色鬼

作品集: 最新 投稿日時: 2009/04/17 00:47:38 更新日時: 2009/04/17 00:47:38 評価: 26/29 POINT: 79 Rate: 0.77
 …色鬼何の色、どんな色、色鬼どんな色、何の色…

 「咲夜、どうしたの?」
「えっ?あぁすいません、少しぼぉっとしてました」
春の日差しが差し込む午後、紅魔館ではちょうどおやつの時間だった。メイド妖精たちは、一通りの作業を終え、休憩の時間にしていた。
「お紅茶、おかわり要りますか?」
咲夜が聞くと、レミリアは手だけで断った。咲夜は、ティーセットを片付けてから、空を舞う桜の花びらを見た。
「ただちょっと懐かしいと思いましてね…」


 「色鬼どんな色、何の色」
昔々、紅くなった服を着た少女が大きな木に向かってそう唱え続けていた。周りには血だまりの中に、人間が一人倒れていた。少女が唱え続けていると、誰かが話しかけてきた。
「これは貴女が殺したの?」
誰かがそう聞くと、少女は首を振った。少女と大して背丈は違わない誰かはふーんと頷くと、ポケットから小さい懐中時計を取り出した。
「これを持ってなさい、何かに役立つはずだから…」
少女が受け取ると、誰かはサァーッと枯葉のような鳥のようなものになって散っていった。
「誰だろう?まっいいか、ねっ御回りさん」
少女は死体にそう呼びかけて、またさっきの言葉を唱え始めた。近くの看板には、その少女にそっくりな写真があった。そこには、
指名手配と書かれていた。


その少女は、廃ビルに住んでいた。そこには社会から切り離された人々…及びホームレスが暮らしていた。
少女が帰ってくると、沢山の子供たちが寄ってきた。
「ねぇあれやってよ!あれ!」
少女は、はいはいと言うと、ナイフを取り出した、そしてそのナイフを飲み込んだ。
それを見ていた子供たちは、いっせいに歓声を上げた。
「何回見てもタネがまったく分からないや、何でだろ?」
子供たちは口々にタネについて話し合っている。少女はニコッと笑った。すると、近くにいた老人が寄ってきた。
老人は、子供たちに聞こえないように少女に耳打ちした。
「この力は滅多な事には使ったらいかんぞ、」
少女は、わかってるよと受け流した。少女は、財布を取り出した。中にはお金と警察手帳が入っていた。
「パン14個分くらいかな・・・」
そう言うと、少女は町へ出かけた。


少女は、近くのパン屋で、型崩れしたパンを沢山買ってきた。
「ただいま、パンいっぱい買ってきたよ!…あれ?みんな?」
少女が帰ってきたとき、そこには誰もいなかった。
「いないな、どこに行きやがったんだ、小娘が、」
奥から誰か知らない人の声が聞こえた。少女は、とっさに隠れた。
軍服姿の人が二人奥から出て来た。目をこらすと、奥に屍の山がある。そこにはあの子供たちの死体もあった。
「そんな、なんで!?」
「いたぞ!取り押さえろ!」
2人の軍人が少女を取り押さえた。その時、兵隊の悲鳴が上がった。少女を抑えていたほうの兵隊の首が、転がり落ちた。少女の青い服は赤くなっていく。
「まっ、待ってくれ!命だけは!…グギャッ!…」
兵隊は断末魔の叫びを上げ、倒れた。そして赤く染まった少女は、ビルを出た。


それからどれくらい時が経っただろうか…、あの少女はまた赤く紅く染まった服を着て、大きな木の下に居た。木は黒焦げになり、ほとんど消し炭になっていた。
周りには、やはり死体がある。沢山の死体が、そこらじゅうに散らかっている。すると、また誰かが現れた。
「これは貴女がやったの?」
少女は小さく頷いた。誰かは、満足したように、そうと答えた。
「あなた私の使用人にならない?」
誰かはそういって、少女に手を差し伸べた。少女は、少しだけ笑って答えた
「でも私に得はないじゃない」
「あるわよ、まず毎日ふかふかのベットで寝られるわ、食事だってあるわよ」
少女は少し考えてから、誰かの手を握った。
「わかったわ、私はあなたの使用人になる。」
その瞬間、空間に大きな穴が開いた。穴の中には紅いお屋敷がある。
「そうだ、聞き忘れたわね、あなたの名前は?」
誰かがそう言うと、少女は名前は無いと答えた。誰かは少し考えてから、こう言った。
「なら、あなたの名前は、”咲夜”よ、よろしくね、咲夜。」
「よろしく、紅い悪魔」


――――そうか、今日から私は咲夜、十六夜 咲夜だ…


「咲夜、やっぱり紅茶のおかわりを貰うわ、あと一つ聞いてもいいかしら?」
「何ですか?お嬢様。」
運ばれてきた紅茶を一口飲んで、レミリアは続けた。
「あの、いつか歌っていたあの歌は何だったの?ほら、色鬼なんとかいう…」
「あぁあれですか?あれは遊びの歌ですよ。遊びの・・・」

…赤い色鬼は、赤い色をした誰かさんとお友達になりました…
こんにちは、最後まで読んでくださってありがとうございます。
暇人
http://sky.geocities.jp/benigennge
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/04/17 00:47:38
更新日時:
2009/04/17 00:47:38
評価:
26/29
POINT:
79
Rate:
0.77
1. 3 リペヤー ■2009/05/10 01:24:13
おぉ咲夜さんの過去話ですね。
内容なんですが……うーん、ちょっと薄味すぎるかもしれません。
この類のお話は割りと良く有るネタですし、もう一捻り欲しかったです。
2. フリーレス 暇人 ■2009/05/10 02:47:40
こんな短いものですが、読んで頂けたら幸いです。
3. 5 名前が無い程度の能力 ■2009/05/10 08:34:31
何かあっさりしてるなァ
4. 4 どうたく ■2009/05/10 11:08:20
良い所
 すっきりした文体で読みやすかったと思います。
 簡潔に物事を表現していて、良かったと思います。

悪いと所
 主に二つ。
 一つ目は、上の簡潔さゆえか、描写の少ないと感じました。
 咲夜さんが手品を見せている所とか、兵隊が殺される所などなど。それらを表現したら、もっと作品に味が出るのになぁ。と思いました。
 二つ目は、伏線の回収が不十分だと感じました。
 どうして咲夜さんの歌が意味していたことや、レミリアが「懐中時計」を渡した意味……・。この二点についてが、ストーリーの中で回収できていないと思いました。
 
まとめ
 咲夜さんのエピソード。発想はよかったと思うので、ストーリーに深みを出したら、もっと良くなると思います。
5. 2 名前が無い程度の能力 ■2009/05/10 15:45:17
過去の出会いの話なのはわかりますが正直説明不足で荒いかと。
6. 2 実里川果実 ■2009/05/11 00:31:46
 ショッキングな場面と色鬼という子供達の遊びが絡められた情景にはハッとする部分がありました。
 題材・背景などは魅力的ではありましたが、全体的にいくらかの物足りなさを感じてしまうのが残念です。
 咲夜・レミリアの心理描写がほぼ皆無な事、展開が駆け足な事により各登場人物の行動が不可解になってしまっている様に思えます。
 掌編として簡潔な作品を狙いつつ、贅肉を落とし過ぎた印象を受けてしまいました。
7. 6 佐藤厚志 ■2009/05/11 06:34:52
まるでマックでハンバーガー三個を思わず食べてしまったかのような、満腹感で御座います。
短いテクストの中に詰め込まれた悲しき挿話。それを完成させた作者の手腕に拍手をしたいと思います。
8. 7 #15 ■2009/05/11 20:52:59
ルナティックw
9. 3 As ■2009/05/12 01:41:45
咲夜さんとレミリアの出会いは外の世界だったと、なるほど。
それにしても咲夜さん怖ぇ!
10. 3 三文字 ■2009/05/12 02:05:04
むう。何だろう……あんまり使いたくない表現ですが、安っぽいです。
人を殺した表現も叫び声だけですし、子供達が死んだところもあっさり流し過ぎて衝撃を受けません。
懐中時計を渡したのは誰か、なんで突然軍隊が現れるのか?そこらへんの説明も欲しいです。
全体的にもっとボリュームが欲しかったなぁ……
11. 4 名前が無い程度の能力 ■2009/05/13 13:41:18
出会いの話?あっさりしすぎてもっと心理描写がないとなんだかよくわかんないな
12. 1 パレット ■2009/05/18 00:02:31
心理描写が少ないだとかはお話の形式上仕方ないかもしれないけれど、それでも事実だけをただ述べられた感じで、どのあたりを楽しめばいいのかよくわかりませんでした。
13. 2 気の所為 ■2009/05/30 21:55:26
咲夜さんの過去に関する話を作るのはとても難しいと個人的に感じています。
やっぱり骨のある話にするとすればもう少し長さが欲しいです。これだけではどういったところを強調したいのかが今ひとつ見えてきません。
14. 4 有文 ■2009/06/08 01:55:48
個人的な見解ですが、もう少し描写が丁寧だと良かったと思います。
話を飛ばし過ぎではないかな、と。
15. 2 ふじむらりゅう ■2009/06/10 23:36:22
 展開が急ぎすぎで、状況がわかりづらかったです。
 もうちょっと、ひとつひとつのシーンについてじっくり書いてたらわかりやすかったかなーと。
16. 3 ぴぃ ■2009/06/12 01:24:44
ちょっとエピソードの割に文が足りていないように思えます。
色鬼という題材に意表をつかれただけに、できればそこからもう一工夫!
17. 1 上泉 涼 ■2009/06/12 01:55:29
咲夜さんの過去については既に色々言われていますから、こういう風に断片だけ書かれても何となく分かりはします。ただ、やはり物足りないと感じました。
18. 2 八重結界 ■2009/06/12 16:10:23
もう少し話を膨らませても良かったように思えました。
あっさりしすぎた感が強いです。
19. 2 名前が無い程度の能力 ■2009/06/12 16:56:00
ざっくりとした話ですね。よかった。
20. 3 moki ■2009/06/12 19:34:59
雰囲気はいいのだけれど、こう、もう一つ何かほしいなぁ。(物語内の)事実を列挙するに留まってて、語られていないことについて想像を広げさせるような(身も蓋もない言い方をすれば、思わせぶりな)何かがほしいと思いました。
21. 1 ハバネロ ■2009/06/12 21:33:36
過去話を掘り下げても仕方ないならこの長さか。
いろいろ唐突すぎる気もするが
22. 1 時計屋 ■2009/06/12 21:42:34
 まず助詞、助動詞の使い方に気をつけてください。
 特に行為の主体は明確にされていないと、誰が何をしているかイメージが掴みづらいです。
 お話自体も何がなんだか良く分かりません。
 まずはどういう場面でどういう視点なのかを明確にしてください。
23. 2 つくし ■2009/06/12 22:36:30
申し訳ありません、時間が差し迫っているため、採点のみにて、感想本文は後ほど改めて。
24. 3 K.M ■2009/06/12 22:40:16
正統派一発ネタですね。
25. 4 つくね ■2009/06/12 23:35:54
最初に回想に入るのは良かったと思いましたが、ある一場面だけを切り取ったようで唐突という印象が強かったです。
26. 5 リコーダー ■2009/06/12 23:45:44
もしかして、言葉遊びなどあるのでしょうか。
27. 4 渦巻 ■2009/06/12 23:47:48
ネジが2本くらい抜けてるような奇妙な雰囲気作りがされていました
長く語る作品で無かったとは言え、終わったのか、という物足りない感覚でした
28. フリーレス Taku ■2009/06/15 00:29:19
点数間に合わなくてごめんなさい。
淡々と語られる、悲しい過去話でした。
欲を言えば、物語に厚みが欲しかったです。3
29. フリーレス 暇人 ■2009/06/28 18:50:38
数々の感想、有難うございます。やっぱり少し削りすぎたと言う気持ちはありましたが、僕が物語に謎を残しておいてその謎を良いように読者が想像して楽しめる作品と言うのを作ってみようと思い、結果的にこうなってしまいました。
あとここからは雑談になるのですが、やっぱりシリアス物は書くのが難しいです。やっぱりコメディが個人的には好きですね。

話は戻りますが、今回の事を噛締めて、次回また作品を作りたいと思います。
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