臭い雨

作品集: 最新 投稿日時: 2009/11/16 23:05:47 更新日時: 2009/11/16 23:05:47 評価: 34/36 POINT: 207 Rate: 1.33
古今東西、本能にしがみつくのは妖怪の血の所為である。
いかに高等に進化し、理性をわきまえようとも、その欲求が人間と比較しておおいに強いのは仕方あるまい。
ましてや大妖怪ともなると、力と共に肥大した欲求に抗うのは困難を極める。
だから私が際限なくモテたいだとか、超絶イケメンの彼氏が欲しいだとか、そんなことを言うのも妖怪の血の所業である。
ただ人間より少々性欲が強いだけなの。あなたも妖怪だから分かるでしょ、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
分かるでしょと言われても、私は紫様と違ってちゃんと自制の効く妖怪ですから、と八雲藍が返すとプチトマトが飛んできた。
式を打たれれば半永久的に奴隷。主人にはクーリングオフされることはあるが、こちらから主人を選ぶ術は無い。
式神の現状は派遣社員のそれよりも厳しい。



  ○



「古来より、水とは性と密接に関連していると言われているわ。」
「朝っぱらから何を言ってるんですか。」
八雲家の平和なはずの朝食は、紫の唐突な発言により大いに掻き乱された。
めくるめく桃色ライフを手中に収めんとするならば、まずは時間投資よ。
紫がそう言い残して布団に入り、呼ぼうが揺らそうが唾吐こうが目覚めないまま早八日。
結界管理などの仕事は増えるが、自分と橙の平穏のため、もうしばらくは惰眠を貪っていただきたい。
藍がそんなことを考え始めたとたんに起きてくるのが紫である。式に恨みでもあるのか。
なお、久方ぶりに目覚めての第一声が上記のものであった。起き抜けの紫が「性」などと口にすれば、爽やかな朝も台無しである。
「私の朝ごはんは?」
「起きないと思ってましたから作ってません。」
なによそれ、などとぶつくさとぼやきながら、紫は橙の皿のウインナーを次々と口に運んだ。
「で、水がどうしたんですか?」
涙目の橙に自分のウインナーを分けてやりつつ、藍は面倒くさそうに尋ねた。放置すると機嫌が悪くなるからである。
「そうよ水よ。藍、外を見なさい。今日の天気は土砂降りよ。あれを見て何か思うところは無い?」
壁一枚隔てた向こう側では、雨水がざあざあと音を立てて落下している。
こんな強い雨では洗濯物が乾くはずも無い。今日は室内で雑巾がけでもしていようかと思います。
藍がその旨を伝えると、ビワが飛んできた。
「おバカ!何で分からないのよ。私はモテたいって言ってるじゃない!そのことを踏まえもせずに何が八雲か!」
何故か知らないが、自分が八雲の姓を剥奪される恐れがある事だけは、藍には理解できた。
自らの地位を死守すべく、九尾はその演算能力を最大限に稼動させてみる。
どうやら紫様はモテたいらしい。そしてどうやら水とは性らしい。
「んもう、わかんないコね。いい?よく聞きなさい。」
もっちゃもっちゃと咀嚼していたウインナーを嚥下し、紫は語り始めた。
この時の紫の説明は、ただただ無駄に長いものだったので敢えて省略するが、要約すると、濡れた妖艶な美女を演出することにより、人間の郷でイケメンをハントするらしい。
途中、キセルの上手な掃除の仕方やら、ゲイボルグの効率的な避け方などに話が飛躍する度、藍は何度机を叩こうと思ったかわからない。
まったくもって式神とは難儀な職業である。
紫が何を思って濡れ美女の考えに至ったかは藍には知るべくもない。むしろ知りたくもない。
しかし雨を待つために八日間寝てすごしたとなると、ある種の本気のようなものを感じる。今日の紫は一味異なるのだ。
「よし、とりあえず行ってくるわ。はっちゃけてくるから晩御飯はいらないわよ。」
いつも以上に顔面を厚塗りした紫は、そう言って傘を差さずに出かけていった。
藍と橙は玄関まで紫を見送り、ウキウキで飛び立つ紫を眺めていた。
豪雨の中で剥がれ落ちる化粧を想像すると、この世の終わりにも相当する恐怖が湧き上がり身の毛もよだつが、知らぬが仏である。伝えぬこともまた、式の優しさなのだ。
「らんさまー。紫様はどこにいったんですか?」
橙は無垢な表情で尋ねた。子供ゆえに、紫の猥褻な説明はほぼ理解できなかったようだ。
できればその純真さを失わないままで成長していただきたいものである。そう願いつつ藍は答える。
「紫様はね、自分の限界を探す旅に出られたんだよ。でも遅くとも夕方には帰ってくるだろうけど。」
「そうなんですか。なんだかよくわかりませんでしたけど、紫様が遠くに行っちゃうような気がしてましたから、よかったです。」
橙はホッと安堵の表情を見せた。
実際のところ、紫の思考は既にここではないどこか遠くに存在するようであるが、そんなことは些細な問題である。
「たぶん帰ってくる頃には変わり果てた姿になっていると思うんだ。顔面的な意味で。でもそうなっていたとしても、橙は暖かく紫様を迎えてあげられるよね?」
「はい!」
橙の元気な返事が響いた。
「よし。紫様は晩御飯はいらないって仰ってたけど、どうせ必要だろうから後で用意をしようね。」
二人は玄関を離れ、居間に向かって歩き出す。
そのわずかな道程、藍は考えた。もしかすると八雲家の環境は、この子の健やかなる成長のためには毒なのかもしれない。主に主人の所為で。
時折まともな話をすることもあるが、紫の口から放たれる言葉のほとんどは少々猥褻な事柄で、残りは極めて猥褻な事柄である。
いや、こんな環境だからこそ私がしっかりせねばならないのだ。うむ。
「ところで藍さま。さっき紫様が仰っていたんですが…」
「なんだい橙?」
「セックスアピールってなんですか?」
「ちぇええええええええええええええええええん!」



  ○



古今東西、香りとは人のステータスに少なからず影響するものである。
惜しむらくは、望まざるして発せらるる不快な部類のものも存在することに他ならない。
しかし技術はそれすらも乗り越える可能性を秘めており、スカトールでさえ希釈することで香水へと進化を遂げるのだ。
進歩、革新。なんて素敵な響きなのかしら。そして此度は私の体液から生成したパフュームが、今まさにこの手に。
八雲の式たるもの、常に主人と同じ高貴な香りを身に纏うものなのよ。というわけで、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
私は別に臭くはないので、不用意に悪臭で上書きする必要はありませんよ、と八雲藍が返すと芽キャベツが飛んできた。
八雲の「く」は臭いの「く」、と後ろ指を指される事態は全力で避けねばならない。
式神の現状は中小企業のそれよりも厳しい。



  ○



「藍、晩御飯。」
「うわっ!くさっ!」
八雲家の平和なはずの夕食は、紫の予想通りの帰宅により大いに掻き乱された。
濡れ鼠と化した紫の化粧は順当に崩壊しており、その様子を例えるならば、水彩絵具を五色ばかり適当に混ぜ合わせる過程のマーブル模様である。
しかし現在の問題は、混沌を極めた極彩色の顔面よりも、紫から際限なく醸し出される悪臭の方であった。
いや、これはただの悪臭と形容されるに留まる次元のものではない。邪悪臭、あるいは劣悪臭とでも言うべきか。
そんなことを藍が考えている間にも、臭いの素は破竹の勢いで八雲家を侵略しつつあった。
「ああもう、家が犯されちゃう。紫様、一体何だってんですか、その臭いは。」
「流れ出たのよ。忌々しき雨のおかげでね…」
紫は未だ勢い衰えず降り続ける雨に対し、穢れた念波を送り続けている。人生の貴重な八日間を惰眠によって浪費してまで待ち焦がれた雨ではなかったのか。

結論から言おう。紫の打ち立てた濡れ美女計画は、本人が殿方の眼中に入る以前の段階で、豪快に破綻した。
ウキウキ気分で空中スキップなぞしながら人間の里上空に差し掛かった紫は、神眼「イケメンセンサー」を発動した。ここまでは良かったのである。
しかしなかなか目に留まる人物が見つからずにもたもたしているうちに、ここしばらく風呂に入っていなかったおかげで溜まりに溜まった紫のニオイ成分が、ここぞとばかり周囲の水分に溶け出した。このあたりから悪かったのである。
恐るべき悪臭の素を豊富に湛えた水は恵まざる雨となり、人間の里に流れ落ちた。ここではもう取り返しがつかなかったのである。
そこから先の光景は地獄としか言いようがない。
ある者は気絶し、ある者は嘔吐を繰り返し、またある物は錯乱状態に陥り、切断された蜥蜴の尻尾のようにのたうちまわった。
「この世の終わりだ!」「お助け!」「モケーレムベンベ!」
未曾有の大災害を前に、人間とは実に無力である。
そんな苛烈を極める人々の混乱を眼下に一望し、紫はただ一言、「まじかよ…」と呟くのであった。


「とういうわけで霊夢とか魔理沙が来る前に逃げてきたのよ…」
「一度逮捕されて然るべきですね。」
幸いにも目撃者が居なかったので、紫は「妖怪ニオイババァ」の汚名を被ることなく離脱に成功した。
されど里の住民にとってはたまったものではない。この日、七十六名が入院を余儀なくされた。
この事件は、幻想郷縁起に「臭雨異変」として記録され、後の世まで語り継がれることとなった。幻想郷において初めて怪我人を生んだ凶悪な異変である。
「藍、お願いね。誰にも言っちゃダメよ!ね?しゅっ!しゅっ!」
当の加害者は暴力をちらつかせて、式への口止めに余念がない。シャドーボクシングの風に便乗し、異臭が運ばれてきた。
もとより言えるものか。主人の生態が生命体として最悪であることが周りに知れ渡れば、自分も迫害を受ける事になるだろう。
自らと橙を守るため、藍は核シェルターばりに堅固なお口チャックを発動することにした。
「まったくもう…仕方ないですね。いいからお風呂に入ってください。」
藍の口から溜息がこぼれ出た。
さりとて紫様もこれでいて乙女である。自分のニオイでよもやこのような大惨事が引き起こされたとなると、さぞ内心傷ついておられることであろう。
藍は風呂場に向かって歩く紫の背を見つめながら、その心中を察し、哀れんだ。
「まったく!それにしても乙女のスイートフレイバーを嗅げたと言うのに倒れるだなんて、村の人間ときたら失礼もはなはだしいわね、藍。」
藍は即座に心情を撤回した。やはりこの人は極まりなく残念なお方である。
保身を図り苦笑いしながら、ええそうですねと答えると柿が飛んできた。何が気に入らなかったというのだ。
その時ひょこっと顔を出したのは橙であった。過度に刺激される嗅覚に耐え切れなくなった彼女は、らんさまーと助けを求めている。
「あら、いいところに橙。私ってそんなに臭くなんてないわよね?」
紫の悪逆な質問が、その矛先を橙に向けた。橙はえっとあの、と言葉を濁す。
おのれスキマ。私の可愛い橙に何たる仕打ち。今すぐここでねじ伏せてくれようか。私に力さえあれば。
藍は適わぬ下克上を胸に抱きつつも、無力な自分をしきりに呪った。
「まったくあんたたちは二人そろって…じゃあいいわ橙。私の臭いがどんなものか例えてみなさい。答が気に入ったら許してあげる。」
いつの間に許す許さぬの話にシフトしたのか分からないが、橙が無傷ですむ希望が生じたのは光明である。
出来れば橙には、その柔らかな肌に傷一つつかぬまま、健やかに成長していただきたい。
さあ橙、ここは下手に刺激するのはよろしくない。自分が思いつく限り芳しいものを述べたまへ。魚以外で。
藍は拳を握り、橙に溢れんばかりのエールを送った。
少々ばかり考え込んだ後、橙が口を開く。
「えっと、その、ラベンダーとか、ジャスミンとか…」
橙の返答はどうやら好調である。紫も心なしか上機嫌の様に見える。藍はコロンビアのごとく両手を挙げて喜んだ。
「…が消化を経て排泄されたような…」
「ちぇええええええええええええええええええん!」



  ○



古今東西、幼女とは神が遣わした無形文化財である。
「全ての熟女も幼女から」の格言が示すとおり、乙女は誰しも幼女と言う時節を経て今の姿を得ているのである。
引き返すこと適わぬ人生の道の途上、時間と言うものの優しさと残酷さを知るのも、いとをかし。
されどこの格言の本懐は、幼女にその立ち振る舞いを学べというところにある。
敢えて英国の言葉で換言するならばラーンフロム幼女。略してラン幼女。幼女になるべきよ、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
その必然性が分かりかねますが、私は今の私でいたいと思います、と八雲藍が返すと丸ナスが飛んできた。
このおぞましき主人から、最寄の幼女たる橙だけは死を賭しても守りきらねばならない。
式神の現状は野党のそれよりも厳しい。



  ○



「ジャングルポッケ♪ジャングルポッケ♪ジャングルポッケ♪」
「仮にも食事中に、猥褻な歌を歌うのはやめてください。」
八雲家の平和なはずの昼食は、紫のご機嫌な鼻歌により大いに掻き乱された。
実際に健全な歌であるので、そんな歌じゃないわよと反論するも、紫が歌うと猥褻に聞こえてしまうのにも無理はない。
十日弱もの間放置されたゆかりんポッケがジャングルであることは、抗いようのない真理なのだ。
さしもの紫も自らの臭いの凄惨さ知ることで多少は大人しくなると思われたが、どうやら新たな方針を得たらしく、やけにハイテンションである。藍にとっては残念極まりない。
「幼女のごとき純粋な心こそ、私を光り輝かせる研磨剤。」
漬物をぼりぼりと咀嚼しつつ、紫は明るいであろう未来に酔いしれた。
要するに子供っぽさを装いモテようという打算である。年甲斐もなく、なんと図々しいことか。
紫が光ったところで、そこにはチェレンコフ光のような憂慮すべきものしか見出せないのであるが。
「ごちそうさまでした!チルノちゃんたちと遊んできます!」
そうこうしているうちに食事を終えた橙は、扉をするりと抜けて、外に出て行く。ああ、いってらっしゃいと藍はにこやかに見送った。
「ごちそうさま。じゃあ私は橙たちを覗いて、勉強してくるわ。」
意気揚々と立ち上がる紫。その瞳にはヨコシマな決意が見て取れる。
「覗くのは構いませんが、くれぐれも子供達に危害を加えちゃダメですよ。万一通報されたときは逮捕される前に帰ってきてください。逮捕された場合は帰ってこないで下さい。」
藍の忠告を華麗に黙殺して、紫はスキマに飛び込んだ。
熟成された女の魅力でダメなのであれば、幼女の新鮮さを身に纏えばいい。5分にもわたる構想時間を経て練り上げられた、紫の必殺の策略である。
幸いなことに八雲家にはジャストミートな幼女がいるので、その交友関係を辿り、ありとあらゆる幼女成分を吸収してくれるわ。
紫の邪念により、ただでさえ陰湿なスキマ空間はいっそうそのドス黒さを増したように見える。
「ええっと橙は…ああ、いたいた。」
橙を発見した紫はスキマからぬるりとひり出され、橙を密かに覗くべく、茂みの陰に着地した。
橙の周囲には遊び仲間であるチルノ、ルーミア、大妖精、リグルがおり、めくるめく幼女空間が形成されていた。
紫の淫猥な視線に被爆しているとは露知らず、皆楽しそうに喋っている。紫は耳をそばだてた。
「そういえばさ、昨日人間の里で異変があって、すっごい臭い雨が降ったんだって。」
いきなり覗き魔の琴線に触れる発言をかましてくれたのはリグルであった。横で橙が少しばかり固くなる。
「そーなのかー。」「へえー、怖いね。」「何それ!あたいも見たかった!」
ルーミア、大妖精、チルノの三人はそれぞれの感想を述べた。実に純真であることよ。その後、リグルが続ける。
「でも霊夢にも犯人がわからなかったんだって。すごいね、犯人は。」
「臭いのはイヤだね。早く捕まってほしいなあ…あれ?どうしたの橙ちゃん?」
大妖精の問いに、橙はびくんと体を振るわせた。
「あ、うん。なんでもないよ。誰なんだろうねー、犯人は。」
このとき橙は動物的本能により、背後から放出される醜悪なオーラを感じ取り、犯人を隠匿した。
うっかりばらしてしまえば、明日の朝日は拝めなかったことであろう。
橙の紙一重など知る由もない残り四人は、話を続ける。そんな中、不意にチルノが言った。
「どうせなら臭い雨なんかじゃなくて、飴ちゃんが振ってくればよかったのにね。」
「!!」
この発言に衝撃を受けたのは、茂みに潜む紫であった。
なんというオーソドックス。しかし単純がゆえにほとばしる幼女力。
雨から飴の連想。もはや定石すぎて、すれた紫には思い至る要素もなかった。
「来たわ…ついに私の時代が…!フヒヒヒヒヒヒヒ!」
自らの栄光を想像すると、喜びのあまり無意識に変態的な笑い声が漏れるのも仕方ない。
「うわっ!茂みから変態的な声がしたよ!」「恐ろしいのかー」
発見されてしまったが、もはや支障はない。早くも充分な戦果は上げられたのだ。
紫は笑みを浮かべながらぬっと立ち上がり、幼女と相対した。
「紫様?何してるんですか?」
湧いて出た主の主に、橙が問いかける。
「あ、いや、なんでもないのよ橙…しかしよくやったわチルノ。ご褒美にゆかりんディープキッスをあげましょう。」
華麗に話をそらした紫は、触手のような大手を広げてチルノに歩み寄った。
この「ゆかりんディープキッス」とはマヨヒガの紫綬褒章とも言われる、八雲一家の最高栄誉である。
これを与えられるということは、式神にとって大変誉れ高いことであり、その輝きは来世まで持ち越されるであろうと紫は語る。
歴代最多である三度の受賞を誇る八雲藍氏は、文々。新聞のインタビューの際に、「口内の粘度がすさまじい事になる。産まれてこなきゃ良かった。」と、この上ない喜びを表明している。
「さあ遠慮しないで。式じゃないけど、与えましょう。なぜならあなたもヴェルタースオリジナル、特別な存在だからです。」
「何だか知らないけど、いらないよそんなの。」
そんな得体の知れないものを授与されては、たまったものではない。チルノは素直に辞退を表明した。
「ええい抵抗すな、小娘。」
紫の腕が軟体動物のごとくチルノを捉えた。その汗腺からぴるぴると分泌された粘液が、チルノにこべりつく。
「ぎゃあああ捕まった!助けて!」
「チルノちゃん!」
閑静な林の中を、氷精の断末魔が駆け巡った。


「というわけで、その後は何故か出てきた紫様に遊んでもらいました。紫様、機嫌が良かったみたいで、みんなにベロチューしてました。」
帰宅後、橙は茶の間で今日の出来事を藍に報告していた。その内容は九尾の心の平穏を侵食するのに充分たるものであった。
「なん…だと…?想像したくもないが、なあ橙、もしかして橙も紫様にベロチューされたのかい?」
「はい…すごくネチャネチャしました。」
最悪である。逮捕こそされなかったものの、紫は大勢の幼女をその唇にかけたのだ。その場に通行人がいなかったことが残念でならない。
主の蛮行を知った藍は、その罪悪感から、犠牲者である幼女たちに平謝りして回りたい衝動に駆られていた。
しかしそれよりも問題は橙についてである。汚らわしき女の唇が、可愛い式のキスバージンを容赦なく奪い取ったのだ。
おそらくは今後の生涯を通じて、橙の唇にはババアの唇、略してババビルの残滓がつきまとうことになるだろう。
「ちくしょう!ちくしょう!ババビルめ!私に…私にもっと力があれば!」
藍はちゃぶ台を叩き、眼前で茶をすする哀れな少女が背負った、消せぬ傷跡を呪った。
「藍さま、何だか辛そうです。どうかしたんですか?」
そんな藍の様子を心配した橙が声をかける。
「いや、私と同じ苦しみを味わった橙が不憫で仕方ないんだ…」
「それでしたら大丈夫ですよ。特に気にしてませんから。」
おそらく橙は敢えて気丈に振舞っているに違いない。
如何な時代であろうと弱者の平穏とは、例外無く強者の気まぐれによって一吹きで砕け散るものである。
いつの日かこの手にリバティーを。窓の外に燃ゆ、沈み行く夕日に藍は誓った。
「すまない橙、無力な私を許しておくれ。」
私はどうすればこの子の傷を癒してやれるだろうか。最大限に稼動する九尾の大脳に、名案が舞い降りた。
「そうだ、せめて唇に付着した悪成分を、私の爽やかな接吻で中和してやろう。」
藍は荒ぶるポーズで、橙に唇を近づける。
「あ…そういうのほんと、いいですから。」
「ちぇええええええええええええええええええん!」



  ○



古今東西、友情とはうまい棒ばりにかけがえのないものである。
苦しみを分かち合うことができる幽々子を親友とするならば、既に同じ苦しみを背負っている某Y意さんや某Y坂さんは心友と言えるだろう。
どんな苦しみを背負っているかについては、彼女達の自尊心に関わる事であるので、割愛せざるを得ない。
心の友と書いて心友。かのガキ大将が生み出した名言はこの幻想郷においても脈々と行き続けているのだ。
素晴らしきかな、ディアマイフレン。あなたも私を見習って、尊き友人の一人や二人こさえておくべきよ、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
その定義で言うなら妖夢ちゃんなどは心友ですね、主人的な意味で、と八雲藍が返すと夕張メロンが飛んできた。
個人的な友人付き合いすら、なすがままに束縛されてしまう今日この頃。
式神の現状は浪人生のそれよりも厳しい。



  ○



「水金地火松門左衛門!」
「人形のご用命でしたら、どうぞ私でなく森の人形使いに仰って下さい。」
八雲家の平和なはずのブランチは、紫の会心の一発ギャグにより大いに掻き乱された。
定石に従わぬシュールな方面の笑いは低俗なものであり、これまた橙の健やかなる成長に悪影響を与えるであろうと藍は考える。
幼女たちに濃厚接吻を振りまき、トラウマを植え付けたであろう日から早五日。
「飴の雨理論」に到達してからというもの、紫は来るべき時に備えて、汗だくになりながらあくせくと駆け回っていた。本人いわく、一生分動いたとのことである。
事実、昨今の紫は朝も早くから出かけては、何をしているのかは知らぬが、夜遅くに帰ってきていた。
おそらくは善良な一般市民に多大な迷惑をかけていることが想像され、良識ある式にはそのことが大層悔やまれる。
しかしこれも全てモテたいが故になせる所であり、紫の性欲がいかに強大であるかを物語っているのである。
「さあ、今日はいよいよ決行日よ!ヒャア!」
どん、と紫はちゃぶ台の上に箱を取り出した。おそらくは中に飴が詰まっていることであろう。
「煽りに行く暴走族のような声を出さないで下さい。」
咎める藍もなんのその。少々口うるさいこの式の冷えた目も、いずれはハーレムを形成する私への羨望の眼差しに変わるのだ。紫はそう妄信して止まない。
「ふふふ、今度の作戦に死角もなければ三角木馬もないわ!見てなさい藍。今まで随分コケにしてくれたけど、今日こそはやってやるわよ!」
「はい、上手くいくといいですね。」
藍の適当な返事さえ応援と聞き取れたのか、満悦の紫は式に向かって快く唇を突き出した。朝から一日を台無しにすることはない。藍は華麗なバックステップでそれをかわした。
八雲一家の最高栄誉は、このところ妙に安売りされている。
「じゃあ今日は帰ってこないからね。明日にはいっぱいセクシャルな話をしてあ・げ・る。」
そう言って紫は自分の頬に人差し指を食い込ませた。精一杯の可愛さの演出である。ちなみに、並の妖怪に対しては即死属性の攻撃となる。
八雲紫18歳に訪れた春、とモノローグを残し、箱を抱えた紫は出かけていった。
大空は前回とはうって変わって晴れ渡り、此度の紫の性交の成功を告げるかのようである。
「らんさま、今度は紫様はどこに行ったんですか?」
「橙、紫様はね、もう一度現実と直面する過酷な道を選ばれたんだ。どうせ帰って来られるからおやつの用意をしておこうね。」
そもそも幼女らしさとは、振ってくる飴の雨を待ち焦がれる側に存在するのであり、飴を降らせるようなサンタ的ポジションには宿るはずもない。
妖怪も長年生きていると変な知恵ばかりが身に付き、基礎がおろそかになるものである。
もちろん藍はそのことには触れない。代案を要求されるに決まっているからだ。


「さあ幽々子、今日ここに開かれる私の新たな1ページ、その目に焼き付けておきなさい。」
辿り着いた人里上空で荒ぶる紫。その傍らには西行寺幽々子。
里への道中でエンカウントしたこの亡霊は、友として立会人を買って出たのである。
「がんばって紫。あなたの時代よ。」
幽々子の抽象的な声援を受け、紫は目下の人ごみを一瞥した。
いつの時代も鍵となるのは情報である。紫が数日間あくせくと働いていたのは、一部このためである。すなわち、飴撒きイベントの宣伝活動をしていたのだ。
その甲斐あってか里のメインストリートには、噂を聞きつけた人々がそれなりに集まっている。
「ほおら、イケメンがいた。」
「ほんとね。イケメンね。」
二人はのこのこと現れた見目麗しき男子を物色し始めた。彼らに飴撒く姿を見せつけてこそなのだ。
既に紫の脳内では、猥褻なストーリーが綴られていることであろう。
読者諸君も、このイケメンなる人種の顔に、自らの御顔を放り込んで想像してみればよろしかろう。
集まっているのは男性のみではない。顔見知りの女性陣もちらほらいることに幽々子は気付いた。
「あら、飴を求めてチルノやリグルたちもいるわよ。」「ほんとね。幼女ね。」
「あら、霊夢や魔理沙もいるわよ。」「ほんとね。数年前まで幼女であったものね。」
「あら、永琳や神奈子もいるわよ。」「ほんとね。かつて幼女と呼ばれたものね。」
ひっくるめれば皆幼女である。本日は幼女の祭典、細かいことは気にしない。
余談ではあるが、紫とその心友たる永琳と神奈子は、歌って踊れる熟女ユニットを結成し、日々熟女の権威の復興のために努めている。
歌えば三人が三人、酒やけのために低音パートを担当すると主張し、踊れば三人が三人、筋肉痛のため翌日は動くことすらままならない。
ユニット名は全員苗字が「や」で始まることから「ヤー3」であり、その名の通り、ヤクザまがいの売込みで有名であった。こんなしなびたユニット、誰も起用したくない。
閑話休題。
「よし、張り切って撒くわよ。」
紫は持参した箱の蓋を開けた。中にはこれでもかと言わんばかりに飴が詰まっている。そこに食欲オバケが目を付けた。
「あらおいしそうね。ひとつちょうだいよ。」
どうぞ、と差し出す紫。幽々子はそれを口に放り込んだ。幽々子の口の中で飴がからころと音を立てる。
飴を堪能する幽々子は、満悦の表情を浮かべた。
それを見て、何かしら気に入らないのは紫である。
よく見ればなんと雅な光景であろうか。和服美人がしとやかに飴を転がすこの姿。
私がそれほどモテないのも、もしやこやつの所為ではないか。紫は悟った。伏兵はこんなところにいたのだ。
「おのれ」
爆ぜてしまえ、と紫は幽々子の両の乳首目掛けて飴を投げつけた。
幽々子はとっさにそれを舌で掬い取る。
射撃が防がれたショックもさることながら、冷静に考えれば、飛来する飴をカメレオンのように舌でキャッチする女というものは友人としてどうなのであろう。
紫は今後の友人付き合いを憂えた。
「突然大事なところに飴を投げつける方もどうかしたものよ。」
「それもそうね。」
二人はクスリと笑い、お互いの乳首をつつき合った。鎌倉時代より伝わる、高貴な女の間での友情確認の作法である。
「さて、思う存分やってみなさいな、紫。」
幽々子にもらった微妙な勇気を携え、こくりと頷いた紫は大声を張り上げた。
「レディーッスエーン、ジェントルメーン!」
集まった人々が紫を見上げる。
「スーパーゆかりんタイム、はっじまっるよー!」
わーわーと立ち上る人々の歓声を受け、紫は箱に手を伸ばした。
さあ拾え、幼女たち。そして私を見ろ、イケメンたち。
飴を雨とし撒くは、奇しくも大妖怪八雲紫。
落ちる飴の粒は陽光を反射し、私を照らすだろう。人群れ見上げる天空で、私は輝くだろう。
「せあっ!」
問題は、栄光と共に紫の手から放たれた円錐形の飴の先端が、あまりに鋭利すぎたことである。


「紫様、いまごろどうなってるんでしょうね。」
猫舌に優しい温めの茶をすすりつつ、八雲家の茶の間で橙が呟いた。
「さて、どうだろうね。里の人たちに迷惑をかけてなきゃいいけど。」
実際藍にとっては、八雲の名が失墜せず、自分と橙が無事でさえあれば、紫の陰謀の成否はどうでもいいのである。
しかし残念なことに、そのような望まざる事態と紫の不覚とは、往々にして連動している。
そうなると常識ある九尾であれ、不本意ながら主人の成功を祈らざるを得ない。
「でも前みたいに臭くなきゃ、きっと紫様はモテモテですよ。美人ですし、ユーモアのセンスもありますし。」
ユーモアとはよもや今朝の一発ギャグのことを言っているのではなかろうか。
前々より懸念はしていたことだが、ほら見たことか。紫様の魔の手は着々と穢れなき橙を侵食しつつあるではないか。
水金地火松門左衛門!と、紫を模倣する橙を見て、藍は大いに嘆いた。
橙の脳内が紫色に染まる前に、迅速な救出が必要である。
「まあっ橙ったら!そんなもの真似しちゃいけません。代わりに私が高尚な一発ギャグを見せてあげよう。ほらっ、大なり小なりおいなりさん!」
藍は渾身の一発ギャグが華麗に茶の間を舞う。
「……ははっ」
「ちぇええええええええええええええええええん!」



  ○



古今東西、精神に対する攻撃とは敵の士気を殺ぐために極めて有効である。
かのごとき戦術を得意とする妖怪では、「妖怪ザマー」が最も有名かつ恐ろしきものであろう。
植物を操る妖怪であるザマーは、消沈した者の背後から忍び寄っては「ザマァ」と鳴き、wwwwのような草を生やして去っていくのだ。
たかが草、しかしされど草。一度心にはびこった雑草を掃討するのは、生半可なことではないのは確かである。
とはいえ主と式の絆をもってすれば成し遂げられぬことなどありはしない。さあ私を癒しなさい、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
私の力では処理しかねますので除草剤を買ってきます、と八雲藍が返すとドリアンが飛んできた。
毛むくじゃらであろう心臓に少しばかり草が生えたところで、どうということはないだろうに。
式神の現状は社蓄のそれよりも厳しい。



  ○



「ら"ぁ"ぁああ"あん"ん"ん〜っ"」
「すわ見たことか。やっぱり帰ってこられた。」
八雲家の平和なはずのお三時は、紫の無惨な嗚咽により大いに掻き乱された。
無造作に襖を開け放った紫は、そのまま倒れ伏せて、座布団に顔面を埋めた。ズビズバと洟をすする音が、くぐもって響く。
醜悪な粘液を一身に浴びたこの座布団は、後に洗ってやらなければ、嘆きのあまり九十九神となることは間違いない。
「一応伺いますけど失敗したんですよね?」
とりあえず無視するわけにもいかないので、藍が尋ねる。
紫からの返事はなかったが、顔面と座布団のスキマから「飴なんて…雨なんて…」との呪詛が聞こえるので、砕け散ったとみて間違いなかろう。

結論から言うと、紫の打ち出した「飴の雨計画」はこの日人間の里に凄まじき被害をもたらした。
同じ飴なれど、市販の物よりも、オリジナリティーによって醸し出される私の才気。
そう考えた紫は、市販の飴を融かして、好きな形に固めなおすこととした。数日前のことである。
技術提供に関しては、河城製作所に「キューリぶちこむぞ」と穏便に申し入れたところ、快く認可された。
この際ににとりが「これなんかどうっスか」と嬉々として持って来たのは、ライフル弾の鋳型であった。これがまずかったのである。
にとり立会いの下、つつがなく飴の鋳造は進んだ。「貸しができたわね」と言う紫に、「そうですね、菓子ができましたね」と返すにとり。会話のすれ違いもいとをかし。
しかし出来上がったのは、人体すら用意に打ち抜く弾丸のごとき飴であった。
そんなものを上空からばら撒いたのだから、たまったものではない。
紫の手を離れ、落下するひとつめの飴弾は「わあい」とはしゃぐチルノの鼻先をかすめて、どすりと地面に刺さった。
「ひええ」という妖精の声を皮切りに、群集は事の重大さを実感したのである。
そこから先の光景は地獄としか言いようがない。
第二陣、第三陣と、次々と迫り来る銃弾のごとき飴の雨に、人々は蜘蛛の子を散らすかのように逃げ惑った。
天空から加速度を得て降り注ぐ流線型の飴は、充分な殺傷力を持っている。
通りを外れた場所に落ちた飴も、瓦屋根を貫通して民家を蜂の巣にした。
「この世の終わりだ!」「お助け!」「ムビエル・ムビエル・ムビエル!」
未曾有の大災害を前に、人間とは実に無力である。
調子にのって手元の飴をあらかた撒き終えた紫も、さすがにこれはヤバいと気付く。
そんな苛烈を極める人々の混乱を眼下に一望し、紫はただ一言、「どうしよう幽々子…」と問いかけるであった。
ちなみに振り向くと友人は既にいなかった。


「というわけでごめんねって謝って帰ってきたのよ」
「禁固刑すら生ぬるいですね。」
うつぶせの紫はかく語りき。横で藍と橙は目をロイヤルフレアのように丸くしていた。
この人が大妖怪だというのは、もしかして我々の空想ではないのだろうか。
此度の事件は、幻想郷縁起に「飴雨異変」として記録され、後の世まで語り継がれることとなった。
死人こそ出なかったものの、飴弾に撃たれたり、転んだりで、臭雨異変並みの怪我人が産出された。
今回は衆人監視の中での反抗であるので、逃れるべくもない。
おそらくはなだれ込む請求書の山によって、向こう数ヶ月、八雲家の家計はこんがりと焼けるだろう。
「その辺りは紫様の私物費からまるまる差っ引くとしても、なんでまたあなたは鋳型の危険性に気付かなかったんですか。」
「まったくよね、にとりったら。腹が立ったから本当にキューリをぶちこんできてやったわ。」
責任は、哀れなにとりに華麗に転嫁された。なお、後日ぶちこまれたにとりが無惨な姿で発見され、入院を余儀なくされた。
「幽々子もいつのまにか逃げちゃってるし…あれでも友達なのかしら?まったく!」
トレーシングペーパーよりも薄い友情に、ぷんぷんと不満をあらわにする紫。
しかし誰が幽々子の立場であったとしても、早々に付き合いを解消して、その場から逃れるであろう。
「橙、これが自業自得の肖像だよ。反面教師にしようね。」
「はーい。」
憤りを表明する紫の傍ら、理性ある式とその式は、大いに学んだ。
橙には、このようにだけは育って欲しくない。全人類共通の願いである。
「まったくあんたたちときたら…二人揃って私への敬意が欠片も見えないんだから…」
二匹の式の厳しさを目の当たりにした紫は、尻をボリボリと掻きつつ不平を漏らした。
想像していただきたい。座布団に顔を埋めて尻を掻く女を、誰が尊敬できようか。
「ああ、私には春は来ないのかしら…」
そう言って肩を落とす紫。その背中からは悲哀のオーラが滲み出ていた。
「紫様…」
橙は思わず呟いた。
全面的に悪いのは紫であるが、同情の余地が無いわけではない。
必殺の作戦が二度も水泡に帰すれば、いかに強靭なハートをもつ紫といえど参るだろう。
「紫様、もう元気出してください。ちょうど今からおやつにするところですが、紫様も要りますか?」
橙の心配が伝わったのか、藍も少しばかり気を使う。
「いらない。食欲がないの。」
「そうですか、残念です。おいしいんですよ、このプリン。」
「食べる。」
どっちやねん。
いかに打ちひしがれようとも、性欲のみならぬ食欲の強大さは健在であった。
むくりと起き上がり、ちゃぶ台に頬杖をつく紫。その前にプリンが置かれた。陰鬱な紫の精神とは対照的に、クリーム色の物体は艶やかな輝きを放っている。
藍はプリンと相対する紫を横目で見ていた。そんな九尾の表情には、そこはかとなく安堵の色が伺える。
二度も醜態を晒せば、さしもの紫も今度という今度はおとなしくなるだろう。そうなればくだらぬ事に付き合わされることは、しばらく無いはずである。
後始末こそあるものの、当の本人は場を乱すので、できれば一ヶ月ほど冬眠でもしてもらえればありがたい。
かつてない安息の日々を予感し、藍は心中で至極喜んだ。
さあ後はさっさとプリンでも食べて、お部屋に戻るのがよろしいかと思われます、ハイ。
「あっ!プリン食べてたらいいこと思いついた!」
ちくしょうプリンめ。私の平穏を返せ。ミキサーにかけて無惨な姿にしてくれようか。
藍の描いた明るい未来地図は、無粋な主人により瞬く間に焼き捨てられた。九本の尾が枯れたひまわりの様にしなしなと下を向く。
「今度こそ来るわよ!私の時代!ウオー!」
紫の蛮声が茶の間を闊歩する。
「紫様、元気になってよかったですね。」
うおおー、と両腕を天井に突き出して鬨の声を上げる紫を見て、橙が呟いた。
よかねーよ。迷惑かかるのはこっちだよ。くそっ誰だよ紫様にプリンなんか勧めた奴は!
「藍様ですよ。」
「私だった!」
九尾の悲嘆も鮮やかに空回りし、八雲家のお三時はつつがなく進む。
「ああ橙、もはや悪い予感しかしないよ。こんな私を慰めておくれ。」
「えっと…ザマァ」
「ちぇええええええええええええええええええん!」



  ○



古今東西、雨とはツンデレに比喩されるものである。
神の怒りが如く押し流すこともあれば、慈悲が如く恵みをもたらすこともある。されど結局は人々に求められる。
このことは艶福においても同様であり、少々の迷惑をかけようが、とどの詰まり迎合すれば認められることが示唆されるのだ。
かの有名な珪酸の靴を履いた女も、一度退いた後に身を現し、功を奏した。俗に言うツンデレラ。
ぶっちゃけ最後に可愛さアピールすればモテるのよ。それが心理よね、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
まずは落ちに落ちたモラルを築くところから始めましょう、と八雲藍が返すとスイカが飛んできた。
投げつけられる青果は日に日にその体積を増す一方で、被弾すればそろそろ致命傷すら危うい。
式神の現状はニートのそれよりも厳しい。



  ○



「お茶はお茶でもよくわからないお茶ってな〜んだ?」
「強いて言わずとも、今私が飲まされているこのお茶です。」
八雲家の平和なはずの間食は、紫の奇怪ななぞなぞにより大いに掻き乱された。
またしても機嫌を回復したノリノリの紫によって、藍には「ゆかりんティー」なるものが振舞われていた。敢えて分類するならば飲み物にあたる。
何故か紫色をしたこのお茶は毒々しいを通り越して毒に見える。
藍が成分を問うた所、「乙女のエ・キ・ス」なる返答があった。殴ってやりたい衝動を抑え、殴られぬために茶を飲む。
「よし、飲んだわね藍。じゃあその代わりに、ちょっと今日一日付き合ってもらうわよ。」
「なんなんですか、一体。」
「人間の里に行くのよ。」
そう言って紫は問答無用に藍を拉致した。極めて悪質な後出しである。
どうせ出かけるなら、わざわざ掻き乱さないでいただきたい。
そんな藍のぼやきを、紫は優雅に黙殺した。今までの流れをふまえると、ここでだけ掻き乱さないわけにはいかないのである。


「藍、私は考えたの。」
里の上空で紫が切り出した。
「今までの失敗は全て、今日の作戦が成功することへの布石だったのよ。」
つまりは気の持ちようである。ここまでポジティブな生物もめずらしいが、下手に塞ぎ込まれるよりはよい。
藍としても、成功するならするでさっさと成し遂げてもらった方が、余計な手間が省けて済むのである。
「で、今度はプリンを撒くんですか。」
「え?なんでわかるの?」
「プリン食べてて思いつかれたのなら、大体想像がつくでしょうが。」
さすが藍、と紫は肩を叩いて賞賛した。心なしか服の肩口が紫色に変色したような気がする。
しかし誉められたところで、藍の心情は穏やかでない。
飛来する半個体に撃たれる村人達を想像すると、不憫で涙が止まらない。
「紫様、やめときましょうよ。誰一人として幸せにはなれませんよ、それじゃあ。」
「ノン、ノノンノンノン藍。わかってないわね。あなたそれでも八雲系?」
ちっちっち、と液体金属のアンドロイドさんのように指を振る紫。小癪な。
「飴は確かに悪かったわ、だって硬いもの。でもプリンみたいに柔らければ、怪我人が出る可能性は無きに等しいじゃない。」
さもありなん。しかし手でキャッチできる代物ではない。受けた瞬間に、無惨に砕け散るだろう。
事態は落下物の硬軟だけでなんとかなるものではなかろうに。
「お口キャッチすればいいじゃないの。大丈夫よ、テンション上がれば誰も汚れなんて気にしなくなるわ。」
紫はのほほんと言い放つ。一理あるような気はするが、何か間違っていると思う。
元より藍の進言程度で折れるほど、妖怪が出来ていない。その意志はHBのシャー芯よりも硬いのだ。
ふと下を見ると、上空に浮かぶ影を気にして、告知こそしていないものの、それなりの人数が集まっていた。前回の飴雨のこともあり、その面持ちは穏やかでない。
「あはは、見なさいな藍、あの顔。これからあの不安げな顔は、恍惚の表情に変わるのよ。」
悪の組織で言えばセクシー系女幹部的のような台詞を吐きながら、紫はスキマから大量のプリンが詰まった箱をぬるりとひり出した。今回は特注ではないので、香霖堂の倉庫から(無断で)搬入した、正規品である。
「藍、私のMCの間にこのプリンをプッチンしておきなさい。」
「…ラジャ」
いやいやながらも九尾は、怒涛の勢いで段ボール箱にプリンをプッチンし始めた。誰にでもできる簡単なお仕事です。
雑用を式という名の奴隷に一任し、紫は村人達に大声で叫んだ。
「レディーッスエーン、ジェントルメーン!」
集まった人々が紫を見上げる。
「先日は迷惑かけてゴメンね!今日はみんなにお詫びのプレゼントがあるわ!柔らかいから安心してね!」
二の腕の肉を揺らしつつ、紫は右手をぶんぶんと振った。
おおー、と人々から声が上がる。
「なんだなんだ」「よい心がけじゃないか」「柔らかいといえばなんだ?餅か?」「いや、おっぱいだろう」
帰ってきた反応は好印象であった。此度の作戦に、一角の成功の兆しが伺える。
「藍、用意はいい?できた?」
「できました」
サンクス、と藍から箱を受け取る紫。箱の中には山盛りのプリンがぷりんぷりんしている。
「あな、美しや。私の玉の肌に似た、キメ細やかなありさま。」
思わず漏れ出た古語もそこそこに、紫はプリンを愛でる。
そんな紫の傍らで、藍は考えを巡らせていた。どうも何か嫌な感覚がするのだ。
こと第六感に関しては、野生に身を置く分、人より動物の方が優れているのが通例である。そのことは妖怪に関しても例外ではない。妖獣は人型を遥かに凌駕するだろう。
胸の前で袖口を重ね、思案する藍。彼女が集中を必要とするときにとる、お決まりのポーズである。
「ねえ藍。」
紫が声をかけるも、当の九尾からの返事はなかった。
「もう、藍ったら!ん…?」
紫は気付いてしまった。
よく見ればなんと雅な光景であろうか。狐耳美人がたおやかに思案にふけるこの姿。
私がそれほどモテないのも、もしやこやつの所為ではないか。紫は悟った。伏兵はこんなところにいたのだ。
「おのれ」
爆ぜてしまえ、と紫は藍の顔面めがけてプリンを投げつけた。
上の空であった藍の顔面に、見事に着弾する。避けられはすまい。能ある紫は同じ轍もたたらも踏まないのだ。
「わっぷ!プリン?何するんです紫様!」
「もう!あなたが話を聞いてないからでしょ!いいわよ、もうちゃっちゃと撒いちゃうから!今回は箱ごといっちゃうわよ!」
人々に向け紫が、いくわよー、と振りかぶる。群集もノッてきたのか、イェーと上機嫌である。
藍の脳内に閃光が走ったのは、まさしくその瞬間であった。
「紫様、ダメです!絶対にそれを投げちゃあいけない!」
「えっ」

九尾は気付いてしまった。先ほどから心の片隅にさりげなく、しかしながら確かな存在感を持って鎮座していた、違和感の正体に。
投げつけられ、藍の顔面に付着したプリンが発した気体は、じわじわと鼻腔を侵食し、刺激臭となって、彼女の粘膜を貫いた。
またしても数日間風呂に入っていなかった紫の臭いの成分は、手に持つプリンが含む大量の水分に溶け出していたのだ。
懐かしくも凄まじき臭いに藍は悟ったのである。
ああ、これはいつぞやの雨の日の。
されど時既に遅し。
幾多のプリンは重力に従い、大地に帰ろうとしていた。
プリンなら大丈夫か、と口を開けて待つ人々は知らない。天から降り注ぐのは、紛れもない邪悪だということを。
凄惨な臭いの素を帯びたプリンは雨となり、待ち受ける群集の口に降り注ぐ。
「うぼえええええええ」「げふおおおおおお」「あがあああああああ」
声にならぬ声を上げ、嘔吐を繰り返す人々。口の中に飛び込んできた甘味は、味覚以上に嗅覚に訴えかける。
「まじかよ…」
混沌を極める下界とは裏腹に、平穏な上空で呟く惨劇の張本人。
「現実です、受け止めましょう。」
一人、また一人と気を失う人間達。
天使の面容をした、悪魔の雨が降り注ぐ。
ジジイの吐いた吐瀉物の溜まりに、ババアが倒れ付す。
むべなるかな、ここは地獄である。降り注ぐのは絶望の雨。臭い雨。
かくして紫の三度目の計画はまたしても灰となり、それと共に臭雨異変の犯人は白日の下に晒されることとなった。


「藍…私疲れたわ。」
「紫様、今日はもう何も言わずにおやすみ下さい。」
帰宅した紫は憔悴しきっていた。おそらく数日は起きてくることはないであろう。
多額の賠償金の支払いを約束した二人は、謝罪に謝罪を重ねて、なんとか村を出た。
帰宅途中の紫の精神がジェンガのごとく不安定であったのは言うまでもない。
その道中、臭雨異変についてしつこく取材してくるブン屋は焼鳥にされ、なんか臭いと言い放った地獄鴉は焼鳥にされ、たまたま歌っていた夜雀は焼鳥にされた。
かくいう私も気力が尽きた。阿呆な主人ではないが、しばらくは横になっていたい。
寝室に向かって歩き出した藍は考えた。
私はこのままここで式をしていていいのだろうか。
不条理な要求に追われ、理不尽な仕置きになすすべもない日々。そして気が付けば悪事の片棒を担いでしまっている。いつの間に式の尊厳を無くしてしまったのだろう。
いっそのこと、橙を連れてここを出るのもいいかもしれない。
その方が橙の教育にもいいはずだ。ここにいれば「式神」と書いて「猥褻」と読むような、変態的な妖獣に育ってしまう恐れは、充分にある。
「あっ藍さま、おかえりなさい。」
そのときひょこっと現れたのは、まさに橙であった。
いい機会である。このことを橙に打診してみよう。
「なあ橙、「藍様、紫様は大丈夫なんですか?」
口を開いた藍に、橙がかぶせる。
「あ、うん。ちょっと疲れていらっしゃるだけだよ。」
「そうですか、よかったです!」
橙はにこやかに笑う。
「橙は紫様のことが好きかい?」
「何言ってるんですか藍さま、もちろんじゃないですか。家族ですもん。」
さも当然のように放たれた言葉は、藍の胸を貫いた。
そういえばそうだった。大切な家族だったのだ。私はなんてひどいことを考えていたものだ。
藍の胸の中に、紫との日々が走馬灯のように流れる。
猥褻な話を持ちかける紫。猥褻な道具を勧める紫。猥褻な行為を強要する紫。案の定、良い思い出は数えるほどしかないが、家族だから気にしない。
藍は馬鹿げた考えをひどく後悔した。やはり私はここにいよう。
「藍様も変です。何かあったんですか?」
「いや、なんでもないよ。」
私は橙に心配ばかりかけているな。紫様に文句ばっかり言っている場合じゃない。
あのおぞましき主人から、この子の健やかなる成長を確保するのは、外でもない私の仕事なのだ。
この子を立派な式に育てて見せよう。少なくとも、幼女を覗いたり、キューリをぶち込んだりする大人にはしてなるものか。
締まる口元に込められた決意は固い。
「橙は紫様のどんなところが好きなんだい?」
戯れに藍が問いかける。
「えっと、そうですね。よくわかりませんけど、おもしろいところでしょうか。あ、でもなぞなぞは難しいから嫌です。」
「ふふっ、あれは橙には少し難しかったかもね。じゃあ私がもっと簡単なのを出してやろう。」
藍は自信ありげに問うた。
「ランはランでも橙のことが大好きなランってな〜んだ?」
「……さあ?」
「ちぇええええええええええええええええええん!」



  ○



古今東西、式とは主人に最大限の愛を表明するものである。
「水魚のマゾわり」の格言が示すように、上下関係では下に就くものがマゾヒストであることが望ましい。
上からの賞賛も罵倒も全て力に変えてしまう可能性を持つMとは、円滑な関係を支える立役者であると言わざるを得ない。
かつての宗教家もかく語りき、右の頬を打たれたら、尻を出してねだりなさい、と。それが要するに愛の形なのだ。
まあ建前はいいから、私に従っておけばそれでいいのよ。異論は却下ね、藍。
そう自論を展開するのは八雲紫である。
Mかどうかはともかくとしても、力量的に抗うべくもありません、と八雲藍が返すとプリンが差し出された。
お化けカボチャあたりの飛来を予想して身構えていた藍は拍子抜けである。
日頃の感謝よ、いいからさっさと食べなさいと促す紫。
下手に機嫌を損ねなければ、本来紫は優しいと言えば優しいという気がしないでもない、というほどでもないこともない。
予期せぬささいな幸せに込み上げる温かさを感じつつ、藍はひとすくい口に運んだ。
式神の現状は難民のそれよりは厳しくはない。
「あ、くさっ…やっぱりコレ結構です。」
「らあああああああああああああああああああん!」
お疲れ様でした。お読みいただき、ありがとうございます。
ちなみにクイズの答えはウーロン茶。
石丸ダツラ
http://tenjinbashi.iza-yoi.net/
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/11/16 23:05:47
更新日時:
2009/11/16 23:05:47
評価:
34/36
POINT:
207
Rate:
1.33
1. 3 バーボン ■2009/11/22 01:52:57
溺愛気味の藍と擦れた橙のやり取りには笑えた所もありましたが、いかんせん紫の壊れっぷりが酷い。
キャラ崩壊ギャグなのはわかっていますが、崩壊させる分笑えたかと言えばそうでなく、痛々しさの方が目に付いてしまいました。
2. 6 うな ■2009/11/22 15:05:35
全体的に「雨」が感じられるような感じられないような。
紫の扱いも少しいきすぎではないか?など不満点もあります。

が、しかし全体的なテンポや掛け合い漫才に惹きつけられるものがありました。
最後まで引っ張り続ける力を感じたのでこの点数で。
テーマが設定されてない場での投稿でしたらもっと評価できたのですが。
3. 7 shinsokku ■2009/11/22 15:18:14
「まじかよ…」
4. 4 冬。 ■2009/11/22 17:36:52
幻想郷の時代背景に似合わない単語があって、違和感がちょっとありました。
橙がどんどんシビアになっていくのは面白かったです。

あと、きっと誰かがコメントすると思いますが会話文の終わりに 。 は付けえる必要がないと思います。
5. 10 Lu ■2009/11/23 19:05:08
最初からクライマックスすぎて
俺のゆかりん像も腹筋も崩壊しました

言葉選びが秀逸でそれだけで笑えてしまうし
文章のテンポ感が素晴らしくて最後までダレずに読めました
面白くて爆笑しました、いい作品をありがとう
6. 10 ポロリ ■2009/11/24 05:51:53
こ、これは…
7. 5 神鋼 ■2009/11/26 20:55:43
最悪だ! 文句無しの10点だが5割引。
8. -3   ■2009/11/28 23:20:17
 
9. 9 歩人 ■2009/11/29 01:43:36
橙が何気に藍に厳しいのが笑えるw

しかし、これ、霊夢辺りが出張ってこない
のが不思議なくらい難儀なことやってるなw

楽しませていただきました。
10. 10 nns ■2009/12/02 18:16:39
これはひどい災害
11. 10 いすけ ■2009/12/25 05:02:46
すとんと腑に落ちる作品でした。また、途中飽きることなく読めました。

そして、ゆかりん臭のプリン。きっと俺なら食べられ……ごめんなさい、ごめんなさい。
12. 5 Tv ■2010/01/03 01:53:07
なんてばっちぃ話なんだ(笑)
笑える、笑えるんだけど、読んでるうちにディスプレイから悪臭の錯覚が。
13. 8 名前が無い程度の能力 ■2010/01/04 00:08:38
こんな八雲家大好きです。
14. 3 藤木寸流 ■2010/01/04 00:49:06
 厚塗り言うたげるな……
 途中からゆかりんのいじめが酷くなりすぎて、読むのがしんどくなってきました……ある程度までならギャグで通るんですけど。どこまで通るのかって基準も個人差ありますから、何とも言えないんですが。
15. 10 名前が無い程度の能力 ■2010/01/05 02:50:03
あなたは最低だ!これ読んで抱腹絶倒している私と同じぐらい。
あまりにも思い切りすぎた下品さに完敗。
16. 3 白錨 ■2010/01/10 00:13:57
ゆかりんがモテたい……だと、という事で笑ってしまいました。紫も女の子だっ……(ピチューン
本編ぐだぐだになっていたかもしれません……。ネタをコンパクトにまとめたら、もっと
おもしろくなると思いました。
17. 2 パレット ■2010/01/10 04:38:48
 なぜだろう、泣きたくなった。
18. 6 椒良徳 ■2010/01/11 16:55:37
>飛来する半個体に撃たれる村人達
志村ー、半固体、半固体。

それはさておき、爆笑しました。文章はかなり雑ですが、この溢れるようなアイデア(ネタ)が素晴らしい。
よくこれだけ思いつくものです。できれば、貴方の他のギャグ作品も読んでみたいですね。
落ち着けという周りの瑣末な意見なんかは無視して、これからもぐんぐん突っ走っちゃってください。
19. 8 文鎮 ■2010/01/12 01:32:47
八雲一家の精神汚染は確実に上から下へ進んでいるようですね。
まあ、何歳になってもモテたいと思う気持ちは消えないものなのでしょう。少なくとも私はゆかりんの想いに応える準備ができています。ただし臭いのだけはご勘弁な!
20. 6 リコーダー ■2010/01/12 23:10:43
そんな臭い人おらんやろ。
あと、ドリアンって恐いよ ttp://www.malaysia-navi.jp/news/080716084231.html
21. 8 零四季 ■2010/01/12 23:26:16
やめて!w
盛大に笑いました。お風呂には定期的に入って下さい。ていうか毎日入るようにして下さい。
テンポがよく、紫の挑戦ごとに切り替わる場面も良かったです。
22. 7 ホイセケヌ ■2010/01/13 14:25:40
、チ、ァ、ィ、ィ、ィ、ィ、ィ、ィ、ィ、ィ、」。
、ネw、、ヌ、ッ、メーイヒ、ヒ垈サリエオ、、、ソ」
、ネ、、、ヲ、ォ・ニ・・ン、ャ、隍ケ、ョ、。」、ハ、、ヌ・ェ・チ、ャ垈サリユi、皃、ホ、ヒミヲ、ィ、、、タ」

、ソ、タ。「ネォフ蠏ト、ヒ・ミ・ミ・「・ヘ・ソ、ャカ爨ォ、テ、ソ、ホ、ャネヒオト、ヒハワ、アクカ、ア、ハ、ォ、テ、ソ。」
23. 6 詩所 ■2010/01/13 21:41:30
 この主にしてこの式神ありな気がしてなりません。
 橙は見習わないようにね。
24. 5 deso ■2010/01/14 01:48:17
ネタが自分には合わなかったのですが、橙のザマァには吹きました。
繰り返しはギャグの基本とはいえ、ちょっと長いかも。途中でだれてしまいました。
25. 6 静かな部屋 ■2010/01/14 20:07:41
ゆかりん……、ゆかりん……。
テロリストじゃないか。
26. 7 やぶH ■2010/01/14 22:43:19
こんなひでーゆかりん見たこと無いですwww
そして藍様の期待とは違う橙の反応も素晴らしいwww
所々に挟まれた小ネタも面白かったです。ちょっと読む人を選ぶかもしれませんが、私は作者様の他の作品もぜひ読んでみたくなりました。
27. 9 774 ■2010/01/15 00:01:40
橙が良い感じ出し過ぎ。
期待を外さず落とすべきところでキッチリ落としてくる計算尽くの笑いでディスプレイ吹いた。
28. 6 2号 ■2010/01/15 06:48:31
大笑いさせていただきました。
でも、きっと紫さまはいい臭いがするよ…!
29. 7 八重結界 ■2010/01/15 12:03:25
 視点がコロコロと変わったり、所々に文章のおかしな部分がありましたけど、そんな事がどうでも良くなるほどの軽妙なテンポと怒濤の小ネタ。右の頬を叩かれたらの件では思わず笑ってしまいました。
 ただ、少しばかり全体的に冗長すぎたかなという気もします。もうちょっとコンパクトに纏めていれば、もっと面白かっただけに残念です。
30. 7 時計屋 ■2010/01/15 21:23:35
 作者様の紫に対する溢れんばかりの愛は伝わってきます。伝わってきますが、あえて言わせていただきます。

 これはひどいwww

 いや、それにつけても惜しい。実に惜しい。
 ギャグや掛け合いは非常に好みですし、くすりときたのも一度や二度ではありません。
 ただ、文意の掴みづらさ、誤字・脱字、字下げなど、細かい瑕疵がいくつもあって、読んでいるとどうしても引っかかってしまいます。
 しかし良いセンスをお持ちだと思います。今後の作品も期待しています。
31. 4 焼麩 ■2010/01/15 21:42:11
や、やめてくれた、頼む……
徹夜明けのノリと勢いで押し切った感があります。そうだと言ってよ!
しかし徹夜明けで端々の喩えが出てくるものか……ううむ。
裏打ちされる筆の走り具合も相当なものですが、あまりにも悪ノリが過ぐるでしょう?
32. 6 如月日向 ■2010/01/15 22:30:08
 もうどこから突っ込めばいいのやら、というくらい笑えました。
 ノンストップギャグがいいところだとも思うのですが、この長さだと、もう少しメリハリがあっても良いと思います。

〜この作品の好きなところ〜
"神眼「イケメンセンサー」"
 なにそれほしい……。この能力は全人類で共有すべきっ。

〜誤字かな、違ったらごめんなさい〜
衆人監視の中での反抗
33. 5 木村圭 ■2010/01/15 22:50:45
ダメだこいつ早く何とかしないと
ヤーさん吹いた。需要は……えーと、世の中色んな人がいるよ。多分。
34. 2 ■2010/01/15 23:20:51
雨の中で臭気が広がるのはどうなのよとマジレスをしてみる
でも、そんなゆかりんの髪を優しく拭ってあげたい
八雲定番ギャグといえば聞こえはいいが、新しさは特になく
35. フリーレス Cheap Christian Louboutin ■2013/06/10 23:13:38
They really did fit true to size and looked really nice, the only problem was the slight flaw they had: the toe of the shoe where it is attached to the platform seems like it's a little separated from the platform, like you can almost see the glue or whatever they use to put the shoe together Cheap Christian Louboutin http://www.christianlouboutinhouse.com/
36. フリーレス nike ???? ■2013/09/17 10:11:05
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