穢れの花

作品集: 最新 投稿日時: 2009/05/10 00:25:32 更新日時: 2009/05/10 00:25:32 評価: 20/20 POINT: 125 Rate: 1.43
※小説版儚月抄第二話のネタバレを含みます。





「蓬莱の玉の枝を頂戴。さ野方の紫浪の花を名にし負う、等しき者無き史つ官」
「前にそう言って人に宮中宝物庫荒らしを吹っかけて、おまけに私の醜聞流しついでに私を皇子呼ばわりして大津皇子の二の舞踏ませようとしたその貴女様が、一体何をおっしゃいますやら」
 久しぶりに顔を合わせた彼女は、やはりとらえどころのない女性だった。
 なるべくそっけなく慳貪につくった口調を意に介することもなく、彼女はふわふわと笑って続けた。
「あの時貴方は、秘宝をねだるどこの馬の骨ともしれぬ娘を警戒していた。
 今度はそんなの抜きで、貴方が私にどんな玉の枝を贈ってくれるのかを知りたいの。求婚者に物を贈るなら、何を贈るか、って。
 そう……別に、偽物だって何だってかまわないわ。貴方が本当にそれを私に贈りたいと思ってくれているのなら、ね」
 私は、ため息をついた。
 この姫君。やっぱり、一体何を考えているのやら。





(蓬莱の玉の枝、か)
 今となっては懐かしくさえある言葉だ。再び彼女にこれを求められて、私は、彼女と出会った頃のこと――彼女がかつて私に玉の枝を求めてきた時のことを、思い出さずにはいられなかった。
 蓬莱の玉の枝。かつて大王が天から威徳の証として授けられ、爾来王権の象徴として宮中の宝物庫に秘蔵されている。
「藤原不比等様なら、蓬莱の玉の枝をとってくるのもたやすいことでしょう」
 そう言ってかぐや姫は私に蓬莱の玉の枝を要求してきた。暗に自分の立場を利用して宝物庫を破れと唆して。
 結局その時は偽物を渡したのだが、その後彼女は私についてさんざんな醜聞を流してくれた。
 醜聞を流されること自体はかまわない。問題は、その際彼女が私を指すのに用いた名――「車持皇子」である。
 私が皇親の一人であると声高に言い立てるような呼称。ただでさえ「藤原大納言は天皇の御落胤だ」などという噂が大真面目に囁かれていたところにそれである。噂の真偽はさておき、それが世人に信じられた時、私は破滅へと一歩近づく羽目になる。
 皇親はすなわち皇位継承者候補。それが余計に存在すれば、時に大乱の火種となる。
 故にその芽は早々に摘み取られる。先年死に追いやられた大津皇子が良い例だ。
 何故そのような騒乱の種を播いたのかと問えば、「なんとなく、気が向いたから。強いて言うなら、単なる暇つぶしね」ときたものだ。
 そしてそれを咎めようものなら「あら、人間は争うことで成長するものよ」。大勢の人が命を落として云々という正論は、彼女には通用しない。
 とまあ、こんな調子で、その後も彼女はたっぷりと私を振り回してくれたのだ。
(それにしても)
 思考は再び現在へと戻る。
(「求婚者に物を贈るなら」とはね……)
 今までずっと色恋の沙汰とは無縁で通してきた私にとっては、とんでもない難題だ。
 婚姻とは政界を生き抜く一手段。もしそれが役に立たなくなった、あるいはかえって身を脅かすことになった場合には、容赦なく切り捨てる。可能であれば、隠蔽して無かったことにする。誰にもその存在を知られぬものなど、無いも同然。
 たとえそれが、妻子を犠牲にすることになっても、である。肉親の情。そんな甘い感傷は、疾うの昔に捨てている。
 そんな私に、求婚のための贈り物を考えろとは。恋した女性に男が何を贈るべきかなど、全く見当もつかない。答えを出せないままに煩悶を重ねるうち、暇な姫君の気まぐれに頭を悩ますのに貴重な時間を割いている自分が、次第に苛立たしくなってきた。
(ええい、こんなことにかかずりあっていられるか……!)
 男女の機微がどうこうなどとくだらないことを考えてはいられない。
 律令の整備に、正史の編纂。今は大和の安寧のため、皇統を正し、荒ぶる鄙つ神どもを平げねばならぬ時なのだ。
(とりあえず、欲しがっているものに出来るだけ近いものを贈ればいいだろう。
 能う限り上質な宝玉を集めて、極力本物に忠実な複製を作らせるか)
 あまり洒落ているとも思えないが、とにもかくにも結論は出せた。翌日から私は、さっそく伝手を動員して材料集めを始めることにした。





 琥珀に水晶、珊瑚、翠玉。
 私は、玉の枝を作るために入手した宝玉をいったん私の手元に運ばせ、その中からより色鮮やかなものを選んでいた。今眺めているのは、糸魚川から取り寄せた最上級の翡翠である。
(こちらの方が鮮やかだな)
 選んだものを他と分けて置き、選から外した方をひろい上げた。
 濁り沼の水を思わせる、よどんだ緑色をした石。滑らかに磨き上げられた曲面が蛙の背のようにぬらりと光る。一瞬、指にぬめった粘液が付着したかと錯覚し、思わず手を離して自分の指を見返してしまった。
(そもそも翡翠自体、使えないかもしれない。あの玉の枝の玉は、透き通って輝いていたから)
 この石の、土と乳の色をまじえた不透明な緑色は、どうにも玉の枝にはふさわしくない。あの玉の枝の原色の彩りと澄んだ輝きを再現するなら、用いる宝玉は一抹の濁りも無い鮮やかさと透明さとを備えていなくてはならない。
 ところが、その条件を一点非の打ちどころなく満たした石など、そうそう滅多にお目にかかれるものではない。
 赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。蓬莱の玉の枝の七色の実を、宝玉を以って模そうというわけだが、条件に適う石を七色揃えるのは並大抵のことではない。
(問題は、赤の玉だな)
 私自身かつて一度だけ見たことがある蓬莱の玉の枝の、あの、目に痛いほどに鮮烈な色彩。とりわけ赤は、まるで太陽をまともに見てしまったように眼裏に灼きついて、しばらく視界にまとわりつき続けた程だ。
 その赤を、再現出来ない。
 様々な赤い玉を集めてはみるが、どうにも納得のいく赤を得られないのだ。たどれる伝手は、既に全て使い尽くしてしまっている。あとは折にふれて打診を繰り返しながら、朗報がもたらされるのを待つばかりだ。
(どうしたものだか。いや、どうしようもないのだが……)
 行き詰まったまま、いたずらに時間ばかりが過ぎていった。





 その夜、唐突にかぐや姫が私を訪ねてきた。これまでにもたびたびあったことではあるが、およそ身分なり財産なりのある家の娘のすることとは思えない。
「まったく。供廻りもつけずに、夜中に一人歩きとは。
 よくまああのご両親がお許しになるものだ」
「ええ、お許しにならないわよ。
 屋敷を囲んでいる警護役だって、侵入者を防ぐためのものなのやら、私の脱走を防ぐためのものなのやら」
 月輪を背に、典雅な微笑みをこちらに向ける。こんなところだけを見ている分には、ただの美しく気品あふれる姫君なのだが。
 春の花、秋の木々にも劣らぬ華やかな衣を身にまとい、時折紅を差した口元からちらりと笑みをこぼして……。そんな艶姿を見慣れて久しかった私は、そういえば彼女は世の男という男の求婚を一身に受けた美姫であったのだと、今更ながらに思い出した。
「ほら、十六夜月よ」
 真紅の裳裾をふわりと揺らし、くるりとこちらに背を向けて月を仰いだ。宮中の仕女達とは違って、そのつややかな漆黒の髪を束ねることをせず、惜しげもなくたっぷりと背中に垂らしている。
「月見ならご自邸でなさい。私は暇ではないのです」
 憎まれ口をたたく。彼女は応えて、向き直らぬまま、視線だけをこちらに流して寄越した。
「月の都はね」
 時々、彼女はそんな話をする。自分は月から来たと言って、生まれ故郷だという月の都がどんな所であるかを語るのだ。
 また始まったかと辟易する一方、悪くないと思っている自分もいることを否定出来ない。与太話として聞いている分には、これがなかなかおもしろいのだ。
「月都は不変の地。ここでは何も変わらない。人々は老いず、気候は一年中快適そのもの。空だって、地上みたいに金色になったり、青くなったり、赤くなったり、そんなことはないもの」
「空が変わらない?」
「月の空は昼間でも真っ黒なの」
「それは不便なことですね、明るい昼の空がないとは。月では月も出ていないでしょうに」
「あら、月人は夜目がきくのよ、地上の民よりずっと。
 それに、黒い空というと地上人は暗いって思うでしょうけれど、月の昼だって地上の真昼みたいに明るいのよ」
 夜のように黒い空の下に、真昼の明るさ。およそ想像しがたい光景だ。もし彼女の話が全て作り話であるなら、彼女は実に素晴らしい空想力の持ち主であると言えよう。
(不思議な女性だ)
 掛け値なしに、そう思う。
 勝手気ままで奔放なくせに、まとう雰囲気は高貴そのもの。妲己、褒似といった古の悪女を髣髴とさせる程の妖艶さでこちらの背筋を凍らせたかと思えば、時に童女のようにあどけなく笑ってみせる。一歩間違えば国家転覆という大それたことを目論みながら、その目的はあくまで「暇つぶし」。ただ楽しみごとだけを求めるその様は、無邪気で無知な子供そのものだ。
 「月からやってきた」などという言葉も、余人であれば「そんな絵空事を」と一笑に付していたことだろう。だが彼女が語れば、そんな荒唐無稽な話さえも「もしかしたら」と思えてきてしまう。「神秘的」とでも形容すればよいのだろうか、彼女の持つ独特の雰囲気が、そんな風に思わせるのかもしれない。
「そう、私達は何も変わらない。変われない。『死』というものすら、多分放棄してしまっている」
 不死といえば、生きとし生ける者全ての悲願。彼女はそれを、さも空しく愚かなことのように語る。
「生きていればどうしたって、争い、憎み、傷つけあう。そうして穢れを負っていく。穢れた者は、変わらずにはいられない。
 だから、変われない私達は、きっと生きてもいないのだわ。
 月都では何も生きていない……生きているものなど、何一つ無い」
 彼女の視線が、いつもより遠い。
「蓬莱の玉の枝もそう。元の木は月に生えている木だけれど、それだけだとただの枯れ木のまま。
 玉の枝はね、穢れを糧に実をつけるの。地上の生き物が穢れを持ち込んではじめて、花も咲けるし実も実る。
 穢れて、花を咲かせて実を結んだ時にだけ、あの木は生きていられるの」
「姫」
 彼女の話をさえぎるように、強い口調で彼女を呼んだ。
「貴女は今夜、私の許に何を話しに来たのです?」
 今夜の彼女は少々尋常ではない。普段から無口というわけではないし、月の話もこれまでに幾度か聞かされている。だが、今夜のように延々と、月の有り様を厭うような話し方をすることは、これまでにはなかった。
「さあ」
 月明かりの加減だろうか。こちらを振り向いた姫は、今にも泣き出しそうに見えた。
「単なる、愚痴こぼしよ」
 そう、ぽつりと言った。それきり、姫は何も答えてはくれなかった。





「稗田」
 定例の朝会を終えた後、本朝随一の知識人として知られる史官の姿を見かけ、声をかけた。
「木々には宝玉の実が生り、人々がみな老いず死なぬ国というものを、聞いたことはあるか?」
 私が問うと、稗田は思慮深げに眉をひそめ、口元に手をやって考え込むような表情を見せた。私とさして変わらぬ年なのに、既に振る舞いや口調に老賢者然とした風格をただよわせている。
「それは、常世国……唐土に云う蓬莱のことでございましょうか」
「ああ。私もその名は聞いたことがあるな」
 不老不死の人々が住まう地といえば、まず名が挙がるのが「蓬莱」そして「常世国」。私も知っているその名を彼が知らぬ筈もないが、何とはなしに尋ねてしまった。多分私には他に尋ねたいことがあって、それをはっきりと捉えられないまま稗田に声をかけたためにそうなったのだろう。
 こちらの心情を察したように、稗田が続けた。
「金銀の樹木に宝玉の果実、瑠璃の川、でしたか。住まう人々はみな不老不死の神仙の類です。
 所在は東海の彼方とも言われていますが、確かなことは分かりませんな。かつての唐土では、我が国こそがその蓬莱の島だと言われていたこともあるそうですよ」
 蓬莱の玉の枝が生えているという月の都。ならば、かぐや姫の語る月都こそ我々が「蓬莱」「常世国」と呼ぶ地なのだろうか。
「何か、その地と月との間に縁があるというようなことを聞かないか?」
 我ながら突拍子もない質問だ。彼は再び先と同じような仕草をとり、やはり眉をひそめてしばらく考えていた。
「それは……聞いたことがありませんなぁ。勿論無関係であると言い切れるわけでもありませんが」
 流石に突飛にすぎる発想か。第一、全てはあの姫の描いた絵空事であるという可能性も十分にあるのだ。勿論、稗田でさえも知らぬ事実である可能性も残されてはいるのだが。
「そうか。煩わせてすまなかったな」
「いえいえ。こちらこそ、お役に立てず申し訳ない。
 そういえば、大納言はもうお聞きでしょうかな」
 会話を繋ごうとしたのか、彼が唐突に切り出してきた。
「なよ竹のかぐや姫が、『月に帰る』と言い出したのだとか」
(なに!)
 危うく、彼の前でみっともなく驚きの声をあげてしまうところだった。
「なんでも葉月の望の夜に月の使いが迎えに来るとかで。天皇も、それを撃退するための兵を差し向けられるとのことですよ」
(あの、かぐや姫が……)
 月云々の真偽の程はともかく、かぐや姫がどこか遠い所に行ってしまうことには違いないのだろう。
 はた迷惑な女性ではあったが、いなくなるとなるとやはり寂しいものだ。そう感じている自分に気付き、自分にもそんな月並みな感想を抱けたものかと少し驚いた。





 ある日、ふと思い立って、十年以上使っていなかった私の別邸に立ち寄ってみることにした。
 到着してはじめに見かけた使用人に来訪を告げると、彼は目を丸くして走り去り、その後邸内中上を下への大騒動となった。放ったらかしにして寄り付かず、しかも連絡もなしにいきなりやってきた私が悪いが、何もそうまで露骨に慌てずとも。
 お蔭で主である私の存在も、すっかり彼らの目先の思案の外となってしまったようだ。一人ぽつんと入り口近くに取り残されたままというのも空しいので、案内を待たず、勝手に邸内をうろつかせてもらうことにした。
 やれ掃除だやれ食事の支度だとの騒ぎを尻目に敷地内を徘徊しながら、私は考え事をしていた。政務上の懸案、家中の事柄、そしてかぐや姫の難題。
(問題は、赤の玉だなぁ……やはり)
 相変わらず私は、同じ問題で行き詰まったままだった。しかも姫がこの地を去るとあれば、これはますます本腰を入れぬわけにはいくまい。
 そうして思案をめぐらしていたその時、
「あの……何か、お考えですか?」
 突然、私に声をかけてくる者があった。
 丈の合わない粗末な着物を着た、十ばかりの少女だ。この別邸に雇われている使用人の娘だろうか。
「ごめんなさい、何かお悩みのようだったから、もし、力になれたら、と思って……。
 余計なことだったら、ほんとにごめんなさい!」
 「余計なこと」と自ら言うあたり、子供にしては思慮があると言ってよいのかもしれない。確かにそうだろう。実際、私が頭を悩ましていたことについて彼女に打ち明けてみる価値があるとは、到底思えない。
 権力も財力も持たぬ子供が良質の宝石、それも、一国の高官の力を以ってしても得られぬ程のものを獲得する手段など、知っている由もなかろう。だが、こうしてこちらを気遣って尋ねてくれているものを、邪険に扱うのもしのびない。おまけに、おどおどと妙におびえたような態度なものだから、尚更だ。
「なに、大したことではないのだよ」
 なるべく相手を威圧しないよう、優しげな声と表情をつくって答えた。
「赤い玉を探しているのだけれど、なかなかいいものが見つからないで困っていたんだ」
「赤い、玉……」
 まったく、私は人の子をとって食うわけでなし、そんなに身構えなくても。そもそも、そんなに私と話すのが怖いなら、何も自分から声をかけてこなくたってよかろうに。
 私がそんなことを思う間に何か思いついたのか、少女がおずおずと口を開いた。
「それなら、もしかしたら山向こうのすすきが原にあるかもしれません。
 お気に召すかどうかは、わかりませんけれど……」
 ありったけの勇気をふり絞ったのだろう。たどたどしく、最後の方は消え入りそうではあったが、彼女なりに言葉をつづり、真っ直ぐに私の目を見つめて話してくれた。
「そうか。では今度、そこに行ってみるかな」
 乗り気で返事をする風をつくってはみたものの、やや白々しくなってしまっただろうか。どうにも子供の扱いには不慣れなのだ。子供を相手にこうして気を遣うのは、もしかしたら初めてのことかもしれない。
 取りつくろうように、続けて
「ありがとう」
 そう、答えてやった。
 それだけのことなのに、彼女は目をいっぱいに見開き、みるみるうちに頬に赤をのぼせてゆく。可憐な木の実が色づくようなその様に、つい、世にあるどんな赤もこの赤には敵わぬのではないかという気になってしまった。
「あ、あのっ。ありがとう、ございます。あ、こういうこと言うのも、変かもしれないですけど……」
 狼狽をそのまま表出させた口調でそう言って、はじかれたような勢いで頭を下げた。
(礼を言うのはこちらだろうに)
 そう思ったが、それは口には出さず、ただ黙って幼子にするように頭をなでてやった。
 私が手を止めると、上体を起こしてこちらを向いた。俯けていた顔を上げると、そこには、うれしそうに破顔した彼女の笑顔があった。
 花のほころぶような笑顔だと思った。





 教えられた通りの道を行くと、確かに一面のすすきが原に出た。実際に足を運んでみて、実はかぐや姫の屋敷のすぐ近くだと気付いて少し拍子抜けした。
 来てはみたものの、勿論あの少女の話をあてにしているわけではない。子供の語る宝玉など、文字通り子供のおもちゃ程度のものだろう。
 所詮は子供の話。参考になるとも思えない。が、気分転換くらいにはなるだろう。それに、あんなにも一生懸命になって教えてくれたというのにそれを無下にしてしまうのは、やはり良心が咎めるのだ。
(それにしても、案の定といえば案の定だが)
 当然のことながら、求める宝玉など見つかりはしない。それどころか、野にありそうな赤いもの――赤い実ひとつ、赤い花ひとつ見当たらない。目に入るものはただ、すすき、薄、ススキ……。視界の悉くを、すすきの薄茶色がうずめつくしている。けれど、
(こういうのも、悪くはないな)
 この、すすきの枯れた色。別段美しい色だというわけではあるまいに、何故だか眺めていて心地よい。ここしばらく色鮮やかな宝石とにらめっこし通しだった私には、なんとも心安らぐ色だ。
(常世国、か……)
 ふと、稗田の話を思い出した。
 常世国では、川には瑠璃の水が流れ、木はといえば金の枝に宝玉の実をつけるという。
 いかにも楽園らしい光景だ。だが、そこにはこのすすきのような素朴な良さを持った草木は、おそらく無い。そう考えると、楽園と言われる常世国も、どうにも味気ない所であるように思えてくる。そんな風に思うのは、私が権力と財産を得て、金銀珠玉の類を見慣れてしまっているからだろうか。
 では、月の都はどうなのだろう。
 日照りにも極寒にも悩まされることなく、おまけに、永遠の若さと死からの解放とを約束された地。まさに絵に画いたような楽園だ。それでもかぐや姫は、私が常世国を味気なく思うように、月の都を厭わしく思うのだろう。
 その月の都へ、彼女は帰っていくのだろうか。
(生きているものが無いということは、月の都にもこんな光景は無いのだろうな)
 安楽そのものの月都を厭う彼女の気持ちが、少しだけ分かったような気がした。
 この地上で暮らしていると、苦労が絶えない。お天道様に振り回され、花はあっけなく枯れ、人はさっさと老いさらばえて死んでゆく。
 それでも。伝説の楽園よりもどこよりも、この地は人に生きる喜びを味わわせてくれるのかもしれない。





 そんじょそこらの貴族では太刀打ち出来ぬほど豪奢な屋敷の周囲を、兵士達が十重二十重に取り囲んでいる。そこここを幾人もの将士が行き交い、さながら戦場のようだ。
「貴方の方から来て下さるのは、これで三度目ね」
 葉月十日余り四日の夕刻。朝廷の兵による厳戒態勢が敷かれる中、そのかぐや姫の屋敷を、私は訪れていた。
「やはり物々しいですね。月の使いとやらへの対策ですか」
「ええ。やっぱり貴方も私が帰ること、知っていたのね。って、これだけ騒ぎになれば当然か。
 でも、よくここまで入ってこれたわね」
「頭と権力は使いようですよ。それよりも」
 そう言って、私は錦の包みを差し出した。姫が包みをほどくと、中からは実をつけた枝を象った宝石細工――私が職人に依頼して作らせておいた、蓬莱の玉の枝の複製が姿を現した。
「まずは紅玉。これが一番苦労しました。唐土よりさらに東の彼方でしか採れぬものです。
 橙は瑪瑙、みちのくの奥つ方。黄玉は……さてどこのものやら。
 緑は波斯の玻璃、青は飛騨の山の藍玉、藍は震旦、天竺を経て本朝に渡来した瑠璃。
 そして紫水晶。あだし国でもあちこちで採れるようですが、これは出雲のものを。
 いや、これだけの宝玉をこの短期間で揃えられたのは、まさに僥倖でしたよ」
 玉の方に凝りすぎて、うっかり枝について職人に指示するのを忘れていたために、枝の色が本物と違ってしまったのはご愛嬌である。
 さて姫の反応はとみれば、こちらはいま一つである。不満気な、ちょっとふてくされたような顔になっている。
 物言いたげに、上目遣いでこちらを睨んできた。
「わざわざ訪ねてきたのは、これを渡すため? 違うわよね」
「あ、ばれましたか。実はこれだけではないんです」
 腹の中でひとつ企み事をしていたのが、顔にでも出ていたのだろうか。流石、目ざといことだ。
「今晩、私と一緒にちょっと抜け出しませんか?」
「この警衛の中を? どうやって?」
「それは貴女の方が得意でしょう。いつものことではありませんか」
 にやりと笑って見せた。今宵一晩くらい、私も彼女のように奔放になってみても、悪くはあるまい。
「まあね。どうせいつもだって見張りだらけ。籠が一重二重増えたって同じことだわ」
 彼女もまた、悪戯っぽい笑みを浮かべている。
「貴方は、私のお願いに答えてくれるのでしょう?
 さあ、二人で籠の目を抜けましょう」
 そう言うや否や、いきなり私の手を引いて、部屋の外の薄暗がりへと駆けだしていった。





 すすきの群れが、手招くようになびく。その動きはあわい金色の明暗を織りなし、風がその上を駆けるのに合わせて押し寄せてくる。このような様を「まるで波のよう」と言うのだろうか。
 月明かりに照らし出された真夜中の茅野は、昼間とはまた違った美しさを見せていた。私達は暫し、玉の枝のことも忘れてこの光景に見入っていた。
「どうです、私とちょっとした勝負をしませんか?」
 沈黙を破ったのは、私の方だった。
「このすすきが原に、私が用意した『玉の枝』の赤の玉が隠れています。それを、私が赤から紫を見つけてくるまでに見つけ出して下さい。貴女は夜目がきくそうですから、分の悪い勝負ではないでしょう。
 貴女が勝ったら私が用意した『玉の枝』の全てを、私が勝ったら、その一枝だけを折り取って貴女に差し上げましょう」
 姫はこの申し出に乗ってくれた。そして予想通り、私が全てを集め終えた時、彼女はまだ目的のものを見つけられずにいた。
「だめね、私の負けかしら。玉の枝どころか、一面すすきしかないのだもの。たまにすすき以外の草が生えているかと思えば、花も実も無い雑草や、赤とは程遠い、黒や茶色の草ばかり」
 肩をすくめる彼女。私の方はといえば、準備万端、「玉の枝」を後ろ手に隠して待ち構えていた。
「無いと思っているから、見つからないのですよ。
 赤と言われて、唇に差す紅や紅葉のような分かりやすい赤を思い浮かべたのでしょう」
 手の中から一つを抜き、真白い月の光にかざす。
「こういう赤だって、あるんです」
 細い棒の先に、黒っぽい色の丸い物をくっつけたような物体。よく見ると、丸い物は小さな粒をたくさん集めて丸めたような姿をしている。さらに目を凝らすと、粒はみな小さな小さな花弁であることが分かる。
 暗がりの中ではあるが、月の光に透けた花弁が、確かに濃い赤色をしているのが見てとれる。
 吾亦紅の花だ。
「すすきに隠れて目立たないですが、この茅野のところどころに咲いているものです。
 実は、近くにいろいろな秋草の咲き乱れる美しい野原があるんです。この赤い花を探していた時に見つけたんですけれどね。
 でも、場所は秘密です。貴女が私に勝ったならご案内していたのですが。
 ですから、これだけで我慢して下さい」
 そう言って私は、隠し持っていた「玉の枝」を披露した。
 それは、秋の野の花の花束。赤から紫までの七種の花を一輪ずつ、茅野とその秋草の野原で摘み取ってきたものだ。
 吾亦紅を元に戻し、束の形を整える。葉に触れると、しっとりと吸いつくような感触が指をとらえ、確かにこれが命を持つ生き物であることをありありと伝えてくる。
「私は、その花野やここが私が用意したような宝玉で出来ている様を想像してみたんです。
 金を撚ってこさえたすすきに、尖晶石を刻んだ萩。吾亦紅は柘榴石の細かいのを寄せ集めて……というように。
 するとね、確かに楽園浄土とはかくやとばかりにきらびやかで、まさにこの世のものとは思えぬ風景、美しいことは美しいんですよ。
 でも、実際目の前に広がるこの花野の美しさには、どう想像をめぐらしても敵わないな、と。第一ちょっと、悪趣味ですよねぇ」
 笑顔とともに花束を差し出す。まるで、これから意中の女性に求婚でもするかのように。
「忘れ草、おみなえし、えのころぐさ、桔梗、竜胆、紫苑、そして吾亦紅。
 生命無き浄土に赴く貴女には、穢き生ける花束を」
 かぐや姫の白い手が、花束を受け取った。
 私と同じように、その指の先で葉に触れる。彼女もやはり、この花達の生命の感触を確かめているのだろうか。
「ありがとう。最高にして、最低のはなむけよ」
 花束を両の手に握りしめて、姫が言った。
「こんなものもらったら、ますます後ろ髪ひかれるじゃない。
 たった一つだけを与えられて、それで満たされて全てを諦められる程、私はいい子ちゃんではないの」
 姫の表情が、ほんの少しゆがんだ。いつか見た、あの泣き出しそうな表情だ。
「貴女が『求婚者に物を贈るなら』と考えろと言ったからですよ。
 己に背を向けて去りゆく求婚者に何を求めるか。それが、貴女の難題への答えです。
 まあもっとも、半分はさんざん私を振りまわしてくれた貴女への、意趣返しなのかもしれませんが」
 そしてもう一つ、もっと単純な意図――ただ、彼女にこの花達を見せたかったという思いもあったのだが、それは敢えて口にはしなかった。
「意地悪」
 姫はそう言って、少しすねたような表情になった。
「っていうことは、はじめから私が勝負に勝てないことは前提ってわけ?」
「いえ、そこまでは。せいぜい、貴女もきらびやかなものに取り巻かれて暮らしておいでだから、それなりに勝算はあるんじゃないかな、程度で。
 まあどのみち、貴女が勝っていても、結果は同じだったことでしょうけれど」
 小さな花束が喚起する未知の美しさへの憧憬と、己が目の前に広がる光景への惜情と。いずれ劣らぬ執心となり得る筈だ。
 長い睫毛を伏せ、思案顔になる。まだ見ぬ花野を脳裡に描いているように見えた。
「……そうね。そう思うわ」
 私は黙ったまま、うなずいて返した。それきり二人とももう何も言わず、夜が明けるまでこの地の名残りの光景を目に焼き付けていた。





 翌日、私は例の別邸へと至る道を急いでいた。
(まったく、愚かな話だ)
 ようやく思い出した。あの、吾亦紅のすすきが原を教えてくれた少女。
 あれは、私の娘だ。
 十年と少し前、妻の一人を離縁する際、没落した妻の実家では子供までは引き取れないというので、妻だけを実家に帰したということがあった。その時私は、実家との繋がりがまだあると見なされては不都合であったために、決して人目に触れさせるなと使用人達に厳命し、ほとんど監禁同然に生まれたばかりの赤ん坊を別邸に押し込めたのだった。
 本邸の家宰と雑談していた折に「あそこの使用人の中に、それくらいの年頃の女の子を連れている者はおりませんよ」と言われて、遅まきながらやっと気付けた。彼女は、あの時の赤ん坊だったのだと。
 おそらく、彼女の方は私が父親だと気付いていたのではなかろうか。自分の立場についてくらいは知らされていただろうし、主を迎えるのに慌ただしくしている邸内で一人悠長にぶらついている私の姿を見れば、私が何者であるかはすぐに分かっただろう。
 今からでも、間に合うかもしれない。これまでのことを全て詫びて、少しでも埋め合わせられるよう、出来るだけのことをこれからしていくつもりだ。
 吾亦紅を数本摘み、それに桔梗を添えて小さな花束を作った。桔梗を添えたのは、何とはなしにお互いに似つかわしい取り合わせであるように感じたからだ。
 吾亦紅の存在を教えてくれたことにあらためて礼を言って、この花を渡そう。ずっと放ったらかしにしていたことも、不自由な思いをさせていたことも、顔を合わせても娘と気付けなかったこともあやまろう。
 そんなことを考えながら、彼女が暮らしていたという部屋の中へと通してもらった。
 そこには、誰もいなかった。
 使用人を総動員して邸内を捜し廻らせても、もしやと髪振り乱してあの茅野へ駆け込んでも、彼女の姿は見つからない。
 すすきをかき分け、彼女を呼ぼうとして、自分が彼女の名を知らぬことに初めて気付いた。
 一縷の望みをつないで戻ってきた部屋に、やはり主はいない。ふいに終わったあがきのために酷使された全身に、どっと疲労が押し寄せてきた。
 困憊しきった身体を床に投げ出し、仰向けに寝転がった。背中にじっとりと嫌な湿気を含んだ冷えが伝わってきて、床をもっと高くしっかりと作らせておけばよかったと後悔した。
(出て行こうと思えば出て行けた筈なのにな)
 彼女はあの茅野を知っていた。ということおそらく、時折ここを抜け出していたのだろう。あのかぐや姫のように。何も、こんな所に居続ける必要はなかったのだ。
(なんだって、こんな所にとどまっていたのやら)
 ただ、小さな子供が一人で生きていくことなど出来はしないからだろうか。でもそれなら、一体どうして今になって?
 もう、彼女は戻ってこない。
 時々ここを抜け出していたというならまたすぐに戻ってきそうなものを、そんな風に感傷的に考えてしまうのは、かぐや姫との永訣の後だからか。それでも、この馬鹿げた発想は間違ってはいないような気がした。
 床にほうりだしていた赤い花をつまみあげる。
 地味でくすんだ、暗い赤。牡丹のいかにも「百花の王」らしい華麗さも、椿の凛として気高い鮮やかさもない。
 だが、これはこの花の命の色。誰にも知られずひっそりと、それでもけなげに懸命に生き抜いた証だ。
 花から視線を外すと、そこには昼間だというのに目を閉じたような暗がりが広がっている。
 格子窓からわずかばかり差し込む日の光の他は、ただ黒ひと色の空間。こんな所にいたからこそ、彼女はこの赤にも気付けたのだろうか。
(名前すら、つけてやらずじまいとはな)
 寄り添うように咲いている青い花が、何故だか私を咎めているように見えた。
 お読みいただき、ありがとうございました。
 儚月ネタも飛鳥ネタもてんこ盛りで、申し訳ないです。

※この作品は09/05/09 23:58:36付で投稿した作品を、
 文字化けのトラブルのため再投稿させていただいたものです。
mizu
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作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/05/10 00:25:32
更新日時:
2009/05/10 00:25:32
評価:
20/20
POINT:
125
Rate:
1.43
1. 6 三文字 ■2009/05/10 18:52:51
情感を大切にした綺麗な作品でございました。
まあ、話の起伏自体はあまりありませんでしたけど、雰囲気小説だからそれもよし。
だいぶ早いですけど、秋の雰囲気を感じられるお話でした。
2. 5 パレット ■2009/05/18 01:02:46
二人のなんともいえない関係が、いいなあ。
小説抄はちょっと未読なので雰囲気だけ楽しもうと意識させていただいた部分もあるのですが、それでも十分に面白かったです。
3. 6 名前が無い程度の能力 ■2009/05/30 02:26:17
色というお題の取り込み方がとても上手かったです
4. 7 佐藤厚志 ■2009/05/31 23:41:57
十五夜のお月様を眺め、団子を食べながら読みたい小説でございました。
歴史や宝物の薀蓄が小説に厚みを加え、読み応えのあるものであったと思います。
最後が少しだけ寂しげで悲しい、そんな小説でした。
5. 9 焼麩 ■2009/06/07 02:01:10
何でか、全然後味が悪くない。
愛憎で凝り固まった話しか読んだことないから、新鮮だった。
自分はこういう結末を望んでいたのかも知れない。
……ああ、でもここからあの展開に入るんだなあ……
6. 6 有文 ■2009/06/07 23:12:51
死の世界に帰る姫に生命の花束は、確かに性質が悪いと言えば性質が悪い。雰囲気は良いのですが、やや語り部である不比等に魅力が足りないような気もしないでもないです。……その方が良い気もしないでもないですが、その分妹紅に感情移入できますし。
7. 5 気の所為 ■2009/06/10 23:49:31
儚月抄は単行本でしか読んでないので読もうかどうか迷いましたが読ませて頂きました。
楽園には華々しい色が似合う。でも華々しいだけでは、人生面白くない。
あ、でも同じ楽園でも、天界はむしろ色が上品すぎて味気ない気もしますね。桃ばっかりで。
8. 7 ふじむらりゅう ■2009/06/11 00:11:46
 よくできました。
 冒頭、ちょっと読み辛かったですけども。次第に読みやすくなってきました。
 うまいこと言いやがって……不比等め。
 さては貴様、イケメンだな!?
9. 5 神鋼 ■2009/06/11 21:14:33
なんだか続き物みたいな終わり方でした。これで丁度いいような、もう一口欲しいような。
10. 7 ユッキー ■2009/06/11 23:12:27
妹紅がこれを知っていれば、また運命が変わっていたのかなぁと
11. 6 moki ■2009/06/12 18:29:30
儚は雑誌で読んでないので細かい部分がちょっとわからんのですが、生のない月人に生きる花を贈る、蓬莱の玉の枝の赤に吾亦紅の赤と、対比やモチーフがとてもいいなぁと思いました。
12. 7 実里川果実 ■2009/06/12 21:36:42
 しっとりと、しんみりと心に残るお話でした。
 自然の飾らない美しさ、情景が浮ぶ様です。
13. 6 リコーダー ■2009/06/12 21:49:34
不比等は発掘してほしかった人材ではある。
妹紅にそれほど遺恨が残ったようには見えない事、輝夜が地上にいる期間が長すぎるように感じられる事から、設定解釈という意味でアッと言わされたところはありませんでした。そこは残念。
とはいえ、ドロドロしたものが無いぶんすっきり読了できる一作。
14. 4 木村圭 ■2009/06/12 21:59:45
こんなにも読むことを躊躇させる前書きは初めてかもしれませんとか何とか。
という訳で小説版儚月抄はコミックス待ちの私、半ばどころか8割方オリジナルとして読ませていただきました。
月でずっと暮らしていれば、その在り方に異常を感じて嘆くことも無かったろうに。そう考えると、地上に落とすことが罰なのではなくその後で月へと戻すことこそが罰なのかも。
15. 8 ぴぃ ■2009/06/12 22:02:50
読み終えた感想ですが……。

キャー! 不比等様ステキー!(平安女性の声で)
そして、もこたん可愛いー!(現代野郎の声で)

失礼しましたw
美しい話に見事な文章、見習いたいものです。
16. 6 K.M ■2009/06/12 22:55:03
なんというナイスガイ。あとちょっと歯車ずれてれば……いや詮無い話ではありますが。
17. 6 つくし ■2009/06/12 23:22:14
申し訳ありません、時間が差し迫っているため、採点のみにて、感想本文は後ほど改めて。
18. 7 時計屋 ■2009/06/12 23:33:49
 吾亦紅ってなんて読むんだったか、とぐぐってみてびっくり。
 色々とうまいなあ。
 文章も巧ですし、三枚目といった役回りの車持皇子をよくもここまで格好良くに描いたものだと感心します。
 公式設定とオリジナル設定を接木のようにうまく組み合わせた良作でした。ごちそうさまです。
19. 5 ハバネロ ■2009/06/12 23:36:10
故事に準えて無様に書かれることの多い藤原パパをまともに書いたのは珍しい
貴族が才人という時代ではないにせよ、農民よりは知性が磨かれる機会も多かろう

妹紅の視点ではない永夜抄の基点の話。
面白かった
20. 7 つくね ■2009/06/12 23:58:58
不比等がキャラとしてしっかりと立っているのが素晴らしい。彼の視点を通して物語が透き通るように読めました。一つ気付いたことを言うなら、彼がすすきが原に出た場面で赤い玉を見つけたような描写が見受けられなかったので、ここで仄めかすようにしたら伏線として良かったんじゃないかなーと思います。
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