向日葵達の笑い声

作品集: 最新 投稿日時: 2008/02/11 08:51:27 更新日時: 2008/03/07 01:13:34 評価: 0/0 POINT: 0 Rate: 5.00
――prologue

 その日、森近霖之助は一つの懸案事項を抱えていた。
 不可抗力だったとはいえ、そのまま放っておけばロクな事にならない事を霖之助は経験上理解していた。
 早ければ三日後、或いは三時間後、ともすれば三秒後、何時になるかはわからないが、ともかく近い将来にいわれもない罵倒を受けかねない。

「やっぱり、すぐに追いかけて取り返すべきだったかな……」
 霖之助はそうぼやくと、目覚めてから何度目かわからないため息をついた。
 ――いずれにせよ早く対処したほうが良いだろう。今日は店を休んで昼前にはなんとか取り返してこないといけない。
 ――もし、あの道具の用途を知られたら厄介な事この上なくなるだろうし、魔理沙にでも知られた日には――。
 そこまで想像を巡らせて軽い眩暈を覚えた霖之助は、いよいよ覚悟を決めて椅子から立ち上がった。
 しかし、それとほぼ同時に大気を掻き乱すような震動音と共に自分の名前を叫ぶ聞きなれた声を霖之助は知覚する。

「くっ。遅かったか……」
 霖之助がそう言い終えるよりも早く、入り口の障子を突き破って来店する霧雨魔理沙の箒の先端が、正確に霖之助のへそ下一寸半のツボを貫いた。
 綺羅綺羅とした漫画星が空中に飛散する。――何も力いっぱいにラストワードを使わなくても良いだろう。
 そんな事を考えながら、薄れゆく意識の中で霖之助はひたすらに言い訳の言葉を頭に張り巡らせていた。


 『月の新兵器か!?香霖堂を襲う謎の高速物体!!』
 
 そう銘打たれた『文々。新聞』の記事が、大破した香霖堂の写真と共に幻想郷を舞ったのは翌日の事だった。
 記事の内容はもちろんデタラメである。



――1

 その日、八雲紫は珍しくふてくされていた。箪笥の中から出ようとしたところを博麗霊夢に箪笥を閉められて腕を挟んだからである。
 その程度の衝撃は紫にとっては微々たるものだったのだが、どうやら箪笥を閉められたという行為そのものが紫の癪に障ったようだった。
 閉めるという行為は、すなわち結界を張るという行為だ。そこにはある種の拒絶の意思表示が混ざる。
 紫はなんだか自分が拒絶されているような気がして気分が悪かった。
 かといって当の霊夢にそんなつもりがないのはわかりきっているので、こうして自己処理するより他が無い。

「だから普通に入り口から入ってくればいいじゃない」
「駄目よ。それじゃ面白くないもの」
 霊夢は淹れたてのお茶を紫に手渡すと、何か言いたそうな、かといって何と言い返せば良いのかわからないような微妙な表情を浮かべて腰をかけた。
 机を挟んで向かいに座るのもいつも通りなら、このように今一つ会話が噛み合わないのも至極いつも通りである。
「そういう問題じゃないでしょうに」
「あら、楽しいと思うことは重要な事よ。そうじゃなきゃこんな所に昼寝に来たりなんかしないもの」
「帰って寝ろ。というか、いつ起きてんのよあんたは」
「あら、失礼ね。一日12時間ぐらいは起きてるわよ? 」
 それは、かなり少ないほうなんじゃないだろうかと霊夢は思ったが、いい加減突っ込み倒すのも疲れたのでとりあえず放っておく事にした。
 傍目に見ればかなり破天荒な性格の霊夢を持ってしても、この紫という妖怪の少女の考えていることは突飛すぎて理解に苦しむ。

「ところで、さっきから気になってたんだけど、紫の耳から伸びてるそれは何なのかしら? 」
「ああ、これは外の世界の式神よ」
 紫はそういうと、耳から小さな突起を引っ張り出して、それをするすると手繰り寄せて、小さな箱を机の上にポンッっと置いた。
「あら、霖之助さんのオルゴールじゃない。どうしたのよこれ」
「ストーブの燃料を調達した報酬よ。他にはパソコンとテレビも頂いたわね」
 どちらの単語も聞き覚えが無かったが、頂いたのではなく盗ったの間違いでは無いかと霊夢は思う。
「あなたじゃないんだから、そんなことはしないわよ。これは正当な報酬よ。先方だって納得してるわ。――たぶん」
 たぶん、と付け加える当たりから察するに、たぶん納得されてはいないんだろうなと霊夢は勝手に納得した。
「それにしても外の世界の式神は進んでいるのね。こんな小さな箱に宿せるんですもの」
「まぁ、厳密に言うと違うものなんだけどね」
「式神は式神でしょ。何が違うのよ」
「スタート地点が違うのよ。外の世界は電気の技術を発展させて、科学という数字で式を編んでるわ。魔法や霊力を基盤とした幻想郷とは真逆の技術なのよ。だから、ここまで小型化した功績は素晴らしいとは思うけど、――その行く末を考えると素直に賞賛できるものではないわね」
 紫はそう言いきると、少し考えて白い箱を懐に入れた。霊夢がきょとんとした顔を浮かべてそれを見送る。
「あら、別に聴いてても良いわよ」
「やめておくわ。貴女に嫌味なんて通用しない事がわかったし、それにこれ――あんまり使いすぎるとたまに爆発するらしいのよ」
「爆発って、また穏やかじゃないわね。なんでまたオルゴールが」
「数百個か数千個に一個ぐらいらしいんだけどね。製作者のユーモアじゃないかしら」
「……外の人間の考える事は奇怪ね」
 徹底した合理主義の行き着く先が破滅でしかない事を紫は知っている。今の外の世界は少し便利である事に拘り過ぎているのだろう。
 合理主義の生み出した、科学の粋を集めた小さな白いオルゴール。
 それがある日突然爆発するというのは、だからやはり製作者なりの皮肉と警鐘を込めたユーモアなのだろう。
 ――もっとも、買ったほうにしてはたまったものではないが。

「アレは爆発しないでしょうね……」
 霊夢が不安そうに部屋の隅にある小さい棚の上にある機械に視線を移した。
「霖之助さんに貰ってきたんだけど、アレなくなると結構困るのよねぇ……」
 よっぽど紫の話に不安を覚えたのだろう。紫もやれやれといった表情を浮かべて棚の上へと視線を移す――。
 ――瞬間、紫の顔がみょうなこわばりを見せたまま石のように固まった。青ざめた表情で肩をわなわなと震わせている。
 そんなに珍しいものなのだろうかと、霊夢は軽く首をかしげた。
「れ、霊夢。ソ、ソレなんだか解かってるの? 」
「知ってるわよ。霖之助さんにちゃんと使い方だって教わったし」
 霊夢がそう言いきると、ピシッ――と、何かが割れるような音が部屋の中に響いた。
 霊夢はハテと周囲を見渡したが、割れるようなものも置いてなかったしたぶん気のせいだろうと結論づけて続けた。
「そうそう、そういえばアレも動力源が必要らしいのよね。確か――電池とか言ってたかな……って、あら?」
 霊夢が考えながら視線をふらふらさせているうちに、紫はもう部屋から姿を消してしまっていた。
 たぶん、また何処かに遊びにいったのだろう。霊夢は勝手にそう納得して、すっかり温くなってしまったお茶を啜った。

「まったく忙しないわね。電池の調達を頼み損ねたじゃない」
 霊夢はそうぼやくと、左手でトントンと肩を叩いた。肩の上で爆発されたらたまらないからだ。



――2

 その頃人間の里はこれでもかというぐらい騒がしかった。
 河童の作った的中率70%を誇る龍神の石像の目が、白く光るわけでもなく、青く光るわけでもなく、赤く光っていたからである。
 龍神の目が赤く光る時は、たいていどこかの妖怪が騒ぎや異変を好き好んで起こしている時だった。
 現に、今日は早朝には博麗神社から魔法の森にかけて一直線に進む高速物体が目撃されている。
 箒にまたがった人間の少女だったという噂も流れているから、たぶん魔理沙の事だろう。稗田阿求は勝手にそう解釈していた。

「すごい騒ぎね。ここの里はいつもこんな感じなのかしら」
「まぁ、今日はちょっと特別騒がしいけど、お通夜でも無い時は騒ぐときも騒がないときも大体騒がしいわね」
 同行していた少女の問いかけに阿求はさらりとそう答えた。
「特別って?」
「あの石像の目はちょっとした天気予報の機能を備えているのよ」
 少女が興味深そうな視線を向けていたので阿求はそのまま講釈を続けた。
「目の色が白いときは晴れ、青いときは雨、灰色の時は曇り、赤い時はちょっと変わった事が起きてるから皆騒がしいのよ」
「なるほどねぇ。んー、――あの石像の内部はどうなってるのかしら。あいつがいたら喜んで分解しそうなんだけど」
「あら、ずいぶんと物騒なお友達がいるのね」
「ああ、いや。分解した後はちゃんと元に戻すよ。――戻せればだけど」
 阿求に他意が無いことはわかっていたのだが、失言をしてしまったような気がしたのか少女は少し慌てた。

 阿求がこの少女と出会ったのは二時間ほど前の事である。
 その時、阿求は執筆作業が行き詰っていたし、外もなんだかガヤガヤと騒がしかったので珍しく里の様子でも見てこようかと思ったらしい。
 そうして、家を出た瞬間に目があったのが、このメリーという少女である。
 身なりや言動から察するに外の人間なのだろうという事を阿求はすぐに理解し、本人に危機感が無かったようなのでとりあえず里を案内する事にした。
 見たところ悪人でも鬱気のある人間でも無さそうだったので、一通り案内した後は紫にでも頼んでこっそり戻して貰えば良いだろうと、そう踏んだのだ。

「でも、ここは賑やかで良いところだわ。私の住んでる所じゃ考えられないもの」
「まぁ、喧しすぎるのもちょっと考え物だけどね」
「そんな事は微々たる問題よ。私が将来住む場所を選べるようになったとすれば間違いなく此処を選ぶわ」
 無邪気に笑うメリーを見ていると、阿求はなんだか自分が褒められているような気がして気恥ずかしかった。
 本当は外来人の彼女には聞きたい事は山ほどあるのだが、今その話題を持ち出すのは野暮だろうと思い、阿求は聞く事を止めた。
 たぶん、そんな事は至極、些細な事なのだろう。せっかくのお祭り騒ぎを楽しまないほうが損というものだ。

 それにしても人間も逞しくなったものだと、阿求は少し歓心した。
 里も騒がしいには騒がしいが、それはそれは悲壮に暮れるどよめきでもなく、戸惑いから来るざわつきでもなく、お祭の騒がしさそのものだったからだ。
 もはや、異変も妖怪も人間には抗えない絶対的な恐怖でも、脅えるためだけの畏怖でも無いのだ。
 それで良いと阿求は思う。
 人間と妖怪もただ機械的にその関係を維持していけば良いというものではない。
 妖怪も神も常に人間の畏怖の象徴でなくてはならないが、それはお互いを尊敬し合うための前提条件に過ぎないのだ。
 異変に乗じてお祭り騒ぎができるほどに人間の心に余裕があるのならば、幻想郷の未来はきっと明るいに違いない。

 そんな事を考えているうちに里にひときわ大きな歓声が上がった。
 皆、珍しいものを楽しむかのような表情を浮かべて一様に空を見上げている。
 また何か起こったのだろうかと、阿求も同じように空を見上げた。

「あら、あれは……」
 里の空を、紫色に輝く高速の人影が飛びぬけていった。
 その人影に見覚えがあったような気がしたのだが、後ろからメリーに呼ばれた気がしたので、阿求はすぐに考えるのを止めた。
「おーい、アッキューン。わたあめ貰ったよー」
 ふと、目を離した隙にメリーは屋台の前まで行っていて、両手に顔の二倍はあろうかという綿飴を携えていた。
「はい、これアッキュンの分ね。疲れてるときは甘いものを食べると良いらしいよ」
 小走りで阿求の元に戻ったメリーは、持ってきた綿飴をしばらく見比べて、ほんのりと大きいほうの綿飴を阿求に手渡した。
 たぶん、それが彼女なりの流儀なのだろう。それは良い、それは良いのだが、――と、阿求は難しい顔を浮かべて本気で悩んでいた。


 ――アッキュン?





――3

 やはりその頃の話になるが、霧雨魔理沙は香霖堂の主の椅子にふてぶてしく腰をかけながら目の前の男に呆れていた。
 この店の主であるはずの霖之助は、決闘――とは名ばかりの一方的な暴行をひとしきり受けた後、そのままボロボロになった衣服を纏っている。
 しかも敬語で話しているどころか、魔理沙の前で正座までしていた。これではどちらが泥棒で、どちらが店の主なのかわからない。

「つまり、適当に受け答えをしていたら霊夢が勝手に納得してしまって、マズイと思った時には霊夢はもう帰ってしまっていたと。――そういう事か」
「はい。その通りでございます」
「なるほどな」
 そう呟いて、魔理沙はわざとらしいため息をついた。
「――しかし、どうするんだ。このままにしておくわけにもいかんだろう」
「だから、今日は店を休みにして神社に行こうとしてたんだよ。だれかさんが来たせいで予定がだいぶ変わってしまったけどね」
 霖之助がボソボソと、少しふてくされた声色で言った。
 魔理沙はやれやれといったポーズを見せて霖之助の肩を叩く。
「良いか香霖堂。世の中にはこんな言葉がある。『覆水盆に返らず』だ。過去に拘るより、いかにこれからの未来を建設的にするかが問題だ」
 自分の事を棚に上げてよく口が回るものだと霖之助は思う。
「はいはい、わかったよ霧雨女史。それで僕は一体全体これから何を祓えば良いんだい」
「なんでもかんでも人に聞くな。わたしは魔法屋であって便利屋では無い」
 自分で振ったくせに冷たくあしらわれた霖之助は、ヒラヒラと手の甲を振る魔理沙に促されてようやく正座の苦しみから解放された。
 慣れていない者にとっては正座はちょっとした苦行と言っていい。
 霖之助はピリピリと痛む足を二、三回屈伸させたりぶらぶら動かしたりしながら床に転がっていた鞄を拾い上げた。

「ところで魔理沙、君はアレが何なのか知っているのかい?」
「余計な事を気にするな。この世には不思議な事など何もない」
 霖之助が言い切る前に魔理沙が強い口調でそれをかき消した。
 決め台詞を盗られた霖之助は、何か言いたそうだったが、これ以上突っ込むのも野暮だと思い、それじゃあ行って来るよと言って鞄を腰に巻きなおした。
 ヘタな事を口に出して魔理沙の逆鱗に触れてしまったら今度こそ何を言われるかわかったものではない。
 ただでさえ褌キャラが定着しているのに、これ以上の濡れ衣を着せられるのは御免だった。
 ――言い訳は神社に向かう道中で考えれば良い。
「さぁ、行った行った。安心しろ、死んだら骨ぐらいは砕いてやる」
「……そうか、拾ってはくれないんだな」
 霖之助はまた一つため息をつくと、香霖堂の入り口に散乱している、かつて障子と呼ばれたものに目を移した。
 昨日張り替えたばかりの結界は、後ろでふてぶてしく座っている少女によって今日見事に打ち砕かれている。
 外と店内を繋ぐ境界はもはやただの空洞でしかない。
 空の青さも、木々の青々しさも、空を翔る一筋の光りも霖之助の目には嫌になるほどはっきり見えた。

「ん、ひかり……?」
 霖之助はもう一度目を凝らして、空を翔る一つの光りを確かに視認した。
 こんな時間に流れ星でもあるまいし、それになんだかとても禍々しい光りに見える。
 第一、あれは空で燃え尽きるどころか一直線にこの店に向かってきているじゃないか。
 ――霖之助は酷く嫌な予感がした。

「ん、何かあったのか?」
 魔理沙がそう言って店の外を覗き込もうとするよりも早く、霖之助の見た高速の物体は、ご丁寧にもちゃんと壊れた入り口から入店し、――霖之助の目の前で急停止した。高速運動特有のエネルギーが摩擦を生み出し、空気を振動させて香霖堂店内に一陣の風を吹かせる。店内の商品はカタカタと揺れ、壁はミシミシと音を立てていた。まるで建物全体が脅えているようだ。
 そういえば、人は生命の危機を感じると感覚が異常に鋭くなるという。霖之助がそれに該当したのかどうかは分からないが、霖之助は確かに来店してきた高速物体が紫という妖怪の少女であった事を確認し、彼女のとても口には出せない絶叫のような罵詈雑言を聞き、今まさに自分に振り下ろされようとしている木製の鈍器が外の世界の野球という競技で使われているバットという道具である事を理解し、『J・マウアー』というサインがバットに刻まれている事を視認した。――そこは王貞治じゃないのかと思ったが、恐らく精密機械を呼ばれる彼のバッテングと『きかい』というテーマをかけているのだろうと霖之助は勝手に納得した。音速を超えた決闘の最中だというのに、これだけの思考展開を持つ余裕が幻想郷の住人にはあるのだから、きっと彼らの未来は明るいに違いない。
 間もなくして紫の振り下ろしたバットは無事に霖之助のみぞおちに着弾し、その物理摩擦の生み出すエネルギーによって壁を突き抜けた霖之助はそのまま星となった。紫のスイングの生んだ空気摩擦が軽いソニックブームを生み出し香霖堂の木造店舗を引き裂いたのは、その数瞬後の事だ。はがれた屋根から空の青さが見えていた。魔理沙は遠くに緑のタンクトップを着た見慣れない軍人の姿を見たような気がしたが、たぶん雲がそのような形をしていただけだろう。

「ずいぶんと派手な登場だな」
「ここの店主に少し聞きたい事があったのよ」
 魔理沙はその言葉だけで、紫に何があったのかをおおよそ理解した。
「大丈夫よ。たいした用じゃないし、適当に痛めつけた後に生きていたらじっくり事の子細を聞けば済む話だわ」
「おまえの適当がどの程度なのかは知らないが、――安心しろ。骨を砕く準備は万端だ」
 紫はそれだけ言葉を交わすと、手に持っていたバットを放り投げて、霖之助が星にと消えた方向へ飛んでいってしまった。
「全く騒がしい奴らだぜ」
 香霖堂はもはや建物とは呼べなかった。屋根は何処かへと飛んでいき、四枚あったはずの壁は一枚半にまで減ってしまっている。
 ――これではとても結界と呼べる代物ではない。香霖堂の結界は、結界をあやつる程度の能力を持つ妖怪少女に見事に打ち砕かれたのだ。

 魔理沙は見通しの良くなった店の外に目を移すと、木陰でガサガサと音を立てている十人程度の人影を視認した。『罪』と書かれた白い布を顔に被っただけの――首から下は何も身に着けていない奇怪な集団は、「ええい、あの褌め。なんて羨ましいんだ」「おいどんも亜音速で殴られたいでゴワス」「ゆかりんかわいいよ。かわいいよゆかりん」などと理解の出来ない会話をしばらく続けた後に、人体の限界を軽く超えそうな脚力を発揮して、紫と同じく霖之助が星と消えた方向へ駆け抜けていった。巧みに局部の露出を避けるその動きは、ある種の芸術と言えるほどに洗練されたものだった。――たぶん新手の新興宗教か何かだろうと魔理沙は勝手に納得し、珈琲に口をつけようとしたところで飲むのを止めた。散らばった木片が入って、とても飲めそうになかったからである。

「幻想郷は広大だぜ」
 魔理沙はそうぼやくと、霊夢の件は結局自分が解決するしかない事を悟り、諦めて博麗神社へ向かう事にした。



――4

 その夜、射命丸文はゲラゲラと笑っていた。特殊な情報網を使って早くから高速物体の存在を聞きつけた文は、魔理沙の香霖堂襲撃から少し遅れて紫の香霖堂襲撃までの間、ずっと香霖堂の窓から様子を伺っていたので、何があったのかはおおよそ把握していたのだ。大破した香霖堂の写真を撮り、山まで引き返した文は、河童からもらった新種のタイプライターを使って『月の新兵器か!?香霖堂を襲う謎の高速物体!!』という見出しの記事を編集していた。もちろん何から何までデタラメである。

 事件の概要を知っていた文にとっては実際に見聞きした事をそのまま記事に書き出す事も可能だったが、それには巫女の恥ずかしいエピソードにまで言及しなければならなくなる。文はそれはいくらなんでも可哀相な気がした。それに、――文にだって少しは恥じらいというものがある。記事は自分の中の事実をそのまま伝えれば良いというものでは無い事を、文は最近になって理解し始めていた。ひとえに閻魔の説教のおかげである。

 しかし、河童の作った新種のタイプライターというのは実に便利だった。機械を起こすのに少し時間がかかるのが難点だが、多機能の文章編集能力を持っているし、一度やり方を覚えてしまえば手で書くよりも遥かに効率よく記事を書くことができる。ちなみに文章編集だけではなく、画面内で戦闘や遊びを模したシュミレーション機能も備わっているので、文は記事の構文に行き詰るとよく大将棋のシュミレーションをして遊んでいた。
 もちろん、タイプライター相手よりは他の天狗とやったほうが面白いのだが、練習にはなる。タイプライターゲームという外の文化を幻想郷に持ち込んだのも河童だが、文は外の世界の人間がタイプライター相手にしか遊んでいないのだろうかと思うと少し複雑な気分になった。物に愛着を持つことは良い事だが、そうではなく、ただ便利な道具として利用しているだけの関係であるならばそれはとても孤独なものだ。繋がりの無い人生ほど虚しいものは無い。

 結局デタラメな記事を書き上げた文は、それを印刷機にかけて、きちんと出力されているかどうかを確認すると、必要な分だけの増刷の操作をして出発の準備を始めた。今日は新しく来た山の神との親睦会があるからだ。最も、親睦会とは名ばかりの宴会で、それもほぼ毎日のように行われているのだが。

 文はいつものようにゴテゴテとした写真機を首にかけてその場を後にした。タイプライターを貰ったときに新種のカメラも薦められたのだが、文はそれをやんわりと断った。新種のカメラはタイプライターと直接繋いで記事を編集できるので便利と言えば便利なのだが、やはり文はこのゴテゴテとしたカメラが好きなのだ。機械の価値はその機能によってだけ決められるものではない。共に過ごした年月と、注いだ愛情があってこそ機械は本当の意味で所有者に応えてくれるものなのだから。

「さて、帰りはどうしようかな。歩いて帰るのも面倒だから今日は諏訪神社に泊まってしまおうかしら」
 文はそうぼやくと、思考を切り替えて、どうやってあのガンキャノンを説得しようかという事を考える事にした。
 飲酒飛行は天狗の社会では禁止されている。危ないからだ。



――5

 デタラメばかりの新聞が、いよいよ幻想郷を舞おうとしていた時、十六夜咲夜は唖然としていた。つい最近までそこにあったはずの道具屋が、見る影も無くボロボロになっていたからである。辛うじて原型を留めている床と一枚にも満たない壁で構成されている店――だったらしき何か――の中には、生きているのか死んでいるのかもわからない香霖堂店主がうつ伏せで横たわっていた。たぶん、性質の悪い強盗にでも襲われたのだろうと咲夜は勝手に納得した。

「お嬢様、良かったですね。労せずして今日の夕食が手に入りそうですよ」
「駄目よ咲夜。人間と妖怪のハーフは美味しくないの」
「でもわかりませんよ。原型を留めないぐらいに細かく調理すれば美鈴あたりが食べるかもしれません」
「……咲夜。その発想はどこから出てきたのかしら」
「それにお嬢様、好き嫌いは体に良くありませんよ。食事はなんでもバランス良く摂らないと」
 咲夜が珍しく真面目な口調で紅いお嬢様に詰め寄った。
 偏食から来る体調不良が吸血鬼にも該当するのかどうかはわからないが、咲夜がそういうのであれば、たぶんそうなのだろう。
 レミリア・スカーレットは少し困った顔を浮かべて従者に気おされていた。

「何を物騒な話をしているんだ君達は」
 少女達に死体扱いされていた香霖堂の店主は唐突にむくりと起き上がり、開口一番でそう言い放った。
「まぁ、お嬢様。死体が起き上がって喋りましたわ」
「咲夜、それはゾンビというのよ。幻想郷にいたなんていうのは初耳だけど――」
 憂鬱な顔を浮かべる霖之助とは裏腹に、レミリアはここぞとばかりにゾンビについての講釈をし始めていた。
 偏食云々の話題を逸らしたかったのだろう。子供らしいといえば実に子供らしい。
「……僕はゾンビじゃないし、死んだ覚えも無いよ」
「そうなんですか。お嬢様は博識でいらっしゃいますね」
 霖之助は、もうなにもかも嫌になったような表情を浮かべて空を見上げた。――いつか見た日と同じ青空が今日も変わらずそこにあった。

 霖之助が言うには昨日、香霖堂は計三回の襲撃を受けたらしい。最初の襲撃者は霧雨魔理沙で、これは障子が一枚破ける程度の被害で済んだようなのだが、次に訪れたのが八雲紫で、この時に店の大半は吹き飛んでしまったらしい。まぁ、紫ならこれぐらいはやりかねないと咲夜は妙に納得していた。
 その後、霖之助は紫の決闘とは名ばかりの一方的な虐殺に遭いながらもなんとか誤解を解くことに成功し、命からがら香霖堂まで逃げ帰ったが――。
「そこで霊夢にトドメを刺されたと」
「全く昨日は厄日だったよ」
 霖之助はがっくりと肩を落とした。レミリアはというと、話の途中から我慢できなくなったのか、大笑いしながら残り少ない壁をバンバンと叩いている。
 たぶん、笑いすぎて苦しくなったのだろう。――実をいうと、咲夜も時間を止めて体がよじれるんじゃないかと思う程度には笑っていた。

「あー、おかしい。それはまた災難だったわね」
 レミリアはようやく一通り笑い終えたのか、立ち上がって霖之助の視界まで復帰していた。
 微妙に残る笑いの余韻を必死に抑えてる姿が実に愛らしい。
 こういう時に咲夜は、さりげなく半歩引く事にしている。従者は、たとえ何処であっても主を立てるものでなくてはならないからだ。

「ねぇ、ここの店は物々交換でも構わないのでしょう」
「まぁ、やっているけど」
「実を言うと私達も今日は欲しいものがあったのよ。建物の修繕を引き受けてあげるから商品を譲ってもらえないかしら」
 霖之助は周囲を見渡した。残り少ない壁もレミリアが叩いたせいで完全に壊れてしまっている。
 建造物としての香霖堂は、もう床だけしか残っていなかった。もう、開放的だとかそういう次元ではない。
「それは有難い申し出だけど、いったい何が欲しいんだい」
「大丈夫。そんなに大したものじゃないわ」
 レミリアは咲夜から大きな冊子を受けとると、それをそのまま霖之助に手渡した。
「なんだいこれは、『アームストロング』に『ロケットエンジン』に、――って、これは宇宙船とかいうやつの設計図じゃないか」
 そうよ、とレミリアは軽く返した。どうやら、レミリアはまだ宇宙旅行を諦めていないらしい。
「悪いけど、これだけたくさんの道具は家にはないよ」
「大丈夫。今あるだけで良いわ。それに、貴方はよく物を拾いに行くんでしょう。手に入ったら逐一渡してくれればいいし――」
「僕はそれでも構わないけど、全部集めるとなると何時になるかわからないよ」
「だから大丈夫よ。全部を貴方に任せたりなんかしないわ。家には優秀なアレがいるし」
 いい加減メイドぐらいは言えるようになりましょうよと咲夜がぼやいた。
「それに、無事アレが完成したら先日の事は忘れてあげる」
 レミリアが右手でクイ、と霖之助の顎を持ち上げた。
「な、なんの事だい? 」
「人が月に行こうっていう時に鼈の甲羅を渡すだなんて、――洒落が効いていて面白かったわよ?」
 レミリアがそう言いきると、別段寒いというわけでもないのに霖之助はカタカタと体を震わせた。
 ――たぶん、少女達の優しさに対する感動に打ち震えていたのだろう。

「よし、決まりね。咲夜、悪いけどパチェを呼んできて貰えるかしら」
「パチュリー様だけでよろしいのですか? 」
「いいわ。美鈴はお留守番。家のメイド達は、どうせ来ても役に立たないだろうし」
「まぁ、それもそうですね。かしこまりました」
 咲夜はどこからかカードを取り出して深く一礼すると、そのまま姿を消した。
 少しでも早く主の意に応えようと時間を止めて紅魔館まで向かったのだろう。実に咲夜らしい。
 レミリアはそれを満足そうに見送ると、霖之助のいる方向へ振り返り極上の笑顔を浮かべた。

「さて、咲夜が戻ってくるまでの間はやる事も無いし、何をして時間を潰しましょうか」



――6

 それから少し遅れた頃、霧雨魔理沙と八雲紫は空を飛んでいた。
 どこまでもだらだらといい加減な傾斜で続いている坂道を登り詰めたところが、――目指す(元)香霖堂である。
 空を飛んでいるので眩暈を起こす事も無い。
 二人から少し遅れた後方にはふてくされた顔をした博麗霊夢と、能天気な顔をした伊吹萃香が、やはり同じように空を飛んでいた。

「ねぇ、ところで魔理沙は霊夢の持っていったものが何だったのか知っていたの?」
「聞くな。私にもパブリックイメージというものがある。それに、これ以上そのネタを引っ張るな。幻想郷は全年齢対応だ」
 あら、つまらないわね。と紫は本当につまらなそうに返した。好き勝手に喋っているが、もちろん霊夢には丸聞こえである。

 あの後、博麗神社に向かった魔理沙は霊夢の持っていった物が何なのかという事を伝えた。あれこれと画策するよりそうするのが一番手っ取り早いと判断したからである。魔理沙はその後でそれが不可抗力であったという事も伝えようとは思っていたのだが、霊夢はそれよりも早く手に持っていたソレを粉々に粉砕し、魔理沙が喋り終わるのも待たずに香霖堂へと飛んでいってしまったのだからどうしようもない。
 元々霖之助はそれがなるべく人目に触れないように箪笥の奥のほうにしまっておいたのだが、霊夢が勝手にそれを引っ張り出して、霖之助の話を最期まで聞かないまま勝手に持ち去ってしまったのだから、今回の騒動の原因はそもそも霊夢にある。霖之助は少々不注意だったとはいえ、結果的にとんだとばっちりを受けたというわけだ。人の話は最期までちゃんと聞くに限る。

「そういえば私のバットを知らないかしら。あれから見あたらないのよね」
「ああ、あの木の棒か。あれなら近くにいた物乞いにあげちまったぜ」
「お気に入りだったんだけどなぁ。せっかく私好みに改造までしたのに」
「大事なものなら投げ捨てないでしっかり持っておけ。ほら、そんな事を言ってる間に着いたぜ」
 眼下に香霖堂の残骸が見えたところで魔理沙たちは飛ぶのをやめて軽やかに着地した。
 霊夢だけはすたすたと逆方向に歩いていって、少し離れた場所にある大きな石に腰を掛けてしまったが。

「むりやり引っ張り出してきたのは良いが、あれは相当に根が深そうだな」
「良いのよ。歳相応に拗ねてみせる事も時には重要な事だわ」
「やれやれだぜ」
 二人は少しだけ困った顔をして、香霖堂の残骸へと目を向けた。壁という壁は見事に取り払われていて、実に見渡しが良い。かつて香霖堂と呼ばれた床の上には、形容しがたいほどの素敵な笑顔を浮かべた紅いお嬢様と、白い霧のような奇怪な煙を口から発しながら倒れている香霖堂店主の姿があった。何があったのかはわからないが、たぶん霖之助のそれは白旗のつもりなのだろう。
「凶器が将棋盤だったら完璧だったな」
 魔理沙が言った。『棋界』とかけたのだろうが、――むりやりにも『ほど』というものがある。



――7

 ――意味も無く、美少女達に囲まれる男が一人。
 ――そんなシュチュエーションを羨ましく思う時期が僕にもありました。

 結局、香霖堂の再建が終わったのは日も暮れきった頃になる。一通りの作業を終えた後は、もう案の定の宴会騒ぎとなっていた。
 こじんまりとした建物とはいえ、一から十までの作業を全て行うとなれば、それぐらいの時間で終わったのはむしろ奇跡と言っていいだろう。
 実際、何処からとも無く噂を聞きつけた人形遣いやら、兎の大群やら、河童やら、天狗やらが集まって来ていなければ今頃こうしてくつろいでなどいられなかっただろうし、ひょっとしたら今日は野宿なんて事にもなったかもしれない。色々と、――あまり思い出したくないが――本当に色々とあったが、ひとまずは彼女達に感謝しなければならないだろう。霖之助は小皿に盛った小魚を頬張りながら、ぼんやりとそんな事を考えた。

「あら、思ったより元気そうね。てっきり精魂尽き果てて灰になってるとばかり思ってたわ」
 どこからか宴会騒ぎを聞きつけた西行寺幽々子はそう残念そうに言うと手に持っていたペンチのような道具を懐に締まって、
 ――せっかく準備してきましたのに。
 と言った。どうやら、骨を砕く気だったらしい。
「まぁ、生憎とね。これぐらいで死んでたら命がいくつあっても足りないよ」
「あら、冥界は華やかな所よ」
 幽々子がきょとんとした顔で言った。
「いや、それはそうなんだろうけど……」
「界隈は音速が速いわね」
 そんな事はないだろうと霖之助は思う。
「まぁ、骨はまた機会があったらよろしく頼むよ」
「そう、それよ。その小魚のから揚げ貰って良いかしら」
 幽々子が唐突にビッっと、霖之助の手にある小皿を指差した。
「いや、まぁ。構わないけど」
 霖之助がそう言いきる前に幽々子はさっさと小皿を引っ手繰って、生き返るわぁなどと呟きながら、ものの二、三秒でそれを全てたいらげてしまった。
 亡霊が生き返りはしないだろうが、これだけ幸せそうに食べられたのなら小魚も浮かばれるというものだろう。 
 幽々子は小魚を飲み込むと、空になった皿を霖之助に手渡して、――つまりこういう事よ、と言った。
「はぁ……? 」
 霖之助が情けない声を上げる。それを見て紫が口を挟んだ。
「駄目よ幽々子。そんなんじゃコレには到底伝わらないわ」
「あら、紫もずいぶんと優しくなったのね。良いのよ。少しぐらい悩んで貰わないと割に合わないわ」
「それはそうだけど、コレがそれに気がつくのを待ってたら先に今日が終わっちゃうわよ?」
 霖之助は何が何だかわからないといった表情を浮かべている。
 幽々子はそんな霖之助を見て、仕様がないとでも言うようにため息を一つついた。
「貴方はその小皿に盛ってあった小魚を食べ損ねた。何故だかわかる?」
「それは、……君が食べてしまったからだろう?」
「違うわ。貴方が食べなかったからよ」
 霖之助はいよいよ困惑した。幽々子がニヤニヤと笑いながら続ける。
「逃がした魚は大きいわね。さっさと食べなかったから、貴方はもう小魚のから揚げを食べられないのよ」
「でも、それはまた大皿から盛ってくれば良いだけの話だろう」
「残念ね。あっちのはさっき私が全部食べてしまったわ」
「だったら、また今度揚げる事にするよ。別にもう二度と食べられないわけじゃないし」
「材料があればの話ね。今あるだけの食材は全て使ってしまったようだし、小魚が明日も川をせせらいでいるとは限らないわ。機会は無限には訪れないの」
「あ――」
「それで、あの子の事はいつまで放っておくつもりなのかしら」
 霖之助はそこまで言われてようやく少女達の言動の意図を把握した。
 ――ようするに、さっさと謝ってこいと、そう言っていたのである。

「そうは言ってもなぁ……」
 霖之助がおずおずと瓦礫の山へ視線を移す。一瞬、目が合ったものの、当の霊夢はすぐにプイっとそっぽを向いてしまった。
 建築作業も手伝ってはくれたのだが、来てからというものずっとあの調子なので霖之助にはとりつく島が無い。
 とりあえず向き直ると、紫と幽々子がああでもない、こうでもないと言いながら散らばった商品を物色していた。
「これなんかはどうかしら。本物のマッサージ機みたいだけど」
「駄目よ幽々子。あの子のトラウマを掘り返すだけだわ」
「あら、残念ね。それが目的だったのだけれど。だったら、これなんかどうかしら。なかなか良い形のこけし人形よ」
「そういうのはいいから、とりあえずソレから離れなさい。――あら、これなんか良いわね」
 紫はそう言いながら転がっていた向日葵の形を模した小さな置物を拾い上げると、それをそのまま霖之助に手渡した。
 太陽の光りに当てるとくるくると花びらが回るというだけの簡素な置物である。どういった原理で動くのかは霖之助も知らない。
「たぶん、フリップフロップの亜種ね。日向に置いておくと花びらか葉っぱが気だるそうに動くでしょう?」
「そうだけど、一体これをどうしろと言うんだい?」
 霖之助がぴょこんとアホ毛を立てて紫に尋ねた。
「全く、察しの悪い男ね。いいから、早くそれをあの子に渡してきなさい」
「あら、紫もずいぶんと味な真似をするのね」
 幽々子が口を挟んだ。霖之助は相変わらず置いてけぼりを喰らっている。
「良い? あの子が今欲しいのは貴方を許してあげる切っ掛けよ。安直だけど、ここは物で釣るのがてっとり早いわ」
「いや、それは良いんだけど。どうしてこれなんだい?」
 霖之助にはどうにもこの置物を受け取って喜ぶ霊夢というのが想像できなかった。
 どちらかと言えば、あの花の妖怪が喜びそうな品である。
 紫は呆れた表情で霖之助を見た。侮蔑の眼差しと言ったほうがそれに近い。
「貴方は物売りなのに花言葉も知らないのかしら」
「生憎と花は取り扱ってないんでね。本で読んだ気もするけど、もう忘れてしまったよ」
「まぁ、良いわ。向日葵の花言葉は『貴方は素晴らしい』よ。それを渡して敬意でも表してきなさい」
 紫はそう言い切ると、さっさと行けとばかりに霖之助の背中を押した。
「わかったよ。とりあえず行くだけ行ってみるさ」
「大丈夫よ。死んだら骨は砕いてあげるわ」
 幽々子が楽しそうに言った。やはり、拾ってはくれないらしい。

 やたらと重い足取りで瓦礫の山に行くと、やはり満面の笑みを浮かべた霊夢が霖之助を出迎えた。
 背筋が凍るほどの笑顔というものがあるのを霖之助は知っている。――この世に博麗霊夢の笑顔ほど恐ろしいものは無い。
「あら、霖之助さんじゃない。どうかしたの?」
「あ、いや、その。はは……」
 予想通り出鼻を挫かれた霖之助は、二の句が継げずにやはり予想通り酷く狼狽した。
 ちらりと後ろを振り返ってみたものの、八雲監督も西行寺コーチもニヤニヤと笑っているだけで何も指示を出してはくれない。
 こういった時のボキャブラリーが圧倒的に足りない霖之助は、こうなるとただ、おたおたとうろたえるしかない。
 そんな霖之助の様子を見て、霊夢は深くため息をつくと、ようやくいつもの仏頂面に戻った。
「別にもう怒ってないわよ。ロクに話を聞かないで持ち出した私も悪かったしね」
「いや、――まぁ、手の届く所に置いてたこっちも悪いんだけどね」
 これに懲りたら勝手に店の商品を持ち出す癖を直して欲しいと霖之助は思ったが、今それを言うと面倒なので止める事にした。

「第一、なんであんなもの持ってたのよ」
「いやね。無縁塚から持ってきた鞄の中に一つ入ってて、捨てようかと思ってたんだけど」
 思っていた矢先に霊夢が持っていってしまったのだからどうしようもない。
「そんなことだろうと思ったわ。まぁ、これに懲りたらあんまり怪しいものは拾ってこない事ね」
 完全に自分の事を棚に上げて霊夢が続けた。
「ところで、手に持ってるそれは何なのかしら? 」
「ああ、そうそう。まぁ、お詫びの品というわけじゃないんだけど」
 言って、霖之助はようやく例の向日葵の置物を霊夢に手渡した。
「なによこれ。向日葵かしら」
「日向に置いておくと花びらがくるくる回るっていうだけの芸の無い品物だけどね」
「ふーん。まぁ、良いわ。貰っといてあげるわよ。でも、なんで向日葵?」
「ああいや、僕も花言葉なんて柄じゃないのは分かってるんだけどね」
 本当にその通りだと霖之助も思ったが、とりあえずどんな形にせよ尊敬の念を込めておかないと後が怖い。
 
「花言葉――ねぇ。なんだったかしら?」
 霊夢は、ハテと腕を組んだ。
「まぁ、覚えてないならそれでも良いよ。とりあえず僕の気持ちという事で」
「ああ、ちょっと待って。思い出したわ。確か――」
 そこで霊夢の口が止まった。というか何やら空気が止まるような、そんな感覚を霖之助は覚えた。
 
 そういえば、先日も同じ話をしたような気がするが、人は生命の危機を感じると感覚が異常に鋭くなるという。
 霖之助がそれに該当したのかどうかはわからないが、霖之助は確かに目の前の少女が真っ赤に顔を上気させているのを確認し、彼女のとても口には出せないような罵詈雑言を聞き、彼女の振り揚げる拳が今まさに自分に向けられているのであろう事を半ば諦めと共に理解した。
 間もなくして、霊夢の拳は見事に霖之助の顎を突き抜け、霖之助は再び星となった。
 打ち上げられた衝撃の生み出したエネルギーと万有引力により霖之助の体が歪な放物線を描き、紫の足元に着弾したのはその数秒後の事である。
「あら、おかえりなさい。早かったわね」
 紫が悪戯な笑みを浮かべて言った。昨日からのハードスケジュールが祟って、霖之助にはもうただいまを言う元気も残っていない。
 それでも霖之助は、なんとか最期の気力を振り絞って霊夢のいた方向に目を配ったが、どうやら当の本人はすでに帰ってしまったらしい。
 霖之助は今度こそ精魂尽き果てて、絶え間なく襲ってくる眠気に身を委ねる事にした。
 まぁ、殴られはしたが例の置物は受け取って貰えたのだから、とりあえずは許して貰えたのだろう――霖之助は、そう自分を納得させる事にしたのだ。
 
「ところで幽々子様。本当にあれで良かったんですか? なんか怒って帰っちゃいましたけど」
「あら、妖夢は知らなかったのね。向日葵にはもう一つ有名な花言葉があるのよ」
 
 一つの花に対する花言葉というのは実は様々なものがある。それは土地柄によって違ったりもすれば、書いてある本によって違ったりもする。
 いや、もしかするとだが、それも突き詰めれば実は同じ事を表しているのかもしれない。
 
 霖之助は朦朧とした意識の中で少女達の会話を聞きながら、今更になって向日葵の花言葉を思い出していた。
 向日葵の花言葉として有名なものは二つある。一つは紫の言った、『貴方は素晴らしい』。そしてもう一つは――
 
 『貴方だけを見つめてる』。 




――epilogue

 マエリベリー・ハーンはご機嫌だった。きっと夢見が良かったのだろうと宇佐見蓮子は思う。最も、「急いで来て」なんていうメリーからの電話を受けて、執筆中のレポートを切り上げてまで駆けつけた蓮子としてはたまったものではなかったが。まぁ、『超弦理論を軸とした機械論的唯物論についての考察』などというテーマはもともと気乗りしなかったし、それならメリーの夢の話を聞いていたほうがずっと時間を有効に使えるから構わないのだが。

「ほら、これがその時のホームランバットよ」
「J・マウアーって、――またずいぶんと懐かしい選手ね。サインが本物だったら高く売れるんじゃないかしら」
「嫌よ、勿体無い。第一、変なブースト装置が植えつけられているから本物だったとしてもたぶん売れないわ」
「それに壊れてるんでしょう、その装置。よっぽど強く振り回したのね」
 そんな事はないだろうと思いつつも蓮子はそう口にした。
 ただ、起動方法もわからなければ起動手段も無いのなら、それは壊れているのとなんら変わりは無い。

「でも、今日の夢は楽しかったわ。ううん、語弊があるわね。いつも面白い事には変わりないのだけれど、空気というか雰囲気がどこか優しくて暖かかったのよ。いつもはもう少し張り詰めた緊張感があるのだけど」
「きっと、いつもとは違う時間に飛んだのよ。貴女が境界を飛び越える瞬間に境界がなんらかの原因で揺らいで、いつもと違う時間に行ってしまったんじゃないかしら。もしかしたら内部の時間軸も歪んでいたかもしれないわね」
「うーん。確かにそんな感じがするかも。ま、騒がしかったり喧しかったしで、それはそれで楽しめたけどね」

 もしかしたらメリーは夢を見たまま、この世界には帰ってこれなくなってしまっていたかもしれない。蓮子は少しだけゾッとした。
 ――冗談ではない。こんな有意義な話をしてくれるメリーがいなくなってしまえば自分は退屈で死んでしまうだろうし、境界を探るサークル活動も永遠に出来なくなってしまう。――どうせ戻れなくなるなら、二人で行った時にして欲しい。

「まぁ、良いわ。私は帰ってレポートを仕上げなくちゃいけないから続きは後で聞かせて」
 メリーも一通り言いたいことを言い終えたようだったので、蓮子は自分の作業に戻る事にした。
 いくら癪なテーマだとはいえ、放棄してしまっては単位は貰えないからだ。学生の辛いところである。
「あ、そうだ。私もレポートがあったんだ」
「何をしてるのよ貴女は」
「じゃ、今日は解散という事で。また明日ね」
 そう慌しく口にすると、メリーは蓮子が席を立つよりも早くさっさと会計を済ませて店から出て行ってしまった。
 蓮子は何か言いたげだったが、文句を言おうにも当の本人がすでに目の前にいないのだからどうしようも無い。
 かといってこのまますぐに帰るのも癪だったので、蓮子はドリンクバーまで出向き珈琲のおかわりを淹れて席に戻った。

 メリーは『相対性精神学』という分野を研究している。本人に言った事はないが全く愚かしい学問であると蓮子は思う。『精神学における相対的な分析理論』などという大層な謳い文句をしているが、実際は原子運動の理論をシナプスの電子運動におきかえているだけで、多少数式は異なるとはいえ、やっている事はアインシュタインのそれとなんら変わりが無い。人はあらゆる神秘を物理学的に解明して機械的な論理に置き換えなければ満足できないのだろう。
 もし、精神学の全てが物理学的に解明されたとしても、そこから得られる答えは『我々は生物という名のただの機械である』という事だけなのに。

 メリーは夢の世界が変わったと言った。しかし、それは微妙に違っていると蓮子は思う。
 変わってなどいない。ただ、その場所に留まったままで歩みを進める方法を夢の世界は考え出し、それを実現したのだ。
 その証拠に、メリーが見た夢の世界の住人達はいつもと変わらずに笑っていたじゃないか。
 ――彼女達は彼女達の帰るべき海に辿り着いたのだろう。
 蓮子はそう想いを巡らすと、少しメリーの夢の世界を羨ましく思った。

 人間は科学を手に入れてからというもの、少しでも物質的に満たされようとしてあらゆる手段を講じてきた。
 競争という概念を生み出し、資本主義という概念を生み出し、社会という巨大な機械を組み立てる事により人を歯車と見立てて経済を成長させてきた。
 そうして発展してきた人間が、自分達の過ちに気づいた時にはもう遅かったのだ。

 結果的に、人間は物質的に満たされる事になった。――子供達の笑顔を対価に差し出す事によって。


 夢の世界へと想いを馳せる。
 ――機械の生み出す合成などではない、心からの笑顔を浮かべる子供達の姿が見えた気がした。
おおよそこれで終わりとなります。ここまで読んでくださった方に心からの敬意と感謝をはじめに。
おおよそアンソロジーコミックのような軽快なノリを目指してみました。ええ、人間真面目なばかりではいけません。
今回は色々な人物を一挙に登場させるにあたって、様々な考察が展開されるなかで大分無茶を通させて頂きました。
結果的に登場人物がやたら多くなってしまいましたが、これはこれで良いドリームキャストとなったかもしれません。
ええ、お祭りですから。楽しんだもの勝ちです。どうせ、これから一ヶ月ぐらいは胃痛と戦う事になるのですから。

ちなみに霊夢の持っていった機械はご想像の通り、ドリームキャストです。SEGAの。
魔理沙も紫もよっぽど欲しかったんでしょうね。ドリームキャスト。ちなみに霊夢は肩に当ててマッサージに使っていたようです。
うっかりヴォリュームを下げると本体から聞こえる音にかき消されるほどの轟音を慣らすんですよねアレ。まぁ、SEGAらしいですが。
そりゃあゲーム機をマッサージ機と間違えた日には恥ずかしさのあまり殴りこみに行きたくもなりますよね。
気にしたら負けです。佐藤君の友達も言っていました。そうだ、幻想郷行こう。

幻想郷の少女達の騒がしくも穏やかな雰囲気を少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
科学の世界に生まれた我々も、夢に恋したその気持ちだけは何時までも変わらず持ち続けたいものですね。
さてさて楽しいお祭りです。引き続き時間と戦ったり胃を痛めたりと素晴らしい幻想郷ライフをお楽しみ下さい。
只野 亜峰
http://www.geocities.jp/th_laboratory/
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2008/02/11 08:51:27
更新日時:
2008/03/07 01:13:34
評価:
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Rate:
5.00
1. 7 小山田 ■2008/02/13 17:45:11
一貫した軽快な流れで、かつ冗長と思わせない構成のため、存分に雰囲気を楽しむことができました。
贅沢を言えば、読み手にどう受け取ってほしいかという部分を明確に、それでいてさり気無く感じ取れるようになっていれば、なおいい作品に仕上がっていたたかと思います。
2. 7 #15 ■2008/02/14 09:45:48
無粋な突っ込みはやめときましょうww
3. 8 あまぎ ■2008/02/17 18:15:20
これはすごい。あまりのスゴさに途中からゆかりんファンタジアをエンドレス再生しながら読んでしまいました。
何がすごいって、面白い。なのに、シリアスに近いそのテーマに違和感がない。
自分は「笑える」SSに憧れているので、こういう「笑いを引き起こす」ような作品が大好きです。様々なパロディも、さり気なく出るところがステキです。

ニヤニヤしながら霊夢のもってるものを想像してさらにニヤニヤした気持ち悪い人間は自分だけでは無い筈。あ、ドリームキャストでしたはい。
4. 3 飛び入り魚 ■2008/02/20 05:54:08
僕も絶対ドリキャスだって思ってました!
心の汚い方は別の物を思い浮かべるって佐藤君の友達が言ってました!
読み疲れてる時の清涼剤になりました。
5. 8 名無しの37番 ■2008/02/27 11:23:13
そういえばセガのハードってエロに柔軟な姿勢でしたよね。だから魔理沙は恥じらっていたんですね! おませさんめ!
それにしても一作品の中に随分詰め込みましたね、お題。機械機械機械棋界奇怪機会帰海? 自分が気付かない中にも、まだ隠れてたりするのかも。
アンソロジーと言われている通り、本筋に関係ないシーンも色々盛り込まれていましたね。しかし全体的にハイテンポなギャグで構成されているので、それが全く違和感ありませんでした。
あとあれですね、拗ね霊夢とか照れ隠し霊夢とか、人類の至宝だと思います。
6. 7 カシス ■2008/02/27 13:39:00
いろいろとアウトな気もしますが、楽しく読ませていただきました。明るく楽しい幻想郷の一面はきっとこんな感じでしょう。


振動『電動のこけし人形』
7. 7 ■2008/02/27 22:22:25
(途中で東方M1スカーレット家が聞きたくなった自分は負け組みのようです)
徐々に壊れていく香霖堂に涙。
どれだけ強打されても壊れにくいこーりんにはもっと涙。
ノリにノった楽しい話をありがとうございます。
ただエピローグがちょっと余計に感じました。
8. 3 ■2008/02/28 20:40:49
二次ネタが多くて判断に困る。
笑えなかったのでこの点数。
9. 5 反魂 ■2008/02/28 21:05:06
 のっぺりとした感じでした。
 ストーリー的に起伏がないわけではないものの、要らないパートが多いせいか全体を見通してみるとやっぱりどこかのペっとしており、抑揚感が無かったように思われます。というかどういうオチだったのかも、二度読んでなおよく分かっていないのが正直なところです。
 ご想像の通りドリキャス、とか言われても想像すら出来ませんでした。

 きかいというテーマありきで描かれてる感じはしたので、そこは好印象でした。
 
10. 3 たくじ ■2008/02/28 22:39:15
最後の花言葉の場面が好きです。照れる霊夢はかわいいなぁ。
でも全体的には、なかなか話が先に進んでいかないので、読んでて退屈でした。
結局本文中では霊夢が持っていった機械が何かはよくわかりませんでした。作者からのメッセージでドリームキャストだと書かれていますが、作品内で伝わらなければ意味がないように思います。
11. 6 椒良徳 ■2008/02/29 00:02:53
>その行く末を考えると素直に勝算できるものではないわね 
さすがはゆかりん。ただのオルゴール相手に勝算を算出しているのか。
数学者怖い。
まあそれはともかくとして、コミカルで良い作品でしたよ。
大爆笑の怪作とは言いがたいですが。
12. 7 時計屋 ■2008/02/29 00:54:30
さささ最初からドリームキャストの話だと思ってましたよ、私は。
っていうかそれ以外ありえないじゃないですか、ははははは。

というような話はさておき。
キャラもテーマもシリアスもギャグもお題処理も乱れ飛ぶ、
まさにお祭りのような異色のSSであったと思います。

楽しませていただきました。
13. 9 床間たろひ ■2008/02/29 01:32:02
いや面白かったw
なんというらぶひな。読んでてにまにましちゃいましたよw
筆力は高いしノリはいいしテンポはいいしで、実に楽しかった。
うん、多謝w
14. 6 ZID ■2008/02/29 01:40:41
軽快なノリが読んでて楽しい作品でした。……一概に悪いとは言いませんが、本編中で書き手の話題を多数出すのはいかがなものか。こういうノリの作品ならそれほど気にはならない物とはいえ……うーん。
15. 7 木村圭 ■2008/02/29 05:01:02
そこまでよ!(AA略
雰囲気の良いタイトルが台無し。ええもちろん褒め言葉です。存分に楽しませていただきましたとも。某二次設定と謎軍団が悪い方向に浮いてた気がします。あそこだけ空気の色が違う。残念でした。
16. 5 らくがん屋 ■2008/02/29 11:16:11
アンソロジーには当たり外れが付き物。純粋なコメディ物を書いたという点は評価したいと思います。が、読者を強く引きつけさせる、とがった特徴が無かった。残念です。
17. 5 つくし ■2008/02/29 11:50:28
ウチには半額になった時期にお買い上げしてギャルゲマシンとして一時期活躍したドリキャス様が今でも眠ってますぜ――とそんなどうでも良い与太話はさておき。
アンソロ的な、というあとがきは実に的を射てますね。ネタのごった煮がなかなかに楽しかったです。端々に見られる露悪的なほどに小説外部を意識させるパッセージが(普通の小説では瑕にしかなりませんが、これに至っては)かえってその効果を上げています。

さて、建前はこれくらいにしておきますね。

こけし自重wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
18. 7 とら ■2008/02/29 14:01:19
なんだドリキャスか。ドリキャスなら仕方な(ry

最後で解は示されたものの、何の脈絡も無くメリーが登場しているのには面くらいました。このあたりに関しては、もう少し尺を持たせて説明をしてもいいのではと思いました。
19. 8 as capable as a NAMELESS ■2008/02/29 15:08:56
どいつもこいつもまあ。
20. 1 中沢良一 ■2008/02/29 15:22:00
章ごとのつながりが何故だか感じづらく、バラバラな印象を受けました。
メリーの件を出す意味があったのか疑問です。長めの文書だと思うので、なるべくコンパクトにしたほうがいいと思います。
21. 8 K.M ■2008/02/29 18:41:48
あちらこちらに散りばめられたネタが楽しかったです。霖之助、強く生きろw
機械は、もちろん別の機械と誤認しましたとも。
うちのムキャは、ブゥゥゥンと音はするけどそんなに揺れたりはしませんから。
電池もメモリーカードのボタン電池しか知りませんでしたから。

「素直に勝算」は「素直に賞賛」でしょうか?
22. 10 ルドルフとトラ猫 ■2008/02/29 19:07:38
面白かった ただその一言を
23. 5 ☆月柳☆ ■2008/02/29 19:55:35
いや、ごめんなさい。まじごめんなさい。
ドリームキャストとか思いもつかなかったヨ…。
なかなか楽しめました。
24. -3 赤灯篭 ■2008/02/29 20:00:45
 作者様が楽しいのはわかりますが悪乗りしすぎです。内容が突飛すぎてついていけませんし、何の脈絡もなく登場するオリキャラも気持ち悪いだけ。あと、所々で見られる安っぽい科学批判(まさかこれが考察?)も説得力がないどころか読んでいて不愉快さしか感じません。
 読み手に楽しんでもらいたいと思う気持ちがわずかでもあるのでしたら、少しは読み手側のことも考えて書いて下さい。
25. 2 つくね ■2008/02/29 20:08:35
確かにアンソロみたいな感覚で楽しく読めました……が、少々読みにくい。
話の展開が急すぎるのと、それに対する説明不足。それらがマイナスとなってしまいましたが、面白かったのは確かです。
26. 8 レグルス ■2008/02/29 20:25:00
ツッコミ所が多すぎてどこから突っ込もうかと…w
やっぱり誰かが突っ込むだろうなぁと思いつつも、一言だけ。
後書きにはドリキャスとありますが、
全年齢対象じゃないマッサージ機っていったら一個しかないですよね?w
たくさん笑わせていただきました 面白かったです。
27. 3 八重結界 ■2008/02/29 20:55:02
全体的にギャグが空回りしている印象を受けました。
それとあまりメタな発言は好きではないので、この点数に。
28. 3 O−81 ■2008/02/29 21:39:05
 りんのすけ不憫すぎるだろこれ。
 総じて何が言いたいのかよくわからなかったです。いろいろと主張したい事柄はあったのだろうなあとは思いますが、撲殺天使な空気と近藤君な雰囲気に掻き消されてそのあたりの考察が目立たなかったような。あるいは、あえて真面目な考察をぼかして挿入していたところもあったかもしれませんけれども。
 下ネタに関してはあんまり突っ込まないです。
29. 5 BYK ■2008/02/29 22:15:03
ちょww 香霖受難過ぎて涙目ww あと誰か骨拾ってやろうぜ。俺は砕きたいけど(←
30. 4 織村 紅羅璃 ■2008/02/29 23:12:54
ネタが分かりにくかったのと、詰め込みすぎた印象がありました。
アンソロジーとおっしゃられているので、それならあまり話をごちゃ混ぜにしないで、別々のお話になさったほうがよかったかもしれません。
ただ、「お祭り」という観点から見れば、雰囲気は出ていたと思います。
31. 6 綺羅 ■2008/02/29 23:19:19
大変コミカルなノリで、それはよかったです。しかし少々勢い任せな感じで随所に粗というか、もっといい表現がありそうなのにと思ってしまうところが。ストーリー中心に突っ走ってしまって描写が疎かになってしまったような感じを受けました。
32. 6 moki ■2008/02/29 23:26:24
これが漫画になったらどうなるんだろう。SSでよかった。
33. 5 冬生まれ ■2008/02/29 23:29:59
テーマの使い方が少し強引な感がしましたが、
多数のキャラクターが次々と登場したのはオールスター舞台劇のようで楽しめました。
34. 7 blankii ■2008/02/29 23:54:14
セガガガガガガ。ドリキャス買って貰えなかった私は、負け組かつ勝ち組ですね(どっちだ)。霖ちゃんと霊夢の不器用っぷりがなんとも楽しく微笑ましい一作であったと思います。

35. フリーレス 只野 亜峰 ■2008/03/04 01:01:35
使われたかもしれないスペルカード集。
爆符『ipod-nano』
打符『J・マウアー』
外流『ソニックブーム』
京極『中善寺秋彦』
新興宗教『ゆかりんファンタジア』
祭符『こけし人形』
解符『向日葵』

百川帰海『にぎやかな幻想郷』


前回壮絶に人名を間違えた際に天からこんなHNが聞こえてきました。
なんで、今回は人名間違いだけは避けようと全員分を辞書登録して念のため逐一wikiからコピペしてました。
実を言うと一発ネタの複合物で、やっと乗せられるテーマが見えてきたと思いきやのタイムリミットで最期まで上手くまとめられずに半ば開き直りのような感じになってしまいました。そんななかでも少しでも楽しんで頂けたのならこれに勝る喜びはありません。ともあれ、こんな未熟な作品を読んでくださった方、コメを残して下さった方、皆様ありがとうございました。

恥ずかしい誤字はこれより修正に入ります。
以下遅くなりましたが、コメ返しのほうを。
それでは最期に、ありがとうございました。

>blankiiさん
まさかラブコメ風味になるとは僕自身予想してませんでした(ぇ

>冬生まれさん
今回お祭りを意識して書いたので、そう思っていただけたのなら幸いです。

>mokiさん
ぼくもそうおもいます。

>綺羅さん
耳が痛いところです。これだけの尺のあるものを書くのが始めてだったもので、乱雑になってしまった部分が多いと思います。
どんな作品にせよ、丁寧に風景を追えるように精進していきたいと思います。

>織村 紅羅璃さん
詰め込み過ぎた感は自分自身も痛感してる次第です。
様々な要因を孕みながらも一本の筋があるような形が理想だったのですが、最期までそれがおざなりになってしまいました。

>O−81さん
正直なとこ安易に詰め込み過ぎたかなと反省しています。
上手く一つのテーマへと導けなかったのは自分の未熟さを恥じるばかりです。

>八重結界さん
空回っていた節は自分自身も感じるところです。上手く表現できるよう勤めていきたいと思います。

>レグルスさん
下ネタに対する反応がどうでるか不安に思っていましたが、楽しんで頂けたのなら幸いです。

>つくねさん
自分自身先を急ぎすぎてしまったかなと思います。
読者を意識して丁寧に展開を追えるよう勤めていきたいです。

>赤灯篭さん
たまのお祭りなので少し暴れすぎてしまいました。思い当たるふしが多すぎて弁解の余地もありません。
罪袋は今振り返るとちょっとどうだったかなと思う節もあります。
科学批判というよりはZUN調の合理性批判のようなものは目指してみましたが、安っぽく見えてしまったのであれば、それはもう自分の未熟さを反省するばかりです。

>☆月柳☆さん
ごめんなさい。ぼくもおもいつきませんでしタ・・・。

>ルドルフとトラ猫さん
こんな作品に高評価を下さってありがとうございます。
まだまだ未熟ではありますが、より精進していきたいところです。

>K.Mさん
カマトトぶるつもりもないですが(雄ですが)実物見たことナインデスヨネ。
ちなみに勝算はご指摘の通り賞賛であります。ぬあー誤字ったあ。

>中沢良一さん
霊夢のラブコメに振り回される幻想郷というのを後付で意識してみたのですが、上手く纏め上げる事ができませんでした。
一番書きたかったのがメリーのシーンだったのでここが仕上げられなかった事はもう自分の未熟さを恥じ入るばかりです。

>as capable as a NAMELESSさん
ごめんなさい。×∞

>とらさん
多数のご指摘を頂いている通り構成について未熟な所が強く出てしまったように思います。
読み手を意識して書けるよう注意していきたいところです。

>つくしさん
あの時従兄弟に借りたクレイジータクシーの中にAIRさえ入っていなければ・・・
なんて与太話はおいておいて、ともかく今回は祭りであるを第一に考えていたのでこんな感じに落ち着いてしまいました。

こけしはサーセンwwwwwとしかw

>らくがん屋さん
基盤となるテーマを念頭に置かずに勢いだけで書いてしまったので、歪な構成になってしまった感は否めません。
全体的に華に欠けるお話に収まってしまった事も反省してこれから精進していきたいと思います。

>木村圭さん
某二次設定とあの集団は後から見ると確かに浮いてたと思います。
もう少しそこらへんに注視できる目を養っていきたいところです。

>ZIDさん
京極ネタに関してはこのノリなら許されるだろうという打算があったのも確かですが、東方と同じように妖怪に深いアプローチをかけている作品と勝手に認識して、今回なんとなしに使ってしまいました。まぁ、香霖堂の舎利ネタがなければやりませんでしたが。

>床間たろひさん
執筆力がなんとか見せられるレベルになってきたので、この時点でネタ風味を扱ってどこまで戦えるかなというのは気にしていた部分だったりします。構成そのものが荒い感があるので、そこは精進していきたいところです。
ともあれ、楽しんで頂けたようで幸いです。高評価まで頂いてありがとうございました。

>時計屋さん
お祭りである事、幻想郷である事、この2点だけは何があっても重視したいところでしたのでツボに嵌って頂けたのなら嬉しい限りです。こんなネタまみれの話はもう怖くて書けないと思いますw

>椒良徳さん
「せつこ、それ賞賛や勝算やない!」と天から声が聞こえたのが投稿直後の事でした。泣きそうでした。
それはともかくとして笑わせる事の難しさは今回強烈に再認識させて頂きました。
立派なお笑い芸人になれるよう精進していきたいと思います。

>たくじさん
書きながら自分の中のクールな霊夢がガラガラ音をたてて崩れていきました。
構成についての甘さも機械の正体について伝え切れなかったのも技量の未熟さを恥じるばかりです。

>反魂さん
若干開き直っていた部分もありますが、意見を頂いたうえで見直すと確かに余計なエピソードが乱立していたように思えます。
構成自体が甘く、文章的にも未熟だったために展開事態が一人走りしていたと思います。
読み手が想像しやすいように気を使っていけるよう勤めていきたいです。

>鼠さん
お祭りだからとはしゃぎ過ぎてしまった感はあったなと思います。
整合性を持たせた上で笑いを取れるような立派なお笑い芸人になれるよう精進していきたいです。

>畦さん
最初の仮タイトルは霖之助の憂鬱でした。香霖をとことん虐めつくしてみたい年頃だったのです。
エピは浮いていたなーと思います。最終的にエピに繋げたかったのですが技量の無さを悔やむばかりです。

>カシスさん
投下した後に言うのもなんですが投稿していいものが結構悩みましたw
スペカ名見てこの手があったかと唸っております。(余計にアウト)

>名無しの37番さん
赤面霊夢は渡さない。あれは俺の嫁(カエレ
そんなこんなで、こんなつたない作品を楽しんで頂きありがとうございます。
あれが何なのかまったくわからずにマッサージ機として利用してた霊夢の姿はきっと想像してはいけない(ぇ

>#15さん
サーセンwwwww

>小山田さん
なるべくテンポは意識してみました。
作品テーマについてはコレダというものが頭の中ではあったのですが、上手く収める事ができませんでした。
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