虹色ショートショート

作品集: 最新 投稿日時: 2009/05/09 16:20:44 更新日時: 2009/05/09 16:20:44 評価: 22/23 POINT: 81 Rate: 0.92
1.赤い紅い緋い朱い!

 紅魔館で一番偉いレミリアお嬢様は『あかい』ものが大好きです。
 赤色も紅色も朱色も緋色も好きなんです。
 住み心地が良い毎日暮らすお屋敷は紅いし、大好きな血の色である緋色も大好きです。
 もちろん大好きなお月様が朱い、お月様の低い時間は、お月様をぼんやり眺めて暮らすほどです。
 けど、赤いものでレミリアお嬢様が気に入るものは今のところありませんでした。
 赤いから気に入るものはあっても、気に入ったもので赤いものは有りませんでした。
 けれど、ある日ついにレミリアお嬢様はそれを手に入れることができたのです。

「ねぇ、パチェ……」
「なによ、レミィ?」
「私達はずっと一緒に……いられるよね?」
「そうね、死ぬのは私のほうが先でしょうけど……ま、それまでにレミィと死んでも一緒にいる方法を調べておくわ」

 それは小指と小指を結ぶ運命の糸と顔を真っ赤にしながら、けど一生懸命、自分を考えてくれる親友でした。



2.大道芸=神楽舞?

「さぁ、橙。大道芸を練習するのよ!」
「え、なんでですか?」

 化け猫さんの主の主はいつも通り、突然現れて唐突なことを言います。
 もちろん化け猫さんは主の主の言う事の意味が理解できずに大困りです。
 けど、化け猫さんは聞くは一時の恥、と健気にも尋ねました。

「いいから、とにかくおやんなさい。別に誰かの前で披露しろ、なんて言わないから」
「ふぇぇー……余計に意味がわかんないですー」

 でも、化け猫さんは健気にもちゃんと大道芸の練習をしました。
 色々な芸を練習しましたが、しまいにはどこかの巫女さんと違ってしっかりと腋のある巫女服を着て踊らされました。
 そして、一生懸命踊る化け猫さんを見て主の主さんは一言おっしゃいました。

「うふふ、これが本当の橙神楽、なーんてね」



3.コールオブパチュリー

「魔法使いっていうのはこれで案外融通が利かないもんでなぁ」
「ふーん。例えば?」
「例えば、徹夜明けに黄色い太陽を見ると正気を失うことがある」
「なんでよ?」
「サンチェックが必要だからな」
「サン違いよ!」
「そんなことを考えてはならないし、考えることとてできはしない」
「いや、思いっきり突っ込んだじゃない、今!」
「だから、空に向かってマスタースパークをぶちかます。そうすると気持ちよく眠れるんだ」
「おちょくるな、って話変わってない!?」
「霊夢、ブレイジングスターはオススメできないな。居眠り運転は危ないぜ?」
「そんなことするか! ってかそんなことすんのなんてアンタぐらいよ!」
「そう褒めるな、照れるだろ」
「褒めてないわよ!? アンタ言ってる事がさっきからおかしいのよ!」
「そんなことはない。別に変な事もない。徹夜でパチュリーのとこの魔導書を読んだだけだ」
「また、盗んできたの?」
「なぁ、霊夢。さっきからパチュリーが煩いんだがどうにかしてくれないか?」
「え? パチュリーが? どこにもいないじゃない?」



4.向日葵の萌える国

 一面に向日葵が広がる丘を一人の女の子が歩いていました。

「凄い……春なのに向日葵がこんなに沢山」

 女の子はここがどんなところかを知りませんでしたし、考えようともしませんでした。

「それに向日葵だけかと思ったら色んな花がいっぱい……」

 女の子はあっちへこっちへと、色々な花を見て周ります。
 あるところへ行くと月下美人が目の前で一斉に咲きました。
 また、あるところへ行くと今度はオジギ草が一斉にオジギをしてくれました。

「すごい! すごい! 夢みたい!」

 女の子はとても嬉しくなりました。
 女の子はとてもはしゃぎながらこのお花畑見て周りました。
 お花畑は広くてまだ全部を見終わっていないのに女の子はクタクタに疲れ切ってしまいました。
 そして、疲れ切った女の子はお花畑の中でちょっと休むことにしたのです。
 するとどうでしょう。次々とお花が女の子の周りにあふれ、お花のベッドが出来上がりました。
 疲れていた女の子はそれを見て、自分はお花の国のお姫様になれたのかもしれない、と思いました。
 そして、お花のベッドで女の子は眠ることにしました。

「ま、こんな気紛れもタマには悪くはないかもね」

 どこからか聞こえたそんな言葉と、暖かな陽射しの気持ちよさと花々の間を駆ける風の調べをさいごに耳にして。



5.青巫女っていいますけど……

 ここは守矢神社。ここ最近は毎日、神様二人は可愛い可愛い、自分の巫女さんのために考え事をしていました。

「イメージって重要だと思うのよ」
「そうだね、イメージは重要だね」

 今日はお昼ご飯も食べて、お腹が一杯でちょっと瞼が重くなり始める時間、お日様から隠れるかのごとく、部屋の隅で内緒話をしていました。

「色から来るイメージっていうのも重要だと思うのよ」
「ああ、神奈子のカラーリングは確かにそのものだね」

 これでも本当に仲がいいのです、この二人は。いっつもすぐに殴り合いを始めてしまうのも仲がいいからです。
 これが拳で語る、というものです。現に二人の思いは通じ合い、巡り合い宇宙です。

「やっぱり、ゴスロリね!」
「そうだね、甘ロリだね!」

 直後にぶるぅあああああ!という掛け声とともにまた殴り合いが始まります。それでも二人は仲良しです。
 けれど、さっきから聞こえてきていた二人の話に居た堪れなくなっていた巫女さんは可哀想なぐらい顔を蒼白にしていたそうです。
 やっぱり、服の色だけがイメージではないようです。



6.イギリス←インド

「こんにちは。あなた、器用なんですってね」
「まぁ、そこそこに器用なのは認めますが何のご用でしょうか?」

 ここは立地条件、扱っているもの、両方とも微妙なためにいつも閑古鳥が鳴いている香霖堂。
 けれど、一部の人からは大変人気で、店主さんも半ば趣味でやっているようなものなのでそんなことは気にしない。

「実はこれをインディゴで染めて欲しいのですよ」

 インディゴ、つまるところそれは藍染めのことで流石は欧州のほうの主人に仕えるメイドだな、と店主さんは感心しました。
 彼女は仕える人に合わせて、且つ相手によって言葉を使い分けているようです、メイドさんって凄い。

「ふむ……。確かに出来ますけど、僕よりも腕のいい人を頼ったほうがいいのでは?」
「所謂使用済みってやつでね……市井の人には任せられないのよ」
「ふむ……いいでしょう。あなた方にそこまでの信用をいただけてるのならこちらも商売人として、文句はないですしね……お代もきっちりいただけますし」

 メガネをクイッと持ち上げながら店主さんがちょっと格好をつけて言います。
 普段は飄々としている店主さんですが、褒められて少し嬉しかったようです。
 どれだけ生きても褒められるっていうものは嬉しいようです。

「あら? お代が必要なんですか?」
「そ、そんな!」
「冗談ですわ。そんなはしたない事はしませんよ」

 瀟洒なメイドさんはそう言って鈴を鳴らすような声でクスクスと笑うのでした。



7.噂には尾ひれ背びれがついて本人に悪びれはない

 紫の鏡、というお話を皆さん方はご存知でしょうか?
 これは20歳になるまでこの言葉を覚えていると不幸になるとか結婚出来ないとかそんな都市伝説なのです。
 ああ、けど所詮は都市伝説。眉唾ものですよね。
 けれど、火の無いところに煙は立たないという言葉はご存知でしょうか?
 簡単に言ってしまえば、何も根拠がないというわけではないということです。
 え? まだ、私の言いたいことがわからないんですか?
 仕方がないですね、もう少しヒントを上げましょう。
 この噂を流したのは私なのです。
 理由は簡単。この噂を知っている人たちが似た状況にすると勝手に色々な推測をしてくれるからです。
 大きな想いはやがて幻想に至ります。
 うふふ、あなた方は私たちにどんな幻想を下さるのですか?



8.スペクタクルスペクトル

「しっかし、その剣凄いね」
「でしょー。ふふん、けど私の剣だから上げないんだからね」

 神社の縁側で二人の少女が腰をかけて、のんびりとお話をしながらお酒を呑んでいました。
 けれど、そのお話のネタとなっているのは剣と、少々物騒なものです。

「個人の気質を天候にして現象とするっていうのがまた面白いね」
「でしょー? 見た通りの人からそうじゃない人までいて実に面白かったわ」
「ああ、そうだね。っと、酒のツマミにあんたの気質を再現してよ。随分、綺麗だったからね」

 そう鬼の少女が言いました。彼女は前に見た極光と呼ばれていた彼女の気質がもたらす天候を気に入っていました。

「いいわよ。我ながら美しすぎる気質で怖いわ」
「そうだね、実にあれは美しい天候だったね」

 鬼の少女は自画自賛を始める不良天人の少女へ笑いながら言いました。
 不良天人の少女は気付いていないようですが遠回しに馬鹿にされています。
 けれど、それに気付かないんだから、その可能性は高そうです。

「いやー、しかしやっぱりこの天候は実に綺麗だ」

 神社の周りは綺麗な極光に彩られ、ゆらゆらと七色の光が揺れ続けます。

「ま、そう長くは保たないんだけどね」
「それは重畳。こういうのは夢幻の如くちょっと見るのが丁度いいのさ」

 そして彼女は実に機嫌良く、また一口お酒をあおったのでした。
 そんな彼女の様子に少女も機嫌良くお酒に口をつけました。
 今日のお酒はなんだかいつもより少し美味しく感じた二人でした。
本文をメモ帳でぴったりの量にしました。レイアウトももう少し凝りたかった。
あおは
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投稿日時:
2009/05/09 16:20:44
更新日時:
2009/05/09 16:20:44
評価:
22/23
POINT:
81
Rate:
0.92
1. 4 名前が無い程度の能力 ■2009/05/14 15:11:43
なんかごった煮って感じですね
ってショートショートなんだから当たり前かw
2. 4 リペヤー ■2009/05/15 08:18:26
良くも悪くも普通なお話でした。
幽香が良い!
3. 2 パレット ■2009/05/18 00:21:01
それぞれまったり楽しませていただきました。最後のが一番好き。
4. 6 神鋼 ■2009/05/19 00:19:19
うーん、ショートショートでやるなら各話でもう少し締まりがほしかったです。でも並びや数の見せ方はお見事!
5. 3 As ■2009/05/24 12:09:23
短めの文章がさらに8つに章分けされているので、一つ一つが単純に色のことを話題にした程度にしか
感じられなかったのが残念です。
6. 2 気の所為 ■2009/05/31 21:41:44
こういう短編は息抜きとして重宝します。
キャラが多くて賑やかなのはいいことだ。
7. 7 佐藤厚志 ■2009/06/01 00:53:58
アンデルセンの寓話のように、色鮮やかな物語で御座いました。
まるで弁当箱。そこには、いろんなおかずが入っている。
8. 4 三文字 ■2009/06/03 00:33:01
虹の色になぞらえての日常系ショートショートですか。
まあ、箸休めとして気軽に読めました。
9. 6 読人 ■2009/06/07 03:31:35
ほのぼのとした雰囲気が良かったです。
レミリアとパチュリーの話はニヤニヤしてしまいました。
ただ、虹色の順番に進む物語は面白かったのですが、最後オチで何か意外性のある仕掛けでもあると良かったように思いました。
10. 5 有文 ■2009/06/08 01:31:22
なかなか楽しげで宜しかったです。ショートショートらしくて良いですね。うんクトゥルフの呼び声ネタが入ってるとは思わなかったけど
11. 2 ふじむらりゅう ■2009/06/11 23:04:20
 うーん。
 よくわかんないのもありましたね。紫の鏡とかは、主に誰が喋ってるのかわかりづらかった。
 橙神楽は知らなかった。こういうのは一発目でピンと来ないとわかりづらい。うまい! とも言えないし。
12. 4 上泉 涼 ■2009/06/12 02:04:07
虹色な幻想郷。2と3の意味がちょっと分かりませんでした。
13. 3 ぴぃ ■2009/06/12 03:23:59
赤から紫、そして虹までと八色のショートショート、ご馳走様です。
欲を言うなら一つ一つのお話に、さらなるキレがほしかったかも?
14. 3 リコーダー ■2009/06/12 11:20:31
恥ずかしながら意味が分からなかった:3(単に徹夜明けで頭が逝ってるようにしか),6(ひょっとしてエロい話?),8(FF8にアフローラ・パブって名前の酒場があって、由来は「オーロラが見える位まで飲んで朦朧としようぜ」だったかな)
そんなに怖くなかった:4,7
そんなに意表を突かれなかった:1,2,5
残念ながら見所がなかった……
15. 1 八重結界 ■2009/06/12 17:00:55
いまいち面白さが伝わってきませんでした。
16. 4 どうたく ■2009/06/12 17:48:35
 良い所
 ティータイムにお一ついかが? まさにそんな雰囲気をかもし出している作品集だったと思います。
 リラックスして読めました

 改善点?
 ただ、突っ込めるところがない。これがショートショートの運命だと思います……。
17. 3 moki ■2009/06/12 19:16:54
ほんわかしてていいですね。ところで後書きはどういうことでしょう?
18. フリーレス ハバネロ ■2009/06/12 22:26:13
これといった感想が浮かびません
19. 3 時計屋 ■2009/06/12 22:29:26
 大作ぞろいのこんぺですが、こういうショートショートもいいですね。
 ただちょっとネタが分かりづらかった。
20. 2 つくし ■2009/06/12 22:58:03
申し訳ありません、時間が差し迫っているため、採点のみにて、感想本文は後ほど改めて。
21. 4 K.M ■2009/06/12 23:25:56
赤橙黄緑青藍紫+虹で8話。なるほどなるほど。
22. 6 渦巻 ■2009/06/12 23:35:33
所謂からめ手な作品、簡潔で面白かったです
ただどうしても物足りないと感じてしまう、それが冗長になってしまうのは承知の上なのですが
23. 3 つくね ■2009/06/12 23:48:05
個々の短編ごとに読んでいて面白くはありましたが、オチが分からないのも多くあり、上手く使い切れていない感じがしました。
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