ジャパニーズ・デウス・エクス・マキナ

作品集: 最新 投稿日時: 2008/02/11 06:47:14 更新日時: 2008/02/13 21:47:14 評価: 32/43 POINT: 133 Rate: 0.96

「なあフラン。デウス・エクス・マキナって知ってるか?」
「日本語にすると『機械じかけの神』。物語が錯綜して収拾が付かなくなったとき、突然神様が現れて、何もかも解決しちゃう事だよね」
「そうだな、よくできました」
「えへへー。物語としては失格、って言われてるよね」
「いや、そうでもない。安易すぎるって批判は多いけど、それでも凄い奴が事態をばっさばっさと収束させていく様子は、それはそれで感動的だって話もあるぜ」
「ふーん。それで、何で今デウス・エクス・マキナなの?」
「その理由を説明するには、少し状況を整理しなくちゃいけないな」

 という訳で。
 そもそも魔理沙にとって、今日はいつもと何も変わらない、平和な一日のはずだった。
 門を適当なやり方でパスって、その時門番からアリスが来ている事も告げられた。マジか、アリスと一緒だと本探しは捗るけど、なんかパチュリーがいつも以上に棘々するんだよな。まあいいかどうせ速力で振り切っちゃえば一緒だし。そんな思案を巡らせながら、紅い廊下でメイド長に挨拶し、図書館の扉を開けた魔理沙が見たものは。
「なんだ、誰も居ないじゃない」
 アリスの手に握られた、朱に染まった包丁。
 パチュリーが力なく絨毯の上に横たわっていた。下腹部から血が流れ出しているようだった。
「アリス、何、してるんだ?」
 どっきりかそうでないかと言われたら、この状況を見てどっきりだと思わない方が異常かも知れない。この屋敷はいたるところ紅色だから、ちょっとぐらい血の朱が混じってもどうってことないのかもしれない。
 それでも。
「魔理沙、昨日、『今ごろパチュリー妊娠してるかもな』って言ってたわよね」
 記憶を手繰ってみる。
 言ったかも。
「いや、それは何て言うかジョークでっていうか何処に信じる要素があるんだよ!」
「うん、それはちゃんと確認したから大丈夫よ」
 アリスはにっこりと微笑んだ。
 今にして思えばちょっとアレなジョークだったかな、とも思うが、その発言がこんな結果をもたらす事を予想できるかというのはまた別の問題である。
「魔理沙、私達、これからもずっと一緒よね?」
 「はい」と答えても「いいえ」と答えても、同じように刺される所しか想像できないような選択肢であった。
 ポマード、ポマード、ポマード、と唱えてみた。無駄だった。
 答えあぐねた。
 答えあぐねているところ、突然あさっての方向から、拳で殴られたような衝撃が全身を揺さぶった。
「ぐあっ、な、何だ!」
 尻餅をつきながら目をやると、折しも金色に輝く謎の物体から、不可視の弾丸が数多射出され、図書館の設備を片っ端から破壊している所であった。
「あ、はははははははァッ、ついにその小賢しい魔女を倒してくれましたね! これで私の力の全てが解放されました。とりあえず、私の真の姿を冥土の土産に、貴方たちには最高の死をプレゼントして差し上げます!」
 破壊の中心に居るのは、毎度おなじみ図書館の小悪魔のようだった。が、赤かったはずの髪はまばゆい金色に輝き、翼や尻尾は肥大化して歪なシルエットを誇示していた。
「ねえ魔理沙、あんなの放っておいて二人で遊ぼうよ」
「いのちしらずな遊び人かお前は」
 いつの間にか横について袖を引っ張るフランドールをそっと引きはがすと、脱兎の如く図書館の扉をかいくぐり、紅色の廊下を一目散に駆け抜けた。
 三十六計逃げるに如かず、元幻想郷最速は伊達じゃない。
 ちょっと薄情な気もするが、先の事は安全を確保してから考える事にしよう。
「きゅっとして……」
 何か聞こえた。魔理沙は左腕にむずむずと違和感を覚えた。
 袖を捲ってみると。
 パン、と音を立てて腕が弾け、あちこちから鮮血が噴き出した。
「あ、あぐぁああああッ!」
 激痛に、腕を抱え込んで床に転がろうとした魔理沙だが、それは叶わなかった。
 背を屈めた魔理沙の懐に、何か黒い塊が凄い速さで潜り込むと、それが魔理沙の喉を掴み上げたのだ。
「鬼ごっこはつまんないよ、魔理沙じゃ絶対に私には勝てないもん」
 フランドールだった。その怪力は魔理沙を地面から引き剥がし、ぎらぎらした眼差しは魔理沙を戦慄させるのに十分すぎた。
「普通の奴らはすぐ壊れちゃうからつまんないの。魔理沙は実は大丈夫なんじゃないかって、前からちょっと思ってたんだ」

 とまあ、宙ぶらりんになったままで今に至る。
 みしり、と首の骨が軋んだ。首から上に酸素が回らなくなって、舌の先が痺れてくる。
「で、結局なんでデウス・エクス・マキナなの?」
「神、来ないかな、と思って」
「ふうん、それだけ言いたいがためにこんなに引っぱったんだ? なんか焦れちゃったよ」
 こりゃ、もう駄目だな。でも死ねるなら死ねるで楽かもな。あのアリスの事考える必要もなくなる訳だし。借りてた物、ちゃんと全部持ち主の所に返るかな。と魔理沙が全てを諦めかけた、その時。

 何かが視界を横切った。

 それとフランドールの腕が交差した辺り、肘から先が、枯れ枝のようにちぎれて飛んだ。
「は、あっ!?」
 一拍遅れ、魔理沙の肺が大きく空気を取り入れるのと同時に、視界を横切った何かの飛跡に沿って、紅色の暴風が吹き荒れた。
「うわあっ!」
 魔理沙の身体はあっさりと吹き散らされた。
「デーモンキングクレイドル……お姉様!」
 帽子とスカートを押さえて紅色の風をやりすごしたフランドールは、その物体が飛んでいった方へ鋭く病的な目線を向けた。
「フラン、最近は安定してると思っていたけど、完全に出歩きを解禁するにはまだ少し早かったようね」
 どこまでも幼い紅い月。宙に浮いていたのは、この館で絶対的な権力を持つ、当主レミリア・スカーレットその人もとい吸血鬼であった。
「……ちぇー」
 あわや姉妹喧嘩勃発と思われたが、フランドールはふう、と一息吐くと意外にもあっさりと身を引いた。レミリアはそんなフランドールに満足げに一瞥くれると、魔理沙の方に向き直った。
「さて、霧雨魔理沙」
「えっと、何から説明しようか。とりあえず、パチュリーが刺された」
「分かっているわ、全部。分かっていた、かしら」
 レミリアは魔理沙の脇に屈み込むと、優しく諭すように言った。
「魔理沙、みんなに気を持たせつつ誰にもなびかない貴女のやり方が、いつかこんな事態を招くことは、運命を見通す力なんて無くたって、誰だって分かる事でしょう?」
「いや、全然。むしろ人の一挙動一頭足捕まえて、やれ百合だカプだ言ってる連中の方が、異常だと思っていたんだが」
「そう思ってるのは貴女だけよ」
「マジで!?」
 幻想郷って凄いなあ。魔理沙は今更ながら深い感銘を覚えた。
 気付けば軽口を叩いている自分に気が付き、魔理沙は急に笑い出したくなった。
「レミリア、全部分かってたって事は、大丈夫なんだよな。もう手も全部回してあって、絶対者であるお前の登場とともに、事態はまっすぐ収束に向かっていくって、そう考えていいんだよな」
 レミリアは、ふっ、と笑みを浮かべて、言った。




「いや、全然」



 ぽかん。
「えっと、全部分かってたんだよな」
「そうよ」
「じゃあ事前に手を打っておく事も出来たんだよな」
「出来るけど、どうしてそんな事する必要があるの?」
「いや、だって……」
「全部分かってるなら、何かをする必要なんて無いじゃない」
「それ、何理論?」
「公理的場の量子論かしら」
 横でフランドールがにやにや笑っている。
「だから、そいつの言う事を真に受けちゃ駄目って言ってるじゃん」
「おだまりなさい」
 やっぱり始まる姉妹睨み合い。
 魔理沙はその横をそろそろとすり抜けようとした。
 が、フランドールがふり向きもせず放った超音速の蝙蝠が、魔理沙の鼻の頭をかすめて壁に刺さった。
 壁がすり鉢状に窪んでいる。当たったら絶対に即死だ。
 ドゴォ、という音が、廊下の向こうから聞こえてくる。
「咲夜さぁーーーーーーんっ!」
「……傷物、ソウルスカルプチュア――!」
 アリスと小悪魔が絶賛戦闘中の模様。守備兵力が頑張っているようだが、突破されるのは時間の問題だ。
 どうしよう。逃げられない。ならいっそ、連携できそうな味方が残っているうちに、向こうの二人を倒して血路を開くか? そう思って反対側に動こうとしたが、フランドールの眼がぎらりと光った気がして止めた。

 魔理沙はぼんやりと天井を眺めた。

 現実なんて、いつもこんな物だ。逃げ道はあるけど、つまらない物に邪魔されて。立ち向かう道もあるけど、それもつまらない物に邪魔されて。結局座して状況が変わるのを待つしかないが、それでも都合の良いデウス・エクス・マキナなんて、来るとしたってあんな物だ。

「一度や二度でくじけちゃ駄目」
 その時、魔理沙の目の前に神が現れた。
「って、秋の妹か。神様にしては小物だな」
「むかっ、と言いたい所だけど、そこよそこ。この瑞穂の国は、八百万の神が宿る処じゃない」
「なるほど、そうだった。つまり……」
「ここにはデウス・エクス・マキナもごろごろしてるのよ!」
「そうか、よし、助けてくれ」
「残念ながら、私は神だけどデウス・エクス・マキナではないわ」
「じゃあ、このやりとりのためにわざわざ来てくれたのか。ありがとう」
「どういたしまして」
 神は去っていった。

 魔理沙の足元に、数発の魔弾が炸裂した。
「ふふ、見つけたわよ魔理沙。どう、私の最新作」
 攻撃を放ったのはパチュリーだった。
 しかし表情はただ虚ろで、まるでそれは人形のよう。いや、人形そのもの。
「人形を自律させるなら最初から自律している物を人形にすればいい、か。狂人の考えそうな事だぜ」
「私は狂人じゃないわ」
「普通の人間か?」
「狂った人間以外!」
 パチュリーの両腕が動き、木火土金水の魔法が次々と放たれる。
 それを避けながらも、魔理沙はパチュリーの様子を冷静に観察してみた。
「なあアリス。操られてるにせよ、パチュリーの生体部品が普通に動いてるって事は、一応生命維持はされてるって事だよな。腹の傷も塞がってるみたいだし、あれ案外元に戻せるんじゃないか? お前を倒すとかの方法で」
「残念。自律人形だって言ってるじゃない。私が倒れても半じゃなく永久的に動くように設計してあるわ」
「でも、術を解除する方法くらいは……」
「術を掛けた訳じゃなくて改造したの。改造した物を元に戻す事は、改造する事の100倍大変っていうか殆ど不可能よ、熱力学的に考えて」
 現実はそんなに甘くなかった。
「おっと、私の事も忘れないで下さいよ」
 小悪魔もやってきた。
「もう十分どうしようもないから、今更お前一人来ても大して変わらない気がするぜ」
「ひどい言いぐさですね。ていうか魔理沙さん、ずいぶん余裕ありそうですね」
「ああ、何だか、そろそろ来そうな気がするんだ」

 ふわり。
 魔理沙は頬に風を感じた。
「お、どうやら来たようだぜ」
 
「守矢の神社より、迷える子羊がいると聞いて飛んで来ました」
 青の袴の巫女もどきは東風谷早苗である。信者を子羊にたとえるのはキリスト教のような気がするが、まあいいか。
「うーん、神二柱は来てないのか。ちょっとこの状況を何とかするには力不足の感があるな」
「大丈夫、その点に関しては問題ありません。要するに幸せというのは気の持ちようなんです。いいですか、自分が幸せだと思って下さい」
「この状況だと難しいな」
「現実逃避とか、そういう感じで」
「なるほど、それなら理解できるぜ」
 魔理沙は目を閉じて、外界のほぼ全てをシャットアウトした。それだけで、ずいぶん気が楽になった気がした。
「あなたは幸せです、幸せです、幸せです……」
「本当にそんな気がしてきた。ああ、何か幸せを行動で示したくなったな」
「そうですか。では、まずは主神である八坂神奈子様に、朝・午前・正午・おやつの時間・日没と、一日五回祈りを捧げてください」
 さっそく実行してみた。何だか日々の生活にメリハリが付いて、体中の気の巡りが良くなった感じがした。
「次はこのお賽銭箱にお布施をお願いします。気持ちで良いので」
 迷わず全財産を投げ込んだ。それだけでは足りない気がして、溜め込んだマジックアイテムを香霖堂に売却してお金を作った。霖之助は最初こそぎょっとした顔をしたが、搬入作業が進むにつれその顔色はつやつやしてきた。
「あと、不埒な人間関係は全部ちゃんと清算してくださいね」
「あ、ああ、よく分からないけど分かった」
 実際やってみたら、それは凄く簡単なことだった。「さよなら」「終わりにしようぜ」の一言だけで、大抵はけりが付いてしまうのだ。今まで自分がその中に身を置いてきた世界というのが、今となってはただのしがらみにしか思えなくなっていた。

 全ては変わった。信仰によって生まれ変わった魔理沙にとって、全ては心をかき乱さず、日々は楽しく、万物はただ美しかった。

 新しい魔理沙に、幸あれ。











「どうですか、魔理沙さん。幸せですか?」
「ああ、今の私はすごく幸せ……」
 魔理沙は早苗の両肩に手を掛け、
「なワケあるかっ!」
 そのまま釣り込み腰で、紅い絨毯の上に投げ落とした。
「あ、戻って来た。魔理沙、妄想乙」
 気が付けがそこは元どおり紅魔館の廊下で、フランドールはにやにや笑っていた。アリスはスケッチブックらしき物を背中に隠した。
「あんたの呆け顔があまりに面白かったから、人形のネタにするつもりで思わすスケッチしちゃったじゃない」
 そんなに面白かった? と尋ねると、スカーレット姉妹は揃ってこくりと頷いた。
「現実にありそうなデウス・エクス・マキナっていったら、普通こんな感じじゃないですか!」
 マウントポジションで十字締めをかけられながら早苗が抗議している。
「いや、確かにリアルで考えればそういうのが一番ありそうだけどさ」
 そういうので幸せになる人もいる。
 しかし、それは本当に人もいる、だ。その人とそうでない人を分けるのに、信仰する神はあまり関係ない。
 分けるのは、その時の状況なのだ。
「現実を見ろよ。あそこではアリスが包丁を構えていて、そっちではパチュリーが人形に成り下がっていて、そこでは小悪魔がいつになくハッスルしてるじゃないか」
 宗教はより良く生きるためのものであって、その為に小さな事を無視させる事はある。だがそのために最もその時に大切なものを見失う事があっては本末転倒である。
 直面している困難が、無視していいものか悪いものか。
 宗教によって現実とより良くつきあうか、宗教によって現実から目をそむけるか。宗教で自分を見付けるか見失うか。違いはそこだけなのだ。
 だから魔理沙は現実を見た。

 あそこではアリスが包丁を構えていて、そっちではパチュリーが人形に成り下がっていて、そこでは小悪魔がいつになくハッスルしていた。

「駄目だこりゃあ!」
 魔理沙は改めて頭を抱えた。
 とても高価そうだが微妙にご利益のありそうなような錯覚を覚えそうな壷をちらつかせて微笑む早苗。駄目だ、あっちに行っては駄目だ。

 その時、床につっぷした魔理沙の鼻先を、黒い影がささっと通りすぎた。
 魔理沙はそれを見逃さなかった。
 普通ならネズミか毛玉か、と思うところだが、魔理沙には分かった。それは物体ではなく「裂け目」もしくはそう、端的に言えば「スキマ」である。
 魔理沙は迷わずその中に手をつっこんだ。
「高みの見物とはいい身分だな八雲紫」
「あ、あはー」
 そう、まだ絶対的なデウス・エクス・マキナがいた。
 幻想郷の守護者、神をも嘲笑う能力の持ち主、びっくりするほど胡散臭い、彼女のその名は八雲紫。
 ちょっと寝癖が立ってるのはご愛嬌。
 境界を操る能力に不可能はない。狂気と正気の境界を弄ればアリスは元に戻るし、第一種永久機関持ちの紫には熱力学の第二法則なんて屁でもない。パチュリーが復活すれば小悪魔だって元通り、ほら完璧だ。
「さあ、出て来たんだから、そりゃもう全部何とかしてもらうぜ?」
「貴女が引っ張り出した癖してさも当然の事みたいに。何か今の貴女、すごく他力本願になってるわよ」
 眠そうな目をこすりこすり。
 その態度に何故か、魔理沙は突然強烈な憤りを覚えた。
 無言で紫の襟首を掴むと、大きく前後に揺さぶり始める。
「ちょ、ちょっと、何するのよ! そんなにゆらゆらされると、私……」
 抗議を無視して揺さぶり続けた。動機はと聞かれれば揺さぶりたかったからとしか言いようがないが、とにかく猛烈にシェイクした。色々と忘れて何かに没頭したかったのかも知れない。紫は抵抗などは示さず、それどころか徐々に全身の力が抜けていくような感じがする。

 嫌な感じがして、魔理沙は手を止めた。

 くかー。

 リラックス感満点のいびきだけが聞こえてきた。

「お、おい……」
 パンパン、と、ほっぺたを軽く叩いてみた。反応はなかった。

 八雲紫、撃沈。

「な、何やってるのよ魔理沙! そいつなら何とか出来るかも知れなかったのに!」
「そうですよ、魔理沙さん、あなたそんな短気を起こして、ちゃんと責任取れるんですか!?」
「もー、さっさと片付けて遊びたいのにー」
「しまいにゃお前らも他力本願かよ!」
 その時、廊下の向こうから駆けてくる小さな影がふたつあった。
 魂魄妖夢と、伊吹萃香。
「大変だ、幽々子様が、西行妖がついに暴走して……」
「霊夢が様子を見に行ったけど、戻ってこないんだ!」
「後にしてくれお願いだから!」
 もうやだ。本当やだ。全部終わりにしたい。
「茶番はそれで全部かしら? じゃあ望みどおり終わりにしてあげる。パチュリー、究極魔法いくわよ」
 パチュリーの周りを莫大な魔力の渦が包んだ。
 どす黒いオーラは館全体を包み、窓がビリビリと震え、妖精たちはその気に当てられただけで霧散した。
「な、何か最後を飾るに相応しそうな魔法だな。どんな効果なんだ?」
「分からないわ」
「えー、じゃあ終わるかどうか分からないじゃないか」
「その点は心配ないわ。この魔法の発動コストは、この場にいる全員の命を生贄にささげる事だから」
 なるほど、そりゃ究極だ。
 効果が分からないのは、使ったり見たりした奴がみんな死んでしまったからだろうか。
「おいこら逃げるな、パニック起こすな、押すな、騒ぐな、指図に従え! え、お前が一番パニくってるだろうって? その通りだ。よく分かったな。みんなで死のうよ。もう疲れたよ。ほら、あそこに何かが見えるぜ」

 そう。あそこ。
 アリスとパチュリーの背後に、館の紅と、魔力の黒を引き裂くように、地球にも似た青色の光が浮かんでいる。

「な、何なの、あれ」

 一人、また一人と、逃げるのをやめた。
 立ち止まって振り返り、その輝きに目を奪われていく。
 アリスも異変を察してそちらに目をやったまま、釘付けになった。

「来た」

 今度こそ、今度こそは本当に本当のデウス・エクス・マキナだ。全ては終わる。皆は確信した。



 輝きは収束し、小さな人の形を作る。



「チルノ様参上! あたいが来たからには、もう大丈夫なんだからね!」



 世界は平和になりました。


 
 

せちがらいですね。
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作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2008/02/11 06:47:14
更新日時:
2008/02/13 21:47:14
評価:
32/43
POINT:
133
Rate:
0.96
1. 1 あまぎ ■2008/02/12 23:51:50
えっと、こんな点数ですいませんが思ったことを簡単に書かせてもらいます。
まず、「きかい」が名前だけしか使われていないような……。
といいますか、描写がどうも少ないようで、展開が突飛過ぎるように感じられました。
シリアスな部分はもう少しシリアスに、矛盾が生じないように気をつけたほうが良いかも知れません。
魔理沙の怪我とかは一体どうなっているのでしょう……。

とは言いましても、誰だって完全な文章が書けるわけではありませんので、
自信を持って書いたのならそれはそれ、あなたの作品は立派なSSだと思います。
気分悪くされたらすいません。
ダークなお話は自分も大好きなので、良ければまた見せてくださいね。
2. 1 小山田 ■2008/02/13 02:08:07
理解できなかったので、すいませんが読んだ感覚だけで点を入れます。
3. 2 #15 ■2008/02/15 20:50:06
どう突っ込めと?
4. 3 織村 紅羅璃 ■2008/02/23 20:22:16
フリーダム過ぎてついていけなかったのです。それだけです......
5. フリーレス ■2008/02/26 23:14:21
後のドリフ落ちである
6. 9 名無しの37番 ■2008/02/27 11:25:29
あー。アッパー系壊れギャグ万歳。ここまで突き抜けると、一周回って逆に平和に見えるのは、作品のパワーに私の頭がやられちゃってる証拠です。
機械仕掛けの神を主題に置くことで、最初から風呂敷をまとめることなど全く考えずにブレーキを壊して突き進んだのが上手いと思いました。ある意味、お題を最大限に活かしている作品です。
それにしてもチルノ様の便利さは異常。
7. 8 ■2008/02/27 21:58:20
これはなんという『機械じかけの神』w
チルノの最強が口先だけじゃなくて、ちゃんと意味を持っているのがスゴイですね。
冒頭からいきなりパチュリーが血の海であややややと思ってたのですが、
そんなのは序の口で、次々と終わりの見えないカオスな展開。小悪魔ってこんなコだったの。
でも最後はガツンと締められているのが、読んだあともスッキリした感じでした。
ただ『機械じかけの神』の印象が強すぎて、お題から離れてる感じが。
お題が『機械じかけの神』なら迷わず満点入れてました。
8. 4 つくし ■2008/02/28 17:01:29
これは酷いジャーマンwwwww
と、素晴らしいオチに笑わせて頂いたんですが、どうもデウスエクスマキナという言葉を乱発しすぎている感がします。説明過剰。「神、来ないかなと思って」以降はただ誰かが登場しては肩透かしを食らわせて行く描写をするだけで読者は「次こそは真打か」という魔理沙と同じ期待を抱くはずだから、キーワードを描きすぎるとかえってくどくなります。その辺のさじ加減がほしかった。
9. 3 ■2008/02/28 20:23:44
ところどころにヒドいギャグがw
この流れでチルノオチってのはどうなんだ。ちょっと肩透かし。
10. 1 飛び入り魚 ■2008/02/28 20:56:14
ああ、せちがらい。
……にしてもあのポジションに立てるのはチルノだけだなぁ。おいしい。
11. 2 たくじ ■2008/02/28 22:26:51
ギャグなんでしょうか?訳が分からなかったです。
12. 5 椒良徳 ■2008/02/28 23:51:37
カオスだなあ。
13. 4 時計屋 ■2008/02/29 00:37:35
とりあえずnice boat自重。
その他諸々も自重。
あと俺も自重。

嗚呼、自重ばかりでせちがらい。
14. 4 ZID ■2008/02/29 01:27:10
なんというカオス。個人的には、胡散臭い早苗さんが新鮮でした。
15. -1 つくね ■2008/02/29 01:44:30
いや、もし漫画だったらなーと思うのですが……
キャラを登場させすぎて混沌状態に陥っているのがやはり……作品のテーマがそうした自虐的意味合いを込めていると取れますが、さすがにそれと話自体とは別物、ということで評価させていただきました。失礼。
16. 3 カシス ■2008/02/29 02:40:32
なんでしょうか……風呂敷広げまくってご都合主義を無くしたら山無し落ち無し意味無しになったってことですかね?打ち切り漫画みたいです。
17. 5 木村圭 ■2008/02/29 04:51:52
ああ、カオスがうまくオチてしまった。チルノったらさいきょうね。というか魔理沙、アンタ腕吹っ飛ばされてること忘れてないかい?
18. 1 とら ■2008/02/29 09:07:04
話の展開についていけなかったです。タイトルも、何をもって「ジャパニーズ・デウス・エクス・マキナ」なのかよくわからなかったです。私の読みが浅いせいかもしれませんが……
19. 3 らくがん屋 ■2008/02/29 11:04:22
まとまりがない。途中経過は楽しめたのに、チルノオチが面白くなかったのが非常に残念。
20. フリーレス 中沢良一 ■2008/02/29 15:13:40
ギャグだからこの勢いなんでしょうが、置いてけぼりです。面白くなかったです。
21. -3 ☆月柳☆ ■2008/02/29 19:47:44
題名通り、最後はチルノがきちんとその役目を果たしました。
でも、あまりにも意味不明すぎる。
なんだろう、端的に言えば「まるで夢のようだ」です。
チグハグな短編の継ぎはぎ。繋がっているようで繋がっていない。
そんな作品を読者が理解できるはずがない。
だってそんな作品を理解できるのは、夢を見ている本人だけですからね。
題名見たときはちょっと期待したんだけど…。
作者さんが最初に魔理沙?に言わせてるように、作りようによっては感動的な話しも作れるかもしれないですけどね。
次に期待してます。
22. 7 K.M ■2008/02/29 19:50:09
なんという自業自得、なんという機械仕掛けの神様ww
内容は結構ホラーなのに、オチがアレすぎて盛大に笑ってしまいました。
23. 4 赤灯篭 ■2008/02/29 20:36:57
 今コンペに出品された作品のタイトルをざっと見たとき、もっとも期待していたのがこの作品でした。
 ただ、「デウス・エクス・マキナ」というストーリーの着眼点とストーリー構成の見事さに対して、個々のネタが今一つ弱いような気がします。せっかくよくできたストーリー設定なのだからもっとシュールでぶっとんだネタを見てみたかったです。
24. フリーレス 八重結界 ■2008/02/29 21:00:48
もう何が何だか……
25. 7 12 ■2008/02/29 21:45:51
さいきょーのデウスが出た。平和にならざるをえない。
26. 8 O−81 ■2008/02/29 21:48:10
 超チルノ。
 このどうしようもない感じがすごく好きです。どうしようもねえ。
27. 6 只野 亜峰 ■2008/02/29 21:54:01
〜事も告げられた。マジか、〜
のとこは三人称的な事実の描写と一人称的な心理描写が入れ替わるとこなので改行したほうが良いですな。
ギャグにしては雰囲気が重かったですが、度重なる超展開はいっそすがすがしくもあり、たまにはこういうのもnice boat。
28. 5 BYK ■2008/02/29 22:04:10
イトル見た時からどんなオチなのか楽しみにしていたらチルノ(笑)
いや、これは笑った。さすがチルノ(笑)
29. 3 名無し1 ■2008/02/29 22:13:06
解らないけど読んじゃった。そんな時間に感謝です。でもわからなかった。
30. 7 綺羅 ■2008/02/29 22:57:20
駄目だこいつ……早く何とかしないと……。 ←褒め言葉です。
31. 7 moki ■2008/02/29 23:19:30
なんというデウスエクスマキナ。オチが理不尽に思えるけど、それがデウスエクスマキナなんですよねぇ。
32. 8 もろへいや ■2008/02/29 23:25:07
どうオチをつけるかと思ったらw
最初から最後までハイテンションで面白かったです。
33. 3 冬生まれ ■2008/02/29 23:37:43
タイトルからしてラストの展開をデウス・エクス・マキナにするのはわかったので、
そこまでの展開をどう持っていくかに期待していたのですが、
オチも含めて今ひとつでした。着想がいいだけに残念です。
34. 8 カミルキ ■2008/02/29 23:38:23
「日本中がH(キミ)のレベルに落ちたら、この世の終わりだぞ!!」とは某猫型ロボットの弁。
正直、オチで授業中だというのに噴き出してしまった。
35. 5 blankii ■2008/02/29 23:48:52
なんだこりゃー、と投げっぱなしな気もするけれど面白いのが壮絶にクヤシイ。ハチャメチャ具合が良い感じに脳味噌こねこねです。

36. フリーレス 匿名評価
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41. フリーレス GriedyMer ■2011/04/28 23:00:35
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42. フリーレス CNA Training Online ■2011/12/11 10:28:51
こんにちは!あなたは彼らがハッカーから保護するためにすべてのプラグインを作れば知っていますか?私はで熱心に働いてきた全てを失うことについてちょっと妄想です。任意の勧告?
43. フリーレス ・ヨゥ`・ト ・皈・コ ■2013/08/15 20:25:53
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