紅美鈴に関するいくらかの伝記的事実 〜 We love Meiling!

作品集: 最新 投稿日時: 2008/02/11 08:48:46 更新日時: 2008/02/13 23:48:46 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00




 十六夜咲夜ほどの人物をしても結局は人間なのであって、四六時中瀟洒であり続けることは難しい。そのことを知っている数少ない者のひとりが、紅美鈴その人である。今、咲夜はベッドにその身を力なく横たえ、美鈴がその上に馬乗りになる。目をつぶる咲夜の腰に、美鈴の両手が伸びた。途端、声が漏れる。
「あ゛あ゛あ゛ああああ…………」
 セイウチのいびきを思わせる音声が紅魔館のメイド長その人の喉から漏れたという事実はにわかには受け入れがたく、しかして、咲夜は美鈴の指が腰を圧迫するたびに恍惚とした表情でおっさん臭いうなり声をあげるのであった。
「うわあ、凝ってますねえ」
 美鈴はうつぶせでベッドに転がる咲夜の尻に座り、彼女の背中にマッサージを施していた。背中からときおりぺき、ぱき、と幽かな音がして、その度に咲夜は「くぁ……」「あふぅ……」などと息を漏らした。よだれが垂れそうなほどに口元は弛緩している。分度器の方が使いでがあると人に言わしめるほどの役立たず妖精メイドたちを束ね、我侭お嬢様の要求する仕事を完全にこなしてみせる瀟洒なメイド長の姿はどこにもない。彼女のプライベートルーム、そこらのメイドなどドアノブに手をかけた瞬間にどこからともなく銀のナイフが飛んでくる開かずの扉の奥は、咲夜にとって心休まる場所であった。そこに入室を許されることを紅美鈴は心密かに誇りに思っているのだが、咲夜にとっては恐らく、ていのいいマッサージ師か気晴らしの相手程度の認識なのだろう――というのは書き手の推量ではある。しかし美鈴の紅魔館での扱いを考えれば妥当なものだと思われる。
 さて、美鈴の手は腰の辺りをもみほぐすことから始まって、だんだん上へ進んで行く。肩甲骨の辺りをさするようにして、孫がおばあちゃんの肩たたきをするような素人臭さとは一線を画す手つきを披露しはじめる。
「あ……美鈴、そこ……いい……」
「ここですか?」
「うん……もうちょっと上……あ、そこっ……」
 こうして彼女らの言葉を書き連ねれば睦み事に見えなくもないが、実際に繰り広げられている光景は色気などとはまったく無縁である。ひとしきりウンウンうなって満足した咲夜が、「もういいわ美鈴……ありがと……」と澱を吐き出すような深い息とともに言って、それを合図に美鈴は咲夜の尻から腰を上げる。咲夜はもそもそと起き上がると、馴らすように肩を回しながらベッドに腰かける。
「あー、肩が軽いわ」
 ベッドの隣に設えてある簡素な丸テーブルの上にはティーポットとお茶菓子の入ったバスケットが置かれていて、美鈴は咲夜の対面に用意された椅子に座る。いつからか、マッサージの後にお茶をするのが二人の間の取り決めのようになっているのである。人間のメイド長と門番妖怪という二人だが、湯気を立てるお茶と芳ばしい香りのするスコーンを前にしては、単なる年頃の少女に過ぎない。
「やっぱり、凝ってた?」
 紅茶をスプーンでかき混ぜながら咲夜は訊いた。美鈴は苦笑する。
「相当。……やっぱり、とは?」
「最近パチュリー様の用事を普段の二倍くらいお受けしたから」
「あー……人使い荒いですねえ知識人」
 憩いのひと時を彩るのはお茶と他愛無いおしゃべりと相場は決まっているのである。そして、ある運命の分岐点というものが、取るに足らないようなところから不意に顔をのぞかせるというのも、往々にしてよくあることなのだ。
「それにしても美鈴、本当にマッサージ上手よね」
「あはは。私の能力は氣を使うことですから」
 それとなく意味深長な響きを持たせた言葉を吐いた美鈴に、咲夜は、ふうん? と相槌を打つ。スコーンの欠片が残った親指をペロリと舐めると、美鈴は話し出す。
「人の身体には氣が巡ってるんです。うーん、まあ、エネルギーが身体全体を流れてる……精神の血液みたいなものだと思って頂ければいいですけどね。それが、落ち込んで陰気になれば体調も悪くなるし、陽気であれば元気になる。私の場合そういう気の流れを直接コントロールしてるから良く効くんですよ。もちろん、マッサージの腕自体もそこらの人には負けませんけどね」
「へーえ。さすが、詳しいわね」
「いやあ」
「もしかして貴女、門番よりマッサージ師とかのほうが向いてるんじゃない?」
「うわっ、酷いですよー」
「サボるのをやめて、白黒を撃墜できるようになったら今の言葉、撤回してあげるわ」
「ははは……」
「でも実際気持ちいいわよ貴女のマッサージ。商売になるわ」
「咲夜さんだって今すぐ喫茶店が開けますよ。これだけ美味しい紅茶が淹れられれば」
「ふふ」



 そんな会話が交わされた日から、何日か後。咲夜は主の部屋に呼び出されることになる。



「あれは何かしら」
 無駄な大きさを誇る玉座の上で小さな身体を最大限にふんぞり返らせて、レミリア・スカーレットは問う。彼女の背後、ぞんざいに親指で示す先には下界を睥睨へいげいするテラスがあり、いまは緋色のカーテンも開け放たれ、暮れなずむ空の紅と藍の境界が見える。もちろん空を指してあれはなあに、などと我が主が言うとは咲夜も思っておらず、主の言わんとするところを察すべく脳を瀟洒に回転させる。銀色の脳細胞が答えを導き出すコンマ数秒前に、レミリアは従者にトドメを刺した。
「紅魔館はいつから観光地になったの?」
 次の瞬間、レミリアの前には咲夜と、簀巻すまきにされた美鈴が転がっていた。咲夜が能力を使ったのだった。
「はい、え、あれ?」
 という間の抜けた声をあげたのは美鈴である。彼女の視点からすれば、さっきまでいた光景が一瞬にして我が主の部屋に、しかも床を舐めるような位置に転がされ、玉座の高みから自分をにらむ主を遥か見上げる光景に変わっていたのだから、混乱するのも無理からぬところであった。だからといって、悪魔の館にそんな彼女のことを慮る輩は存在しないのだが。
「咲夜」レミリアは簀巻をアゴで指した。「これはどういうことかしら」
「下手人です」
 咲夜は涼しい声で答えた。
「え、え、何です、下手人?」
 わけのわからないまま連れ去られわけの分からないまま何かの犯人呼ばわりされた哀れな美鈴に、レミリアは玉座から降りて歩み寄った。床に転がって身動きの取れない美鈴の側にしゃがんで、子犬に向けるような笑みを浮かべた。美鈴はとりあえずという風に笑みを返したが、それが若干引きつっていたとしても誰も彼女を責められない。レミリアのぷっくりと形のいい唇がほころんで、言葉を発した。
「吐かずに死ぬのと吐いて死ぬのとどっちがいい?」
「どうか命だけは」



 このときの美鈴の供述内容をできる限り整理し、正確に再現すると、以下のようになる。



 簀巻にされる数日前、そして例のお茶会から数えると二、三日後のこと。美鈴はいつも通り紅魔館の威風堂々たる門前に金剛力士の如く屹立きつりつし、紅い屋敷を侵さんとする不逞ふていの輩何人なんぴとたりとも許すまじと、蟻一匹逃さぬ警戒をしていた。折りしも初春のうららかな午後、あたたかな陽光が開いたばかりの木々の若葉を透かし、鳥たちがやわらかにさえずってはふくよかな千切れ雲の浮かぶ空をゆっくりと横切ってゆく。まさに絶好の昼寝日和であり、神社の巫女などといった、精神的に堕落した者であれば瞬きする間もなく睡魔の誘惑に蝕まれたであろうが、悪魔の門の番人たる誇り高き紅美鈴はもちろん一分の油断もなく、我が任務を遂行し続けていたのであった。彼女こそ門番の鑑、忠義のともがら不撓不屈ふとうふくつの精神の権化なのである。昼寝など言語道断であり、憎むべき怠惰であったのだ。よって彼女は昼寝をしなかった。
 そんな彼女が目を開いたのは(冥想していたのだ)、鳥たちの騒ぐ声が聞こえたからであった。立ち上がって耳を澄ますと絹を裂くような風切音がかすかに周囲の空気を震わせており、それを敏感に感じ取った鳥たちがその場を離れようとしているのであった。この現象に何度も立ち会ってきた美鈴はこの時点で確信した。「白黒警報」だと。
 白黒警報。紅魔館内でいつからか自然発生したジャーゴンを、ここでわざわざ賢明な読者に説明するまでもないだろう。
 風切音はいよいよはっきりとした形を持ち、ひとつの影が向こうから接近した。ゴマ粒ほどの点だった影は見る見る大きくなり、人間の肉眼でも十分に視認できるようになる。
「よう、今日も精が出るな」
 かくして、門の上空に至った黒い影が陽気に言い放った。
「あなたのようなのがいるから私が休めないのよ」
 美鈴は口元をぬぐって上空の魔理沙をにらみ据えた。
「つまりお前が門番をやっていけるのは私のおかげってことだ」
「どんな理屈よ」
「普通の事実だぜ」
「もう一度教育を受けなおすべきだわ」
 一通り啖呵たんかを切ると、二人の手にはスペルカードがあった。朗々と宣言の声が響き、空気を震わせて、鳥たちが飛び立つ。

 そうして、勝負はあっけなく着いた。

「……え?」
 美鈴は胡乱うろんな声をあげた。そうして、芝生の上にぽてりと墜落し、目を回している魔理沙の姿を発見した。美鈴の対魔理沙戦歴における勝率は一割程度であり、しかしてこの日ほどに魔理沙があっさりと墜ちる例はなかったのである。幻想郷のトマホークミサイルの異名を一部でほしいままにする突貫少女は、しかして今は芝生の上で無残にも大の字になってこんがりと美味しそうな焦げる匂いを漂わせるのみであった。平生ならその焦げる匂いを放つ側であるところの美鈴は、この状況に、勝ち誇るべきかどうか迷い、とりあえず困惑しつつも魔理沙のすぐ側に歩み寄った。
「あー……その、大丈夫?」
「……普通だぜ」
 魔理沙は地面に手をついて、よろめくようにしながら起き上がった。「どうも今日は縁起が悪いな、帰らせてもらうぜ」
 ワンコインクリアにこだわる魔理沙はコンティニューを拒否し、立ち去ろうとした。しかしその手を美鈴はつかんだのだ。
「待ちなさい」
 突然のことにたたらを踏む魔理沙の隙を突いてかかとをすくい上げ、あっさり仰向けにコロンと転んだ魔理沙の上に美鈴は馬乗りになる。美鈴のお尻が乗る瞬間、魔理沙はお腹の中の空気を一気に吐くようにグェと一声鳴いた。美鈴は魔理沙の両頬を手で挟みこむと、息のかかる至近まで顔を近づけて覗き込んだ。
「……あんた、寝不足でしょ」
 魔理沙の目の下にはくろぐろとしたクマができていたのである。
「あー、最近研究が興に乗ってなあ」
「何日寝てないの」
「二日くらいじゃないか、たぶん」
 なんでもないことのように言う魔理沙に、美鈴はため息を吐いた。そうして、魔理沙の頬を挟んだままの手の親指で、魔理沙の目頭の上部から眼球を圧迫した。
「あだだだだだだだだ」
 魔理沙の悲鳴を意にも介さず、眼球の形をなぞるようにマッサージし、魔理沙の腹に乗っていた身体を浮かせた。そのまま魔理沙を転がしてうつぶせにすると、今度は逆馬乗りになり、魔理沙の足をつかんで靴を無理やり脱がす。
「ひゃっ!? な、なにするんだ」
 存外可愛い悲鳴がして、魔理沙の素足があらわにされると、美鈴は足をつかんで足の裏を指で力強く圧迫する。
「あがっっっっ」
 今度は乙女にあるまじき下品な声が魔理沙の喉から漏れた。
「いた、痛だだだだだだだだだだだだ!! や、やめっ痛痛痛痛」
 美鈴は情け容赦なく足の裏のツボを圧迫し、また、魔理沙の身体全体の氣の流れを読んだ。
「まったく。睡眠不足は万病を招くんだからちゃんと寝ないといけないのよ。それに……ここ、ここ押したら痛いんでしょう。肝臓に疲れがたまってるわねえ。宴会のしすぎじゃない?」
 肝臓のツボを押すたびに、魔理沙は声にならない断末魔をあげようとし、まな板の上の鯉の如く口をパクパクさせて悶えた。一通りの足裏マッサージを終えると、ぐったりとした魔理沙の上で美鈴は身体の向きを変え、肩から背中にかけてをゆっくりともみほぐした。魔理沙の肩は年頃の少女らしくないほどに凝り固まっていて、普段の不摂生と机の上で無理な体勢で過ごした時間を思わせた。美鈴は筋肉の一つ一つをほぐし、また、氣の流れをスムーズにしてゆく。
「……はい、終わり! これに懲りたらもうちょっと自分の身体をいたわって――」
 いつしか、魔理沙は安らかな寝息をたたえていた。無邪気な寝顔を目にした美鈴は、彼女を起こさないよう優しく抱き上げると、門柱にそっともたせ掛けた。



 その次の日。その日も美鈴はその質実剛健たる肢体を門前に据え、紅魔館の守護にあたっていたのである。この日も連日の例に漏れず快晴、湖のほとりでは妖精たちが気持ちよさそうに日向ぼっこしながら寝息を立てる微笑ましい光景が数多く目撃されたという。もちろん我らが紅美鈴にして、そのような誘惑に負けることはなかった。まったくもってなかった。
 そんな彼女が目を開いたのは(氣を集中させていたのだ)、彼女を呼ぶ声が聞こえたからだった。見ると、杖をついた一人の老爺ろうやがいた。美鈴の元を訪れる人間は紅魔館に用のある人間か、美鈴を相手に腕試しの決闘を挑んでくる血気盛んな若者(『幻想郷縁起』第九版の発行以降挑戦者数が増えた)かが大半であり、この老爺はそのどちらにも該当しないように美鈴には思えた。
「もし、あんた、メイリンさんかね?」
「はあ」
 よくわからないまま、美鈴は首肯する。老爺の発音だと「リ」にアクセントがあり、「名人」と言うようなイントネーションになっていたが、そこに突っ込むべきかどうか美鈴は判断しかねた。老爺はそのような美鈴の心境の機微を察するほどの感覚を失っているのか、あるいは単にマイペースなのか、おっとりした口調で続けた。
「実はの、最近腰の痛みが酷くての」
「はあ……お気の毒様です」
「そういうわけで、お願いしたいんじゃがの」
「何をです?」
 疑問符を浮かべる美鈴を、老爺は白いふさふさとした眉の下から覗き見るようにした。
「んん? ここで按摩あんましてくれるんではないんかの」

 老爺の話によれば、紅魔館の門番が按摩屋を始めたという噂が人里で流れ始めているという。

 情報の元は魔理沙であった。美鈴に受けたマッサージのことを彼女は人に話し、風に乗った噂は狭い幻想郷を一夜にして駆け巡ったのだった。噂に付き物の尾ひれ背びれもその過程でしっかりと生え、いつの間にか紅魔館門前は美鈴の按摩屋ということになっていた。

「はあ……」
 老爺の話を聞いて、美鈴は返す言葉も思いつかず曖昧な相槌を打った。そうして、考え考えして言った。「ごめんなさいおじいさん、そういうのはやってな――」
「あだだ! あだだだだだだ!」
 突然老爺は叫び始め、腰を押さえてその場にうずくまった。顔を真っ赤にして、足ががくがくと震えていた。あまりの唐突な変化に美鈴は若干引いた。
「こ、腰、いたあ、いたたた」
 蚊の鳴くような老爺の声に、美鈴は駆け寄って老爺の腰に触れた。美鈴が腰をほぐし、氣を整えると、老爺の腰は真っ直ぐに伸びた。老爺は起き上がると、杖をつかずに立ち上がったのである。
「お……おお……」
「あ、それとですね」
 感動に打ち震える老爺をその場に残し、美鈴は庭の自家用菜園で何がしかの植物を取って、老爺の元に戻った。
「こっちの人参は滋養に効きますのですりつぶして飲んで下さい。それとこれはお灸にするためのモグサです。……良くなったからって無理するとまた腰を痛めますからね、お大事にして下さいよ?」
「あ、ありがたやぁ、ありがたやぁ」
 老爺は美鈴を仏様を見るような目で拝み倒して帰った。



「そういうわけで……」
 簀巻になったまま語り終えた美鈴は、テラスの向こうに目をやった。テラスから遥か見下ろした紅魔館の門前には、行列ができていた。美鈴の按摩屋の噂はますます広がり、実際に癒された人々の実績を目の当たりにして評判はまさにうなぎ上りであった。美鈴が漢方の処方ができることも知れてからは、風邪引きの子供が親に負ぶさって連れてこられることもあり、人は後を絶たなかった。人の良い美鈴は訪れる人たちを無碍むげにもできず、いちいち彼らを癒していったことが、ますます人を呼ぶ結果となったのである。
 咲夜は門番の務めさえ遂行していれば問題無しとしてこれを放置し、また、レミリアはこの数日間日中に目を覚ますこともなかったがゆえに、この問題は露見する前に膨れ上がったのだった。
「……へえ」
 美鈴の供述を聞いたレミリアは玉座に深々と腰かけてため息をついた。
「美鈴、ここはどこかしら」
「こ、紅魔館です」
「そうね」レミリアは足を組み替えた。「それを知った上でのことなら良い度胸だけれど……あなた、この悪魔の館にボウフラどもを群がらせて良いと思っているの? あいつらは本来紅魔館を恐れて平伏するべきなのに、あの腑抜けた顔を見なさい。いい、何度でも言うわ、ここは人間たちのお遊戯の場所でも観光地でも療養所でもないの。紅魔館。たっとき悪魔の棲家すみか。恐怖の権化。そのがらんどうのアタマでも理解したかしら?」
「は、はあ」
「なら、今すぐあいつらを散らしてきなさい。それと今後一切その余計な行為を禁止するわ」
 有無言わせぬ幼き主の言葉に、美鈴は喉をつかえさせた。そうして、ひと言ずつ言葉を選ぶようにして、恐る恐る口を開いた。
「で、でも……身体の調子が悪くて、困っている人たちがいるんです」
「人間が生きようと死のうと私たちには関係ない。違うかしら」
「…………」
「紅美鈴」レミリアは威圧的にその名を口にした。美鈴は悪魔に名前を握られることの意味を知っていた。「返事をしろ」
「……はい」
 咲夜のナイフが走って、美鈴をいましめていた簀巻が解かれた。



 紅魔館の門前で突然消えた美鈴を待っていた人々は、美鈴が再び現れると色めき立った。しかし、美鈴が何度も頭を下げながら按摩を中止する旨を伝えると、あからさまな落胆の色を隠さなかった。中には食い下がる者もいたが、咲夜の手配による妖精メイド隊の弾幕が飛来し、渋々門前を離れた。

 こうして、美鈴による医療行為はその日を境に行なわれなくなり、事態はうやむやのうちに収束し、人々から忘れ去られる、かに思われた。

 が。

 その数日後、思わぬところからの訪問者により、事態は別の方向に転がりだす。



「なんだって?」
 レミリアはお気に入りの玉座の上でいらだたしげに髪をいじった。レミリアの部屋には彼女の後ろに控える咲夜、またもやなぜ呼び出されたのか分からない美鈴、そして、ひとりの客人がいた。客人は玉座の上で猫のように身体を丸める吸血鬼を涼しい眼で見つめた。どう見ても歓迎のムードではない空気をさらりと流して、一度言った言葉を繰り返した。
「ですから、紅美鈴、彼女を私の助手としてスカウトしに来たのです」
 氣に敏感な美鈴は、場の空気に、ぼんのくぼあたりにチリチリとした電流が流れるのを感じ、背筋を流れる冷や汗が凍りつく思いで直立していた。主は明らかにいらだっていた。その中で顔色一つ変えない咲夜と、そして客人、八意永琳に恨みがましい目を向けたが、誰ひとりそれに気付いたものはいなかった。あるいは気付いても意に介さなかった。
 永琳はたっぷりとした銀髪を優雅な仕草でかきあげた。
「以前彼女がやっていた氣による治療と漢方の処方、これは埋もれさせるには勿体無い技術ですわ。彼女の行為はもはや按摩を越えて医療行為の域にすら達しています。彼女はもはや、気功医療士、漢方医、鍼灸師、整体師、それらを合わせた医師……造語でよければ、外科医、内科医などと並べて、氣科医とでも呼びたい逸材」
「ふうん」
 レミリアは気のない相槌を打つ。永琳はにこやかに続ける。
「幻想郷の医療レベルは正直高くありません。老いた村医師画わずかに存在するくらいが関の山です。さらに、妖怪が病にかかったときにかかる医師がいない。精神的な生き物である妖怪の病気は九割方精神の健康に由来するものですから、人間の医師では治せません。彼らに手を差し伸べられるのは精神エネルギーを治療する彼女以外にいない。私たち永遠亭の持つ近代医療技術と彼女の東洋医術を合わせれば、幻想郷の医療レベルは飛躍的に上がるでしょう」
「帰れ」
 レミリアは枝毛を見つけて爪でちぎると、息を吹きかけて散らした。「話すことは無い。帰れ」
「あらあら。私の話を聞いていたのかしら」
「医療だとかどうとか、そんなことに興味は無い。そんなことでウチの門番を持って行く気なの」
「ええ」
「……あんたはもっと利口だと思っていたけれどねえ、天才とやら」
「大言壮語ですわ」
「言っておいてあげる。ここは私の館。他人にくれてやるものなど塵芥ちりあくた一粒も無いわ」
「貴女はそう言いますけど、レミリア・スカーレット」永琳は意味ありげな間を置いて、目線を横に送った。「彼女の意志はどうかしら」
 そう言うと、その場の全員の視線が一点に集中した。全方位からの視線に包囲され、美鈴は萎縮してうつむいた。
「美鈴」
 美鈴は肩を震わせた。彼女を呼んだ主は、その矮躯を玉座から翻らせると、美鈴の正面に歩み寄り、その顔を見上げた。
「何とか言いなさい」
 主に言われて、何か言おうとしたが、喉からはわずかなうめきしか漏れなかった。美鈴は非常に困惑していたのである。彼女の主の意には沿わないことだと分かっていても、人々の役に立つことをしないことが、人の良い彼女には我慢できなかった。伸ばされた救いを求める手を振りほどくことに胸を痛めていたのである。しかし、彼女の敬愛する主の言葉は絶対であった。そして、今、その絶対の主の意に沿う言葉をとっさに返せなかった自分に、美鈴の困惑はますます深くなった。
「どうしたの」
 レミリアの鈴が鳴るような、しかし威圧的な声に、美鈴はやはり何も言えず、ほとんど泣きそうになった。
 その美鈴の顔を見たレミリアのわずかな表情の変化に気付いたのは、その場では咲夜だけだった。
「……興ががれた」
 レミリアはフンと鼻息をひとつ吐くと、美鈴に背を向けた。
「所詮野良門番ね。……どこへなりとも行くが良い」
 言い捨てると、その身体を蝙蝠へと化けさせ、どこへともなく飛び去った。美鈴が顔を上げると、咲夜の姿もその場からかき消えていた。
「美鈴」
 物言わず立ち尽くす彼女の肩に、永琳は手を乗せた。「悪い話ではないわ。私たちは貴女を必要としている。貴女を必要としている人々もいる」
 美鈴は顔を上げると、笑った。
「あはは。……ここじゃ捨てられちゃいましたからね、私」



 かくして、永遠亭の氣科医、紅美鈴が誕生した。



 永琳は幻想郷での永遠亭の地位を築くために、自らの医療技術を惜しみなく一般に公開したのだった。彼女は永遠亭での診察の他に、人間の里や他の所へも回診をした。美鈴の仕事は主にその回診であった。永琳が里に行くことがあれば付いて行き、外科・内科治療が必要な患者は永琳が診察し、単なる不調の治療、健康増進の知識の伝授などを主に美鈴が担当した。永琳はレミリアには助手と言ったが、実際のところは永遠亭に二つ目の部署を設けた形となる。なにせ、永琳の助手は鈴仙とてゐだけで十分人手が足りていたのだ。
 また、永遠亭の事業のひとつとして薬品の行商があったが、美鈴はそれにも参加した。行商を主に担当していた鈴仙は、人手が増えることを手を叩いて歓迎した。鈴仙と美鈴にはなにやら共感するところがあったらしく、同僚の友情はすぐに築かれた。週末には周囲への愚痴を言い合って酒を飲む二人の姿がたびたび見受けられたという。
 美鈴は良く働いた。気功で人を癒し、マッサージで身体をほぐし、精神的な病を治療した。漢方薬については、知識こそ永琳と同等だが、実際の処用となると美鈴のほうがわずかに上手だった。また、彼女の気楽に話せる人当たりは患者を安心させ、特に老人や子供たちの受けがよかった。これが実は美鈴の永遠亭における一番の功績であり、気難しい永琳や何を考えているか分かりにくい鈴仙は、人間たちからは付き合いにくいと思われがちだったのだ。永遠亭の医療の評判は上々となった。誰が言い出したのか、「えーりんとめーりんで、えーアンドめー、延命えンめーコンビだ!」という標語まで飛び出し、幻想郷を席巻した。



「いただきます」
 美鈴が永遠亭にその身を寄せてから二週間ほどが経ち、永遠亭の夕食風景に彼女はすっかり溶け込んでいた。永遠亭の当主、輝夜は、最初からまったく壁を作らずに美鈴を歓迎した。よほど永琳のすることを信頼しているのか、はたまた何も考えていないのか、どちらにしろ、美鈴にとってはありがたいことではあった。
「あら、今日は中華ね」
 輝夜は見慣れない料理の乗った皿に箸を伸ばした。
「ええ、それは酢豚といいます」
「今日は美鈴が腕を振るってくれたのよ」
 その日の永遠亭の夕食は、酢豚、八宝菜、中華スープなど、筍を使った中華料理が食卓を彩っていた。
「あー酢豚にパイナップルが入ってない」
 てゐが不満げに口を尖らせた。
「パイナップルは入れなくて良いでしょ」と鈴仙。「ごめん、私も入れない派」と美鈴。「こういう料理に果物ってなんか気持ち悪くない?」と輝夜。ただ微笑む永琳。完全にマイノリティとなったてゐは箸を振り上げると熱弁した。
「あのねえ! 酢豚にパイナップルが入るのにはちゃんと理由があるの! パイナップルの酵素がたんぱく質をほぐすからお肉が柔らかくなるし、それよりもパイナップルには健康に良い成分が……」
 一人ヒートするてゐの回りから笑いの輪が広がる。永遠亭一の健康マニアを自負するてゐは、美鈴の気功に興味を示し、すぐになついてきた。いつからか鈴仙と並んでいたずらの標的にされるようになったことは、美鈴にとって喜ぶべきことかどうか、複雑ではあった。
「ほんと、美鈴が来てくれてよかったわ」
 何かの話の流れで、輝夜はごく普通に言った。
「永琳の仕事は楽になるし、ご飯は美味しいし」
「輝夜の退屈しのぎにもなるものね」
 む、と今度は輝夜が口を尖らせた。
「なによ永琳。私がそんなに暇に飽かせて退屈しのぎを探してるように見えるの」
「暇じゃないんですか」「姫様いつも暇そうですよね」「縁側でぼーっとしてること多いですよね」
「ああもうイナバたちまで、主に向かって酷いわ」
 食卓がまた笑いに包まれる。

 そんな和やかな空気の中で、永琳だけは気付いていた。
 恐らく本人すら気付いてはいまい、美鈴が時おり見せる遠くを見るような目に。



 ある日、幻想郷にしばらくぶりの異変が起こった。



 竹林の奥深くにある永遠亭にすら、その異変はすぐに知れた。普段は高く伸びる竹の間からわずかに漏れる日が永遠亭にとっての明かりだったのだが、それが届かなくなったのである。
「うっわ、なにあれ!」
 てゐが真っ先に庭に躍り出て、真っ直ぐ上を見上げて指差した。「空が紅い!」
 
 空が紅い霧で覆われていたのである。

 永遠の魔法により長らく歴史を止めていた永遠亭の面々にとってはそれは初めて目にする光景だった。永夜異変に至るまで、永遠亭は幻想郷の他の地域から完全に遮断されていたのである。しかしその中で一人、闖入者である美鈴にだけは分かった。
 これが、紅魔異変の再来であること。
 そして、その首謀者の正体。
「師匠、どうしましょう」
「まあ、巫女が出動して解決するでしょうね」
 永琳は幻想郷の秩序システムをいち早く悟っており、弟子の心配にもごく気楽にそう言うにとどまった。そうして、美鈴を見た。この日永遠亭一行は人里へ回診に行く予定だったが、この濃霧の中ではてゐや鈴仙の能力を以ってしても竹林を脱出することは容易ではなく、回診はやむなく中止、という方向に話は流れていた。美鈴は紅い空を見つめて、落ち着かない様子であった。
 美鈴、と永琳が声をかけようとしたとき、櫓から外を見ていた一匹のイナバが、てゐの元へ駆け寄った。
「侵入者です!」
 永琳は目を見開いた。平生でさえたどり着くことの難しい永遠亭に、ましてやこの濃霧の中たどり着くなど、尋常の所業ではない。なにより、そんな苦労をしてまでたどり着くほどのメリットが永遠亭にあるとは思えなかった。普通なら。
「イナバたちは皆屋内に避難しなさい。ウドンゲ、てゐ、イナバたちを誘導して、その後姫の守護に当たりなさい」
「アイアイサー!」
「で、でも師匠は!?」
「ここは私と、美鈴で迎え撃ちます」
 永琳は美鈴の目をまともに見た。美鈴は複雑な表情をして、ややの逡巡ののち頷いた。

 イナバたちの避難は迅速に行なわれ、永遠亭の前庭には永琳と美鈴だけが立ち尽くした。紅い濃霧の向こうから人影が現れ、美鈴は腰を落として構えた。一方の永琳はというと、弓こそ持つものの、ようとして戦闘体勢に入ろうとしなかった。まるで戦う必要などはなからないとでも言うように。
 まさにその通りで、永琳には侵入者の正体がある程度予測できていたのだった。この霧の中永遠亭にたどり着くような空間のスペシャリスト、そして、今永遠亭に来る必要がある者。それに該当する人物はそういない。
「さ、咲夜さん!」
 美鈴が叫んだ。濃霧をかき分けて姿を現した咲夜は、銀髪をひらめかせて真っ直ぐに美鈴に向かった。
「咲夜さん、どうしたんですかそのケガ! それに、お嬢様は!?」
「美鈴、急患よ。すぐ来て。あなたにしか治せないの」
 咲夜は打撲を負ったらしい頬を押さえながらも、美鈴から目を外そうとしなかった。

「病名は、孤独」



 悪かったわね、と最後に永琳は言った。美鈴は紅魔館に全速で向かいながら、さっきの庭での会話を思い出していた。

「え、え、どういうことです?」
 困惑する美鈴を他所に、咲夜と永琳は目を見合わせた。
「そういうわけだから、悪いけど美鈴は返してもらうわ」
「しょうがないわね」
 永琳はため息混じりに、慈しむような笑みを浮かべた。
「えっと、つまり、私に紅魔館へ帰れと……? でも、私、捨てられたんじゃ……」
「お嬢様は自分からそう言わないけどね」
 咲夜は苦笑した。
「ねえ美鈴、吸血鬼ってね、案外寂しんぼうなのよ。その証拠に、見なさい、レミリアお嬢様のような強い妖怪ともなれば、私たちのような手足がなくたって一人で暮らしてゆくのも決して難しいことじゃないわ。それなのに、お嬢様は紅魔館を作り、私たちをそばに置いて下さる。この霧だって、おおかた霊夢あたりにかまってもらいたかったのよ」
「……でも、私なんかいなくたって、咲夜さんや、パチュリー様が……妹様だって」
「悪魔の館に守護など必要ない。それなのにあなたは紅魔館の一員だった。あなたを必要とする証拠が、それ以外にいるかしら?」
「……私なんてペットみたいなものでは」
「ペットも立派な家族だわ」
 美鈴は、そこではじめて口元をほころばせた。
「……ペット扱い、ってところは否定しないんですね」
「あら、ペットも良いものよ」
 そう言ったのは永琳だった。そして、すぐさまてゐを呼びつけた。
「美鈴を竹林の外に連れて行きなさい、できるだけ早く」
「美鈴」
 咲夜は穏やかな笑みを浮かべていた。
「この傷ね、霊夢にやられたの。まったく、あいつったら異変になると見境無いんだから……きっとお嬢様も霊夢にやられてると思うから治してあげて」
「いくよ美鈴!」
 先導するてゐが急かした。
「……永琳さん、お世話になりました」
 永琳は頷いた。そうして、口を開いた。

 美鈴が紅魔館にたどり着く頃には、すっかり夜になっていた。霧もいつしか消えて、静かな夜だった。紅魔館の中庭、美鈴がずっと世話をしていた花壇の側に、美鈴は降り立った。
「……なんだ、笑いに来たのか」
 中庭の地面に大の字になって、レミリアは寝転がっていた。帽子が脱げて、頭には大きなたんこぶができており、恐らく霊夢の玉串に殴られたのだと推察された。
「それが、永遠亭を追い出されちゃったんです」
「……」
「今日永遠亭に侵入者がありまして、それを取り逃してしまった咎で怒られちゃいまして」
 その侵入者とはもちろん咲夜のことである。
「結局路頭に迷ってしまって、もう一度ここで門番をやらせて頂けないかとお願いに参上した次第で」
「……フン」
 レミリアは鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「野良門番が調子の良いことを言う」
「すみません。頭が悪いんです」
「……花壇」
 レミリアがぼそりと言って、美鈴は、え、と聞き返した。
「お前が花壇の世話をしないから、それの担当にしたメイドたちから余計な仕事が来たと苦情が来たのよ」
「はあ」
「だから……もう、ちゃんと、お前が、世話しなさい」
 月の光が中庭を優しく照らしていた。主の言葉に、美鈴は破顔した。

「はい、喜んで」

「うむ……って、待て、何をする!」
 美鈴は主を抱き起こすと、頭を撫で始めた。
「無礼な、ガキじゃないのよ!」
「あはは。治療ですよ。気功なので、ちゃんと触らないと治療できないんです」
「そ、そんなの、必要ないっ」
「動かないで下さい」
「う……」
 なでなで。なでなで。
「よしよし」
「やっぱり子供扱いじゃないかッ――!」



 次の日より、紅魔館の門前には美鈴の姿が戻った。いつものように紅魔館を守護し、守護するフリをして昼寝する姿が見受けられるようになった。
 永遠亭を辞してからも永遠亭の面々との交流は続き、やはり鈴仙とは飲み友達だという。
 気功による治療も主から少しは認められ、週末などには彼女の按摩を求めて人里から来る人間も少なくない。

 ある日、美鈴が人々に按摩を施しながらふと上を見ると、こちらを睥睨するテラスの奥、カーテンが揺れ、慌てたように誰かが引っ込んだようだった。
 美鈴は幸せな笑みを浮かべた。

めいりんかわいいよめいりん
つくし
http://www.tvk.zaq.ne.jp/tsukushi/
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2008/02/11 08:48:46
更新日時:
2008/02/13 23:48:46
評価:
0/0
POINT:
0
Rate:
5.00
1. 9 脇役 ■2008/02/11 01:16:21
良い美鈴…ほんとに良い美鈴だ…
2. 4 妄想する程度の能力 ■2008/02/11 02:53:24
結論・お嬢様はツンデレ。
3. 7 名無しの37番 ■2008/02/12 09:35:15
氣科医の発想に脱帽。
ただ、それ以外の部分に真新しいところが見当たらないのが惜しい。王道といえば王道だが、綺麗にまとまってる分盛り上がりに欠けているように思えた。
氣科医設定がもっと本筋に活かされていればもう少しインパクトがあったかも。
ツンデレお嬢様はジャスティス。
4. 6 俄雨 ■2008/02/12 20:03:43
えがった。めいりんかわいいよめいりん。文章力も表現力も高い。発想もなるほど。長さも適度に良く、読んでいて非常に気持ちが良い作品でした。めいりんかわいい。
5. 7 小山田 ■2008/02/13 08:24:13
若干、言葉の取捨選択の違和感や短くまとめたほうが効果的なネタがありましたが、ほのぼのとした読後感にまとまっていました。よかったです。
6. 10 nanasi ■2008/02/15 01:36:22
れみぃかわいいよれみぃ
7. 6 飛び入り魚 ■2008/02/20 09:53:22
は、破壊力高すぎる… 「病名は、孤独」が僕の心にヘビー級パンチでした
8. 7 あまぎ ■2008/02/23 14:54:19
めいりん可愛いよめいりん。
なんだか、すごく理想的なお話でした。
自分の頭の中の、めいりん可愛いよ的シチュを的確に捉えられた射抜かれた、みたいな。
氣科医、なんて言葉が出たときには作者様天才じゃないかと。
そう思いました。

少々話はズレますが、自分の家の近所に鍼灸学部のある医療大学がありまして。
小さい頃から、お世辞ながらも「マッサージが上手だね」と言われて育った自分はちょっとその大学に憧れたりもしました。
なんだか素敵ですよね、東洋医学って。

それで、そんな自分だからこそ、この作品のようなめいりんが大好きです。
マッサージをするめいりんの姿を想像してにやにやしてしまいそう。
可愛いめいりんをどうもありがとうございました。

もいっかい言っとこ。
めいりん可愛いよめいりん。
9. 10 もろへいや ■2008/02/25 00:17:14
面白かった…。
時間を忘れて読ませていただきました。
10. 7 ハタ ■2008/02/26 11:20:39
久しぶりに暖かい気分になりました
11. 8 カシス ■2008/02/27 13:57:11
非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。美鈴もレミリアもとてもかあいいです。
12. 7 ■2008/02/27 22:21:19
まずは、めいりんかあいいよめいりん。
美鈴の新たな気の使い道に楽しく読ませていただきました。
あとなんだかんだで、おぜうさまもかあいいよおぜうさま、でしたね。
美鈴の供述内容が笑いが多くテンポよかった分、後半がなんだか物足りなかったです。
(供述内容での美鈴の可愛さと笑いが突出していた感じ)
13. 5 ■2008/02/28 20:40:22
丁寧にかかれているし、いい話なんだけど、どこかで見た感が大きすぎる。意外性は無い。
でもいい話だ
14. 8 反魂 ■2008/02/28 22:17:33
 丁寧かつ犀利に進められてきた割に、オチがちょっと安直安易で拍子抜けしました。咲夜が伝えに来るという展開が単純すぎたせいかもしれませんが、前半の巧みな展開に対し後半かなり決着を急いだ感じがあります。
 面白い作品でしたが、一貫してもっとゆったりさを貫き通されていたなら、なお良かったように思います。
15. 7 たくじ ■2008/02/28 22:38:45
美鈴ってば本当に人が良すぎるんだから。ついつい揉んであげちゃうあたりがかわいいですよね。自分の気持ちと主の意思との葛藤!ああもう。俺も揉まれたい。レミリアさんも美鈴を問いただすときはなかなかの迫力だし、その割に後半はぐだぐだだしで、もうニヤニヤですよ。
楽しませてもらいましたが、異変が起こってから紅魔館に帰るシーンがなんだかあっという間だったのが、ちょっと物足りなかったです。永遠亭にいるときの美鈴がもう少し葛藤とかモヤモヤしてるのを読みたかったなぁって思いました。
振り仮名いいですね。読みやすいです。
16. 6 椒良徳 ■2008/02/29 00:02:12
魔理沙に足裏マッサージなんて何て性的な。うぎぎ。
それにしてもめいりん可愛いなめいりん。
うん、なかなかに面白かった。しかし、こういうほのぼのした作品はコメントに困る。
17. 8 時計屋 ■2008/02/29 00:53:56
美鈴への愛が眩いばかりに溢れています。
展開も見事に起承転結が整っており、先へ先へと、飽きることなく一気に読み進められました。
文章もコミカルに仕上がっていて、笑いを誘います。

また、お題の使い方が絶妙でした。お見事。
18. 8 床間たろひ ■2008/02/29 01:11:56
うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
美鈴んんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!
俺の腰痛と肩こりも治してくれぇぇぇええええええええ!!!!

いやこれは実に良い紅美鈴。
他のキャラも良い味を出しており、読んでいて心地よかったです。
ただまぁ、不満といえばただ一点。
もう少しタメが欲しかったなぁと。
「病名は――孤独」
そうすりゃこの言葉ももっと活きたんでしょうけどねぇ。
まぁ、投稿された時間をみれば原因もわかりますけどw
19. 7 ZID ■2008/02/29 01:40:09
気科医。若干無理があるような気がしないでもないけど、それを補って余りあるほど、よく作られた良いお話でした。キャラクターが活き活きとしているのがいいですね。いわゆる、作者にセリフを「言わされている」感がまるで無いのは見事。
20. 8 木村圭 ■2008/02/29 05:00:26
お嬢様、わたくしめは病気です。病名はラヴ。お嬢様にしか治せないのでそばに置いてくださいお願いします。やっぱりお嬢様はこれですよ。媚びるような幼女幼女しぃは偽者。びしっと決めててかっこえーのにそれを凌駕せんばかりに可愛らしさが全身から滲み出てこそお嬢様。実に良いお嬢様をありがとうございました。奇天烈なお題もお見事。
21. 4 とら ■2008/02/29 09:26:17
レミリアの性格に少し違和感を覚えました。度量が狭すぎるような気がします。
また、文全体の印象として、変に難しい漢字を多用しているようにも思いました。ルビを振るのも一つの手ですが、もっと平易な表現に書き換えてもいいのではと思います。
22. 4 らくがん屋 ■2008/02/29 11:15:41
いかにもSS!という感じの一作。それほど面白くは無いけど、よくできていると思います。でも体裁が読みにくい罠。
23. 3 中沢良一 ■2008/02/29 15:21:38
美鈴の人のよさが良かったです。レミィが少し可愛すぎかな、と思いましたが、こんな可愛いレミィもアリかな。
24. 8 K.M ■2008/02/29 18:44:43
こういう優しいお話は、大好きです。そしてめいりんかわいいよめいりん。さらに他の人もかわいいよ。
25. 3 つくね ■2008/02/29 19:02:04
美鈴への愛をしかと感じました(笑)
誤字はあるもののそれに敬意を表して。
26. 4 ルドルフとトラ猫 ■2008/02/29 19:08:04
なんだこのみすず うめぇ
27. 7 ☆月柳☆ ■2008/02/29 19:55:06
オヤジくさい咲夜…。
作者さんは本当に美鈴が好きなんですね、それが痛いほど伝わってくる内容でした。
でも、レミリア様も結構好きでしょ、なんかそんな感じがします。
面白かったです。
28. 8 レグルス ■2008/02/29 20:26:37
むしろ美鈴いなくなって咲夜さんが過労でぶっ倒れたのかと思いました。
美鈴よりもなんだかんだでツンデレなれみりゃに(ry
29. 9 八重結界 ■2008/02/29 20:54:36
冷たく突き放されながらも、なお笑える美鈴の可愛いこと。
お嬢様の気持ちを察しているわけでもないのに。
ただ、そのサバサバとしたところが、逆にレミリアを孤独に追い込んでしまったというのは何とも皮肉でした。どちらかが固執していれば、離れることも無かったでしょう。
まあ、それはそれでらしくないのですが。
30. 6 O−81 ■2008/02/29 21:39:44
 美鈴かわいいよ美鈴。
 後半ちょっと急ぎすぎかしら。レミリアが霧を放って大団円するまでの道筋あたり、もうちょっと長く読んでいたかったなあという我がままに過ぎない感情ですが。
31. 8 只野 亜峰 ■2008/02/29 21:42:09
「咲夜」レミリアは簀巻をアゴで指した。「これはどういうことかしら」 の一文は
「咲夜!」
 レミリアは少し声を荒げながら簀巻をアゴで指して、――これはどういうことかしら? と続けた。
ぐらいにしとくと良いかなと。まぁ、他にも色々ありますが。
勝負が着くの用法は正しかったかな? 無難についたにしてもよかった気もしないでも。
とりあえず改行すべきところでしてないような部分が他にもいくつかありましたので、その辺はご注意を。

多少文章の乱れは気になりましたが、描写は全体的に安定していて作品のほのぼのした雰囲気を味わえました。
めーりんかわいいよめーりん。
32. 5 BYK ■2008/02/29 22:14:27
成る程、気科医か!それは思いつかなかったなぁ。
お医者さんな美鈴も、使う能力が能力だけに随分しっくりくるものですねぇ。
33. 6 織村 紅羅璃 ■2008/02/29 22:51:44
テンポは良かったです。
美鈴も、人から頼られるというのはやはりいい経験になったのでしょう。読んでいてほほえましかったです。
34. 8 綺羅 ■2008/02/29 23:16:14
お題が造語の割にはその使いどころが少なかったような……いや、でも最初から人を治してるし問題ないか。話の内容ですがレミリアの尊大だけど幼稚な態度や美鈴の人のよさが滲み出ていて大変好感がもてました。文章としても読みやすくすばらしいと思います。
35. 6 moki ■2008/02/29 23:26:00
美鈴への愛が伝わってきた。うん、ものすごく、らしい紅魔館でした。
36. 8 冬生まれ ■2008/02/29 23:31:38
すべての行から美鈴ラブオーラが伝わってくるw
お嬢様や咲夜さんといった他の登場人物もいかにも「あるある」という言動で、
生き生きとして目の前にやり取りが浮かんできました。
お題の使い方も面白いです。
いや、むしろ美鈴が最初にあってこのお題の使い方なのか?
37. 9 カミルキ ■2008/02/29 23:49:41
ふりがなうめえ。こんな歴史もあっていいと思う。
ツンデレなれみりゃが終始可愛かった。
38. 6 blankii ■2008/02/29 23:53:57
どうにもフリーダムすぎるお題のお陰で数々の造語が誕生しましたが、こちらが一番しっくり。どうにも門番美鈴の独白が矛盾しながら突っ走り続けていて最高です。ちゅ−ごくかわいいよちゅーごく。

39. フリーレス つくし ■2008/03/02 04:04:31
ご読了頂きありがとうございましたー。

とりあえず語るべきことは別のとこで語る予定なので レス返し仕ります

>脇役様
ありがとうございます 美鈴はいいこ マジで

>妄想する程度の能力様
だいたい あってる

>名無しの37番様
信じることがジャスティス。
いつも邪道ばっか書いてるのでやっぱりなれないことはしないほうがいいなあと思いました。

>俄雨様
読んでいて気持ちいい は最高のほめ言葉ですありがとうございます

>小山田様
うはあ 掌編ばっか書いてると短編用のネタでいろいろ力加減を誤りますね――精進します

>nanasi様
その名で呼んでいいのはパッチェさんと武藤カズキだけですよ

>飛び入り魚様
かっこつけてみました ありがとうございます

>あまぎ様
美鈴にマッサージされたいよぉ〜的なリビドーを垂れ流した結果今日考えられて非常にうれしいですありがとうございました
東洋医学知識の無さを隠すのに必死だったのは内緒

>もろへいや様
10点ありがとうございます愛してる。その時間は咲夜さんに持っていかれた可能性があります。

>ハタ様
世界は意外に優しかったりするものです。

>カシス様
ありがとうございます しかしお持ち帰り禁止。

>畦様
供述のあたりは我ながらお気に入りです。後半の物足りなさは……はい、せめて推敲用に一日くらい余裕を持とうという教訓でしたorz

>鼠様
意外性が無くても面白い、って実はかなりありがたいほめ言葉だったり。感謝。
いや、奇想天外なのもやりたいんですがどうも引き出しが貧困でして いや まったく

>反魂様
夏休みの課題は最後の日にはじめて 結局間に合わない子供でした。 最後にあわてて下手を見る典型ですね。猛省します。

>たくじ様
永遠亭でのエピソードあとひとつふたつくらい入れたかったです。マジ残念。精進します。

>椒良徳様
もにょもにょした感じの読後感を味わって頂けたなら恐悦至極。

>時計屋様
実はこのお題の使い方被るんじゃないかなあと思っていたんですが意外に俺一人でした。
サクサク読める作品じゃないと読めない人なので自分でもそういう風に書きたいのです。ありがとうございます。

>床間たろひ様
落ち着いて列に並んで下さい
タメの足りないへっぴり腰でした。精進します。

>ZID様
「ここはこう言うしかないよなあ」という消去法で小説を書いている気がします。最後に残ったのが真実だってホームズもいってた

>木村圭様
感感俺俺
もとい、俺のお嬢様の理想像はこんな感じです。ありがとうございます。

>とら様
我がままお嬢様だからこれくらいかなーという偏見と妄想にまみれてました。がんばります。
漢字は、ひらがな多いと読みにくいかなあと思ったんですがー。いい塩梅を見極めねば。

>らくがん屋様
今回は小説というよりSSを目指しました。真っ当な読み、ありがとうございます。

>中沢良一様
乳臭さと威厳のアンビバレンツこそお嬢様 いやあんでもありませんごめんなさい

>K.M様
幻想郷まるごと愛してる。

>つくね様
誤字見つけたときは絶望しました あとでこっそり直しますので秘密にしておいてください

>ルドルフとトラ猫様
にはは

>☆月柳☆様
紅魔館の住人は誰も愛しすぎるから困る。イタい人が書いた文章を読了頂きありがとうございますです。

>レグルス様
美鈴抜けて咲夜さん仕事増える……のかなあ……
でも咲夜さんもなんだかんだで寂しかったと思います という妄想

>八重結界様
相手のことを思いやることが裏目に出ることもままります。でもそんなすれ違いもきっと大切な絆なのだと思います。 ごめんなさい夜明けのテンションでかっこつけてみた

>O−81様
ぼくも後半もっと長くしたかったです。頑張りますorz

>只野 亜峰様
ご指摘のシーンはすごい気だるそうなリアクションをしてると思ってあんな書き方になりました。東方のお嬢さんたちはリアクションがひねくれてる。改行とかもわりと自由気ままにやらせてもらってます。

>BYK様
気を使う程度の能力って地味だよなあと思ったら意外な使い道がありました。

>織村 紅羅璃様
どうもキャラを笑わせるのが好きみたいです俺。ありがとうございます。

>綺羅様
人が良いのも妖怪的な意味でどうかなあ、なんですがそこが美鈴のいいところ。ありがとうございます。

>moki様
そういえばパッチェさんとフランちゃんハブだ――
しかし紅魔館はいいものです。ありがとうございます。

>冬生まれ様
卵が先か鶏が先か、美鈴が先かお題が先か、もうあんまり記憶にありませんが気にしないことにします。ありがとうございました。

>カミルキ様
伝記っぽい書き方をしたいなあというのでした。
しかしれみりゃ様は霊夢の嫁。

>blankii様
フリーダム過ぎるかと思ったら案外受け入れられて一安心です。ありがとうございました。
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