異色足りて

作品集: 最新 投稿日時: 2009/05/09 23:05:43 更新日時: 2010/01/25 04:48:10 評価: 18/18 POINT: 82 Rate: 1.13
 少し、疑問に思った事がある。本の些細な事だったのだけれど。
 ある「色」についての微かな疑問。
 そもそも、他人が傍から見て浮かんだ疑惑であるから、どうこうしてはならぬ類の事だったのかもしれない。
 けれど、どうしてもその問いから目を逸らすのが嫌だった。
 その疑問は、それほどまでに射命丸文の首根っこを掴んだまま、中々離そうとしなかった。
 文は述懐する。後悔をほんの片隅に乗せて。
「余計な色を塗ってしまったのかしら」
 未だに整理が付かぬから、帖面に、起こった出来事だけを記録する事にした。
 記事にするなど未来永劫出来ないだろうが。
 切掛けは、会話の中で生じた小さな違和感だった。気付かねば通り過ぎる事も出来る程、取るに足らない細やかな齟齬。
 確か、夕陽の綺麗な日だった。

 その日、文は休日を『文々。新聞』の取材で楽しんだ後、ふと思い付いて滝の裏の詰め所を訪れた。丁度

そこに犬走椛が詰めていた。
「ど、どうかしましたか文様!わざわざこのような所まで!」
「いえ、どうという事は無いわ。少し、立ち寄ってみただけよ」
 しゃちこばる様が何だか操り人形の様で可笑しかった。
――けれど『千里眼の椛』が近付いて来る私に気付かないなんて、少し弛んでるのかもねぇ。少し小言を言

ってやろうかしらと、
 先輩風を吹かせようとした時、
「まぁ、ゆめゆめ油断しないよう…… 」
ぐぅぅ……
 興が削がれてしまった。気まずい雰囲気が充満した。その深い重低音の正体はどうにも格好が付かぬ。
 一日働き詰めで食事をするのを忘れてたか。
――本来天狗は食事など要らないというのに。まだその境地まで至れないのは何故なのかしら。業が足りないのじゃ無いかしら。

 酷く恥ずかしそうな顔で仔犬の様に頭を下げる椛を見ながら、そんな事をぼんやりと考えていた。
「椛、もう交代の時間なんでしょ?奢ってあげるから、付き合いなさい」
 遠慮する椛を無理矢理連れ出して、食事に出かけた。その時は芋粥を馳走する事にした。
 これは山芋を甘葛の汁でぐつぐつ煮た物で、確か大好物だと言っていた筈だ。木の葉天狗達の給する茶屋で、芋粥が出て来るまで、
 椛は可哀相なくらい恐縮していた。
 私も久し振りに食べたかったのだから。緊張して食事するべきじゃ無いわ。だからそんな固くならないで。甘くて、美味しいでしょ。
 本当に永らく食べていなかったから、甘い物はこんなにも美味しい物かと少し感動した。
 けれど、何杯か食べたらすぐ飽きてしまうだろうな。
 芋粥というのはそんな味だった。

 椛の緊張が僅かに緩んでから、他愛もない世間話が始まった。天狗は元来どうしたって話好きなモノなのである。
 熱心な看病の甲斐あり、臥せていた天魔様のご病気が全快なされて良かった。今年の天魔様の引かれていた風邪は強力で、何年かぶりに引かれたもので治療法も絶えていたから、射命丸は看病に大層難儀したのだ。
 今は大人しくしてるが、山の神社はまだ、警戒しておくように。いつまた暴れ出すとも知らない。既に暴れているという報告も上がっているし、どちらにしろ、恩恵を我らに与えないとなったら。――神は邪魔だ。
 この間、久方ぶりに谷河童のにとりさんに将棋勝てましてね。といっても珍しい事が起こりましてたよ。にとりさん自分の歩を飛び越して角を動かしてしまったんですよ。反則負けですね。私も二歩してましたが。
 それからだ。私に何かがこびりついたのは。
「その後でにとりさんと議論になりましてね」
「へぇ珍しいわね。何についての議論?」
「えぇ大将棋の駒を片付けながら言うんです」
「そういえば悪狼って駒があるわね」
「茶化さないで下さいよ。にとりさんが言うには、
 まぁこの時少し機嫌悪かったんですが」
「私と椛とにとりと萃香さんで麻雀したいわね」
「それ誰も文様に勝てないじゃ無いですか」
「萃香さんも勝たすわよ。で、にとりは何て?」
「あ、そうそう。ここから見る夕焼けも確かに
 綺麗だけど、河辺から見る方が断然綺麗と」
 夕焼けなら山に勝る所は無いと思うが、山以外の夕焼けの記憶が特に無い。そんな物か。

「そこから幻想郷で何処が一番綺麗に夕焼けが見られるかという議論になりましてね」
「ま、山でしょ」
 ぐびりと酒を呷る。特に興味も無い。
「そうですか?まぁ長い議論にはなりませんでしたが」
「でしょうねぇ。多分河辺も綺麗に見えるのでしょうが」
 夕焼けは夕焼けだ。地底ならともかく、全ての地に平等に日は当たる。「夕焼けが綺麗に見える景色」というのは、
 夕焼けのおかげで、平凡な景色が劇的に綺麗になる、というのではないだろう。そういう地は元から美しいのだ。
 そして美しい景色はこの幻想郷に無数にある。
――不毛な議論ね。と思いつつ椛を見ると、どうやら私は期待した返答をしなかったらしい。
「……そのことについて前から文様と話したい事がありまして……」
――ほら来た。一体何?
「夕焼けは本当に美しい物なのでしょうか?」

「はぁ?」
 つい間の抜けた返答をしてしまったが、どうやら椛は真剣に質問しているらしい。
 成る程、これは意外に難しい、根源的な問題なのかもしれない。夕焼けとは何か。
 恐怖に怯える者には夕焼けは世の断末魔に見えるだろう。
 完全な科学の輩には夕焼けは只の乱反射する太陽光線だろう。
 罪を自覚した児には夕焼けは光の告解室を演出する照明灯だろう。
 何にせよ、夕陽がどのように見えるかは、見る者の心理状態に依るのだろう。躁か鬱か、それだけでもでも大部違う筈だ。
 結局、鏡を見ているようなものだ。勝手に愚か者が愚かな物を太陽に投影している。どちらかといえば――醜い。
「そうね言われてみれば、美しくは無いかも」
「で、ですよね。いえ、私も小さい頃は、何だか明るくなっていくのが幼心に綺麗に思えたのですが。今は」
 こういう返答を期待していたか。果たして椛はどんな鏡を覗いているものか。
「夕焼けを綺麗というのがよく分からないのですよ。夕焼けという言葉も変です。何も焼いている様に見えませんし。
 ただ陽が沈むだけ、段々灰色に近付いていって暗くなるだけ」

「……?」
 何かがおかしい。いや、椛は別に間違った事は言っていない。そういう日もあることはある。ただ、何となく据わりが悪い。
 何だかちぐはぐで不安になる。一気呑みをし過ぎただろうか。そもそも椛は何を見ている?
「夕焼けの話よね?」
「えぇ、あの、黄昏時に空が灰色に包まれる、あの、夕焼けと言われるそれですよ。あぁ、灰色だから焼けなのでしょうかね?」
 何となく頭が痛くなって来た。ただ、頭痛の原因は分かった。原因さえ取り除けばちぐはぐは消える。
「さて、どうすればいいのかしらね」
「何です?」
 真っ直ぐ見つめてくる椛の瞳を見返す。
 この瞳には見えていないものがある。

 一つ質問しておこう。確認の為に。
「所で、貴女の名前でもある紅葉は好き?」
「突然なんです?勿論好きですよ。山が黄色と緑に染まって綺麗ですよね、黄葉は。大部分の葉は枯れて、
 暗い色をしてしまいますけど」
 あの神様が聞いたら、どう思うかしらね。
 ともかくこれで決定的ね。
 椛は「赤色」を見る事が出来なくなったのではないか
「はぁ……」
「どうかしましたか?」
 確かに聞いたことがある。
 イヌ科の動物の目は赤色に反応する細胞が、無いと言っても良い位少ないのだそうだ。その性質をわざわざ受け継いだのだろうか。しかも後天的に。なんて律儀なことだろう。
 しかし、何故今まで気付かなかったのか。
 まぁ赤色が灰色に見えても日常生活には支障が無いのだろう。
 にとりも面食らったろうな。夕焼けを知らない者と美しさの議論は出来なかっただろう。
 まぁ自覚させればいい。簡単なこと。
「椛……あのね、貴女は……」
 ここまで言いかけて、愕然とした。
「赤」を知らぬ人に「赤」をどう説明すればいいのだろうか。

 その日は結局ぐだぐだになって別れた。何も事は進展せずに終わってしまった。家に帰ってから何故か無性に苛々した。
 頭の中が靄々してすぐ突っ伏して寝た。私が苛々する必要は無いのだが。
 世の中がどう見えているかなど人の勝手だ。私が気に病む事など一切無い筈だ。
 気に病む?
 というよりこの心情はもっと怒りに近いのでは無いだろうかと自己分析する。
 生まれつき「赤」を知らない者が身近に居る。
 そして「赤」を知らない世界は、私には未来永劫知れない。
 想像の中の未来永劫知れない世界は随分と不便で腑抜けている。
 少なくとも「正しい」あり方ではないように思える。
 考えるとかなりむず痒くて鬱陶しい。頭の中がばたばたとして中々寝付けなかった。白黒の夢を何度も見た。

 翌朝どうにも最悪な気分で目覚めた。薬師の睡眠薬は大分前に貰っていたが、意地で使わなかった。こんな不安な状態で使ったら色々な意味で終わる気がした。
 仕事中もずっと白黒の世界で頭が重かった。
 侵入者などの不測の事態が起きなかった事だけが幸い。予め早番にしていた自分に感謝した。
 仕事を終えた後、ふらふらした頭で水気のある所へ行った。どうにも頭を冷やしたかった。
 気付いたら河原に来ていた。私は水に指先を差し入れた。
 冷たい。……いや、何だろう?
 水が凝っている。私は手を引き抜いた。
「文さん顔色悪いよ?」
 こども?
「私は子供でも胎児でも川赤子でも無いよ?」
――まぁ、似たようなもんだけどさ。
 河城にとりがざばりと姿を現した。
「げげっ本当顔真っ青じゃない。風邪でも引いたんじゃない?」
「あやややや、風使いの私が風邪なんか引くわけ無いじゃない」

 時々河童は失礼な物言いをするから困る。
「そう?本人が言うならそうなんだろうけどさ」
 にとりは映写機みたいな機械を弄くり出す。
「先日はうちの椛が久しぶりに勝てたようね」
「うん負けたねー。やっぱあの時、椛が二歩指したの、見逃してやらなきゃよかったよ」 
 成る程にとりが負けた位で機嫌損ねるのは珍しいと思ったが、勝てた勝負を見逃すのは悔しいだろう。鬼からの当たり牌を見逃す様なものだ。
「で、その後言い争いになったみたいで……」
「言い争い?あぁ、あの変な主張?河辺の夕陽の方が綺麗と言ったら夕陽は綺麗じゃないとか言うもんだから少し驚かされたよ」
「あぁ、それはね……」
「あの後帰って考えたら分かったよ。椛、赤色知らないんでしょ?」
「……よく分かったわね。で、そういうことは河童の技術で何とか出来ないの?元に戻すだけで良いのだけれど」
「無理」
 
「そういう眼鏡とか出来ないの?河童の技術も大した事無いわね」
「どうしろっていうのさ。あれ多分中が少し他と違うだけなんだよ?どうやって弄れと」
 弄る。
 そう、弄りたいのだろうな私は。椛の世界を。
「まぁ赤色てのは七百ナノ前後の波長の光の事だから、あの兎に協力してもらえばあるいは。
やっぱ駄目だ。これは椛の主観のコトなんだし」
 もう話は聞いていなかった。
 何だか視界がくらくらしてきた。
「ん?どうしたの文さん?」
「帰るわ」
 くるりとにとりに背を向け少しずつ歩き出す。山の緑が一斉に私を見下してるように見える。
「今日の文さん何だか様子がおかしいよ?どうしたの!何か取り憑かれてるんじゃない!」
 河童が何か叫んでる。
「私は誇り高い天狗だよ?何かに取り憑かれたりするわけないじゃない」
 本当に失礼。
 河童も、私と違う世界を見ているのだろうか。
 だとしたらやはり嫌だな。

「あの時あいつわざと見逃したんだよ」
 大部酒が回ってきたわね。八雲紫はぐびりと杯の酒を飲み干しながら、友人を眺めていた。
「間違いないさ。それに気付かないほど、私もうつけじゃない。不愉快なのは、あいつが私が気付いてないと、思い込んでることさ」
「まぁそういうものじゃない?」
「そんなので勝ってもちっとも嬉しくない」
「そうした方がいいと判断したんじゃない?少なくとも、その子の世界では」
 伊吹萃香は瓢箪からだくだくと酒を一気呑みした。尽きることなどまず無いが。ふぅと息をつく。
「そうともさ。ただ、世界は見方によって違う。この世には無数の世界があることを、あいつは目を逸らしたいんだ」
「天狗になるっていうのかしら」
「茶化さないでくれるかな」
「しかも今あいつ……」
「天狗風邪ねぇ……」

「良くも悪くも、業が深いから」
「それは貴女もでしょう?」
「紫もな」
 二人だけしかいない隙間の中の空間は、そろそろと移動を止め始めた。
「お、ここだここ。送ってくれてありがとな」
「便利な乗り物扱いはひどいと思わない?自分で移動すればひとっ飛びじゃない」
「ごめんごめん。これから旧友と酒盛りでね〜体力使いたく無くって。借りは返すさ」
「すぐ返して貰うわ。貴女の性格知ってるし」
 酒盛りの前に酒盛りをするのは、正直、愉快過ぎる性格だと思うけど。空間は妖怪の山の風穴に横付けにされた。
「そんじゃ。ありがと。また宴会しよう」
 萃香は右腕から自分の身体を少しずつ霧に変えていく。それが横穴に吸い込まれていくようだ
しゅるしゅるしゅるしゅる
「あ、あと、あいつの事暇潰しでいいから気にかけてやってよ。あいつ、自尊心が強いからさ」
 そういってにこりと笑った。本当愉快な奴だ。
 萃香と別れると紫は山に降り立った。
 噂をすれば何とやら。射命丸文がとぼとぼ歩いてきた。

「今日は、嘘つき鴉さん」
 今最も会いたくない妖怪が私の目の前にいる。
 しかも言うに事欠いて嘘つき鴉呼ばわりは無いだろう。思いつく限りの罵詈雑言を浴びせかけてやりたいが、何分相手が悪い。私も勤務中じゃない。出来るだけ丁寧に追い払うに限る。
「今日は賢者さん、今日も狐を虐待してますか」
「式神は元気に暮らしてますわ。嘘鴉さん」
 苛々するし調子が狂うから早く消えてくれないかしら。
 そもそも私が何故嘘つきなのだ。
 貴女は自分の事を偽り過ぎよ。
 何だか、思考が洩れている。
 それも仕方ないじゃない。
 私は里に最も近い天狗。
 愚者でも価値はある。
 萎縮されたく無いのだ。
 伏せておいた方が良い事。
 そもそも何故賢者がそれを。
 ――私の事を知っているの?

 背筋がすぅっと寒くなった。
 けれども、同時に思いついた事がある。
 頭が少し冷えたらしい。
「どうかしました?調子が悪いのかしら」
 調子などここ最近ずっと悪い。それよりも思いつきを形にしないと。何と言えばいいのか。
「あの、少しお尋ねしたいのですが……」
「何でも訊いて良いわよ」
「貴女の狐、いや式神でしたか。彼女は夕焼けを見ることは出来ますか?」
 我ながら馬鹿な質問だと思う。
「昔は見られなかったわ。今は見る事が出来る」
 流石に返答が早い。馬鹿な質問の意を汲んでくれたらしい。賢者を名乗るならやはりそうでなくては。
 そう確か、狐もイヌ科だったはずだ。
「私に仕えるまでは不都合は無かったのだけどね。境界を守る為には虹の中に無数の色を見なければいけない。赤が見られないと務まらない」
 そんな事はどうでもいい。
 見られるようにする手段がある。
 歪みかけた世界を治す方が見つかった。
「椛を、椛に、夕焼けを見せて下さいませんか」
――本当にそれでいいのかしら?

「は?」
 良いに決まっているだろう。少なくともそれで椛の世界は充たされるのはずだ。
「椛はまだ未熟です。食事も完全に捨て切れていません。力も使いこなせていません」
「それが?」
「おそらく業が足りないのでしょう。天狗は良くも悪くも業によるモノです」
「それが色と何の関係が?」
「衣食足りて礼節を知ると言いますでしょう?満ち足りていればこそ礼も業も成せるのですよ。
今の椛には赤色が、昔見ていた世界から一色足りないのです。これが業の妨げになっている。私は、」
――椛の業の手助けがしたい。
嘘つき鴉。それが何です?
「成る程ね。貴女、比叡山の法性坊の名を聞いたことはあるでしょう?」
「……?」急に何を言い始めるのだ?
気のせいか大地がぐらぐらとしてきた

「知り合いだったかしら?名のある大天狗ですものね」
「……・」
「さてその比叡の山を開いた、最も澄みわたると自称した大師の遺戒にこんな言葉があるわ」
じゃりじゃりと私に近付いてくる。鬱陶しい。
「『道心の中に衣食あり、衣食の中に道心なし』志があれば自ずと満ち足りる物よ。ただ、満ち足りる事だけを求めれば志は消えていく」
 瞳の中が見えるほど顔を近づけてくる。
「貴女の志はどこへ行きたいのかしらね」
「私は……関係ない。これは椛の話です」
 その、瞳の中に。
「まだ言うの」
咄嗟に突き飛ばす。手がするりと抜ける
「どうしたの」
「なんなのですか!さっきから貴女は!」
「私達の敵の言葉で私に説教ですか!」
「私をからかっているのか!」
 何故貴女は椛に夕焼けを見せたいの
 それは。
 椛が可哀相じゃないか。昔見えていた
 ――それが間違いだというのに。

「え」
――いいわ。分からないのなら。椛が赤色を見えるようにしてあげる。
「ほ、本当ですか!」
――えぇ
「良かった、これで私も元通りに」
――どうかしら?
――どうなっても知らないわよ。
 紫の妖怪がつらつらと呪文を唱えはじめる
 青色青光。黄色黄光。赤色赤光。白色白光。
 青色青光。黄色黄光。赤色赤光。白色白光。
 この紫も椛の目には違って見えていたのだろうか。
 けれど、もう関係ない。全て元通りだ。
 じゃくじゃくと滝の裏に歩を進めながら。
 青色青光。黄色黄光。赤色赤光。白色白光。
 青色青光。黄色黄光。赤色赤光。白色白光。
 青色青光。黄色黄光。赤色赤光。白色白光。
 青色青光。黄色黄光。赤色赤光。白色白光。
 ――求めすぎるモノに。

 はたと気付く。
 何かがおかしい。
 どうしてさっきから誰も出てこない?
 今日の黄昏時、詰め所に詰めているのは誰だったかしら。
 紫の名を持つ妖の影がぼうと歪む。
――終わったわ。
 滝の裏へ急ぎなさい……
 高下駄を駆って滝まで全速力で向かう。
 身体が縺れて、上手く動けなかった。
 丁度そこに犬走椛が詰めていた。
 目を押さえ俯せに倒れていた。
「椛!大丈夫?」
「文様?ど、どうしてここに?」
 目の焦点が合っていない。
 何が起こっている?
「何で倒れていたの?」
「分かりません、急に、目に激痛が走りまして」
「激痛?」
「もう大丈夫です。心配かけてすいません。」
 椛が身体を起こす。紫が滝の裏に入ってきた。
「あれ?」
 椛がすっくと立って西陽を真正面に浴びる。
「夕焼けが……夕焼けが怖い」

 赤色が見えている?
 何だ、本当に見えるようにしてくれたんじゃないか。
 あの賢者に感謝しなくちゃ。
 後ろを振り返ると、紫は詰め所から姿を消していた。
「文様、夕焼けが怖いのです」
「怖くなんかないわ。皆あの夕焼けをみているの、
 今まで椛が見ていた夕焼けが偽物なの」
「ニセ……モノ……?」
「綺麗でしょ?これからは毎日、この夕焼けが拝めるわ。今の椛は初めて鏡を見たような状態」
 ぶんぶんと椛が首を振る。
 可愛い。
 首を振りながらぶつぶつと喋る。
「どうして、急に世界が敵意を剥き出しに……」
「あぁ、急にこの「赤」という色が見えたのは、
私が頼んだのよ」
 ぴくりと椛が動きを止める。
「文様が……?」

「ええそうよ」
「そんな…コト…ヲ……」
「え?」
 何かが、おかしくなった。
 ちくりと何かが刺さる感じがした。
 ぐるりと椛が私を睨む。焦点の定まらぬ目で。
「ガルルルル……」
 低く重くうなり始めた。牙を剥き出しにして。
「ちょ、ちょっと、どうしたのよ!」
「ニ…ゲ……」
 ブチリと音がして、椛が太刀の鞘を抜いた。椛の後ろに巨大な狼の幻影が浮かんだ。
 幻……影……?
 あんなはっきりとした?
 突然の事態に一瞬意識が遠くなりかける。身体感覚が彼方へ飛んでいき。立ち竦む。
 身体が……動かない……
「やめて……椛……」
 ガルルルル……
 文様が悪いのです余計な事をするから何故そんなことをしたのですか人の世界を弄ろうとして私はそんな事望んでなかったのに文様なんか。
――大っ嫌いです。

 太刀が振り上がり、幻影の狼が私を喰らう。
 う、うわああああっ!
 ごめんね椛。
 ぷつっ

 太刀が夕焼けの照り返しを受けて、何だか、とっても綺麗だ。
 人生で初めて見る「赤」というらしい色だけれど、
 もう、怖くない。
 頭ががんがんする。どうもほんの数分前の記憶がない。私はどうしてしまったんだろう。私の拙い頭が新

しい情報を処理できなかったのか。
 それにしても文様はどこへ行ってしまったのだろう。さっきまで一緒に居た気がするのに。太刀に陽を輝

かせる遊びは日没迄しか出来ない。
 また明日。
 なるほど鏡か。
 その刹那、刀に赤い何かがこびりついているのに気付いた。

 夕陽の残滓かと素敵な事も一瞬考えたけれど、それは現実逃避に過ぎなかった。
 何より、鼻を近づけたらすぐに分かった。初めて見るこの赤いモノは血だと。
 私が意識を失っている間、この刀は誰かを傷付けたのだ。殺したかも知れぬ。
 嫌な予感に胸を締め付けられ詰め所の奥の仮眠室に飛び込んだ。見つかった。
 真っ暗な奥の寝台に文様が寝ていた。ただ、信じられない事に首が無かった。
 首が無かった。
「わあああっ!」
 どうしようどうしようまさか尊敬する文様が死ぬなんていや妖怪は死なないのじゃないか。馬鹿じゃないかよく見ろ首が無いじゃないか。
 首が無いじゃあないか。
 いくら妖怪でも首はねられたら死ぬよぉ!
 いやいやいやいやそんな事より問題なのは。
 下手人が私だと言うことだ。
 この窮地を解決するには。
 太刀を首にあてがった。
 すみません文様。すぐ、謝りに行きます。
 ぷつっ

 だからさぁ。
 前から思ってたんだけどさぁ。
 やり方が一々一々陰険なんだよ!
「悪かったわよ」
 いーや絶対悪いと思ってないね。あんたは。絶対楽しんでたろ。
「少しね」
 何て奴だよ。
 そりゃ気にかけてやってくれとは言ったさ。
 だからといってやり方が悪趣味すぎるだろ!
 なぁ紫よぉ!私にいつ通信機くくりつけた?
「五月蠅いわねぇ」
 八雲紫は犬走椛を隙間に乗せ、天狗の診療所までの道行きをすっ、すっ、と飛んでいる。椛の首は繋がっている。
「仕方無かったのよ」
 仕方無いって何だよ。
 一方、伊吹萃香は射命丸文を担いでさらさら飛んでいる。
 こちらも無傷である。

「私も驚いたわよ。まさか天狗風邪を二人ともひいてるなんて思わなかったのよ!」
 まぁなぁ……文は私も分かったけど、
 椛も引いてるとはなぁ
「天狗風邪というのは、倒錯幻覚偏執性格異常神経症躁鬱を伴う難病だからねぇ」
 その説明臭い台詞を聞くと本当精神病のようだなぁ。
「そして幻想郷初期に起こった『天狗異変』の原因」
 まぁ、天魔様に移されちまったんだろうなぁ
「まぁあの人は免疫あるから良いんだけどね。周りが少しずつ狂っていって。大爆発して殺し合っちゃう」
 文も熱心に天魔様の看病しすぎだったなぁ。自分は大丈夫って率先していって自分も風邪ひいちゃ世話無いよ。
「それでいて仕事熱心だから無理しちゃうし」
 しんどかったら休むって考えは無いのかねぇ。
「無いんでしょ」
 もう原因細菌は死滅してるから大丈夫だな?
「大丈夫よ」
 厄介すぎるよなぁ……

 本人が死なないと原因細菌死なないなんて
「妖怪が精神のモノだからじゃない?逆に言えば感染者が死んでさえくれれば、細菌も死ぬのよ」
 死んでさえくれればってねぇ……
「元々神経弱ってるしねぇ」
 楽しそうだねぇ紫……
「そうでもないわよ、急がないと本当に殺し合いかねなかったし、タイミング計ったりなんなり中々しんどかったのよ」
 荒療治受けた二人の方が断然しんどいだろうさ。
 結局紫は何したんだ?文の前で口から出任せぐちゃぐちゃ喋っただけじゃないのだろ?
「勿論よ。しかも思ったよりも最終段階に来るのが早すぎたから綱渡りに次ぐ綱渡りよ」
 だからこうして酒盛りの翌朝に私は文担いで空飛んでる訳ね……
「昨日の借りよ。私、天狗の診療所の場所知らないし」
 隙間に二人入れればいいのにとは思ったけど、勿論口には出せなかった。

「で、何から聞きたい?」
 あ、そうそう狼の幻影はどうした?単なる幻影とか言うなよ?紫の便利能力でもそこまで出来ん。
「あぁ、あれは河童の新発明。何でも、三次元投影機とか言うそうよ」
 隙間から映写機みたいな機械を引き出した。河童も役立たない発明が好きだねぇ
「今回は役立ったわよ。ちなみに狼の元はコレ」
 それは小さな小さな根付けの狼だった。原理は説明されてもよく解らなかった。
「文の様子がおかしいのを治すために使わせてと言ったら喜んで提供してくれたの」
(私が山を去ってから上手くやってたんだなぁ)
 で、文が金縛りにあったのは?
「これね」といって紫は注射器を二本、恭しく取り出した。
「これに天狗特製の痺れ薬入れて、ちくりとね」
 成る程ねぇ。自分達の作った薬の効果を自分で確かめちまったわけだ。それにしても良く気付かれなかったな。隙間で近づけるとはいえ
「虫に刺されたと思ったんじゃない?」
 いや、それどころじゃなかったのか。萃香はぐるりと後ろを振り返る。文は寝息をたてている。

 ん?もう一つの注射器は何に使った?
「あぁ、文から少しだけ血を抜いて椛の太刀に付着させたのよ」
 そこまでせんでも。血糊とかで良かなかったか?
「駄目よ、椛は鼻は利くんだから」
 それにしても文も椛も上手く気絶させたなぁ。椛なんか二回も気絶させられてるじゃないか。
「まぁ二人ともいっぱいいっぱいだったからね。私が境界弄らなくても勝手に前後不覚になって
 昏倒したとは思うけど。まぁ危険ではあったし。寝て貰ったわ」
 ああ、覚醒と睡眠の境界か。
「ご名答。それにしても、目がぎらぎらしてて怖かったわー。私も殺されるかと思った」
 嘘こけ。いざ殺されるとなったら涼しい顔で返り討ちにして殺すだろう。
 八雲紫はそういう奴だ。
「あ、そうそう、文の首はどうやって繋げたか、分かる?」

 そんな事とっくに分かってるさ。仮眠室で寝かせた文の、首だけ隙間に突っ込んでおいたんだろう?
 昔よく紫がふざけてやってた悪戯だ。
「何だ、覚えてたの、詰まらないなぁ萃香は」
 やっぱり楽しんでんじゃん。
 楽しまなきゃやってられないか、こんな事は。
 えぐい事するよなぁ紫は
「良い?一番大事なのは本人達に死んで貰うことなの。細菌を完全に騙さないといけないわけだからね。
 だから投影機だとか注射器だとか、仕掛けが大きくなってしまったのよ。そのままにしてたら、多くの人を巻き添えにして、本当に死んでいたのだから」
 そういって優しい目で文を眺めた。
 二人の無事を一番喜んでいるのは、紫なのかも知れないと、何故かそう思った。
 二人は昨日の事をどう思うだろう?夢だとでも思うのだろうか?
「向き合うのじゃ無いかしら、二人とも、誇り高き天狗なのだから」
 すやすやと安らかな寝顔が二つ。
 悪夢は終わったのだ。

「診療所で軽く診て貰った後、滝の裏の詰め所の仮眠室に寝かして起きましょう。まだ一日は、眠ったままでしょうし」
 全てが一段落ついたら、宴会しようや。
「いいわね」
 明けの明星が力強く輝いていた。
もう、日の出が近い。

 私は、何故生きているのだろう。私は自分勝手な我が儘で、椛の世界を弄ってしまった。
 記者としても、天狗としても、やってはならぬ事をした。だから罰を受けた。
 この世には一人一人の世界がある。
 それを気に入らぬからと言って変えてしまおうなどと、狂気の沙汰としか思えない。
 本当に何かに取り憑かれていたか。
 それなら天狗の風上にも置けない。
 それならば、なお一層のこと、私は何故生きているのだ。
 安らかな椛の寝顔を見る事など、本来許される筈じゃないのに。
 
 目が涙で滲んできた。泣けはしなかったが。
 私は、許されたのか。
「文様!」
 椛が跳ね起きる。
「済みませんでした!
 文様に手をかけてしまって、その罪滅ぼしの為自刃して後を追ってお詫びに……」
「落ち着いて、私も貴女も生きてるわ」
「え……」
 生きてる。
「う……うぅ……ぐっ……」
「私のせいなのだから、気に病まないで」
 椛も許されたのか。当たり前か。
 椛は何も悪くないのだから。
 椛の啜り泣きが止んだ頃、
 仮眠室が赤い光で包まれた。
「良がった……うぅうぅ……夕焼けを文様と一緒に見ることが出来て、本当に良かった・・・・・・」
「この美しい夕焼けを、見る事が出来るのね?」
「はい、文様の兜巾と同じ色の、綺麗な夕焼けが」
 少し複雑な気分になった。
 私のした事の、罪の痕跡は残ってしまうのか。
「やっほー、いるかい?」

「何だい何だい、しんみりしてるねぇ。せっかくの宴会のお誘いに私が参上したって言うのに」
 滝の裏の詰め所に訊ねてきたのは何故か伊吹萃香だった。
「い、伊吹様、な、何故このような所に!」
「あぁ〜私はその様付けってのが嫌いなんだよ。呼び捨てでもいいくらいさ。文と違って、私はもう山の組織の人間じゃないんだ」
「し、しかし……」
「何故わざわざ、こんな所まで?」
「言ったろ、宴会のお誘いだ。ちょいと最近、宴が足りない」
 とても宴会に臨む気分じゃない。今酒を口にしたら、私の暗い部分が垂れ流しになってしまうのではないか。
「それと、文、今日お前さん無断欠勤したろ」
「あ……」
「まぁ私が呑みに連れ回したって事にしたからな。それを嘘にしないためにも、宴会拒否権無しだ」

「な」
「私も休んでる……」
「まぁ椛は今日もここに詰めている仕事だから、無断欠勤にはならないだろうけど」
 椛は余り宴会に参加したことないし。
「いい機会だ」鬼はにこりと笑って、
「来なさい」と言った。
 完全に断れる雰囲気で無くなってしまった。。
 文はこういしょうもあることだし。
 こういしょうとは何だろう。
 無理矢理連れ出される時、空耳だろうけれど、
「皆が待ってる」と聞こえた。
 連れていかれた先には
『天魔様快気祝い』と書かれた幟が立っていた。
 騒ぐためだけの大義名分だろうけど。
 宴の席には、本日の一応主役である天魔様が上座に座り、あとはめいめい好き勝手に並んでいた。
 妖怪の山中心の宴だけあって少し規模は小さめだが、それでも見知った顔がちらほら見える。
 大小様々な天狗、山の神社の者、厄神、秋神姉妹、伊吹萃香、河城にとり。何故か古道具屋。
 そして更に何故か八雲紫。昨日の事もあり、出来るだけ会いたくなかったのだけれど。

 ただ今日は昨日の仏頂面とは違って、何か良い事でもあったのか、満面の微笑みを称えている。
 ここにいるそれぞれ全員が違う世界を持っている。
 そう考えると何となく居辛かった。
 今日私は私の世界を閉じていたい。
 ところが、この宴は何だか一風変わっていた。
 いつの間にか宴の中心が私達になっていた。
 天魔様は私の看病の労をねぎらって下さり、
 私はいつもの天魔様なら有り得ぬ、特別過ぎる計らいに感動し、ぼぅっとしていたら、
 いつの間にやら私達が宴の中心になっていたのだ。
 いや、誰もが宴の中心なのか。
 しかし、これまで宴で自分が中心だと
 考えたことなどなかった。一体何故?
 文さん新しい機械見て下さいよ。
 文君新聞楽しみにしているよ。
 文、ほら、もっと呑まないか。
 文、本当に助かって良かった。
 文、死なないでくれて有り難う。

 椛も楽しげである。
 文様、宴というのは鮮やかなのですね。宴は華やかなのですね。
 色を
 色を見せて下さって有り難うございます。
 とても嬉しそうに言うのだ。私の罪を
 良かったのか。これで。これで、良かったのか。
 酒に強いはずの私が軽く溺れた。
 不思議な夢を見た。これが一酔の夢か。
 雲の上で何故か、八雲紫と伊吹萃香とで酒盛りをしていた。
 夢の中でも酒盛りなのかと可笑しくなってしまった。
 可笑しいな。
 妖怪の賢者が私に尋ねる。
 もう解ったでしょう?
「私の世界は」
 一人一人の世界はね、弄るものでも、閉じるものでもないの。
 ――繋げるものなのよ。
 この宴のように。雲の下では宴会が。
 何だ、それじゃいつもと同じじゃないですか。

 良かったのか、それで。それで、良かったのだ。
 今、私の色が足りた気がする。
 色即是空 空即是色。 全ては幻想、色も幻想
 私は何を惑っていたか、何を迷っていたのか。
 ははは、可笑しいですね。
 可笑しい可笑しい可笑しい。
 おいおい文、笑いすぎて泣くなよ。
 え?
 私は涙を流していた。何故かも解らずに。
 涙が出たならもう大丈夫ね
 きっと奴らは完全に消えたのでしょう
 その愉快な奴らはいったい誰です?
 ふふふ、それはね。
 そんなところでふっと夢から醒めた。
 私の身体は宴会場に戻って来ていた。
 紫や萃香と夢について話したいと思ったが、
 何故か見当たらなかった。
 椛が私の足元で寝ていた。可愛い。

 宴は夜を徹して行われ、日の出が近付くにつれ、少しずつ溶けていった。
 文もいつの間にか自分の家にいた。そして、三日間の幻想的な記憶を思いやる。
 哀しく儚くやるせなく。楽しく淡く止めどなく。
 はっきりしているのに何故か見通せない。
 そんな記憶達を。
 この記憶も、日常の忙殺の陰に、隠れてしまうのだろうか。
 だとしたら、嫌だな。
 ならば
 文字にする事で、どうしても劣化してしまうだろうけど。
 何も残さないよりは遥かにましだ。
 そう思った。
 未だに整理が付かぬから、帖面に、起こった出来事だけを記録する事にした。
 記事にするなど未来永劫出来ないだろうが。
 そして文は帖面を開く。
 ふっと風に顔をあげると綺麗な朝焼けが見えていた。
本文を加筆修正。名前を方暗綵火に変更
方暗綵火
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/05/09 23:05:43
更新日時:
2010/01/25 04:48:10
評価:
18/18
POINT:
82
Rate:
1.13
1. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/05/11 23:51:43
面白かった。何より、テーマの使い方が上手いと思った。
2. 10 名前が無い程度の能力 ■2009/05/15 13:55:47
文のエゴと苦しみがよく現れていたと思います。
そして世界は繋けるものという紫の言葉でノックアウト。
満点あげちゃうどすえ!
3. 5 三文字 ■2009/05/17 21:23:32
段落が多すぎて文章がぶつ切りになっている感じです。正直読みにくい……
なにか意図があってこうしたのでしょうが、残念ながら自分ではそれが読み取れませんでした。
周りと違うものが見える人を無理矢理周りと同じようにするのは、確かに独善的ですねぇ。
皆違って皆良い。
4. 2 パレット ■2009/05/18 00:44:30
なんだか不思議な文章。
正直、小刻みな改行からして読みにくそうだという第一印象だったのですが、実際に読んでみると、なかなかどうしてこれはこれでありなようにも思えてきました。味がある、というか。
5. 5 名前が無い程度の能力 ■2009/05/18 14:17:23
紫がカッコよかったです
6. 3 神鋼 ■2009/05/31 18:29:26
あーうー、どうなんでしょうね。なんだか話にズレみたいなものを感じました。
7. 3 As ■2009/06/01 01:49:34
句読点のない箇所で改行を多用しすぎていることと、心象描写と地の文が共に淡々としていることなどで
ひどく読みづらかったです。
8. 3 気の所為 ■2009/06/03 06:07:38
全体的に読みづらい印象を受けました。着眼点は面白いと感じたのですが。
9. 4 有文 ■2009/06/08 00:41:04
ちょっと読みづらいです。読み手に状況を理解してもらうという事を心がけてください。ただ、犬……というか、あらゆる動物の視覚は色々あるという視点は非常に面白かったです。
10. 4 ふじむらりゅう ■2009/06/11 23:59:00
 よく書けているけど、難しいです。文章とか展開とか急ぎすぎけど言いたいことはわかるし、でもちょっと悪趣味だなあと思わんでもなかったですし。首ちょんぱのところとか。後でフォローしてはいるんですけども。
11. 4 ぴぃ ■2009/06/12 04:44:19
これはケータイ小説風……なのかな。申し訳ありませんが、Webだと読みにくかったです。
そうした読みづらさを抜きにして評価すると、話の大筋は悪くないんですが、途中の細菌云々がちょっと浮いているかなと……。
12. 6 佐藤厚志 ■2009/06/12 08:28:42
まるでバッハの平均律のように、無駄のない美しい文章でございました。
そして芋粥が食べたくなりました。何故かは、知りませんが。
13. 2 八重結界 ■2009/06/12 18:42:41
独特な改行が私には合いませんでした。
14. 5 リコーダー ■2009/06/12 21:11:14
天狗風邪に関しては良く分からなかったが、雰囲気はよいかも。
15. 6 moki ■2009/06/12 21:52:46
どう評価したらよいのかわからず、非常に困りました。
ぱっと見は、文の途中で改行があって内容云々以前に形式としてこの場にはそぐわないと思ったのですが、天狗風邪による譫妄状態の視点に、紫と萃香の仄めかしの会話も相俟って、酩酊感を覚えるような独特のリズムが感じられました。短い語数での改行の効果は確かにあるでしょう。
が、また同時に読みにくいのも事実。
少なくとも、文中での改行をなくすことと、誰の視点なのか、一人称なのか三人称なのか、譫妄状態の文、椛の視点とそれ以外での区別、区切りをどうするのかというあたりが、もっと自覚的に書かれていると更に良かったのかなと思います。あとは文頭の一字下げもあったりなかったりで中途半端な。

また内容は、オオカミの色覚という着眼点、それを当然の世界としている椛と、見えるが故にその在り様を憐れと思い自分の世界が唯一無二であると信ずる文の対比も素晴らしかったです。
が、天狗風邪という下りは少々突飛ではないでしょうか。また、やはり肉体が死んだら妖怪といえどそれは死でしょう。肉体は頑丈でバラバラになっても死なないという設定は、それは死ぬほどではない大怪我であるとするのが妥当に思えます。椛の見る世界やら文の葛藤やらをもっと掘り下げて、それで物語を紡いだ方が良かったのではないかなぁと思います。
16. 4 つくし ■2009/06/12 23:10:53
申し訳ありません、時間が差し迫っているため、採点のみにて、感想本文は後ほど改めて。
17. 3 ハバネロ ■2009/06/12 23:11:13
犬前提。
妖怪に科学を持ち込むのも風情が無い話だが、もとの性質を受け継ぐのならそれも仕方ないのか
まあ、聴覚がいい、とか、嗅覚に優れるとか、そういう事があるなら不具合も引き継いでいるのだろう

種明かしは面白かったが
18. 5 K.M ■2009/06/12 23:21:18
世界の見方は人それぞれ、況や別種族をば。強制イク(・A・)ナイ!!
同じ物を見ても同じ風に見えるとは限らないんだよなぁ、物理的じゃなく精神的な場合でも。
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