幻想検校色話

作品集: 最新 投稿日時: 2009/05/09 22:57:10 更新日時: 2010/08/12 02:57:34 評価: 24/26 POINT: 175 Rate: 1.60




 おれめしいてから、かれこれ三年ほどになろうか。これに、本朝に渡来する間に受けた艱難によって光を失った唐の高僧や、また、惚れた女のために両の目に針を突き通した温井検校ぬくいけんぎょうなどのような美談佳話のひとつふたつでもついて回るならば格好もつこうが、人生とは大概においてそう上手くはゆかず、己の目を潰したのはよりによって熱々のお茶だった。
 いささか大仰に言ってはみたものの、ことさらここに描写して見せることもないような、ありふれた事故である。チンチンに沸かした鉄瓶の湯で、サテ茶を淹れようとしたとところに地鳴りとともに家が揺れ、手元が狂って手前てめえで手前の顔面に湯を浴びせた。そうしてゆで卵よろしく茹だった己の目はさっさと仕事を止めてしまい、己の悲鳴を聞きつけた家の者が医者に連れて行ったもののうに手の施しよう無し、とのことだった。
 ちなみに、家が揺れたというのは、そのときすぐ近くで妖怪同士の弾幕決闘が行われており、その余波であったという。家の者の中で、その妖怪どもに罪の償いをさせるべきだという者と、弾幕の余波に文句を言うなど、地震や雷様に文句を言うようなものだ、という者がいた。己としては今さらどちらでも良く、別のことをぼんやりと考えていた。
 まったくもって、潰れた目など、いっそゆで卵になったほうが食える分だけ使いでがあるというのに、と思い、己の考えはツイと脇に逸れて、皿に盛られた茹で目玉などというぞっとしないことを思いついて、それきり己は考えるのをやめた。結局じたばたしてもどうしようもなかったからだ。
 親譲りの無鉄砲ならぬ一族郎党きっての太平楽、こいつは気を揉むための気を母親の腹に忘れてきた、とまで言わしめた楽天家の性質が幸か不幸か、アア可哀想若い身空でめしいとは、などと周りが勝手に哀れみ悲しんでくれている中で己はさして深刻に考えなかった。障子の向こうで親と誰かがひそひそ話しているのを馬耳東風と聞き流しつつ、世話係にゆで卵の殻をむかせてばくばくと食べた。
 もうひとつ幸いというべきか、己の家は、稗田や霧雨ほどとは言わないまでも、里でも裕福な方だったので、次男坊の一人や二人使い物にならなくなったところでさして困らなかった。少なくともタダ飯食らいの一人くらい養っても幾らか余裕があるほどだった。
 ということで、この件に関してはまことに遺憾ながら不遇なる天の采配、当家においては家督たる長男は健在であるし三男四男長女以下一族は安泰であるゆえ、次男坊はすっぱりと諦めてただただ静かに長い余生を送らせることにする。そういった旨でだいたい納まりがつこうとしたのだが、一人だけ納得しない者がいた。言わずもがな、己だ。

 別に何か志を持っていたわけでもなし、唯々諾々と父母に従ってすくすくと養ってもらってもそれはそれでよかったのだが、ただ家の中でゆで卵をばくばく食べ縁側でまんじりとしまたゆで卵を食べる、というようなことを繰り返す暮らしが、己にとってはそれほど愉快に思われなかっただけのことである。己は愉快であれば他の何やかやは気にしない性質であったが、要するに愉快でないことは嫌いなのだった。
 とは言うものの、一朝一夕の盲にできることはごく限られていた。それなりの自信を持って今まで続けてきた算盤そろばん小僧の真似事も、目が見えなければ帳簿の額面すら読めず、ましてや外に繰り出していくような商売、また野良仕事などももってのほかだった。
 そこで己は、盲なら盲らしく、ここはひとつ検校でも目指すほかあるまいと思った。
 盲の琵琶法師が祇園精舎の鐘の声、と平家の栄枯盛衰を歌いてより以前から、盲には盲の集会があり互いに助け合い、また盲の専門職の訓練をしたらしいが、その支部らしきものは幻想郷にもあった。そしてそのほとんどは、琵琶法師や過去の名高き検校……一応言っておくと、検校とは高位の盲に贈られる名誉ある称号である……そういった者たちに倣い、管絃の道を選んだ。と言っても、もとよりそれほど人の多くない幻想郷、己の他の盲も数えるほどしかいなかったのだが。
 つまり己も御多分に漏れず、とるべき道をとったまでである。己はむくむくとした期待に勢いづき、高らかに弦の師匠の門をたたいた。もっとも、実際に敲いたのは己ではなくその師匠の屋敷まで手を引かせた家の下男であったが。ともかく己は弟子入りしたのだ。

 はじめは師匠も、所詮は金持ちの次男坊の道楽と己のことを見くびり、とりあえず遊びは遊びとしてほどほどに上達するよう教えていたそうだ。しかし己の上達の早いことに目を見張り、師匠は考え方を変えた。天賦の才であったか、はたまたそれが盲いたことにより花開いたか、とかく己と弦は至極相性がよろしかったようだった。ますます勢いを得た己はめきめきと実力をつけ、この三年で、検校とまではいかずとも、かなりのところまできた。門下の者に教えを授ける権利を与えられ、一座の興行に随行を許され、道場の受付の姉ちゃんの尻を触っても冗談で済まされるようになった。盲いたなら盲いたなりに、己の前途は少々出来過ぎなくらいに洋々たるものであった。



 さて、話はここからだ。

 およそ半年ほど前からだろうか、己の身に奇妙なことが起こった。いつものように家の下女に手を引かれて道場に入り、三味線の弦の調子を整えてひとつベベンと鳴らしてみたところ、フッと、己の頭の中をよぎる〈感じ〉があった。ハテ、と思い、耳鳴りか、弦の調子がおかしかったか、とも一度ベベンと鳴らすと、それはさっきよりもはっきりと感ぜられた。今やそれははっきりと言葉にできる。己が感じたのはこうだった。
「緑色の音が聞こえる」
 試しに別の音を鳴らしてみるとそれは桃色であった。さらに別の音は黄色であった。チンと鳴らせば薄い青、トン、とこげ茶色、シャンと来るとウグイス色であった。そうして最初の音をも一度鳴らしてみると、やはり緑であった。
 誤解なきよう付け加えておくと、音に反応して己の盲いたまぶたの裏にパッと色が〈見えた〉というわけではない。視覚として色を感じているのではない。ある音を聞くと、それが赤いという感じがする……赤という色でしかその音を説明することができない、という感覚がするのだ。
 魑魅魍魎跋扈し奇々怪々が茶飯事と言うべき幻想郷であるが、ハテ妖精の悪戯、はたまた、誰ぞ呪詛でもかけたか、と考え考えしてもこんな奇妙な悪戯を人間に仕掛ける妖精は聞いたことがなく、呪法にしても別に不利益をこうむったわけではないから、これほど呪法らしくない呪法もない。または最近地上に出てきたという地下の妖怪の仕業も疑ったが、地下の妖怪は知られていないことが多く(だからこそ疑ったのだが)、あの御阿礼子でさえまだ詳しいことは知らないというのだから、己のような里の一般人に彼らについて知る術などあろうはずもなく、早々に諦めざるを得なかった。
 そういうわけで、順当に考えればこれは何かの病気であろうか、と目が潰れたときにも世話になった医者に相談してみたところ、医者は己の話を聞くなりさっぱりわからんとさじを投げた。医者の名誉のために言っておくと、この医者は里でも一番の名医である。サテこうなると八方塞がり、奇妙ではあるが恐らく害があるでも無し、折り合いをつけて過ごしてゆくしかあるまいと腰を上げようとしたところ、医者は投げたさじを拾い上げながら、竹林の八意様に相談しなさい、と言い、さじを持つ手を万年筆に替えて紹介状を書いた。

 そうして己は下男と竹林の自警団を名乗る少女(この頃には己は声の色によってその人物の見た目や年のころをだいたい想像できるようになっていた)に手を引かれて、竹林の奥に八意医師を訪ねた。八意永琳といえば今や人間の里にも知らぬ者はなく、半死半生の大病人も八意にかかれば次の日には米一俵を担いで仕事ができると言われた。そんな人物が女性であったのに己は少し意外さを感じたが、八意医師の声は透き通った銀色をしており、己はなるほどこの人物ならば信用せざるを得まいという気になった。
色聴しきちょうね」
 己の話を聞くなり、八意医師は断定した。そうして、以下のような説明をしてくれた。
 視覚や聴覚といった人間の五感はもともと各個独立したものではなく、緩やかにつながっている。その中で、ひとつの感覚に刺激を受けたときに別の感覚を同時に強く働かせてしまう……例えば、文字や数字に色を感じる、丸や四角といった形を見ると味を感じる……そういった特殊な感覚をまとめて〈共感覚〉という。色聴はその一種である。
 色聴は生まれつきその感覚を持つ者もあるが、己のように盲になったりした者が身につけることもあるという。
 また、さっき語った〈色が見える〉のではなく〈色を感じる〉という感覚についても、説明があった。人間は赤い色を視覚でとらえたとき、〈視覚としての赤〉という刺激を感じるのと同時に〈赤い感じ〉という感覚を得るという。それは光の屈折だとか色味だとかとは別の、ただ〈赤い感じ〉そのものとしか言いようのない感覚だ。己が音を聴いて色を感じるのは、音によってその〈感じ〉を感じるからだという。外の世界では〈クオリア〉という概念を用いてその現象を云々……と、やたら哲学的な領域まで踏み入って八意医師は説明してくれたがそこまで来ると己にはちんぷんかんぷんだった。己の腹の虫が鳴いたのを区切りに、八意医師は説明を切り上げた。

 ともあれ、今の自分の状態に名前がつけられ認知されることによって、己の心象は平静を取り戻した。むしろ、目で見る色を失った代わりのように音の色を得ることが出来たことを、大いに愉快に思った。風の吹く音は淡い緑で、向こうでほえる犬の声は赤、口うるさい乳母の声はどぎつい黄色……己の世界は両目が健在だったときとも、ただの盲だったときとも違う色彩あふれる世界となった。チントンシャンの弦の音も〈色で聞き分ける〉ということができるようになったため、己の音に関する感覚はますます鋭敏になり、師匠も呆れるような上達を見せた。演奏の腕はまだしも、他人に教えることに関しては師匠と同じかそれ以上の自身を持つほどである。ただ、己がつい「そんな音じゃあダメだ、もっと黄味がかった、つやのある音を出しなさい」などと言ってしまい周りが理解できない、ということは間々あったが、概ねよろしくやっていった。



 さて、思った以上に前置きが長くなってしまった。己が本当に語りたい事件というのはこれからである。



 その日は所用あって、人間の里からは少々距離のあるところ……具体的には妖怪の山の麓あたりまでゆかねばならなかった。なんでも、河童が三味線の自動演奏からくり人形を作るに当たって、当門下の人間に協力を求めたということで、己に白羽の矢が立ったのである。
 河童どもの住処で己は弦を実演し、三味線の構造を説明し、音楽について講釈を垂れた。目には見えていないが、ヒソヒソ聞こえる声の色を聞くに河童どもはどうやら真剣に聞き入っているようで、己としても悪い気分はしなかった。ところがあんまり興に乗ってしまったために、いつの間にか河童どもと一杯引っ掛けながら三味線談義に興じる始末になり、予定していた帰る時間を大きく過ぎた。

 手を引かせた下男に急かされ、河童の住処を出る頃には太陽が西の山の向こうにまさに没しようとしていたという。言われてみればカラスの灰色の声がして、そろそろ急がねばならぬようだった。
 夜は妖怪の時間。人間と妖怪が捕食関係を超えた協定を結び、共存するようになったといっても、それは幻想郷不変の掟のひとつだ。日が落ちてから、里を離れた場所で人間がうろついていれば、妖精や妖怪たちにどんなたちの悪いイタズラをされたとしても大手を振って文句は言えない。そういう輩は、妖怪からも人間からも「食われなかっただけマシと思え」と戒められ、被害者であるはずなのに大変肩身の狭い思いをするばかりなのである。幻想郷で最大に有効な処世術は、自分の身分をわきまえることに尽きる。

 そういうわけで、下男はせかせかと己の手を引いて帰り道を急いだ。本人はできることなら走って帰りたかっただろうが、盲にそんな無理をさせられないことも知っているので、ひどくれているようであった。この下男、よく気がつくが肝の小さいことが難点であった。そんなに恐いなら己と河童の宴会をやめさせればよかったものを、話に割り込む根性もなかったのである。
 音の反響の仕方や周りの音の色を見るに、下男は広い道を選んで進んでいるようだったが、途中で道を変えた。己の記憶によればそのあたりは魔法の森の付近であり、下男は少しでも近道をするために森の小道をかすめることにしたようだった。広い道を選ぶというのは妖怪どもの不意打ちを避けるための定石であったが、それを破ってでも先を急ごうとするあたり、下男は少し冷静さを欠いていたらしい。森などは格好の妖怪の住処である。ただ、己としては森から聞こえる独特の色をした音が愉快であったので、特に文句をつけることなく手を引かれるに任せた。

 そうして己は、歌声を聴いたのである。

 歌声が耳に入るなり、下男は足を止めた。森の奥のほうから、幽かに、それでいて風に乗って確実に耳元にささやかれる歌声。こう書くと細い声の女性がコーラスするような声だと思われるだろうが、さにあらず、最初はただ音量が小さかったというだけで、歌声はだんだん大きくなるにつけ、その激しい本性を現していった。
 下男が突然叫んだ。己は急にグイと手を引かれ、木の根っこにつまづいて転んだ。その拍子につないでいた手が離れ、下男はなにがしか二、三言喚いたらしかったが、恐慌に陥ったらしく奇声をあげてどこかに走り去っていった。
 遠くなってゆく悲鳴を聞きながら、己はゆっくりと身を起こした。歌声は相変わらず聞こえており、ぐわんぐわんと脳を揺さぶるようだった。赤青桃紫黄橙緑紅とギラギラと色が目まぐるしく閃き、絵の具を好き勝手にぶち込んだバケツを脳天に投げつけられたような有様であった。
 そんな中で、己は何を思ったのか、正直なところ良く憶えてはいないのだが、手探りで周りにそびえる木々にすがりつつ、歌声のするほうへ向かっていった。里の中でこそ太平楽でいられたものの、結局は盲であるから目印や手引きがなくては方向すら定まらない。何でもいいから指針になるものにすがりたかっただけなのかもしれない。腕は木肌を探して宙をさまよい、足はこわごわと木の根っこを探ってつまづかないよう細心の注意を払い、己は遅々とした速度で進んだ。そういう状況になると、ただただ乱雑で攻撃的なだけであったはずの歌声が、自分を励ましているように聞こえるのが不思議であった。
 そうこうしているうちに、音の響き方が変わって、どうやら森の中でもひらけた、小さな広場に出たようだった。歌声はほぼ間近に聞こえ、どうやら件の歌声の主はこの付近にいるらしかった。己は木に頼るのをやめ、木肌から手を離し、そろそろと赤ん坊のような速度で広場の中心に進もうとした。
 歌声が止んだ。
「へえ」
 そうして己はようやく歌声の主の声の色を見定めることができた。声の主は感心したように続けた。
「鳥目にされたっていうのにわざわざ近づいてくるなんて、変な人間!」
 己という人間を隅々まで観察し、見定めているのが雰囲気で分かった。あのような歌声の人間は見聞きしたことがないので、そうだろうとは予想していたが、やはり妖怪であった。恐らく、妖怪退治屋のような実力を持った人間なのかどうか、と推し測っているのだろう。
「ただの人間だよ」
 己は言った。ただの人間が自分をただの人間と名乗るのが我ながら可笑しく、はからずも笑みがこぼれた。
「……恐くないの?」
「少しは」
 食われることはないにせよ、酷い目に合わされる可能性が高いことに変わりはない。だというのに、妖怪に対抗する戦闘能力もない己がこんな台詞を吐けたのは、ひとえに恐怖よりも好奇心が勝り、さっきの歌の感触と共に一種の興奮状態を作っていたからだと、後になって己は推測した。
「そうじゃなくて……だって、何も見えなくなっているでしょう」
 ああ、あの歌にはそういう魔力が込められていたのか、と。己は素直に納得した。
「盲なのは元々だからな」
 これは声の主も面食らったらしく、え、という短い悲鳴にありありと驚きの色が見て取れた。なんせニワトリに空を飛べなくする呪いをかけるようなものである。そう声に出して言ってやろうかという思いがむくむくと鎌首をもたげたが、これ以上刺激しないほうがいい、と理性が押しとどめた。それに、己には他に言うべきことがあったのだ。
「いい歌だった」
 それは偽りのない感想だった。歌声と曲調こそ前衛的で攻撃的でおおよそ他人を安らげる歌などではなかったが、歌自体の上手さはかなりのものであった。
「ほ、ほんと?」
 声に喜びの色が濃くなる。
「しかし」と己は続けた。「もったいないな。そんな曲じゃあダメだ、もっとゆっくりと聞かせるための曲を歌ったほうが良い」
 それから声の主はおおよそ五秒ほど黙ったので、その間己には声の主の表情や感情を読み取ることはできなかった。そうして、息を吸う気配がした。
「なによそれ」
 あからさまに気分を害した声であった。「私は私の歌いたい歌を歌うから良いのよ。人間風情にイチイチ指図される筋合いはないわ」
 人気のない森の中で妖怪と一対一、その上で気分を害してしまうという状況において、自分の失態を悔いて震え上がり命乞いすることが人間にできるただひとつのことであったし、己も本来ならそうするべきだったのだろう。しかし、さっきも言った興奮状態にあった己はそんなことは露ほどにも思わず、別のことを言った。
「だって、もったいないじゃないか……そんな、キレイな……可愛らしい声をしているのだから」
 声の主、その妖怪少女の声は、明るいカーキ色をしていた。素朴で、すべらかで、温かい感じのする色であった。早い話が、己はその声にひと時に惚れ込んでしまっていたのだった。
「……可愛い?」
 声の主は平坦かつごく薄い色をした声で繰り返した。己は勢い込んでうなずいた。
「その、声を生かすためにも、もっと、もっといろんな人に聞いてもらうためにも、ちゃんとした曲を歌ったほうが良い。な、なんならそうだ、己が今から三味線を弾くから、それにあわせて歌ってくれないか、よし、待ってろ」
 熱に浮かされるままにまくし立て、背に負うた三味線をいそいそと下ろして風呂敷を解き、いざ構えようとしたときだった。ガサガサと、激しく木々のこすれる群青色の音がして、そうして、それっきり何も聞こえなくなった。
「……おい?」
 反応がない。気配も消えていた。そうして己は、声の主が、彼女が、何も言わずにどこかへ去ってしまったのを知った。
 己はどうしていいかわからず、狐につままれたような、夢でも見ていたような心持で、ただ森の木々のざわめく緑色の闇の中で阿呆のごとく立ち尽くしていた。
 家の者が里の自警団を連れて己を探しに来るまで、ずっとそうしていた。



 それからというもの、己はことあるごとに下男下女に手を引かせてその広場へ足を向けた。言わずもがな、あの声の少女に再びまみえることを期待したのだ。
 ときには幽かに歌声の聞こえるときがあり、またあるときにはそこに何かがいる気配もした。しかし、己が近づくと決まって歌声は止み、その気配はどこかへと姿をくらましてしまった。少女がその付近を根城にしているのは間違いないようであったが、己はあからさまに避けられてしまったようだった。
 しかし己は諦めなかった。そこへ足を向ける回数は日に日に増え、しまいには、自由になる時間のほとんどをそこで過ごしているといっても過言ではなかった。
 わざわざ進んで妖怪の住処に足を向ける己を、世間では変わり者の盲としてうっすらと珍奇の目で見ていたようだったが、幸い、金持ちの息子というものは大体において貧乏人には理解できない道楽をするものだ、という偏見が、かえって己と己の家を救っていた。



 己はそこに来ると、決まって一番太い木の根元へ腰かける。緑色の木々のせせらぎを聞きながら、風呂敷を解き、三味線を構える。ベベン、と鳴らして調子を見、あとは、時間と体力とその日の気分が許す限り、弦を鳴らした。
 木々のせせらぎと己の三味の音が混ざり合い、別の色をなしてゆく。時に明るく、時に暗く、己はその広場いっぱいに音を満たした。広場は己の手によって自在に色を変えた。赤い音を出せば赤、紫の音を出せば紫、薄紅、檜皮ひわだ緑青ろくしょうにび色……そうして色を変えてゆく間も、己はずっとひとつのことを夢想した。
 ここに、あのカーキ色の声が混ざるとどうなるだろう。
 あの前衛的でぐるぐるな色彩もひとつの魅力であったが、己はあのカーキ色の歌が聴きたかった。己はカーキ色を夢想しつつ、その色が混ざり合うのにふさわしい音を想像し、自分の音を作りかえていった。音の混ざり方を想像し、色味を調整しつつ、何度やってもこれだと納得できるような色にはならず、試行錯誤した。思えばカーキ色の歌を本当に聞いたことはなかったのだから、想像の中だけで満足のいくような音を作れるはずはなかったのだが、それでも己はその作業に没頭した。
 そこにはもちろん、あの声の少女がそこに現れてくれればという願いが多分に含まれていた。己はそこに現れない少女を思い、どこかで隠れて聴いてくれていることを願い、少女に歌わせたい歌を弾いた。探して聴かせようにも、己と少女をつなぐ接点はこの広場だけだったのだ。
 己の夢の時間は、下男下女の「お時間です」という言葉でいつも終わりを告げた。あんまり妖怪の活発になる時間になる前に引き返す、というのが家の者が己のやっていることを黙認する条件だった。己は再び緑色になった広場を見えない両目で眺め回して、今日もまみえることはなかった、とお決まりの諦観とともに立ち上がり、手を引かれるまま去るしかなかった。
 そういうことを、何度も、何度も、毎日のように繰り返した。

 ある日、道場で師匠の前で弦を鳴らしていると、師匠は感心したような声色で、出し抜けにこんなことを言った。
「お前、最近上手くなったな。音にイロが出てきてやがる」
「色?」
 師匠もとうとう音に色が見えるようになったか、と思ったが、師匠は喜色をあからさまにして……さらに言うなら、ほとんど助兵衛スケベエ丸出しの声色で、言った。
「イロツヤだよ、艶。なんだお前、コレでもできたのかィ」
 師匠は己の胸を指でつっついた。どうやらそれは、小指であるらしかった。
 己は曖昧に愛想笑いをして見せたはずだが、この両目では成功していたかどうか確かめる術はない。



 そんなことを半年ほど続けただろうか。その日も己は里を出ると例の広場の手前まで下男に手を引かせた。もうその場所までは手引きなどなくともたどり着ける自信すらできていた。そう言っても家の者は許さなかっただろうが。
 もはや、見たことのないはずの風景が、頭の中に詳細に思い描けるほどになった森の道。慣れた足取りで木の根っこを避け、苔を踏み、己はいつもの太い木の根っこに腰かけた。恭しく風呂敷を解き、サテ今日はどんな色を使って音を作るか、と考え考えしながら三味線を構え、いつものベベンをやろうとしたときだった。

 歌声がしたのである。

 己は息を呑んだ。それは、己が座っている木の、反対側の根っこから聞こえてくるようだった。
 聞き覚えのある歌声……聞いたことがないはずだったのに、そう思った。あの極彩色のぐるぐるの歌声と同じのはずなのに、それは全く違う優しいカーキ色をしており、そして、己が夢想の中で聞いたどの歌声よりも、美しく、可憐だった。
「弾かないの?」
 その声で己は正気を取り戻した。声をかけられなければ、己はずっとその声に聞き惚れて骨抜きのまま夢想をたゆたい、水飴のように溶け出してしまったかもしれない。
 己は自分に活を入れるべく、痛いほどの勢いでベベンをやった。そうして、ずっと夢想の中で練り上げていた音で、広場を塗り染めた。

 これ以降のしばらくの間のことはほとんど記憶が曖昧である。ただ、カーキ色の彼女の声と己の三味の混ざり合う音は己の想像だにしなかった色彩を見せ、己はただただその色彩の中にあることの僥倖に浮かされ、その熱のままに音を出していたに過ぎなかった。彼女が追ったと思えば己が追い、重なり合っては反発し、色彩は自由自在に広場を駆け巡った。ほとんど己の脳味噌がめくれあがって広場全体に充満し色を作り上げてゆくようであった。
 最後の一音を鳴らすことがこれほど惜しいと思われたのは、後にも先にもこれっきりだった。最後から二つ目の音と、最後の音の間の刹那の時間を、己の感覚は無限大に割り算し続けようとした。少しでも長く、この歌声の色彩を感じていたいと思った。実際、ほんとうの時間にしてみればごく短い時間だったのだろうが、己にはほとんど数年に感じられるほどの濃密な時間であった。

 ベン。最後の音は、己の背骨を貫いて身もだえするほどの余韻を突き通し、次第にその色彩を薄くしてゆき、空気の中に溶けて消えた。
 互いに、しばらく無言であった。ただ緑色の静かな葉擦れだけがあった。
「どうして」
 己はそれだけを、ようやくのことで言った。何についての問いかけなのか、自分でもはっきりとしない問いかけだったが、まず口をついて出たのがそれだった。
「案外、悪くなかったから」
 曖昧な問いかけは、答えも曖昧であった。主語を欠いた己たちの問答は、しかし、それで完結しているように思われた。
 下草を踏みしめる音がして、どうやら少女が己の目の前に立ったらしかった。
「本当、あんたみたいな人間初めてだよ。物好きにもほどがある」
 その言葉で、どうやら彼女は己がずっとここに通っていたことを知っていたのだ、と思った。そういえば、彼女がずっと歌っていた旋律は、己がこの場所でずっと練っていたものであった。彼女は己の音を憶えるほどに聴いていてくれていたのだ、と思うと、己は腹の底が打ち震えるのを感じた。
「それに……」と、彼女は今にも消え入りそうな声で続けた。「か、か、か、可愛いとか……言われたの、だって、その……初めて……だったし……」
 己は表情が緩むのを抑えるのに必死だった。
「良い歌だった」
 己はそれだけ言って、声のするほうに当たりをつけて、手を差し出した。
「お願いがある。己と組んで、歌わないか。幻想郷中に、その声を響かせて、その色彩で染め上げてみないか」
 己の言葉に、息を呑む気配があった。己はさっきの歌の余熱と緑色の葉擦れの中で、真っ赤にうなりをあげる自分の心臓の音を聞いていた。
 その時間もまた、刹那が無限のようであった。紅くとどろく心臓の音がいつ止まってしまうかと思われたときに、差し出した手に冷たいものが触れた。彼女の指先であるらしかった。そうして、彼女の手は己の手を握り返した。

「私はミスティア・ローレライ。幻想郷の歌姫よ!」






 以上が、己とミスティアが幻想郷中に興行に回るに至った事の次第である。その興行の宣伝のために、この文章はこれから「文々。新聞」に持ってゆき、広告欄に掲載させ幻想郷中に配らせる予定である。この文章が面白く、興味を引かれる内容であったとお思いなら、是非我らの興行にも足を運んで欲しい。文章がまずいと思っても、是非来て欲しい。書き物に関しては素人だが、己の演奏の腕とミスティアの歌声の良さだけは保証する。
 さて、ここで盲の己がどうやってこの文章を書いたのか、と思う読者がいるかもしれない。なんのことはない、己が口で言ったのを、筆記者に書かせているのである。だから、事の次第によると筆記者によって己の思っている文章と違う内容が……筆記者によって改変された内容が混ざってしまうかもしれない。しかしそれはそれでいいか、と己は思っている。己はこの筆記者に全幅の信頼を置いているし、もし仮に改変があったとしても、己たち二人のためによろしくない内容にしてしまうことはありえないと思うからだ。



みすちーと一緒にゆで卵食べたい。

読了ありがとうございました。
つくし
http://www.tcn.zaq.ne.jp/tsukushi/
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/05/09 22:57:10
更新日時:
2010/08/12 02:57:34
評価:
24/26
POINT:
175
Rate:
1.60
1. 10 名前が無い程度の能力 ■2009/05/11 01:34:44
行ってみるとも
2. 7 佐藤厚志 ■2009/05/11 06:08:45
まるで雨の日に食べるかりんとうのように、素朴かつ非常に美味しい小説で御座いました。
少し違えば奇を衒ったものになりそうな題材を、非常に巧みに料理なさった、そんな印象を受けました。
3. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/05/12 01:44:02
おー…上手いなこれは。

堪能させていただきました。
4. 7 ユッキー ■2009/05/14 16:26:54
音色の見える奏者と優しい歌の夜雀
瞳を閉じて、ゆるりと聴いてみたいものです
5. 9 三文字 ■2009/05/17 22:13:28
ミスチー可愛いよミスチー。ちょっと三味線習ってくる!
時々、色聴とかの超感覚に憧れることがあります。
色に音が見えたら、音に味が感じられたら、形に色が見えたら……そんな様子を文章に表わすことができたら、どれだけ面白いだろうか。
そんな妄想をつらつらとしたりしなかったり。
男のどこか超然とした雰囲気がよかったです。
6. 7 パレット ■2009/05/18 00:42:37
凄く面白かったです。
共感覚ネタそれだけにはそこまで捻りがあるとは思いませんが、イロツヤのエッセンスや、男の見る色の描写が上手く堅実になされていて、全体としてかなりレベル高くまとまっていたと思います。素敵なお話をありがとうございました。
7. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/05/18 13:55:48
情景が目に浮かびますね
8. 6 神鋼 ■2009/05/30 15:17:19
読んでてなるほどなあと思いました。案外あっさりとした魅力を感じます。
9. 7 As ■2009/06/01 01:46:41
ミスティアたちはこの後、興行を成功させられたのでしょうかねー?
目が見えないというのは文章を読む状態、その風景を想像するしかない状態に似ているのかもしれませんね。
それを色で表現するということは読み手としても想像しやすく、面白かったです。
10. 7 気の所為 ■2009/06/02 23:29:54
これは面白い。
冒頭から特徴的な文体で始まっていて、興味をそそられました。
その他独特な表現が随所で光り、終始飽きずに楽しませて頂きました。
文章的にはなかなか固めに見えるのに剽軽さを崩さないところなど見事です。
11. 7 焼麩 ■2009/06/07 03:37:09
軽妙な語り口で。
これぐらいさっぱりしてるというか割り切ってる人はそうそう居そうにない。
だが居たら居たでなんら不思議でないのが幻想郷。
そしてみすちーが可愛い。可愛い。
表情が緩むのを抑えるのに必死だった。
自分もたまに数字が観える時があるんだが、極めれば誰かとお近づきになれないものかね。
12. 9 有文 ■2009/06/08 00:46:23
かなりニヤニヤさせていただきました。クオリアのネタはちょいやられたな、と思わないでもなかったです。
語り部も魅力的で、めくらと夜雀のカップルが非常に面白かったです。
13. 7 嫌な ■2009/06/10 05:52:01
文章の完成度がすさまじいです。フォントを変えたことも一因になってると思いますが、とても読みやすく、苦にならずに読み切ることができました。
みすちーの話なのにみすちーが全くでてこない+そもそも、東方キャラ全般で影が薄く、ほとんど「己」の独白なのが、賛否両論分かれそうですが、僕は全く有りだと思いますよ。

あと、みすちーはゆで卵食わんだろ、と釣られてみる。
14. 7 ふじむらりゅう ■2009/06/11 00:47:58
 小難しい文章のはずなのに、結構すらすら読めました。おもしろい。
 照りやきミスティア可愛いです。
15. 6 上泉 涼 ■2009/06/12 02:28:46
その特徴的な文体とも相まって、味のあるお話でした。ただ、前半部分があまり東方と関係がなかったのはマイナスポイントかなと。内容からして仕方はないんですけどね。
16. 9 ぴぃ ■2009/06/12 04:37:44
いーい話でした。文も綺麗で羨ましい。
続きというか、ミスティアとの興行についての話まで読みたい、と思ったのは野暮でしょうか。
17. 8 八重結界 ■2009/06/12 18:40:14
これは駄目だ。行けないと知りながら、どうしても二人の演奏会に行きたくなる。
これ以上ないほどの宣伝効果がありました。
18. 9 moki ■2009/06/12 18:54:07
これは凄い。
寡聞にして色聴を知らなかったのですが、そのテーマ、盲の語り手という選択とは、、、こういう話が読みたかった。未知の感覚を文章にして物語りにするというのはとても難しいと思いますが、それがさらっと書かれていて非常に上手いなぁと思いました。
ただ、まぁ細かい点なんですが、言葉の選択で気になったところが。"驚きの色が見て取れた"、"喜びの色が"、"喜色をあからさまにして"と使われている部分がありますが、盲目の語り手であるならばこういった安易な比喩はそぐわないような。勿論ここでの意味は色彩でなく様子といった意味であるのでしょうが、色聴で音に色を感じるということを踏まえると若干適切でないのかなぁと。あと"まみえる"も……これは一般的な単語になるか。ただ、最後で語り手と書き手の二重性を明らかにしてることで、そこら辺は不問にできるのか。むむむ。仕掛けが凝ってるなぁ、つくしさん(違っていたらゴメンナサイ)
19. 9 どうたく ■2009/06/12 20:00:23
 良い所
 日本の名作と言われる本の数々。
 その名作の匂いをどこかに漂わせる文体が、上手で、非常に心地良く、またとても読みやすいと感じました。(坊ちゃんの更にライト版というと一番適確かも知れない……)
 また、琵琶法師とか盛者必衰とかのたとえ話が嫌味でなかったのもまた心地よかったです。
 内容の話をすると、盲目の主人公とみすちーの組み合わせは良いと思いました。そしてどこか古風なゆかしさを感じさせる主人公。すごく良かったです。

 改善点
 文章も良く、特につつけるところはありませんでした。
 盲目の一人称もうまくクリアできていたと思います
20. 8 えび ■2009/06/12 21:46:08
 面白かったです、本当に。文体の精度が非常に高く、雰囲気を崩れることなく構成していたように思います。それに精度が高いだけでなく、読み手を飽きさせず作品に引っ張り込むことも十分に成功していて、良い意味で捻くれた文体でした。
 みすちー、かわいいなぁ。
 
21. 5 木村圭 ■2009/06/12 21:50:21
おおう、良い文章だなぁ。どこがどう良いのん? と聞かれてもその辺の技量をさっぱり持ち合わせてない私に言葉にすることは出来ないのですが。
ミスティアの歌声自体に鳥目にする力があるのか、それとも歌に呪いっぽい何かを加えて鳥目にしているのか。前者だったら講演会場が阿鼻叫喚になりそう。
22. 6 時計屋 ■2009/06/12 23:01:04
 古めかしく玄妙でありながらどこか親しみを感じさせる、良い文章でした。
 一種独特な雰囲気が創り出されており、読んでいるうちに自然、そこに引き込まれていきました。
 ただ、色聴という特殊な設定をうまく生かしきれていなかった気もします。
 音を色と感じること。そのこと自体が物語の上でうまく機能していなかったように思いました。
 読み手からは実に想像のし難い、サイケデリックな感覚ですので、ここをうまく調理して欲しかった。
23. 4 ハバネロ ■2009/06/12 23:07:04
見えないが故の色の話
他の認識を知っているからすんなり読めた。
もう少しだけ読みやすかったらなぁ
24. 5 K.M ■2009/06/12 23:23:25
俺が色聴という言葉を知ったのはZEROという漫画だったかな……とまぁ個人的な話はどうでもいいとして。
硬い文章だと思っていたら最後の最後で一気に砕けましたな。落差が面白かったです。
25. フリーレス 匿名評価
26. フリーレス つくし ■2009/06/21 16:46:05
 この度は読了ありがとうございます。つくしです。わりかし色々冒険気味の内容だったのでどう評価されるか自分でも未知数だったんですが高評価を頂きまして感謝であります。さしあたりレス返しをば。

>1.名前が無い程度の能力様
 おかげさまで投稿した俺に点数という宣伝収入がありました。ありがとうございます。

>佐藤厚志様
 その比喩の素晴らしさに嫉妬。もったいないお言葉ですわ。

>3.名前が無い程度の能力様
 このお祭に彩を添えられたならば幸いであります。

>ユッキー様
 もともと席に座ってゆっくり聴くタイプのコンサートによく行っていたので、数年前に初めて行った声優・田村ゆ○りライブの熱狂は衝撃的でした。ジャ○プロはさらにすごかったです。

>三文字様
 みすちーかわいいです。共感覚を特集したテレビ番組ではわりと悲劇仕立てでそういう人たちの半生とか描いてたんですが実際どうなんでしょう。猫を殺すとは知りつつも好奇の目は押さえられない。

>パレット様
 ありがとうございます。ちまちました所で勝負するのが好きです。

>7.名前が無い程度の能力様
 そう言って頂ければ本懐を遂げた思いであります。感謝。

>神鋼様
 あっさり読める小説が好きなのであっさり読んで頂けたなら嬉しいです。

>As様
 個人的にはここまで来たならなるべくハッピーエンドを迎えてもらいたいものです。つくしの小説は読者の皆さんのたくましき想像力に支えられております。ありがとうございます。

>気の所為様
 ぶっちゃけると、主に夢野久作とか森見登美彦とかのあたりから多分にパクった文体でありますので、偉大なる先人に足を向けて寝られません。

>焼麩様
 幻想郷はこれっくらいの太平楽であれば宜しいなあ、という自分の願望が多分に含まれております。みすちーなでなでしたい。共感覚には若干あこがれます。

>笊様
 擬古文は過去にやらかして色々物議を醸してしまったっぽいので次にやる時はよほど周到に準備しようと思います。朗読しても一度もつまらないくらいの読みやすさが個人的な理想です。

>有文様
 俺もニヤニヤしながら書きました。鏡とか見れない。ネタに関してはよもや被るまいと密かに高をくくっておったのですがとあるお方の小説でまさかの共感覚ネタ被りで少々焦りました。

>嫌な様
 こんぺのひとつの魅力として、おもしろいオリキャラものが過去にもたくさん生み出されてきたので、ここはひとつ先人の功績に乗っかろうとしたところ、そのオリキャラが自己主張しすぎで書き手ながら焦りました。これを受け入れてくれる皆様の懐の広さに乾杯。

>ふじむらりゅう様
 欧米でも「teriyaki」で通じるすばらしき日本文化。「tundere」とどことなく似てますね。

>上泉 涼様
 書きながら、自重しなさ過ぎる語り部のことは不安だったのですがフタを開けてみれば東方キャラがまともに登場したシーンが3割くらいというまさにこの有様だよ!な結果に。このあたりの配合具合は検討の余地アリです。

>ぴぃ様
 きっとこれ以上は語り部的にも照れくさくて書けないんじゃないか、という邪推を働かせてしまうのであります。みすちーかわゆすぎて生きるのがつらい

>八重結界様
 今「文々。新聞」定期購読契約をするとチケット二百文引きキャンペーンやってます、ってあややが言ってた。俺も宣伝の役得に与って評価もらえて嬉しいです。

>moki様
 こちらの意図を汲んでくれる読者ぶりに感謝。そして「色」を使った語彙に関しては後天的盲者であることと色聴を強調する意図だったのですが多少安易なところも無くもなく。次頑張ります。

>どうたく様
 わりかし漱石以降の近代文学からパクるところが多いので極めて正確な読みです。もっと言うなら太宰治や谷崎潤一郎などの昭和初期〜中期文学。ありがとうございます。

>えび様
 舞城王太郎とか西尾維新とか、文章の勢いでグイグイ引っ張ってくれる小説でないと途中で飽きて読めなくなってしまう俺なので、そういうの目指したいです。ありがとうございます。

>木村圭様
 文体については今回の作品の中でも良くも悪くも浮いてる感じにできたっぽいので個人的には満足であります。みすちーの歌声については確かに盲人の語りからは判断できないですね……前者ならもうひと悶着ありそうな。

>時計屋様
 色聴設定を語りの装置として扱ってしまい、物語のガジェットとして組み込めなかったのは反省点でありました。要精進。

>ハバネロ様
 読みやすさの追求は自分の第一課題でありますので今後もっと尖らせてゆきたいです。

>K.M様
 俺が色聴という言葉を知ったのは……ごめんなさい記憶にございません。わりと昔。文章のギャップ萌えという新ジャンルを開拓したいです。もしかしたら新ジャンルですらない気がしてきました。
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