空に解けていく色

作品集: 最新 投稿日時: 2009/05/09 21:01:12 更新日時: 2009/05/09 21:01:12 評価: 21/22 POINT: 120 Rate: 1.32
〜プロローグ 綺麗な色は何ですか?〜





「綺麗な色、が欲しいんです」





 そう言われたのは今から少し前の事だった。
 人里に食料を買出しに出かけたときのこと。
 その日は真っ赤な太陽が燦々と輝く日本晴れ。空も青々と透き通るように輝いていた。
 そんな日は億劫な事に出会うものである、とその時の霊夢は少しだけ空の眩しさに顔を顰めていて傍から見ても嫌だという感情が色に出ていて解りやすかった。
「雨が降ってるよりはましだけど」
 日差しで肌が小麦色に焼けるのは勘弁してもらいたい。
 まだそういう時期でもないけれどこうも眩しいとだれてしまう。
 新しい木目色の椅子に腰掛けながら霊夢は天を睨みつけていた。
 場所は人里の茶屋。買い物の合間の休憩中だ。霊夢のとなりには三色団子、手には黄土色の湯呑み。微かに湯気がたっていて温かいお茶が残っているのだとすぐにわかる。
 いつもの紅白衣装、赤いリボンを揺らしながら黒髪を少しだけ汗で湿らせて。
 そこに博麗霊夢は存在していた。ハッキリとした紅白色は店先においても微かに人の目を引く。
 尤も、霊夢が人々の意識を萃めるのはものめずらしさと畏怖も存在しているのかもしれない。
 妖怪と付き合いがあること事態はそう珍しくも無いけれど、その実力と危険度が問題といえば問題だった。
 吸血鬼を筆頭に数多の強力な妖怪と仲良くする様は人でありながら人で無くなった、と人々が認識するに十分でもある。霊夢自身は周囲の事を気にしていない。個人主義と言ってしまえばそれまでかもしれないけれど霊夢にとっては周囲の評価は意味は無く自分の感じ方が重要なのだ。
 だから周囲の妖怪の実力も気にはしていない。要は話しやすいかどうかだ。だから近づいてこない人は気にしないし近づいてても面倒になれば追い払う。尤もこの状態はある知り合いに聞けばきっと「妖怪が恐れられるのはいいことね」とでも言うかもしれないけれど。
(……暇ねえ)
 人里にいる人妖と話すこともあるけれど霊夢は用事さえ済んでしまえばすぐに神社に帰ってしまうことも多かった。
 特に理由があるわけでもない。やることが無いから家に戻る――それだけだ。
 だけど今日はこの青空の下、なんと無しに甘いものを求めてこの店に来た。疲れていたからかただお腹が空いただけか、或いは前にここを亡霊嬢に進められたからか。それは本人にもわからないけれど。
 
「あの、巫女様?」

 そんな時、ふと声をかけられた。
 幼くか細い、弱弱しい声。多少怯えているのか、それとも人見知りしているのか。おっかなびっくりといった表現がぴったり来る声。
 霊夢はその声に心当たりが無くて、でも話しかけられたから少しだけ億劫そうにそちらへと視線を向けた。
 
 ――菫。
 
 年の頃は十だろうか。菫色の花のあしらわれた着物を着て肩よりも僅かに長い髪には菫色のリボン。
 ぱっと見て目を引くその菫色から視線を動かしてみれば目鼻立ちのハッキリとした顔。紅色に色付いた頬は視線が定まらない事もあわせて緊張しているのだろうと感じさせる。
 椅子に腰掛けた霊夢よりも少し高い背丈、その気配は不安に染め上げられていた。
 胸元で小さな手を組み合わせて所在な下げに右往左往。草履を履いた足は膝を中に向けて怯えているかのよう。
「なに?」
 霊夢は相手の様子をたっぷりと観察した後もったいぶって口を開いた。
 どこか落ち着かない少女に声をかけられた、きっと面倒ごとなのでしょうねと感じたからだ。
 出来れば聞かなかったことにしてしまいたいと――そういった意識が表に出ていたのか少女は直に色めき立ちはじめ紅潮していた顔が真っ青に移り変わっていく。
 ちょっと、大丈夫なの。そう思いながらも未だに離れようとしない辺りこの子にも何かあるのだろうと湯飲みを隣に置き躰の角度を変える。
 霊夢の行動に微かに怯えたように少女は身を震わせて視線を顔に向けた。
(……)
 怖いものを見るような、それでも縋る様な様子。
 これは面倒な事だ、と霊夢は確信した。片腕持ち上げ美しい黒髪を乱暴にかき混ぜる。
「っ……」
 霊夢の行動に少しだけ怯えるように少女は躰を震わせ、けれどももう一度まっすぐに顔を持ち上げた。
 そこに怯えの色はもう無い。へえ、と霊夢は小さく感心して息を吐き出した。
「あの、巫女様。巫女様ってお強いんでしょう」
 紡がれた言葉に霊夢は少しだけ苦笑して。
「それなりじゃない? まあ、悪い奴は懲らしめるけど」
「それじゃあいろいろな事知ってるんですよね」
 ここまで来て霊夢は少しだけ首を傾げた。
 はて、知識役なら人里にもっと適任がいるはずである。
 それなのになんぜ自分に知識の話が来るのか、面倒だと思ったりしてしまう。
 だったら暇そうだからなんだろうか。だとすればいい気分はしない。
「そういうのは慧音に言えばいいじゃない」
「ううん、慧音先生じゃ駄目なの、なんです」
「なんでよ」
 少しだけ無愛想な言葉に菫色の少女は怒られたかのように肩を竦めた。
 これは少しやりにくいわね、と霊夢は息を吐き出し少女の気色をうかがった。
 少女はまだ何かを頼む事を諦めていないようで意を決したように一度大きくなづいて顔を上げてくる。そこにはどこか維持のような感情が感じられるように霊夢は思えた。
「あの、私っ! その、一番綺麗な色が欲しい、です」
「一番綺麗な色?」
「う、うん」
 訝しげに質問しなおした霊夢に菫色の少女は少しだけ言葉を詰まらせながら答えた。
 はい、その言葉の通りに考えれば色が欲しい、という事。まったく直球だ。
 そっと腕を組んでその言葉の意味を考えるようにして霊夢は疑問点を零す。
「色って、何でもいいの?」
「うん、世界で一番綺麗な色の物」
 これはますます困ったぞ、と顔を顰めて眉根を寄せる。
 世界で一番綺麗な色、なんて霊夢にはとんと思いつかない。赤、青、黄、桜色などなど。
 世界にはそれこそ溢れるように色がある、世界は色づいている。色なんて無限に近く存在し、そこに優劣は存在していないとしか霊夢には思えない。
 だけど。
「……」
「……」
 まっすぐに自分を見つめてくる少女の期待が色濃く出ている視線に霊夢は少しだけ居た堪れなさを感じた。
 何らかの事情があって――たとえそれがどんなものであれ――私を頼ろうとしたのだ。
 
(……まっ、たまにはいっか)

「それで、何で私?」
 尤もな疑問点、けれど聞いておきたくて口を開いて。
「それは新聞で妖怪をばったばったとなぎ倒し地下までやっつけた巫女様だって」
「……あの馬鹿ね」
 ぎゅ、と手を握り締めながら霊夢は苛立たしげに声を漏らした。
「ふぇ!?」
「ああ、こっちの話よ」
 今度犯人をとっちめてやろうと気負った所で少女が微かに怯えた。慌てて霊夢は取り繕って。
「まあ、綺麗な色持って来ればいいのね」
「う、うん……巫女様が、決めた綺麗な色」

「はいはい、期待しないで待ってなさい」

「うん!」

 そういって頭を撫でて微笑んでみれば菫色の少女はとっても嬉しそうに顔を綻ばせて喜色満面に笑った。
 
 
 
 
 
〜ステージ1、隙間を彩る紫衣〜





 人里側の森の中、霊夢は木々の合間を縫うように飛んでいた。
 鬱蒼と生い茂った木々の合間を飛ぶのにはそれなりに理由がある。
 何故だか知らないけれど森の上を妖精が飛びまわっているのだ。暴れまわってるといってもいい。
 お陰で幾重にも弾幕を展開されて無意味な戦闘に巻き込まれてしまったりもした。
 これは面倒だと霊夢は途中で森の中を通る事を選択したのだ。
 碧色の世界の中を低空飛行。飛び交う弾幕を身を翻しながら回避していればその先は木漏れ日が光の柱となって全てが流れている。明るい明色鮮やかな世界、開けた森の中央に陰鬱と輝く光があった。
 暗紫色に輝くそれはゆっくりと斜めに世界へ亀裂を入れる。
 
「鬼さん鬼さん、そんなに急いでどこに行くのかしら?」

 亀裂から響く声は妖艶そのものでその場に響く何もかもをどこかへ誘う怪しさがある。
 霊夢は思わずその場に浮かび止って、それを見た。手には針を持ちその隙間へと視線を向けて。
「生憎ながら人違いね。私は人よ」
 隙間は中央から大きく開いて人の通れる隙間を作る。広がす暗紫色は周囲の明色を喰らいつくしその内側には滅紫。
 世界を大きく紫に支配しながらその中で謎の瞳が無限に開き続ける。
 
「あら。人違いではありませんわ。あなたは探し物をしているのでしょう。かくれんぼの 探す側 は鬼ですわ」

 ぬるり、そう表現するのが一番だろう。
 透き通るような白、魔性の白。色香漂うその姿を隙間から這い出させながらその容色のよさにはおそらくその全てが目を引かれることだろう。
 躰を乗り出すために開かれた隙間の中央には京紫。広がるぞっとさせる怪しさとは違いそこは美しく典雅。
「人探しは受け付けてないわよ」
 霊夢はそんな中ただ平然と言葉を返した。
 紫の色合いによる暗色の広がりと原色の厳しさに、けれど霊夢は何も思うことは無いようだった。
「あら。探していると聞いたわ。人探しをしている巫女がいると」
 現れた紫色はとうとうその全身を表に出し、隙間に腰掛けるようにして傘をさした。
 隙間の妖怪――八雲紫は愉色を携え霊夢の顔を見つめていた。
 風が吹いて木の葉が舞う。外の世界とは色の違う世界。ああ面倒だ、と霊夢は一つため息を零し。
「人と物は違うわよ。少なくともあんたはお呼びじゃないわ」
 色濃い紫色のドレスに身を包みながら紫はその言葉にますます笑みを深くした。
 その笑みを浮かべる様は妖艶さもあいまって色女というに相応しい。
「あなたは探し物も知らないのね」
 困ったように微笑み首を傾げて足を組みかえる。
 いつもの通りのわかっているぞという態度に霊夢の顔は色を損じた。
「むっ。知ってるわよ。一番綺麗な色、よ」
 腕を組んで些か不機嫌そうに吐き捨てる。解っているんだ、というように。
 もう干渉するなと予防線を張るように。
「だから人探し、でしょう?」
「だから違うって」
 さあ、と紫色が世界に広がり視界一杯に染め上げる。
「なら色を調べてみる事ね」
 傘が回り、音を立てる。どこか剣呑な色を帯びた瞳を細めて。
「ああそうね。とりあえず胡散臭い奴から聞きだすとしましょうか」
 霊夢はそっと体制を変えた。
 こうなれば後はやること唯一つ。知ってそうな人妖を片っ端から懲らしめて情報を聞き出すだけ。

 
「あら怖い。鬼には捕まらないようにしないと」

 
 薄らと紫が微笑むと同時に弾幕が世界の色を染め替えた。
 
 
 
 ☆☆
 
 
 
「んで、何でまたそんなのを探そうとしたのよ」

 依頼を受けた後の事、霊夢は菫色の少女に団子を奢りながら詳しい話を聞くことにした。
 多少余計な出費にふてくされながら、けれど霊夢は表面上はおくびにも出さず少女を隣に座らせて話を促していく。
 菫色の少女は霊夢が受諾したからか多少生色を取り戻したようで今は団子をほおばっている。
「んっ、ほひぇは」
「食べてから喋れ」
「ほへんはひゃい……んっ」
 頬一杯に膨らませ血色よくした顔を恥ずかしそうに反らしながら菫色の少女は手で口元を隠して飲み込んで。
 そんな様子を見ながら霊夢はなんでもない事を考えていた。視線は天色を確かめるように見上げている。風はそよ風、白の少ない水色。風雲の気色は乱れ違うことなく一定で。なんと平和なのかと思わず気が抜けるよう。
 霊夢のその感じ方を理解したのか菫色の少女も団子をお茶で強引に嚥下しながら空を見上げる
 
 透き通るような色、見るだけで爽やかな気持ちにさせてくれる空。
 
 空は薄水色、何もかもが解けてしまいそう。
 そんなことを思っていると菫色の少女は視線を感じて顔を少しだけ横に向けて。
 こちらをじっと見つめる霊夢の視線が菫色の少女を射抜いていた。
「空、好きなの?」
 取り留めのない質問にけれど菫色の少女は恥ずかしそうに視線をそらして頬を染める。
「うん……飛べたらいいなあってお友達と話してる」
「そう……」
「うん」
 表面だけを撫でるような会話、けれどどこか憧れを持っているその様子に霊夢は少し戸惑いを覚えてしまった。
 湯飲みを持ち上げ口をつけ、冷えてしまったお茶を喉に流し込みながら考える。
 空を飛ぶことは難しい事ではない。何事にも縛られない霊夢はそれを苦にしない。
 だから空を飛ぶ気持ちよさは良く知っている。魔理沙のように風をきって飛んだりはしないけれどふわふわと浮かぶように風に流される感覚は知っている。
「あの子、いつもいってる。巫女様みたいに飛びたいって」
「……私?」
 空から手元へと視線を移しながら菫色の少女は囁くように告げる。
 その言葉に少し驚いたように博麗霊夢は肩を竦めた。
「巫女様の真似してるんだよ。いっつも同じ」
「見たことないわね」
 うつむいたまま少しだけ力のない声で菫色の少女は言葉を続けていく。
 そんな子がいたなんて霊夢には想像つかなかった。
 人里にあまり来ていないけれど好かれているとも考えていなかったしそういう少女も見たことはない。
 だから意外だった。でも、それだけ。
「その子と綺麗な色の話になって。巫女様なら探せるって言うから」
「そういうことね」
 だから慧音じゃなくてこっちに来たのか、と納得して疲れたように背中を丸めた。
 菫色の少女は申し訳なさそうに霊夢を見つめながら口を開く。子供の精一杯を使って色を正し向き直って。
「それで、巫女様にお願いしようって……」
「はいはい」
「……ごめんなさい」

「別にいいわよ。暇を見つけて探しておくから」

 そういって霊夢は微笑んだ。
 
 
 
 ☆☆
 
 
 
「うーん、やられちゃったわ」

 紫の世界も収束し、その中央で紫が痛む頭を抑えて悔しがる。
 周囲に展開されていた弾幕は決着を見るとみるみるうちに収束してその存在を消してしまって。
 霊夢はそんな紫の泣き顔を見つめながら愉快そうに声色高く宣言した。
「私の勝ちね。さあ、きりきり一番の色を教えなさい」
 腕組み朗らかに神色明るく紫に詰め寄った。

「そうねえ。紫色、なんてどうかしら」

「なんで?」

「八雲 紫 だけに」


「……胡散臭いだけで頼りにならないわね。他いこっと」

 

 
 
〜ステージ2、狂気を見せる赤玉〜





 竹林の側、青々と茂る竹の間を飛んでいた。
 特にここに来た理由などはないのだけれど先ほどよりもやや色深いそこを霊夢は飛んでいた。
 神社に帰るわけでもなく、かといってどこに向かうでもない。けれどもここに向かうべきだと霊夢はそのとき認識していた。
 そうすることが何かいいんじゃないかという、所謂勘である。
 自分でもハッキリとした理由を持たない最中、けれどどこか自信一杯に竹林を縫っていく。
 そうしていれば天色もよく確かめられない空間で霊夢はふと視界がゆらゆらと陽炎のように揺らめくのを感じ、思わず躰を身構えさせる。

「やばいやばい、遅刻じゃない!」

 大きな碧色の手鞄を片手に、金色で縁取られた懐中時計を確認しながら駆け抜ける兎が一羽。
 ぴょんぴょんと目の前を通り過ぎようというのだからこれ幸い、と霊夢は目の前に針と一つ投擲して。
「ひえっ!」
 流石に兎もこれは危ないとふってわいた人災に色を失い足を止める。
「ちょっと、危ないじゃないですか!」
 当然の事ながら足を止めた月の兎――鈴仙・優曇華院・イナバは溶岩のように煮えたぎる怒りそのままに瞳だけでなく頬を真っ赤に染め上げて襲撃者に色を行して講義した。
 耳をゆらゆらと揺らめかせながらきっ、と紅色の瞳を細めて向き合って。
 そこには静かに佇む悪びれた様子一つ無い紅白の巫女が一人、神色自若たる様でこちらを見つめていた。
 鈴仙もその襲撃者に少しだけ面食らった様子を見せるがすぐさま再び色然として近づいていく。
「あ、あのねえ! いきなり鼻先にはり投げるってどういう神経してるのよ! 大体今から人里で薬売らなくちゃいけないのに!」
 激昂し怒りに飲み込まれた鈴仙を前に霊夢はどこ吹く風。
 涼しい顔で微笑んで笑いながら。そっと手を伸ばし落ち着かせるように鈴仙の肩に手を乗せる。
「そんな事はどうでもいいわ。とりあえず、あんたの一番の色を教えなさい」
 尊大に浮かびながらそういう霊夢に少し鈴仙は気勢を殺がれた様に肩を竦めて距離を離す。
 竹林の合間を縫って動きやすい位置まで移動をして。
「色? 何でそんなの探してるのよ」
「探したいからよ。私は鬼らしいから」
 霊夢の困ったように言う表現に少し不思議そうに鈴仙は首を傾げ、次に不思議そうに指先を頬に当てた。
 霊夢はそんな動きを特に興味なさそうに見つめながら相手の答えを待つ。
 髪を風になびかせ、乱れる髪を手で押さえて。
「……まあ、いいわ」
 剣呑な鋭さを含んだ鈴仙の言葉が竹林に木霊した。
 竹林の緑が赤く染まっていく。狂気の瞳、その力に霊夢の視界が支配されているのだ。
 赤、赤々。
 竹林に色付いて行く赤の狂気。ふわりふわりと支配されていく世界の中、竹林が十重二十重にブレを生み出し始めていった。
 色々しく竹林は赤の濃淡だけで表現されてしまう。その中浮かぶ鈴仙は人差し指を突き出して微笑んだ。
「そんなに色が知りたければ赤の世界に招待してあげる」
 鋭く細められた瞳、赤の世界の中でも一際色深い赤。
 霊夢はその赤の世界で弾幕ごっこの姿勢をとった。
「ごめんこうむるわ。これは流石に渡せないしねぇ」


「負けたら遅れた分の御代、払ってもらうからねっ!」


 赤の世界が収束し、ブレと狂気の渦巻くそれを合図に二人は弾幕ごっこを開始した。赤色が世界を染める。



 ☆☆
 
 
 
 紅白の少女はいつもいつも楽しそうだった。

 何時だってお友達として菫色の少女と紅白の少女は遊んでいた。
 蹴鞠、ままごと、お遊戯。
 時には子供達と混じって紙の鳥をどこまで飛ばせるか遊んだりもした。
 紅白の少女は紙の鳥を飛ばすことが得意で近所の男の子にも負けないくらいとても上手だった。
「ねえねえ。どうしてそんなにうまく飛ばせるの」
 菫色の少女は事ある毎にそういう事を紅白の少女に質問しては大いに困らせていた。
 その度に紅白の少女はお決まりの言葉を返すのだ。
「ふわふわ浮かびたいって祈るの。私は何も出来ないけど、代わりにこの子が飛んでって!」
 けれど菫色の少女はそういわれても理解なんて出来ようはずもない。
 だからその度に彼女の折った紙はどうして飛べるのか必死になって調べたりもした。
 結局答えは見つからなかったけれどいつも紅白色の――紅白の少女がよく使う折り紙の色――それがふわりふわりと空に向かって飛んでいくの感心して見上げていた。
 菫色の少女はただそれに感心しっぱなしで紅白の少女を尊敬しているといってもよかったかもしれない。
 二人して投げ合ったときはいつも色とりどりで作る菫色の少女のそれは直に地面に落ちてきた。
「わ、すごーい。お空をくるくる回ってるよ」
 空の彼方に消えてしまいそうに小さくなったそれを見ていっつもはしゃいでいるのは菫色の少女だった。

「でも、あの子もまた落ちてくるよ……」

 時折はしゃぐ菫色の少女の横で小さく紅白の少女は呟いた。
 菫色の少女にはそれがおかしくて、凄いのに何で喜ばないんだろうと不満な事だった。
 紅白の少女はいつも元気でやんちゃなのに、そのときは決まって静かに考え込んでしまうのだ。
 寂しくなった菫色の少女はそれをずうっと眺めている。
 何を考えてるのかわからないけれど、側にいてあげたいと菫色の少女は思ったから。

「早く大人になりたいね」
 
 ある時二人で紙の鳥を飛ばした後、なにをするでもなくぼうっ、としていたとき紅白の少女はそう呟いた。
 膝を抱えて丸まっていた菫色の少女ははっとして顔を上げて紅白の少女を見つめた。
 紅白の少女は切り株の上に腰かけ視線を空の彼方へと固定していた。菫色の少女を見ようともしない。
「なんで?」
 そう問いかけて漸く紅白の少女は視線をはずして菫色の少女を見つめる。
「だって、空を飛べるかもしれないじゃない。ぶーんって」
 真剣な表情をして両手を横に水平に伸ばす。きっと鳥の羽をあらわしているんだろうと菫色の少女は思った。
 紅白の少女はそれが正解だというように両手を大きく羽ばたかせて一度、二度と飛び上がる。
「んしょ、んしょ」
「お空を飛びたいの?」

「うん。綺麗に、お空に綺麗な色で飛んでみたいんだ」

「綺麗な色?」

「そう。一番綺麗な色で飛べたんだよって皆に見せ付けるの」

「慧音先生みたいに?」


「うん、でも……私は少し違うかな」



 ☆☆
 
 
 
「あうっ、負けちゃった〜。何で普通に飛べるのよ〜」

 赤の、狂気の世界が鈴仙の手持ちのスペルカードが突破されたのを受けて収束し消えていく。
 ぶれたような世界の中で霊夢は出も静かにそこに存在していた。
 あるのにない、トリッキーな弾幕の中でもただ平然と浮かび、飛び続けた。
「赤いからってパターンはあるのね」
 流石に手持ちが少なかったとは言えこうも完璧に負けるとは、と悔しそうに鈴仙は耳を折り曲げて落ち込んだ。
「狂気をパターン化しないでよ」

「そんなことより一番綺麗な色、教えなさい」

「……綺麗な色ねえ。私はまじりっけのない赤が綺麗だと思うけど」

「赤色ね。うん、もう行っていいわよ」


「ああ、大遅刻だあ」
 
 
 
 
 
〜ステージ3、断罪は法の緑園にて〜





 暗く澱んだ夜色の世界、紫色の桜咲き誇る無縁塚、そこに映姫は佇んでいた。
 はらはら、はらはらと涙を流すように舞い散る紫の桜の花弁を見て気色覚えるものは少なくない。
 悲しいのだ。
 それは散り行く儚さであり全てが朧の中に包み込まれてしまうかのよう。
 このたゆたう世界の景色は怪しく幽雅である。映姫はそっと手を伸ばしてその桜の幹に触れてみた。
 とくん、とくん。
 鼓動が聞こえてくるような錯覚を覚えて映姫はそっと瞳を閉じた。閉じてもなお桜の色づく様が瞼に焼きつき浮かび上がってくる。
 さてはここに毒されているんじゃないかと思ってみるが余り意味はない。色めき輝く紫の桜の中で映姫は小さく息を吐き出した。不心得者の気配がする――。
 
「ああ、もう。ここはなんだかしんみりするから嫌いなのよ」

「それを感じられるのはよいことですが、それを受け入れて善行を積み行く事が出来なければ片手おちですよ」

 悔悟の棒で口元を隠しながら映姫は表れた紅白を見つめた。
 髪は烏の濡れ羽色、いつも通りの紅白の巫女服に身を包んだ博麗霊夢。
「ああ、映姫。探したわ」
 少し遅れて映姫を見つけたのだろう、この場には些か似つかわしくない朗らかさで霊夢は口を開いた。
 特にこれといって色を作っていないのだけれどその自由さは映姫の目を引くのに十分だった。
 風が吹く中霊夢も地面に降り立ち紫の桜の木に触れようとして。
「あなたに探されるのは光栄ですね。善行を積んでいますか?」
 指先が幹に触れ、欠けるように剥がれ落ちる木の皮を少しだけ払い落とす。こげ茶色の幹の中に剥がれ落ちた所が明るく輝いていた。
「色の中に色ねえ。映姫、綺麗な色って知ってる?」
 感心したような呟きを聞いて映姫は少しだけ肩を竦めて向き合った。見てみればハッキリと書けた場所がある。瑞々しく色付いた箇所、其処だけがこの無縁塚の中で生色を取り戻しているかのようだ。
 ああ、彼女は誘っているのか。それともそんなことも気にしていないだけなのか。
「――気色賜りました」
「なにそれ」
「ただし、ただというわけにはいきません」
 そっと浮かび上がり桜の上へ。
 霊夢も送れて浮かび上がり桜の上の自由な空間に出た。
 両者向き合うと映姫は薄らと微笑んで霊夢を見つめる。

「心内にあれば色外にあらわれる」
 
 スペルカード展開、相変わらずの行動に霊夢はなれた顔でここに来るまでに溜めておいた霊撃を用意した。
 
「色を捜し求めるのならば空を知りなさい。であれば貴女は色を知ることが出来るでしょう」
 
「鬼さんこちら。って言わないの?」
 今までとは違う真面目な行動に霊夢は少し驚きながらも針を構えて。


「私が裁く側です。白黒ハッキリと、あなたの心の色を裁かせてもらいます!」


 さあ。と世界が緊張で支配される。厳格な気配の中、裁きの光が世界を真っ白に染め上げて――。


 
 ☆☆
 
 
 
 慧音の授業が終わって二人は帰宅の徒についていた。
「今日のお話は難しかったね」
「そうだね。寝ちゃってた子多かったから慧音先生の頭突きが大爆発してたよね」
 今日の授業は歴史の授業。妖怪学を学ばせてくれた。
 教科書は幻想郷縁起の写本、最近稗田家が更新した最新版を使って多くの人妖について学ぶ時間だった。
 この授業は子供達に危機感を教えるものだったけれど、同時に子供達の奔放さと戦う授業でもある。危機感なんて教えてもどうせ理解しないわよ、というのは今代の巫女のお言葉である。
 慧音もそれをを理解してるのか四苦八苦しながらもせめて危険度の高い妖怪には気をつけるように教えていた。
 
 この授業は昔から行われているが紅白の少女は苦手らしくよく寝ていたのだ。慧音先生の愛の頭突きをよく貰っている生徒にも数えられている。
 けれども今日は。
「そういえば今日は居眠りしなかったね」
「うん。今日はね」
 まったく眠る気配がしていなかった。寧ろやる気に溢れていたといってもいい。
 瞳を爛々と輝かせて慧音の実体験を交えた苦労話をよく聞き入っていたものだ。
 慧音もその真面目さには感心したのか授業終了後、個人的に褒められたりもしたのだけど。
「今日はなんだっけ」
「幻想郷縁起百十二頁」
「ええと……」
 まったく澱みのない答えに慌てて菫色の少女は幻想郷縁起を開いてその項目を探してみた。
 
 実は菫色の少女は紙の鳥をどうやって長く飛ばすのかを考えて聞いていなかった。
 だからとっさに授業内容が話せずにこうして調べているのだけど。
「あ、あった。」
 ぱらぱらとたどたどしい手つきで頁をめくっていけばやがてその場所にたどり着く。英雄伝、最初の人。
「ああ、巫女様かあ」
「うん。本当はそのちょっと残ってた前の人の話からだったんだけど」
 そういえば最初は違う話だったなあと菫色の少女は首をかしげながら納得する。
 確か閻魔様の話だ。舌を引っこ抜かれるとか色々話があって酷く恐ろしいと思った記憶があるから覚えている。
 でも。
「巫女様って、あんまり見ないよね」
「……うん」
 確かに人里では巫女を見ることはあまりない。
 用事がなければあまり出歩かないからだとか、サボっているのだとか、色々話は聞こえてくる。
 けれども菫色の少女にとってはあまり馴染みのない人間でもあった。
「巫女様、好きなの?」
「うん。好き」
 だからあまり見ない巫女を紅白の少女が見初めているというのには素直に驚いたりもしたものだ。
「へえ、どうして?」
 菫色の少女は少しの好奇心でそれを聞いてみた。

「なんかね。前綺麗なお空にふわふわ浮いててね、気持ちよさそうだったの。それで、あーいいなあって。妖怪もぎったんぎったんやっつけちゃったし」

「そうなんだー」

「うん。赤と白の服でふわふわ浮いててね、お空に解けてしまいそうだけどハッキリと見えてて。なんだかすっごくいいなあって思ったんだ。だから、お母さんに無茶言って赤と白の服着てるんだよ」

 菫色の少女はその純粋な思いにただただ感心するのみだった。これが紅白の少女が己の憧れを吐露した初めての瞬間だった。
 
 
 
 ☆☆
 
 
 
「うーん。ここまでですね」

 薄らと涙を滲ませながら突破されたスペルカードの残骸を見つめて映姫は一人呟いた。
 目の前には肩で息をしている霊夢。多少疲れているようだけどまだまだ元気というように胸を張って微笑んだ。
「お咎めなし、でいいのよね。さあ綺麗な色をいってもらいましょうか」

「綺麗な色なんて、白黒ハッキリつけるという意味ではこの二色ですね。ああでも、緑は良い色だと思いませんか?」

「また違う色が出た。これは他の奴から聞き出さないと駄目ね」

「では少しヒントを差し上げましょう。聞いた相手と色をきちんと見て、違う理由を考えればいいのです」

「ふうん。まあ、懲らしめていけば見つかるでしょ」





〜ステージ4、幽雅に舞え、桃源の地で〜





 それは優雅な輝きだった。薄桃色に、薄紫に怪しく輝く蝶の群れ。
 典雅に、幽雅に。暮色の迫り始めた世界を怪しく彩色く。
 儚く死色に満ちた世界は大地が言はぬ色に染め上げられた上でこそ艶やかに輝くようでもあった。
 ついと腕を一振りすれば透き通る輝きをたたえた群れが円を描き緩やかに上下に揺れながら空を舞う。
 一つ、二つ。その中央で踊る影が動く度にその群れは大きく動き輝いて舞う。それは舞のように規則正しく影の指し示す扇の先に集い、或いは緩やかに振るわれる腕の先について動く。
 さあ、と世界の音、生色すらも奪い取ってただその世界を支配するために舞った。
 
 色とりどり、いずれも儚さをたたえる中、桃色の髪をした少女――西行寺幽々子は静かに存在していた。
 
「ああもう、また迷惑なのが」

「あら、大丈夫よ。これは誘ってないわ」
 静かに踊る幽々子に実に迷惑そうな声がかけられる。胸を反らし、黒髪を汗で頬に貼り付けて。
 身なりは少し埃にまみれて汚れていた。袖などにも土が飛び散っている。一目見ただけでどこかで弾幕ごっこをした帰りなのだ、と察する事が出来る。
 其処まで確認して幽々子は丁寧な口調で言葉を紡いだ。死を誘う死色の蝶が弾ける様に順々に外から消えていった。
「どっちにしろ帰り道で踊らないでよ」
 なんとも理不尽な要求、それに楽しそうに幽々子は微笑んでそっと浮き上がる。
「あなたのためにここで待っていたのに」
「私のため?」
 少しだけ上空から夕暮れの空を背景に幽々子を見上げて霊夢は不思議そうに聞き返した。そっとそれに応える様に霊夢の躰へと幽々子が近づいて。既に死の象徴は何もなくなっていた。
「探し物はなんですか? それは貴女ですってね」
 そっと両手の先が伸びていき霊夢の肩に触れる。巫女服の隙間、露出した肩。指先で軽く其処を押し込むようにして形を確かめるように撫でる。冷たい温もりがそっと其処から霊夢に伝わり交じり合っていった。
 霊夢はその感覚に思わずぞくりと躰を震わせた。腕を伸ばせば届く距離、指先がそっと背中のほうへと伸びて手の平が包み込むようにして。
 どちらともなく小さく声が漏れた。
「私は私よりも色を探してるんだけど」
 近くで見た幽々子ははっきり言って美麗だった。儚い感じの色女、といってもいいかもしれない。
 流石にこれ以上と思い見つめていれば視界一色に桃色が広がって。
 まとまった髪が視界にかかるほどに近づいてくる。手の平は霊夢の肩を包み込むように撫でて、肘を折りたたんで躰を寄り添わせるように。
 そっと衣服を通して伝わる温もりは温かかった。先ほどまでの冷たさはもう其処にはなく、ただ二人だけの熱がある。

「色、捕まえた」

 肩を手の平が滑り落ち、脇を通って背中側へと伸びていく。霊夢は抱きしめられていた。
「捕まえたって、何を?」
 霊夢は少しだけ恥ずかしそうにしながら手を伸ばして幽々子の肩をつかんだ。
 少し力を込めて幽々子を引き剥がすように手を伸ばす。そうしてみれば思ったよりも簡単に幽々子は霊夢から離れてしまった。
 
「あらら。色が逃げちゃった」

「だから、私色じゃないし」
 少しだけ距離をとって幽々子を見つめた。流れるように幽々子は離された姿勢のままで後方へと流れていく。
 泳いでいるようでも、流されているようでもある。
「色じゃないなんて、貴女色でしょ。私も色だけど」
 ある程度、弾幕を展開するに十分な距離を離れて漸く幽々子が止まる。
 扇を開き踊るように。展開される死色の蝶。
 
「ああもう、色ってなんなのよ」

「色は色々あるわよ」

「勝ったら一番の色、言って貰うわよ!」


「ふふ、少しだけ誘ってあげる」


 ぽう、と明るく輝き死色の蝶は天色を染め上げて輝いた。
 
 
 
 ☆☆
 
 
 
「だからー! 私は飛ぶの!」
 
 大きな怒号が空き地に響き渡った。空き地に確認できるのは二人。紅白の少女と菫色の少女。
 紅白の少女が高い所にたって下から見上げている菫色の少女に怒号を浴びせている。
 菫色の少女は困ったように憂色を浮かべて必死に手を伸ばしていた。
「でも、でも! 私達は飛べないよぉ」
 必死に必死に止めていた。
 紅白の少女は巫女様みたいに飛べるって信じてる。紙の鳥を飛ばすように飛べるって信じてる。
 だから、今日この時にこの場所で飛ぼうと決意した。
 菫色の少女にはきっといつかこうなるかもしれないと言う予感があった。
 だから慌てて、必至にそれを推しとどめている。
 勿論高い場所といっても命を捨てるような高さではない。
 しかし、それでも不安なのだ。
 
「飛べるよ! 空に解けていくんだ! すうっと空に消えていく」

 それがこうなってからの少女の願いだった。
 ただ空に消えていってしまいたい。いや、もっともっと。
 
 ――そう。空に浮かび、無限に広がる空の中でそれでも綺麗に輝いていた巫女様の様に空に溶け込んで、けれど空を自分の色にしたい。

 ――綺麗な綺麗な色。透き通るような空の中で、けれどはっきりと生きてみたい。

 ――紅白の巫女様のように綺麗に綺麗に生きてみたい。
 
 ――広い空の中で、一番の色で輝いてみたい!
 
 これが霊夢の姿を見た紅白の少女の願いだった。
 確固たる意思で空を飛んでみたい。巫女様のようになってみたい。
 
「だけど、駄目、だよっ!」
 
 菫色の少女は思わず手を伸ばした。馬鹿みたいなことをやめさせるために。
 紅白の少女はその幼い願いを成就するために踏み出そうとする。
 
 飛ぶ、止める。
 
 二人の思いが交差するように一瞬世界から二人以外の色が消えた。
 

 ――瞬間の行動は菫色の少女に軍配が上がった。
 跳ぼうとした足を押さえ、抱きつくようにして動きを封じた。



 ☆☆
 
 
 
「あらら。これまでね〜」

 幽々子は展開していた扇をけして困ったようにその場に浮いた。
 霊夢はその向こうでさっきよりも疲れたように肩で息をしている。
「とりあえず、これで勝ちね」
 余裕を見せるように微笑んで霊夢は幽々子を見つめた。
 買った以上勝利の報酬を貰わなければならない。常に余裕あれ、だ。

「色については私は薄桃色かしらね」

「本当、一番の色は被らないわね」

「被ったら怖いわよ」

「そういうもの?」

「そういうものよ」





〜ステージ5、文色見えぬ黒世界〜





「れ〜いむさんっ♪」
「きゃあ!?」

 少しだけ夜色の色が濃くなり始めた世界、空を飛んで神社に向かっていれば後ろから凄い勢いで衝突されてしまった。
 霊夢はとっさの事に目を白黒させながらも対応し、その衝撃を受け止めて。
 耳朶にふうっ、と温かな風が吹きかかった。ぞくりと駆け巡る何かに背筋を続々と震わせて見れば音が遅れてやってくる。
「なんだか楽しそうなこと、やってるらしいじゃないですか」
「文っ!?」
「はい♪ 清く正しい射命丸文ですよ」
 ぬうっ、と伸びてきた腕が霊夢の前に回され後ろから抱きしめられた。
 背中には柔らかな躰、温もりが伝わってくる。伸びた手は抱きしめるように胸の前で交差し組み合わされる。
 お陰で霊夢は少し身動き取れなくなった。
 甘えるように躰を摺り寄せる。
「ああもう、鬱陶しい」
「まったく、楽しい事やるならいつでも呼んで下さいって……言ったでしょ?」
 お互いに烏の濡れ羽色のごとくしっとりとした髪を混ぜ合わせるように、射命丸文は頭の上に顎を乗せてのしかかる。
 リボンが崩れるでしょう、と言いたくもあったけれど変に騒ぎ立てては揚げ足を取られるだけと解っているのであえての黙秘。それ位の機微は聞くほどの付き合いはあるのだ。
「あんたがいなかったんでしょ」
 霊夢は少しだけ突き放すようにそうして言葉を紡いで微笑んで。
 文は少し不満そうに頬を膨らませてますます密着する
「いなかったですけど、呼んでくれたらきますって」
 甘えるような声色、背中に圧し掛かり抱っこしてもらうように。赤ん坊のようだ、とも思う。
 馴れ馴れしく寄り添いもたれ掛かる。
「来なくていいってば」
「またまた〜。地下だって一緒に潜った中じゃないですか」
 ほらほら、と霊夢の頬を指先で押し込むように弄っていって。
「あんたは通信だけじゃない」
「あら酷い。折角の共同作業したと言うのに」
「あんな速い動きは面倒なのよ」
「人間って不便ですねえ」
 ごろごろ、とでも言うように文はそっと寄り添い抱きしめて。
 交じり合う熱が一つとなって二人の間に溶けてゆく。しばらくの間どちらも動こうとせずにお互いを感じて、時折躰を動かせば布の擦れる音。平静にしながらも息が毀れて静がな静寂が訪れる。
 
「――ああ、そうだ。あんたは」
「色のことですね」
 
 折角だから、と霊夢は抱きつかれたまま聞いてみようと口を開いて。けれど直に言いたかった事を重ねられて所在無げに二度、唇を開閉した。
「知ってたんだ?」
「勿論。この幻想郷で一番貴女の事を知ってるのは私だから」
「こらこら。何時の間に進化してるのよ」
「だから聞きますけど面倒じゃないんですか?」
「面倒に決まってるわ」
「でも、調べてるんですね。私抜きで」
「そうね」
 少しだけ苦笑して霊夢は躰を翻した。いい加減拘束を解いてしまおうと。
 そうしてみれば思いのほか簡単に拘束はほどけてしまう。
 
「水色なんて良いと思いませんか? 晴天、晴れっぽくて。そんな日に飛び回るのは幸せですし」
「あんたの幸福論は聞いてないわよ」
「では今度二人で天色の良い日に空のデートでも」
「デート? 取材の間違いでしょ」
「そうとも言いますね」

 あっけらかんと言い切ってからからと笑う。そんな様子が少しだけ好ましくて霊夢も苦笑した。
 生色に翳る所なく文は微笑み、霊夢は迷惑そうに肩を竦めた。
「色というのは空ですよ。だから空でも飛べば解ります」
「あんたの速さに付き合うのはもう御免だわ」
 困ったように霊夢は肩を竦めて霊撃を構える。それが解っていたのか文も用意しておいたスペルカードを取り出して少しだけ侮るように笑った。


「これほど色深く思ってもこうなるとは。これは勝ったら取材旅行決定です!」
「それだけは御免だわ。とりあえず、答えを教えてもらうわよ!」



 ☆☆
 
 
 
 ――結果として、私は間違っていない。
 
 菫色の少女はそれだけが頼りだった。
 唯一無二の親友と言っても良い紅白の少女、それを助けるために彼女のやりたいことを制限した。
 後から考えたら自業自得だとか自分勝手なんだとか考えてしまえるけれど。
 あの時だけはただただ紅白の少女を助けることが出来た事が嬉しかった。
 
 ――でも、あれから紅白の少女とは言葉を交わしていない。
 
 ――間違ったことはしていない、でも、紅白の少女は怒ってる。
 
 ――だけど、だけど。間違ってない。
 
 ――でも、でも。嫌われた?
 
 あれからも一緒に行動することはあるけれど言葉は交わしていない。
 菫色の少女が話しかけても頬を膨らませて視線をそらす。
 他愛の無い喧嘩、だけど菫色の少女にはどうすればいいのか解らない。

 謝る?
 それは出来ない。間違ったことはしていないもの。
 それに謝っちゃうと紅白の少女がまた無茶をしようとする。
 空を、空を飛ぼうとする。
 
 空に解けていってしまう。消えていってしまう。空になってしまう。
 
 紅白の少女を失うことだけは許されなかった。
 そんな時、困っている菫色の少女は少しだけ人里から離れた位置に来た。
 一人。
 
 それを見計らっていたかのように目の前に黒い烏が舞い降りてきた。
 
「これこれ、其処のお嬢さん。お悩みですか?」
「……」
「あやややや。これは重症ですね」

 そういって黒い人はそっと目の前にしゃがみこんだ。瞳が重なり合う。
「お悩み、ですよね?」
「……うん」

 楽しそうにメモを取りながら、でもその黒い人はやさしく聞いてくれた。
 紅白の少女とは仲がよかったこと、飛ぼうとした事――それを止めたこと。
 其処まで話して黒い人は少し困ったようにペンで頭をかいた。
「うーん、とりあえず、霊夢さんに憧れてるんですよね。じゃあ霊夢さん――巫女に頼むといいですよ」
「でも……」
 それはなんだか困ったことになる気がした。
 ささやかな意地と言ってもいい位の小さなもの、それを巫女に全て奪われるような気がしたから。
 だから、軽々に肯定は出来なかった。
「あややー。とりあえずこれを。霊夢さんはこういう異変には強いですから、どんな所からでも一番の色を持ってきてくれますよ」
「一番の、色? 一番綺麗な色……」
「そうです」
 とん、と黒い人は大げさな身振りで両手を広げて誇るように言った。
「それで幻想郷一番の色を用意してお詫びにしちゃえばいいんです」
「でも……」
「大丈夫。その新聞の通り霊夢さんはお強いですから」
 そういって菫色の少女の頭を撫でて黒い人は微笑んだ。

「これを気に真実の文々。新聞をごひいきに」

 その言葉を残して黒い人は瞬く間に消えてしまった。
 
 
 
 ☆☆
 
 
 
「あやややや……子供の行動力、舐めてましたねえ」

 霊夢を追い詰めたものの敗北した文は少し悔しそうにそういった。
「子供の行動力?」
「ああ、こちらの話です。それで、こちらの情報ですが――」


「――つまり、喧嘩して謝りたいからと」
「そういうことですね」
 説明を受けて霊夢は少しだけ納得いったように頷いた。
「それにしても何で一番の色なんて欲しがってるのよ」
「それはあれですね。きっと友達が綺麗な色でって言ってたからじゃないですか」
 小さく霊夢は溜息をついて文に背中を向けた。
「あら、もうお帰りですか?」
「まあね。色についてもなんとなく解ってきたし」

「ああ、なるほど。では明日には、ですね」





〜ステージ6、紅白の君〜





 神社に到達して直、霊夢に声がかけられた。
 始まりと同じ紫の色。
 点が広がり線となり、線が広がり面となる。隙間が広がり紫の世界があふれ出して来る。
 神社を、世界を全て飲み込んでしまうように。
 
「あなたは人に聞いてばかりだけど、あなたの一番の色は何?」

 先ほどとは違い紫のドレスではない――八雲紫。
 
「私の色は、紫よ」

 霊夢は困ったように肩を竦めて薄らと微笑んだ。
 
「さあ。強いて言うなら霊夢色って所かしら。無難に言えば紅白ね」

 そういって応えて見れば紫は楽しそうに口元を振るわせた。
「色は無数に広がりその全てが空に」
「面倒なことね」
 その間にも隙間は広がり周りの色を染めていく。
 色とりどりの空間。それはやがて神社を中心に二色の結界となる。

「二重結界」

 霊夢の結界とは違う結界の重ね。
 紅の結界と、白の結界。

「この色の中で貴女は輝けるかしら」

「同じ色でも私の色は変わらないわよ!」



 ☆☆
 
 
 
 ずっと一人はいやだ。
 
 目の前には黒い鳥の人に渡された新聞。
 正直信じられないようなことが色々書いてあった。
 最後にはこれを書いた人も。
 
「本当かどうかは怪しく、話半分に見るべきである」

 なんて書いてあった。
 けれどもあの人は巫女を頼れって言ってた。
 
 それに、紅白の少女も、巫女様が大好きだった。
 
 だったら何とかしてくれるかもしれない。
 
 紅白の少女も喜んでくれるかもしれない。
 
 そしたらまた一緒に過ごせる。
 
 一緒にいなくちゃ楽しくない。
 
 爽やかな青空の下で楽しくお話しする事だって出来ない。
 
 だったら――。
 
 菫色の少女は勢い欲立ち上がって駆け出した。
 普段は殆ど見かけない幻想郷の巫女。博麗の巫女。
 見つけなくちゃいけない。神社まで行かないといけないかもしれない。
 
 だから駆け出した。駆けて駆けて、全力で走って。
 
 そのとき人里で買い物をする紅白の色を見つけた。
 
 目立つようなおめでたい色、濡れ羽色の綺麗な黒髪。あれが巫女様なんだ。
 
 その巫女様はとても面倒そうに茶屋によってお団子を頼んでいた。
 
 頼む、お願いする。紅白の少女の、私の友達のために一番綺麗な色を見つけてくださいって。
 
 一度深呼吸、二度目も深呼吸。三度目の深呼吸をして漸く心が落ち着いた。
 
 一歩、また一歩と巫女の側へと近づいていく。恐る恐る、おっかなびっくり。
 
 さあ近くまで来たぞ、と一度息を吐き出して。

「あの、巫女様」

「なに?」

 冷たい声に少しだけ身震いをして。けれどここで引くことは出来ない。



「あの、私っ! その、一番綺麗な色が欲しい、です」





〜エンディング、色は空に、空は色に〜





「はい、これ」

 霊夢は今、人里に来ていた。
 目の前には依頼をくれた菫色の少女。それと、紅白の少女。
 菫色の少女はどこか期待するように、紅白の少女は驚きと戸惑いを持って霊夢を見つめている。
 差し出したのは菫色の着物。菫色の少女は少しだけ戸惑ってからそれを受け取った。
「あんたの色って言ったらそれしか思いつかなかったからさ」
「私の色……」
「らしいわよ。色それぞれ、本人の色ならいいわねって。私は紅白、あんたは菫色」
「……」
「いや?」
「……いいえ! でも、その」
 ちらりと紅白の少女を見つめて口ごもる。
 紅白の少女は少しだけ戸惑い、そして期待を込めて霊夢を見つめていた。
 しょうがない、と霊夢は苦笑してもう一つの包みを紅白の少女に差し出して。
 
「私のお古。巫女服だけど」

「っいい、んですか?」
 憧れの服を手に、嬉しそうに少女はそれを胸に抱きしめた。
 となりでは菫色の少女が嬉しそうに微笑んでいる。
「まあね。でもあれよ。私になるのは無理だから、あんたらしく空を飛べるよう頑張んなさい」
「私らしく……」
「って、慧音が言ってた。なんてね。折角いい友達いるんだから、ゆっくりと青空の下生きてけばいいのよ」

「は、はい……」

 霊夢がなんだか気恥ずかしくなって頭をかいていると、紅白の少女が菫色の少女へと向き直って。

「その、あ、ありがと」
「ううん、こっちこそ、ごめんね」

 同時にそういって、二人は笑いあった。
 
 
 
 ☆☆
 
 
 
「なんだか、らしくないことしたわ」

 博麗神社の庭、どこか気恥ずかしそうに其処に降り立つと途端に神社の襖が開いた。
 誰もいないはずなのに、と目を疑っていると楽しそうに微笑んでいる文を筆頭に幽々子、紫、鈴仙、映姫が中からぞろぞろと現れた。
 皆一様にうきうきしている様子で霊夢を見つめていた。
「なによ、あんたら」
 霊夢が呆然と呟くと映姫が困ったように。
「言ってなかったんですか?」
「だって、そりゃあ奇襲して驚かせるほうが楽しいじゃないですか」
 悪びれた様子も無く射命丸文がカメラを片手に笑って答え。
「どうでもいいけど、食べるものあるわよね」
 幽々子は宴会の準備がうまく整っていないことを心配して。
「ていうか、私昨日霊夢と戦った後いきなり襲われてつれて来られたんだけど」
 鈴仙が昨日の惨状を愚痴にして零す。
「大丈夫よ。飲んでいれば宴会好きが集まってくるわ」
 そういって微笑むのは紫。
 
「ちょっと! これ、なによ!?」


「「「「「宴会」」」」」


「はいはーい。私からは黒酒です。ちょっとした黒ゴマ入りですよ」
「ちょっと待ちなさいってっ」
 高らかと文が手に持っていた酒を掲げて。
 理由を問いただす霊夢に幽々子が後ろから楽しそうに声をかけて。
「ほら。いつも異変が終わったら飲むでしょ? でも子供を飲ませるのはどうかとね。ちなみに私は桃の酒。万病を払って飲み続けましょうか」
「あのねえ……」
「まあまあ。慌てたからこんなのしか用意できなかったけれど。赤酒。祝い事に飲むのにちょうどいいでしょ」
 紅いお酒の入った瓶を掲げながら鈴仙もここまできたら、と開き直ったように微笑んだ。
「ちなみに私は地獄の緑酒です。特にいいのが無かったことを少し反省してますが」
 映姫は少し困ったように変哲も無いお酒を掲げて見せた。
 其処まで来て漸く霊夢もあきらめたのか肩を落として息を吐き出した。
「ああもう、なによ。色付きのお酒の話?」
「ええ、ええ」
「あー。そういえば白酒があったわね」
「濁酒ですね」
 
 霊夢がそのお酒をとりに行こうとして、まだ出してない奴がいることを思い出した。
 そっとそちらへと向かい合って口を開き、問いただす。
 
「紫は?」
「えーと」

 手を伸ばし、隙間の中から取り出した大きなお酒を見せながら。
 
「はい。紫いものお酒」

「……まあ、いっか。それじゃ、折角だしのむわよっ!」

「「「「「おー!!」」」」」


 青空の空の下、思い思いに皆が飲み始めていた。
 
 結果としてあまり意味の無い話。何も残らない話。
 
 全てが徒労のような話だけれども。
 
 楽しそうに微笑みながらあまり深くものを考えずに皆は杯を交し合った。
 
 全てに意味の無い中、繋がりがあってその関係の中で楽しく存在しあえている。
 
 
 幻想郷はいつも変わらず、ただそこに存在し続ける。これはそんな日常のお話。
 
 
 
 
 
 
色を色々詰め込んで見ました
神楽
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/05/09 21:01:12
更新日時:
2009/05/09 21:01:12
評価:
21/22
POINT:
120
Rate:
1.32
1. 9 名前が無い程度の能力 ■2009/05/14 17:41:27
霊夢お疲れ。幻想郷にはこんな日常もあるんでしょうね
2. 4 パレット ■2009/05/18 00:33:23
萃夢想や緋想天のような、雰囲気のある小規模異変。
ステージ1かあるいはプロローグ時点で抱いていたオチの予想がまったくと言っていいほど裏切られなかったのはちょっと残念でしたが、文章力と話の構成がそれを補って余りあるものでした。
3. 7 As ■2009/05/24 15:10:59
漢字の誤変換が多く見受けられたのが少し残念かな、と。
萃夢想、緋想天ちっくに話が進みながら、幕間にストーリーが展開される形式が面白かったです。
間違えると長く続いてしまいそうなのにすっきりと内容が纏まっているのもいいと思いました
4. 8 三文字 ■2009/05/26 00:47:51
こんなステージ構成だったらまずクリアできねぇ……
子供の時ってなんでもできる気がしてましたよね、アニメや漫画の登場人物みたいに格好良いことが、自分にもできるはず。
そんな変な自信がどこかにあったあの頃……まあそれを引きずると碌なことにならないがな!
まあ、皆違って皆良いということで。
5. 6 神鋼 ■2009/05/26 18:41:12
とにかく文章自体が色に貪欲。文字へのイメージを強めるほどに目がチカチカしてきて楽しかったです。
6. 4 気の所為 ■2009/06/02 18:49:40
表現したい事は朧げながらに伝わるのですが、どうも上手く掴めませんでした。自分の力不足でもあるでしょうが。
ステージの進行がパターン化していて、良く言えばテンポ良く、悪く言えばマンネリとしていますね。
7. 6 有文 ■2009/06/08 01:11:17
色をめぐって色々と霊夢が頑張るのが良いですね。
まさに色々。
8. 7 佐藤厚志 ■2009/06/09 04:13:22
「綺麗な色、が欲しいんです」
この書き出しは素晴らしい。すいすい読んでしまいました。
まるでチェリオを飲んで、あっという間に飲み終わってしまったような感じでした。
9. 7 ふじむらりゅう ■2009/06/11 00:55:39
 素敵。女の子素敵。霊夢も。
 結論に対してもったいぶらず、簡潔に言い放っているところとか。
 まあ仲直りの部分はもうちょっと分量さいてもよかったような気もしますが、他愛のない喧嘩なのでまあこのあたりが妥当かも。
10. 8 上泉 涼 ■2009/06/12 02:17:23
最初は、空に虹でもかける話かな、などと単純に考えたりしましたが、そうではありませんでしたね。面倒臭がりながらも何だかんだ菫色の少女の願いを聞き届けようとする霊夢が良かったです。でも影で活躍してたのは文w
人にはそれぞれの色がある、という結論はある意味で煙に巻かれた気もするのですが、それに至るまでの過程がしっかり書かれていたので、すっと受け入れることが出来ました。結論よりも過程が大事ですから。
ただ、読者的視点からはそれで満足なのですが、2人の少女からするとどうなのかな、とも思いました。彼女たちには、その結論部分しか提示されてないわけですから。紅白の少女については結局のところ、色についてよりも、憧れの巫女と会えて話が出来たこと、巫女服を貰えたことによる喜びが主になっていたのでは、と思いました。
11. 7 八重結界 ■2009/06/12 18:25:36
東方の新作を見ているような、そんな気分でした。
それにしても、ウドンゲが哀れ。
12. 5 moki ■2009/06/12 19:04:42
かなり色を色々詰め込んでますね。その盛り込み具合に敬服。
13. 5 ぴぃ ■2009/06/12 20:24:07
色の語句がいっぱい使われているのが面白いです。
もう少しストーリーがすっきりまとまっていると嬉しかったかも。
14. 7 名前が無い程度の能力 ■2009/06/12 20:32:04
面白かったです。
読んでいてとても楽しかった。
15. 3 木村圭 ■2009/06/12 21:35:53
文章が読み辛いです。分量の割にかなり長く感じて疲れてしまいました。
16. 7 どうたく ■2009/06/12 21:54:36
 緋想天をやっているような気分になりましたw
 色を求めて、キャラをなぎ倒す霊夢。そしてキャラを倒すたびに、出てくる色。
 そしてそこから辿りつく、自分の色こそが美しいという結論。
 今回の「色」というテーマに素直に答えた作品だと思います。
17. 5 時計屋 ■2009/06/12 22:48:27
 なんとも不思議な感じのお話でした。
 文章にも物語にも色をこれでもかと注ぎ込んだ作者様の試みには敬服します。
 しかしそのせいか、文意が掴みづらい部分もありました。

 物語は優しく温かみがありましたが、やや冗長なものにも感じました。
 それぞれのエピソードのごとの役割や特色が明確ではなかったようにも思えましたので、もう少しお話にメリハリをつけても良かったのではないでしょうか?
18. フリーレス ハバネロ ■2009/06/12 22:53:54
このテの話は、導入が弱いとズルズル進んでいる印象が出てきて、読む側と齟齬が生まれる。
そう、エスカレーターで手すりとステップの速度が違うみたいな感じだ。
アジャストする感動があればいいんだけど、大抵はずれたまま終点についてしまう
19. 1 つくし ■2009/06/12 23:04:23
申し訳ありません、時間が差し迫っているため、採点のみにて、感想本文は後ほど改めて。
20. 6 渦巻 ■2009/06/12 23:25:47
ゲームをやっているかのような作品
原作らしい妙な調子を違和感なく小説に出来ていたと思います
21. 4 K.M ■2009/06/12 23:35:52
探し物はいつでも身近に……それを地で行くようなお話しでしたね。「勢い欲」は「勢いよく」でしょうか?
22. 4 つくね ■2009/06/12 23:55:10
色に始まり色に終わる。色々と見せられて、さて残るは自分色かそれとも。もっと菫の少女の話と霊夢視点の話とを分けた方が良かったように思いました。
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