミリアが強制的に変な方向へそれた話を本筋に戻す。

「さあ…私は知らないわ」
「紫は?」
「知らないわ」

二人は別に隠しているわけではなく、本当に知らないらしい口調だった。

「じゃあチルノは?」
「H」
「バカ」
「よねぇ」
「ま、そこが可愛いんだけどね」
「ってそうじゃなく、何で妖精ごときがあんなに強いのかって事よ」

二人があまりにも話をそらすので、再びレミリアが強引に話を戻した。

「そんなの知らないわよ、チルノがたまたまなんかの理由で強いのか、はたまた実は妖怪だったりするのか」
「くろまくあたりの隠し子だったりしてね」
「相手は大妖精だったり」
「いやまた話がそれてるそれてる。まったく、話を続ける気はあるのかしら?」
「ないわ」
「ないわね」
「ないぜ」
「………」
「あ、いや、そんなジト目で見つめないでくれ。流れ的に私もそういっといたほうがいいかと思っただけだから」
「まあそれはおいといて。今私がルーミアについて知っていることは、
 とても強い力を持っていて、それをリボンで封印されている。それだけね。
 そもそも、初対面が霧の異変のときだから、過去なんて知らないわ」
「私も知らないわね。最初に見たのは神社での宴会のときだもの。もちろん最近のね。
 魔理沙の言ってた金髪の妖怪についても、心当たりはないわ」
「そうか…霊夢や紫でも知らないか…」
「で?魔理沙はどうするつもりなの?」
「ああ、これ以上このことについては追求しないことにするよ」
「そのほうがいいわね」

結局、ルーミアがあの妖怪なのかはわからなかった。
しかし、あの妖怪がルーミアであるにせよそうでないにせよ、ルーミアの封印は解くべきでない事だけは確かだ。
封印の解けたルーミアの力はあまりにも強すぎる。だからこそ、封印されたのだろう。
今回は運がよかったため、力を抑えている状態のルーミアを気絶させ再び封印することに成功したが、
そうでなければ封印などできなかったかもしれない。完全に封印が解けてしまえばなおさらだ。

「…それに、力の強い妖怪には、変なのが多いからね」
「霊夢〜?どうして私たちのほうを見て言うのかしら〜?」
「さーあねー」
「ちょっと、たちってあなたみたいな年増と一緒にしないでくれる!?」
「だーれが年増よ、あんただって500年以上生きてるじゃない」
「実年齢なんか関係ないわ、見た目よ見た目」
「じゃーゆかりんだって立派な少女じゃない?」
「……」
「……」
「……」
「うわー、なによその目」
「ま、それは置いといて。私たちはそろそろ帰るとするよ」
「そうね、夜が明けちゃうと帰れなくなっちゃうし。
 今日はそんなに時間がかかるとは思ってなかったから、日傘をもってこなかったのよ」
「じゃあ、また。とりあえず、もう変なことしようとしないでよ?」
「はいよ。じゃーなー」
「じゃあまたね霊夢。チルノに悪かったって伝えておいて頂戴」
「ってそうだそうだ、言い忘れてたけどルーミアには今夜のことは秘密な」
「ええ、分かってるわよ。それで封印が解けたりしないとも限らないしね」
「じゃー私もそろそろ」
「帰るのね?」
「霊夢の布団で一緒に寝さs」
「はいはいスキマでお帰りっ!」
「ほら紫様、帰りますよ」

紫は、いつの間にか現れていた藍に連れて帰られた。

「あ〜れ〜…」

   ★★★

「ふわぁ…」

チルノは目を覚まし、辺りを見回す。

「あれ、ここはどこ…?」

目が覚めても暗いままな視界に、チルノは戸惑う。

「あ、起きたのねチルノ」

そこに聞こえてくる霊夢の声。

「れーむ…?」

チルノは、声の聞こえたほう…霊夢へと飛びついた。

「きゃっ!?…一体どうしたのよチルノ?」
「よかった…あたい死んでないのね…」
「へ?」

突然飛びついて妙な台詞を言ったチルノに、霊夢は困惑する。

「とりあえず、今の台詞と行動がどう結びついてるのか説明してほしいんだけど?」
「あ、いや、だって…死んでたら霊夢にもう触れないじゃん」
「宴会のときとかに、あなたを食べそうになってたのは誰?」
「あ…そっか」

チルノは、過去に幽々子に食べられそうになったことを思い出し、再び暗い表情をする。

「でも安心して、あなたはちゃんと生きてるわ。…まあチルノの場合生きてても冷たいけど」
「そう…よかったぁ…あたい、死ぬかと思ったよぉ…」
「もう、いつもの『あたい最強!』はどうしたの?」
「だって…あたい、戦ってるときは余裕っぽく振舞ってたけど、本当はすっごく怖かったの…
 あのときのルーミア…見た目もすごくなってたけど、力もものすごかった…」
「でも…チルノは傍から見てても結構いっぱいいっぱいだったわよ?余裕っぽくなんて見えなかったわ」
「みっ、見てたの霊夢!?」
「途中からだけどね」
「だ、だったら何で助けてくれなかったのさ〜…」
「だって、私はチルノが勝つって信じてたからね」
「あの状況からどうやったらあたいが勝つって思うのよ…まあ勝ったけどさ」
「さあね、しいて言うならいつもの私の勘よ」
「う〜…もうあたい寝る!」
「ええ、おやすみ」

霊夢は、チルノの髪を優しくなでた。
チルノには、霊夢の温かい手のひらがとても心地よく感じられた。

「…あの、さ、霊夢」
「なあに?」
「一緒に、寝てくれない…?なんか、怖くって…まだ生きてるって実感がないのよ」
「ふふ、いいわよ。私がちゃんと傍にいてあげる」
「…ありがとう、霊夢…」

霊夢は、チルノの布団に入り、再びチルノの髪をなでる。
すっかり安心しきったのか、チルノはすぐに眠ってしまった。

「ふふ…可愛いわね」

霊夢は、チルノのおでこにそっとキスをすると、

「おやすみ」

すぐに眠ってしまった。



   ★★★




「ふぃ〜…」

霊夢とチルノの会話とほぼ同時刻、紅くて暗い館のすぐ近く。
湯気の立ち込める中、赤い長髪の少女は露天風呂を満喫していた。

「いや〜、星空の下でのお風呂は最高ですね〜…」

温泉が彼女に与える程よい熱は、日ごろ門番として酷い扱いを受けている彼女の体の疲れを少しずつ解していく。

「ああ…幸せ」


…だが、その幸せは突如飛来してきた紅い槍の一撃により打ち砕かれた。

「きゃあああ!!」

中国くんふっとばされた!

「…なーに主人を差し置いて一人のんびり露天風呂なんかに浸かっているのかしらこの門番は…」
「ひ、ひいぃっ、すみません!」
「まったく…サボってるんじゃないわよ」

そこでレミリアは、何かがおかしいことに気がつく。

「って…露天風呂?」

紅魔館には幻想郷に来る前はもちろん、幻想郷に来た後も相当長い間住んでいるが、
レミリアはこんなところでこのような温泉を見たことはなかった。

「…なんでうちのそばに温泉があるのよ?」

至極当たり前の疑問だ。
いくら吸血鬼でも、自分の屋敷のすぐそばに一夜のうちに温泉が湧いていればそりゃ驚くだろう。

「ああ、これはですね、今日は魔理沙さんも神社に行ってて、襲撃者が誰もいなかったから
 暇つぶし兼眠気覚ましとしてちょっと私も穴を掘ってみたんですよ」
「まさか、それで出てきたの?」
「はい、石油は湧きませんでしたが…まさかこんなのが出るとは思いませんでした」
「というかこれ、一人で掘ったの?」
「はい、他に誰がいるんですか?」
「えーっと、咲夜にはフランを頼んでたし…小悪魔は非力だし…パチェなんか論外だし…確かに」
「あ、そうそう、穴は二つ掘ったんですけど、落ちないでくださいね。…まあ、ないと思いますが念のため」
「え?」

穴が二つ、と聞いてレミリアは辺りを見回してみる。
それはすぐに見つかった。

深く深く、暗い穴。
思わず「おーい、でてこーい」とか「咲夜の胸はパッド胸ー」とか叫びたくなるほどの見事に暗い穴だった。

「…えーっと、もう一度聞くけど、これ中国が一人で掘ったのよね?」
「はい、そうですけど?」

 …幻想郷には普段弱そうな奴ほど実は強いという法則でもあるのかしら。

「ってそうだ、もうそろそろ門番の仕事に戻りますね」

そういって美鈴は、温泉からあがろうとする。
だが。

「待ちなさい、中国。もう今日は門番は必要ないわ」
「へ?」
「私もこの温泉に入りたいわ」
「じゃ、じゃあなおさら私が見張ってないと…」
「…中国、私は『あなたと一緒に』入りたいのよ」
「…え!?…そういうことなら、ご一緒させていただきます」

レミリアも服を脱ぐと、美鈴の隣に座った。

「中国、あなたとは結構長い付き合いになるわね」
「はい。…お嬢様が小さかったころは、ちゃんと名前で呼んで貰えてましたね」
「そうだったかしら?というか、あなたの名前ってなんだったかしら?」
「…我的名字紅美鈴!我是紅魔館的班人!我的願望是被用真名『紅美鈴』稱呼!」
「日本語でおk」
「要するに、私の名前は紅美鈴です」
「ほんみりん?」
「違うでしょ?何も違うでしょ?」
「今咲夜はいないからそのネタは使えないわよ」
「あ、確かにそうですね…って話をそらさないでくださいよ」
「ふふ、わかったわ美鈴」
「…っ!」

名前で呼ばれたそのとき、美鈴の目から一筋の涙がこぼれた。

「って、何で泣いてるのよ!」
「あ、すみません、名前で呼ばれたことがうれしくて…ああ、名前で呼んでもらえたのってどれぐらいぶりかなぁ…」
「うわぁ、なんてベタな…」
「だ、だって、本当にうれしいんですから!仕方ないでしょう!」

…なんて不憫な。今度からちゃんと名前で呼んであげよう。
と心からそう思うレミリアであった。

「と、ところでお嬢様…」
「なにかしら?」
「何で私はクビにならないのでしょう?」
「…はぁ?」

唐突なわけの分からない質問。
レミリアは思わず硬直してしまった。

「何?クビにしてほしいの?」
「い、いえいえ!とんでもない!
 でも、私、いつも魔理沙さんに突破されてるでしょう?
 そんなんだから、いつ役立たずーって言われてクビにされちゃうのかなといつも思ってて…」
「役立たずーだったらもう咲夜にいわれてる気がするけど?」
「うう…まあそうですけど…」
「安心しなさい。私が帰ってきたときに、あなたが笑顔で迎えてくれる。
 それだけでも、あなたがいる意味はあるわ」
「あ、ありがとうございます…!」
「ま、もちろんそれだけとは言わないけどね。白黒以外の侵入者はちゃんと追い返してるし、
 客人の応対もしっかりしてるじゃない。あなたはうちの自慢の門番よ」
「うう…ありがとうございます…こんなこと言ってもらえるなんて…なんか、夢みたいです」
「夢やがな」
「ええっ!?」
「なんてね。嘘よ。言ってみたかっただけ」
「びっくりした…もう、冗談はやめてくださいよ…
 お嬢様の能力が能力だけに、すごい説得力ありますよそれ…」
「あはは、ごめんなさいね…っと、長く入りすぎちゃったわね。もうそろそろあがりましょうか」
「そうですね」

   ★★★

そうして、二人は温泉から出た。

「ふわぁ…っとと、失礼しました」
「ふふ、いいのよ気にしなくて。もう寝るの?」
「はい、お休みなさい」
「待って美鈴、今日は私の部屋に来なさい」
「へ?」
「今日は美鈴と一緒に寝たいの」
「え?…って何言ってるんですか、それは…」
「めーりんといっしょにねたいー」
「いや声を幼女化させても駄目ですって!そんなことしたらきっと咲夜さんが黙ってません!
 きっと朝起きたらめっちゃナイフ刺されてましたってなってますよ!私が!」
「大丈夫、私が黙らせるわ。大体、さっき私の能力について語ってたのはどこの誰かしら?」
「ああ…そうでしたね…」
「それとも、私と一緒に寝るのはいやかしら?」
「そんなことはありません!むしろ喜んで!」

そうして二人はレミリアの自室へ歩いていった。

だが、物陰から銀髪のメイドが鼻から血を垂らしながら恨めしそうな(羨ましそうな?)
表情で覗いていたことに、二人とも気づくことはできなかった。


その後、美鈴の掘った温泉により、紅魔館の財政は持ち直した。
だが、咲夜の美鈴に対する風当たりは余計強くなってしまったという…


終われ
まず最初に。
こんな俺設定の塊のようなSSにお付き合いいただきありがとうございました。

SSこんぺの開催を知り、お題が『穴』と聞いてとある漫画のワンシーンを思いだしました。
そしてそこからSS書いてたらなぜかこんな風になってました。
タイトルは結局思いつかなかったのでその漫画から取りました。

まあこんな妄想全開なSSですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。


以下、話の補足です。

・ルーミアは普段でもストームブリンガーのちっちゃいのを使ってるという設定。
 (大きさは短剣〜ショートソード程度)
 力を解放するにつれて大きくなり、完全にEX化するとよく絵に出てくるような大剣になります。
・チルノがリボンを破壊できたのは、フランがほとんど破壊していたため。
・チルノがEXルーミアを倒せたのは、ルーミアが力の制御に集中していたため。
・「あの妖怪」がEXルーミアなのかは結局はっきりしてないことになってます。
 もしかしたら全然別の妖怪かもしれません。

・主要登場人物の強さのイメージは、

 ルーミア…EX化すると紫級の大妖怪になる
 チルノ…普段は普通だが必死になるとかなり強い(藍様ぐらい?)
 美鈴…接近戦では右に出るものはいない(萃夢想?なにそれ?食べられるものですか?)
    が特殊能力とか弾幕の戦いになるとそこまでは強くない

 という感じです。
卯月由羽
http://park.geocities.jp/y0uy0u2003/
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2007/05/12 07:12:47
更新日時:
2007/05/14 22:12:47
評価:
0/0
POINT:
0
Rate:
5.00
1. 4 A・D・R ■2007/05/13 04:10:39
少しついていけなかった部分もあったのですが、要所要所のセリフでくすりときました。無理矢理なようなのに、なぜかちゃんときれいにまとまっているのは一体ww
2. 5 だおもん ■2007/05/14 00:05:49
シーンごとの繋がりが薄いような気もしますが楽しませていただきました。
3. 3 shinsokku ■2007/05/14 21:24:24
んむー、あんまりぐっと来なかった感じです。
俺設定とかは別に文句無いのですが、どこを魅せたかったのか捉えられませんでした。
評点としては厳しくせざるを得ません。申し訳ない。
どうせならもっとぶっ飛んだ設定でも良かったのでは、何て言うと無責任に過ぎますかね。ううむ。
4. フリーレス 爪影 ■2007/05/15 20:52:09
 
5. 7 どくしゃ ■2007/05/19 04:50:29
強いチルノ、新鮮でした。霊夢との組み合わせも。
長文なのにサクッと読めた。
楽しませていただきました。
6. -1 名がない程度の能力 ■2007/05/21 13:17:32
正直自己設定が書きたかっただけじゃないかと読み取れた。
お題の穴を重視するのなら中盤はまったくいらないように見えましたし。
7. 4 秦稜乃 ■2007/05/23 00:38:39
本筋よりネタが面白くてしょうがなかた。
8. 5 詩所 ■2007/05/24 04:10:51
レイチルとレミ中とはなかなか斬新。
あと、慧音の存在特に意味ナス。
9. 2 反魂 ■2007/05/25 02:10:25
独自設定の如何は個々の作者さまの裁量ですので外野から何かを言うつもりもないですが、それ以前に語りの軸がぶれすぎです。その時その時の勢いだけで書かれているような雰囲気が強く、場面場面の繋がりがかなり希薄になっています。
端的に言えば、物語としての統一感が無く小ネタの連発じみています。例えば紅魔館の財政云々からのくだりに対し、Exルーミア云々は基本的に別の筋を持ってますし。何が語りたかったのだろう? という疑問符がつきまとってしまいます。

二次設定や壊れギャグはあくまで土台として活かしてこそSSの面白味に出来るのであり、小ネタのように散在させていても今ひとつ効果が薄い気がします。どんな物語を書くのかをもっと丁寧に汲んで、各場面を起承転結の中に溶け込ませて書いて下さったならという印象でした。

※)誤字
追求→追及
10. 1 人比良 ■2007/05/26 20:58:37
三歩進んで二歩下がったところに落とし穴があるような話でし
た。
11. 2 流砂 ■2007/05/26 21:47:05
色々なネタが盛り込まれていて、まぁ楽しい、かな?
少し無理矢理な展開(百合とか戦闘とか)ではありましたが、まぁ良いかと。
問題は一部ネタを上手く組み込めてない所と、説明説明した後書きとか。
12. 2 deso ■2007/05/26 23:57:46
率直に言うとあまり面白くありません。
二次設定を使うにしても、もっとキャラが生きてないと。
13. 5 風見鶏 ■2007/05/27 03:17:24
テラ百合
14. 6 blankii ■2007/05/27 11:06:02
 EXルーミア、いーえくす・るーみゃ! そして、れみりゃ。後書きの通りに東方ネタの満載、私も少し年季が入ってきたかなぁ。
 それぞれが上手く料理されていて、思わずニヤリと。電車の中で不気味な笑いを隠すのに必死になってしまいました。てかチルノ、それ自殺行為じゃあ――アイスソード。
15. 4 椒良徳 ■2007/05/27 19:45:43
…は二個並べて使い、!と?の後ろに文章が続くときにはスペースを入れるのが一般的だったと思います。
「闇を食べていればそれ生きていけるんだそうだ」は「闇を食べていればそれで生きていけるんだそうだ」でしょう。
「…いまものすごくひどいこと言われた気がするぜ」
うるさい。
みたいに地の文で作者がキャラクターと掛け合うというのもどうかと思います。そういうのりは嫌いじゃないですがね。
 さて、内容に関してですがクスッとはさせられますが、腹をよじって笑い転げるには力不足です。バトルの描写も力不足です。もう少し修行しましょう。
16. 1 木村圭 ■2007/05/27 23:33:01
魔理沙の言う妖怪がルーミアである可能性は低いかと。ここ数年で封印が施されたのに誰も知らないというのはあまりに不自然です。
魔理沙の言う通りの人畜無害であれば封印などする必要は無く(妖怪が妖怪を封印するというのは考えられませんし)、封印される程の問題を起こしたのであれば紫が知らない筈がありません。というわけで、今もどこかで生活しているのではないでしょうか。
俺設定と言いつつEx化ネタは定番中の定番。独自の解釈なり設定も無く「何も分からない」で終わられては読む所がありません。前フリも何も無い唐突なカップリングに労力を割く前にルーミアについてもっと掘り下げてみてください。
17. フリーレス らくがん屋 ■2007/05/29 10:58:48
長ければそれだけで評価出来るってほどコンペは甘くないと思います。相応しい点数が思いつかないので、フリーレスを。
18. 7 ■2007/05/30 00:20:04
文章自体の連ね方、また各エピソードの並べ方と繋げ方に意味が薄く、話のまとまりが弱い感じです。そこの変え方ひとつで、俺設定でも説得力を持たせることは可能になると思うのです。…とまあ、何だか非常に偉そうで申し訳ありませんが。
19. 3 鼠@石景山 ■2007/05/30 00:53:27
二次創作ネタに頼りきらず、もう少し文章を丁寧にすればもっと良くなったと思います。
20. 3 いむぜん ■2007/05/30 02:24:57
二次設定と界隈のネタで編んだ感じか。冒頭のれみりゃに意義を感じない。いきなり穴でも良かったのでは。
そうでないと魔理沙のタイムカプセルがあんなところに埋まっている理由が変だと。
EXルーミアという変化球。でもそろそろいいんじゃね?
21. 6 リコーダー ■2007/05/30 16:16:52
あとがきの補足は無くても十分受け入れられると思います。
作品は、なんか色々おかしかった気がするけどまあいいや。
22. 1 眼帯因幡 ■2007/05/30 17:31:35
二次設定にあまり詳しくないせいか、幼女になるネタ等が分からず、違和感だけが残りましたorz
お題の穴も、最初と最後にしか見られず残念。
お疲れ様でした
23. 3 二俣 ■2007/05/30 20:00:26
なんだかすごくドラマCD(二枚組)っぽい。
しかしあとがきにあるような『俺設定』は物語にそこまで深く食い込んでるわけでもないので回避できたのではないかと思います(ドタバタものなのだし)。そこは蛇足な気がしてしまったので点引きました。
24. 6 K.M ■2007/05/30 20:33:51
ところどころのギャグ雰囲気が良いアクセントかと。
愛し愛され幻想郷の対人(妖怪)関係が良いですねぇ。
25. 4 たくじ ■2007/05/30 22:28:19
独自設定とか、複数人の会話が入り乱れてわかり辛いとか、霊夢×チルノ・レミリア×美鈴のカップリングの唐突さとか、気になる部分が多々ありましたが、話しの筋はけっこう好きです。スラスラと読めました。
26. 2 藤村る ■2007/05/30 23:28:18
 しっかしまとまりないなあ……。
 書きたいことをひとつに絞った方が面白い感じ。
 これだと紅魔館の財政難メインなのかルーミアメインなのかいちゃつきメインなのかよくわからないですし。
27. 3 時計屋 ■2007/05/30 23:37:42
もったいない、というのが正直なところです。
パロディを交えたギャグのセンスは良かったと思うし、
笑えたところもありました。

ただ中盤のシリアスっぽい戦闘がそれを壊してしまっているように思えます。
描写が簡潔すぎて何をやっているのか解りづらいし、盛り上がりもいまいちです。
個人的には、紅魔館のドタバタを描いた小ネタだけに話が集中していたほうが好みでした。
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