天子が魔王的ななんかと戦ったり平和な日常を尊んだりするメタな話

作品集: 最新 投稿日時: 2009/11/21 18:49:36 更新日時: 2009/11/21 18:49:36 評価: 23/24 POINT: 95 Rate: 1.00
ここは天界
主に天人が住まう世界だ
どこまでも広く、花が咲き、空気は澄み、地上を見下ろす景色は、何にも替えがたい絶景。まさしく楽園のような世界
天人はこのあらゆる苦から逃れたこの世界で、余計な事は考えずに歌い、踊る毎日
 この夢のような楽園に、見た目年端も無い少女が一人
彼女は、天の大地の端に置かれた椅子に座り、円型テーブルに広げた新聞眺めていた

「ついに始まりますね、総領娘様」
「そうね」

 総領娘様と呼ばれた少女は、比那名居天子という
 ふっ、と天子が微笑む

 新聞には、"第八回 東方SSこんぺ 開催"の文字があった

 「ふふふ……前回は衣玖に勝利を譲ったけど(出番的な意味で)、今回こそ」
「そうですね、お互い頑張りましょう。といっても書かれる側が出来ることなどなにもないのですが」
「まぁそうなんだけどね。ところで今回のお題はなんだったかしら」

 天子は新聞に目を通す

「ああ、確か"雨"ですね」

 そう言うのと天子が新聞から雨の字を見つけるのはほぼ同時だった

「あ、あ、雨ぇぇぇぇぇ!?」

 悲鳴にも近い声で天子は叫んだ

「雨って!ふざけんじゃないわよ!明らかに私不利じゃない!おもいっきり無縁な話題じゃない!しかも何気に衣玖に割と近いお題じゃない!」
「落ち着いて下さい総領娘様。まだ勝負は始まってもいません。題にそぐわない予想外のキャラが上位に入ることだってありますよ。テーマが水で某白狼天狗が一位だったこともあったでしょう」
「それはそれ、これはこれ!」

 とまでいって、ふと思い付いたように

「……そうだ。私達が書けばいいじゃない」

 私はその斬新過ぎる発想に口端を引き攣らせ、同時に私"達"という言葉に嫌な予感を感じずにはいられなかった

「あれをやるわよ衣玖!あの……あれ、なんだっけ、ブレインなんとか」
「ブレインストーミングですか?」
「そうそうそれそれ。衣玖は何か知ってる?」
「適当でもいいからネタを出し合う会議でしょう」
「そういう事。おたがい最低三つは考えて来なさい!んじゃ明日、この場所で!」

 天子はあさっての方向へ駆けていった
 私は溜息を一つついた








「さぁちゃんとネタは持って来たわね衣玖!?」

 朝からハイテンションな天子
 対して、

「ええ……まぁ……」

 朝なのに疲れたような顔の自分
 一応ネタは持って来ているが

「んじゃ、衣玖から」
「えっ」
「本命は後攻であるべきよね」

 どうせロクな本命ではないと確信していた
 まぁこっちはこっちで大したネタは無いのだが

「……分かりました」

 メモ1と書かれた紙を片手に私は語りだした









 あるところに比那名居天子という、それはそれは体格の残念な天人がいました
 彼女はかねてより子供の頃から見たかった夢がありました
 それは"雨"を見る事だったのです
 何者の手も加えられていない自然のシャワーを、体いっぱいに浴びたかったのです
 彼女は毎日祈りました
 雨が降ることを
 しかし、毎日毎日いくら願おうと雨は一向に降りません
 とはいえ、どうせ退屈なのでとりあえず祈っていました
 だんだん祈るのが作業を越えて日課となり、自分は何の宗派か忘れる頃
 ある天人から「下界行けばいいじゃん」と言われたので
 行ってみれば、なんと雨を浴びることが出来たじゃありませんか
 こうして天子は再び退屈な日々を取り戻すことが出来ました
 めでたしめでたし



               〜完〜









「完、じゃないわよ何これ!?」

 ……ちょっとアルコールでも通したほうが書きやすいかなとか思ったが、通しすぎたようだ
 それとも割と酔いやすいタイプなのだろうか、自分

「こんな話をどう書けばこんぺ上位に入れる訳!?」
「そこをなんとかするのが作家の腕の見せ所でしょう」
「何を誇らしげに言ってんのよ!しかもあの冒頭いらないわよね!?私の体格はどうでもいいわよね!?はっ倒すわよ!!」

 天子がヒステリックに怒鳴り散らすのでとりあえず流す

「分かりました。で、次は総領娘様ですよね」
「くっ……!まぁいいわ。こんなカスシナリオ霞んで消えるくらいの大作を作って来てあるわ」











 雨が、降っていた
 私は博麗神社の縁側からそれを見上げていた

「傘、借りてく?」

 と霊夢に言われたが、私は

「天衣無縫って知っているかしら?天人の服には縫い目がないから濡れないのよ」
「ふぅん」

 たまには濡れて帰ってもいい
 そう思い歩いて数分の事だった

 私は硬直した
 視線を…………否、意識を、体中の全神経を奪われたからだ
 それは、突如目の前に現れた
 不気味に微笑む白き仮面
 闇よりも暗い漆黒のマント
 圧倒的な威圧感

「あなたは……誰?」

 直接首を締められているような苦しさから、なんとか言葉を絞り出す
 すると"何者か"は答えた

「ほぅ……?我がプレッシャーをこの距離で直にうけてもまだ喋る余裕があるとは面白い」

 それはまるで巨大なスピーカーに囲まれているような、体中に響き渡るような声だった

「覚えておくが良い、天の民よ。我が名はルシファー。この幻想郷を滅ぼす者の名だ」









「ふざっけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 必殺ちゃぶ台返し
 お茶は死ぬ

「何すんのよ!」
「こんな意味の分からん電波金星野郎に幻想郷滅ぼされてたまりますかっ!!」
「な、ルシファー馬鹿にすんじゃないわよ!?これはネタバレになるけどルシファーの必殺技である暗黒月夜斬はね…………新月の夜にしか使えないのよ!」
「だからなんですか!一ヶ月に二回使えるか使えないかの必殺技に何の意味があるのですか!欠陥品じゃないですか!」
「欠陥品じゃないわ、仕様よ!暗黒月夜斬は闇に紛れて相手を断ち切る文字通り必殺の技。月が出ていると月明かりに照らされて紛れることが出来ないのよ」
「いやそこは頑張りましょうよ!理論的に曇りの夜は使えるでしょう!出来ますよルシファーなら!」

 ってなんで私がルシファーを応援しているんだ

「でもルシファーには涙無しには語れない過去が――――
「次は私ですね」

 メモ2と書かれた紙を開いて言った

「……まぁいいわ。どうせ私の後じゃ何書いても霞む運命」

 そんな運命どこぞの吸血鬼でも扱えないだろう
 ネタとしては一生勝てる気がしないが








 天子は雨に打たれながら言った

「私……濡れちゃっ――――








「まてやおいコラ」

 タケノコドリルがみぞおちにクリーンヒットした
 追撃が無かっただけましだったとしよう

「あのさ衣玖。そっちのコンペは先月中に終わったわ」
「すいませんでした。マジすいませんでした」

 なに書いてんだよ自分
 もういいよ明日から禁酒だよこれ

「もういい。私のターン」
「ちょ、私のターン短くありませんか」
「これ以上どこをいじれって?」
「……すいませんでした」

 天子は溜め息を一つついて

「気を取り直して、さぁいくわよ超大作二本目!」











「比那名居天子とお見受けする」

 私にそう声をかけたのは黒いコート、黒いハットの男だった
 長い銀髪を背中に垂らし、その目付きは刃のように鋭い

「そうだけど?何か用?」

 私はその顔を真っすぐ見据える
 対して男は二ッと口端をあげ

「いえ、私は最近この幻想郷にやってきた者でして。天人様に挨拶を一つさせていただこうと思いまして」
「そう、愁傷な心掛けね」
「天人様へのお近づきの印に、土産物を持って参りました」
「あら、何かしら?」

 天子には、男は手ぶらに見えた
 何をくれると言うのだろうか

「この幻想郷の半分を」

 一瞬、意味が分からなかった

「……なんですって?」



「近々私が手に入れる幻想郷の半分を差し上げようと言うのですよ」



 天子は二の句がつげない

「何を……言っているの……?貴方は……?」

 男は有頂天高くハットを放り、そして言った

「我が名はルシフェル!幻想郷を支配する者の名だ!」



「畏敬せよ……!!」









「もういいですよそういうの!さっきと同じじゃないですか!何回幻想郷狙われるんですか!」
「違うわよまるで違うわよ!敵とかまるで別人じゃない!」
「一緒ですよね。スライムとスライムベスくらい一緒ですよね。しかも雨関係ないし」
「最終決戦の時は雨の中戦うのよ」
「それでお題をクリアしたと思える辺りが恐ろしいです」
「教えてあげるわ。ルシフェルの必殺技、満月蓬莱斬はね……満月の夜しか使えないのよ!」
「だからなんでそんな限定された必殺技技ばかりなんですか!」
「満月じゃないと月のパワーを満足に引き出せないのよ」
「月のパワーってセーラー服の変身ヒーローじゃないんですから」
「かの竹取物語のかぐや姫を迎えに来た月の使者を返り討ちにしたから蓬莱斬なのよ」
「いますぐ永遠亭の方々に謝って来て下さい」
「もう、どうせ自分もろくなもん書いてない癖にツッコミばっかり!」

 "も"ってことは自覚あんのかよ
 まぁ結論から言えばどっちも酷いわけで

「そんなに言うなら衣玖の最後の作品は期待していいんでしょうね!?」
「うぐぐ……」

 自分でも何書いたか忘れた
 もうこの"メモ3"がパンドラボックス的な何かに見えて仕方がない

「どうしたのよ?もしかして自信無いの?」

 でも、ここで逃げれば一生の恥だ
 つまるところ私はこれを開くしかない
 自分の面子のために
 私は恐る恐る"メモ3"を開いた








 雨が降って来た
 縁側に座る霊夢はうんざりした顔で

「最近ジメジメして嫌ねぇ」

 と言った
 雨は、天から降ってくる

「天からの恵みの雨よ。私の贈り物が受け取れないっての?」
「どうせなら桃のほうがいいわ」
「もう」

 天子は雨の中に飛び出した
 空に、両手をかざす
 霊夢はそれを見て首を傾げた

「なにやってんの?」

 天子はそのままの格好で答える

「雨はね、空の涙なの。そうやって隠れて、忌避して、眺めているだけなんて駄目」

 天子は両手を降ろして霊夢に向き直る

「涙をすくえる女になりなさい。霊夢」

 霊夢はその天子が一瞬大人びた姿に見えて、少しドキッとした
 霊夢は慌てて顔を逸らし、

「もう、勘弁してよね。もしあんたがそこで風邪引いたら看るのは私なんだから」

 と言って居間に戻った
 そんな霊夢を見た天子はクスッとだけ笑い、再び空を仰ぐ
 天界はつまらない所だった
 でもどうしてか、天から降る涙はとても綺麗で
 一粒一粒がまるで宝石の様に輝いて見えた








「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………あのこれ、なかった事にしていいですか」

 黙って"メモ3"を閉じる

「なんか凄くツッコミづらいんだけど。どう考えてもなんかおかしいのにツッコミ所が見つからないんだけど。何これ、ポエム?ポエムなの?中二病なの?」
「とりあえず中二病うんぬんの話を総領娘様にされたくありません」
「いや、私のはほら、カッコイイじゃん」
「さいですか」

 もういいや
 ブレインストーミングはカオスでなんぼだ

「んじゃ、私ね」
「あ、これで最後にしてくださいね」
「何で!?」
「もう疲れたんで」

 本心である

「頑張りなさい。あと十七本の辛抱よ」
「無理です!」



 仕方ないから天子には一つだけ選んで貰うことにした










 200X年、幻想郷は核の炎に包まれた――――



「ついに見付けたわ。幻想郷を滅ぼした……張本人!!」

 天子は大地を踏み締めその巨大なシルエットを見上げる
 巨大な羽と、右腕につけられた大筒
 その圧倒的な強さを体言するような姿こそまさしく、この世界の王者であった

「空!貴方の天下は今日で終わりよ!何故なら貴方は、今、ここで私に倒されるのだから!!」

 天子は剣を構えた

「フハハハハハハハッ!!果たしてこの私を倒すことが出来るかな?」
「うおおおおおおおっ!!緋想の剣よ、我が意に従えっ!!」

 緋想の剣が緋く燃え上がる――!!

「 断 空 閃 ! ! 」

 空に切れ目が走る
 切れ目は空を捉え、両断する
 しかし

「効かんな」

 空はそこにいた

「物理的斬撃ではなく概念的斬撃とは面白いが、それで私を倒すことは出来ぬ。なぜかわかるか?貴様では魔力が足りんからだ」
「く……斬撃結界か……!」

 天子は歯噛みする

「滅びるがいい!!天翔十字砲!!」

 空の右手の大筒から巨大なエネルギーが放たれる

「ああっ!?」

 天子は壁にたたき付けられた
 空は地に降り立ちゆっくりと天子に詰め寄る
 天子は動かない

「これで終わりだ」

 空が天子の額に大筒を構えたその時

「!?」

 大筒が宙を舞う
 空の右手にあったはずの大筒は半ばから断たれていた



 ――――――時雨――――――――

   ――――――――雪月花―――――



「何なのだ、これはっ!?」

 空は慌てて距離をとる

「終わりです、空。貴方はここで滅びるのです」

 天子の髪が紅く染まっていく
 それは燃え盛るような紅だった


 天子、覚醒――――――


「私が滅びるだと……!?馬鹿な……有り得ぬ。有り得ぬッ!!」

 空が発したプレッシャーに地面がめくれる
 しかし天子は身じろぎ一つしない

「帝王に逃走はないのだ!」

 空は拳を構え天子に飛び掛かる

「我が鉄槌を受けよ!ゴッドハンドクラッシャー!!」

 しかし、それは天子にあっけなく受け止められた

「愚かな人……」
「!?」
「天子――百烈剣――!!」

 音速の斬撃を繰り出す
 その数、九十九
 気付けば、空は四肢を鎖に繋がれ、十字架に張り付けられていた

「なんだっ……これは……!?」

 そこに十字架と鎖以外は何もない
 ただ、天子の声だけが聞こえる

「さぁ……断罪の時です」

 その声と共に、空間に亀裂が走る
 一本や二本では無かった

イマジンブレード
「 虚構の剣 !?究極の概念的斬撃だと!?」

 ジャッジメント――――――死刑!!

「ぐああああああああああ!!!」

 最後の斬撃
 空はその世界ごと砕け散った









「もはやどこから突っ込めば……」

 衣玖は頭を押さえた

「何よ、まだ文句あんの?」
「雨はどこいったんですか」
「私の必殺技の名前、時雨雪月花」
「……天翔十字鳳ってそんな技じゃないですよね」
「天翔十字鳳じゃなくて天翔十字砲よ」
「…………イマジンブレードとか言ってて恥ずかしくないんですか」
「カッコイイじゃない」

 だめだコイツ本物だ

「分かりました、とりあえず空のファンに謝りましょうか」
「引かぬ!詫びぬ!謝らぬ!」

 エレキテル竜宮!!





「よし。衣玖、書いて」

 アフロ天子がノートパソコンをよこす
 ふざけるなと

「総領娘様の物語なのですから総領娘様が書くべきでしょう」
「私は自分を客観的に見ることが出来ないの。貴方とは違うの」

 威張るな

「まあまあ、衣玖を信用しての頼み事よ」
「と、言われましてもねぇ」
「空気読め」
「……すいません」

 なんとなく、その言い方は卑怯だと思う



 ああ、どう書いたものか
 まあ出たネタを箇条書してみるとしよう

 お題 「雨」
・雨が見たい、打たれてみたい
・ルシファー
・濡れちゃった
・ルシフェル
・涙をすくえる女になりなさい
・イマジンブレード

 ……無理
 なにこのカオス
 そうだ、衣玖に期待していると言ったのだから、何書いても文句を言われる筋合いはない
 どうせなら彼女が書いた話をベースに色々混ぜてやればいい


 よしよし、筆が乗ってきた


 そうだお酒お酒……


 …………











 "退屈日常に花束を"


 あるところに比那名居天子という天人がいました
 彼女はかねてより子供の頃から見たかった夢がありました
 それは"雨"を見る事だったのです
 何者の手も加えられていない自然のシャワーを、体いっぱいに浴びたかったのです
 彼女は毎日祈りました
 雨が降ることを
 しかし、毎日毎日いくら願おうと雨は一向に降りません
 そんなある日――――――


「比那名居天子とお見受けする」


 私にそう声をかけたのは黒いコート、黒いハットの男だった
 長い銀髪を背中に垂らし、その目付きは刃のように鋭い

「そうだけど?何か用?」

 私はその顔を真っすぐ見据える
 対して男は二ッと口端をあげ

「いえ、私は最近この幻想郷にやってきた者でして。天人様に挨拶を一つさせていただこうと思いまして」
「そう、愁傷な心掛けね」
「天人様へのお近づきの印に、土産物を持って参りました」
「あら、何かしら?」

 天子には、男は手ぶらに見えた
 何をくれると言うのだろうか

「雨を、見せて差し上げましょうと」
「本当に!?」
「ええ……」

 男は一息おいて


「血の雨をな!」


「!?」

 私は硬直した
 視線を…………否、意識を、体中の全神経を奪われたからだ
 それは、突如目の前に現れた
 不気味に微笑む白き仮面
 闇よりも暗い漆黒のマント
 圧倒的な威圧感
 コートの男は、どこにもいない

「あなたは……誰?」

 直接首を締められているような苦しさから、なんとか言葉を絞り出す
 すると"何者か"は答えた

「ほぅ……?我がプレッシャーをこの距離で直にうけてもまだ喋る余裕があるとは面白い」

 それはまるで巨大なスピーカーに囲まれているような、体中に響き渡るような声だった

「覚えておくが良い、天の民よ。我が名はルシファー。この幻想郷を滅ぼす者だ」
「なんですって……!」

 天子は歯噛みした
 そして、緋想の剣を手にとる

「そんな事、私がさせない!!」

 ルシファーは嘲笑した

「フハハハハハハハッ!!この私をルシファーと知って剣を抜くとは、面白い!!」
「うおおおおおおおっ!!緋想の剣よ、我が意に従えっ!!」

 緋想の剣が緋く燃え上がる――!!

「比那名居流剣術九十六の型、時雨雪月花!!」

 刃はまっすぐルシファーを捉え、両断する
 しかし

「効かんよ」
「そんな……!」
「貴様は運がいい。今宵は新月……我が最終奥義、暗黒月夜斬をうける事が出来るのだからな!」
「……ふ、やってみなさい」

 天子はほくそ笑んだ

「我が刃を望むか。ならば痛みを知らずに安らかに逝かしてやろう……!」

 しかし、そこでルシファーは一つの異常事態に気付いた

「新月の夜だというのに……明るいだと……?」
「有頂天――その上に星があると思って?」
「なん……だと……!?」
「貴方がこの私のフィールドで勝てる道理などないといっているのよ」

 天子は笑う

「思い上がるなよ小娘!我が力はこんなものではない!神の鉄槌を受けよ!ゴッドハンドクラッシャー!!」

 大陸を割るような巨大な鉄拳
 それはまるで空が落ちてくるよう
 しかし、天子は身じろぎ一つしない
 鉄拳は天子に振り下ろされる
 その時

「馬鹿な……有り得ぬ……!?」

 そう声を発したのはルシファーだった
 無理もない事だ
 神の鉄拳が、見るも無残に砕け散ったのだから

「これで終わりよ!」

 天子は剣を構える

「く……!?」

 ルシファーは動かない
 否、動けないのだ

「怯えているだと!?我が、こんな小娘に!?」

 神を越える力を前にして、体は微塵も動かなかった

「うおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

「動け……!何故動かぬ……!?う、うおおぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」






  イ マ ジ ン ブ レ ー ド  | |
   虚   構   の   剣   ・ ・




 究極の概念的斬撃はルシファーを捉え、切り裂いた
 その返り血を浴びて、天子は呟いた

「……濡れちゃった」

 初めての雨は生臭かったが、天子の目には一粒一粒がまるで宝石の様に輝いて見えた







 かくして幻想郷に平和は戻った
 ただ、幻想郷の民はそれを知らないのだが
 天子にとってはそれでも構わなかった。誰も知らない事でもあの輝かしい思い出は胸の中に残り続けるのだから

 天子にもまた退屈な日々が戻ってくる
 しかしそれはいつもの退屈な日々ではなかった

「何でもない事を特別な事と思える事。幸せってそういうものなのかしらね」

 天子の呟きは風に流れて消えた



   何でもない、しかし特別な日々のひとカケラ――――

                                 〜fin〜



1. -3点 謙虚な程度の能力 ■2009/11/22 00:12:48
  表出ろや
こんぺでこんなネタやっちゃっていいんだろうか
いやだがお題さえ守れば何でもアリらしいし
しかしこれでお題クリア出来たかも少し心配だし・・・・・・
どうしてもネタが無かったからと悔し紛れに書いたんだが、思ったより伸びた
なんか色々苦しい部分もあったし、一人2本でもよかった気もする
次回こそは普通の話を書きたいなぁ・・・・・・
過剰睡眠摂取症候群
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/11/21 18:49:36
更新日時:
2009/11/21 18:49:36
評価:
23/24
POINT:
95
Rate:
1.00
1. 5 はるか ■2009/11/22 02:11:51
深夜に笑わせて頂きました。衣玖さんのツッコミが私の笑いのツボにはかなりキました
一部誤字や字下げミスがあったのが気になりました、とだけ
2. 7 静かな部屋 ■2009/11/26 22:18:51
次に期待しますw
衣玖一人称の地の文が意外にヒットしております
あくまで表には出さずに頭を抱えてのた打ち回ってる衣玖さん最高です
3. 3 バーボン ■2009/12/04 21:02:56
話の広げ方によっては面白くなりそうなメタ話だと感じましたが、今のこれは単なるキャラ崩壊ギャグと中途半端な中二病を垂れ流しただけになってると感じます。
せめて、最後の衣玖さんの書いたSS部分を濃密にする等の工夫がしてあれば、受けた印象も変わったと思うのですが。
>必殺ちゃぶ台返し
>お茶は死ぬ
ここのギャグだけ、淡々とした調子が妙にツボでした。
4. フリーレス 神鋼 ■2009/12/08 20:25:44
流石にコレは評価不能ですよ。もうなんと言っていいのやら。
5. 4 藤木寸流 ■2010/01/04 01:49:24
 お茶は死ぬ。
 なんていうか、細かいことを気にしない勢いがいい。
6. -3 謙虚な程度の能力 ■2010/01/06 22:18:47
だめだコイツ本物だ

欲を言えば天然でアレな天子によるアレな話と
酒の勢いでアレな衣玖さんによるアレな話、どちらももっと複数本読みたかった。
7. 1 パレット ■2010/01/10 05:08:16
 こういうネタ自体は、個人的には問題ないと思います。
 ……が、問題ある問題ないはさておいて、面白かったかというと……。ちょっと無節操にごった混ぜすぎたかなぁと。
8. 1 白錨 ■2010/01/10 09:33:48
天子がSSの内容を考える章。衣玖がSSの内容を考える章を入れたら深みが出ると思います。
9. 6 文鎮 ■2010/01/11 00:51:33
メッタメタやぁ……思わず関西弁になってしまうほどメタな話でした。
でも、こうやって突っ走っているのも悪くないです。むしろもっと酒を飲んで書け、と言いたいです。
10. 5 椒良徳 ■2010/01/11 18:34:04
最後は上手いことまとめましたね。こういうノリは好きです。ということでこの点数で。
それにしても、天子が邪気眼まっしぐらなのは良いとして衣玖さん文才無いな……
11. 7 Lu ■2010/01/13 21:08:28
キャラがネタを持ち寄るって発想そのものは面白いんですが
ギャグとしては微妙に滑ってるので
複雑な空気が漂ってそうな印象ですね
天子と衣玖的にも読み手的にも…
12. 8 ホイセケヌ ■2010/01/13 22:03:34
アウ、、茱。

、、、茖「エアャミヲ、オ、サ、ニ、筅鬢テ、ソ。」、ウ、ヲ、、、ヲヤ彫タ、テ、ニ・「・熙ク、网ハ、、、ォ、ハ」。
13. 5 詩所 ■2010/01/13 22:05:05
 さて、衣玖さんが「私……濡れちゃっ――――」に至った経緯について詳しく。
14. 7 葉月ヴァンホーテン ■2010/01/13 23:43:00
カオスすぎるw
いや、面白かったですよ。全然ありだと思います。
見事に中二設定が描かれていました。
15. 3 deso ■2010/01/14 01:09:35
狙いはわかるのですが、自分にはちょっとウケませんでした。
年端も無い→年端もいかない
愁傷な心掛け→殊勝な心掛け
でも後者は、わざとなのかな、もしかして。
16. 5 零四季 ■2010/01/14 22:37:55
表出ろやw
不覚にも笑ってしまった自分が、なんかもう。
これは、良くないでしょう。いや良くないという言い方はおかしいのだけれど、どこから突っ込めばいいやら……。
17. 2 やぶH ■2010/01/15 00:14:02
とりあえず、句読点はきちんとしましょう。誤字脱字も精一杯見つけましょう。
メタなネタだから許されるというわけではなく、これは印象の問題です。中途半端が一番いけません。ふざけるのにですら手抜きしてはいけません。
注いだエネルギーが、そのままSSの血肉となるのですから。
18. 2 aohata55 ■2010/01/15 06:38:45
ノーコメント
19. 5 2号 ■2010/01/15 09:45:07
これはメタい。
採点するほうも「いいのかな」とか考えてしまいました。
大笑いしましたが。
天子のSSもわりとありましたが、コメディが多いですね。
20. 4 八重結界 ■2010/01/15 15:17:33
 ここまでやられたら、いっそ清々しい気分になってしまうから不思議。
21. 3 時計屋 ■2010/01/15 22:30:39
 メタネタは全然大丈夫ですが、ちょっと面白味が足りなかったかな。方向性は悪くなかったと思います。
 中二病SSがもっと全開だったり、ポエムSSがもっと痛々しい感じだったら良かったかも。
22. 8 如月日向 ■2010/01/15 22:54:50
 中学二年生の天子と、酔っ払いながら小説を書くおっさんみたいな衣玖さんの掛け合いが最高でした。

〜この作品の好きなところ〜
 イマジンブレードで私のリアル生活が切り裂かれましたよ!
 イマジンブレード第二形態が出てくる続編に期待してますっ。
23. 6 木村圭 ■2010/01/15 23:06:34
標準偏差高そうだなぁかっこわらい。
こんな斜め上のブツが紛れ込んでるからこんぺは止められない。
24. 1 ■2010/01/15 23:56:47
あとがきで噴いたw
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