秋の長雨

作品集: 最新 投稿日時: 2009/11/21 22:38:23 更新日時: 2009/11/21 22:38:23 評価: 16/17 POINT: 47 Rate: 0.85
秋の長雨。
しとしと、空気を湿らせるような雨の日もあれば
お天道様の逆鱗に触れたかのような雷雨を伴う日もある。
今日の雨は、雨戸を閉め切っている博麗神社の居住空間にも音が響き渡るような、激しい雨である。
しかし、神社を住まいとする巫女、博麗霊夢にとっては毎年のことであり、何の変哲もない秋の一日であった。

「ズズズーッ」

幻想郷は今日も平和だ。
雨の奏でるフルオーケストラをBGMに、霊夢は熱いお茶を飲む。
熱の篭った液体が喉を通過することに心地良さを感じながら
この雨が落ち着いた後の季節に思いを馳せていた。

今年の夏は晴れた日が多かった。
だからきっと、美味しい秋がやってくるに違いない。
紅葉だって綺麗だろう。
以前出会った八百万の神様の顔を思い浮かべながら
心の中で、彼女達の頑張りに期待をしていた。

「あー、こうも雨ばかり続くと退屈だ。二時間に一度は体を思いっきり動かさないと石像になっちゃうぜ」

静かな居間に不満そうな声が響き渡る。
暇があると色々な場所に出かける霧雨魔理沙にとっては毎年のことであっても
『雨』というだけで、出かけようという気持ちを萎えさせられる。
いつものように神社へ行き、いつものようにお茶を飲む。
いつも通りであっても、この日は少し退屈な秋の一日であった。

「魔理沙がいるから、雨が降ってるんじゃないの?」
「私の天気はこんな強くない。もっとこう、しとしとと・・・・・・」
「ああ、陰気くさいってことね」
「違う、お淑やかな雨だ。どこかの能天気な巫女とは違って、心に少し影を持つミステリアスなお嬢様だ」

神社の倒壊した異変を霊夢は思い返していた。
あのときは毎日が快晴だった。
だが、この雨は時折止んだり、雷雨になったり、非常に不安定である。
常に同じ天気なわけでもないため、何も異変性を感じない。
やはり、この雨は毎年やってくる秋の長雨なのだろう。

いつも通りの日常。

異変と隣り合わせの自分であるからこそ、大切にしなければならないのかもしれない。
ただ、また神社が倒れるようなことは困るなぁ・・・・・・っと、霊夢は苦笑いをしながら、再び喉に熱い液体を流し込む。

「なぁ、霊夢」
「ん、どうかされましたか、お嬢さま」
「なら、そのお嬢さまはお茶の御代わりをご所望らしいぜ」
「はいはい」

霊夢は立ちあがり、急須にお茶の葉を入れる。
そこに熱湯を注ぐと、室内はお茶の香りに満たされていく。
急須の中を少しだけ混ぜ、湯呑に注ぐと、それを魔理沙の目の前に置く。
魔理沙はお礼の仕草代わりに会釈をし、湯呑に手をやった。
バラバラ・・・っと、雨の音が少し強くなる。

「なぁ、霊夢」
「今度はお菓子?今日は何もないわよ」
「いや、こうも雨が続いているってことは、外の世界にはもう雨は忘れ去られているってことなのか?」
「それはないんじゃないの、ただ」
「ただ、雨を降らせる神様が、外の世界から忘れられてしまったのかもね」

霊夢と魔理沙は同時に山の上の神社を思い浮かべた。
現世から幻想郷への移動は、簡単に決心できることではないだろう。
それを思い切らせるような出来事が、彼女達にはあったのかもしれない。
だが、それを説明されたとしても幻想郷に住む二人には理解できる内容ではないだろう。

「神様もいらないってことは、外の世界では天気を自由自在に操れるってことなのかな」
「そればかりは行ってみないとわからないわねぇ。カガクの力ってすごいらしいし・・・・・・」

霊夢と魔理沙は、同時に湯呑に口を付ける。

天気を自在に操れる、そんな世の中だったら憂鬱な天気も吹き飛ばしてくれるのに・・・・・・
魔理沙はカガクの力に思いを馳せながら、熱いお茶を飲み込むのだった。
実際に現実世界の天気ってどうでしょう?
思いのほか不安定な気がします。
uto
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/11/21 22:38:23
更新日時:
2009/11/21 22:38:23
評価:
16/17
POINT:
47
Rate:
0.85
1. 5 神鋼 ■2009/12/15 19:26:41
私は東北に住んでるんですけど最近めっきり雪が少なくなったんですよね。
2. 3 バーボン ■2009/12/23 02:06:52
秋の長雨を眺めながらの二人の会話、その1シーンは上手く表現出来ていたと思います。
ただ、この話はそこから何も発展が無いように思います。1シーンを切り取って、その次に何がしたいのかと言うのが不明瞭。
もし仮にこの会話の空気その物を味わうのが目的だとしても、いかんせん内容が薄く。ここから外の世界の「カガク」について二人の会話が発展していったりすれば、また受ける印象も変わってきたと思います。
3. 3 藤木寸流 ■2010/01/04 02:33:06
 まあそんな感じで。可もなく不可もなく普通。
 ちょっとした話題が膨らむところまでいかずに収束した感じなので特に何か言うべきこともなく、成る程といった具合です。
4. 1 パレット ■2010/01/10 05:20:13
 もうちょっとヤマとかオチとかイミとか欲しかったところ。
5. 1 白錨 ■2010/01/10 10:57:14
この後、カガクが幻想郷に入ってきた〜。という事件が起これば、更に良くなると思います。
にとりとか使えそうな気がしますね。
6. 2 リコーダー ■2010/01/10 12:37:20
全体的には、SSとして評価できない……
最後の結びだけなんか本家EDっぽい。
7. 2 椒良徳 ■2010/01/11 19:07:53
失礼を承知であえて言います。
手を抜きすぎでしょう。短くまとめるのは良いですが何か工夫をしてください。
8. 4 詩所 ■2010/01/13 22:16:58
人間の力ごときで自然なんぞ簡単に変わりはしない、そう思いたいですね。
9. 1 ホイセケヌ ■2010/01/13 23:23:37
モ熙ホスオ、ヌ。「、ス、ホネユウ」、ヌミ、ネ。、テ、ソ、隍ヲ、ハSS、ヌ、ケ、ヘ。」
カフ、ッ、ニ。「、ロ、テ、ネメサマ「、ト、ア、ソ。」
10. 4 deso ■2010/01/14 00:13:21
うーん、和やかな日常は好ましいのですが、話としてはもう一つひねりが欲しいです。
11. 4 やぶH ■2010/01/15 00:34:10
着眼点は鋭いものの、ちょっとあっさりすぎます。
始まりから終わりの中で段差がほしいです。読む側の時間が動くような、そんな物語を待ってます。
12. 3 八重結界 ■2010/01/15 16:13:26
 まったりとした雰囲気が博麗神社によく似合っていました。
13. 3 2号 ■2010/01/15 18:49:57
雨の音を聞きながら物思いにふけるのもいいもんですよねー
14. 4 零四季 ■2010/01/15 21:21:21
特に何も起きなかった。日常的な話だけれど、何かが伝わってきませんでした。短過ぎるからかもしれないのですが
15. 3 時計屋 ■2010/01/15 22:51:05
 忘れられているのは雨自体ではなく、雨の重要性かも知れませんね。
 文明が発達したおかげで、日照りや大雨が続いても被害はずっと小さくなってますし、雨を願ったり恐れたりすることも少なくなったのかも……。
16. 4 如月日向 ■2010/01/15 23:10:34
 霊夢と魔理沙の雨の日の日常ですね。話としてはまとまっていると思いますが、何か伝わって来そうで伝わってきませんでした。

〜この作品の好きなところ〜
"「ズズズーッ」"

 いい飲みっぷりですねっ。
17. フリーレス uto ■2010/03/08 01:01:54
やや日が経っていますがレスを返します。

>神鋼さん
季節のめぐりが早くなった気もするし、ゆっくりになった気もします。
いろいろと気候そのものが変化してるように思えてしまいます。
コメントありがとうございました。

>バーボンさん
話を膨らませるのが苦手なので、とても参考になりました。
自分で詰めた単語には気付けるよう、もう少し吟味して書くことを心がけます。
ありがとうございました。

>藤木寸流さん
コメントありがとうございます。
よくも悪くも感想の出ないものは、あまり良いとは言えないものだと思います。
自分の頑張りが足らない気がしました。

>パレットさん
緩急もなく、終わってしまう読み物は何も残さないのかもしれません。
もう一歩いいものを生み出せるよう頑張ります。
ありがとうございました。

>白錨さん
原作でも物語の根底にあるのは異変ですし
どうでもいいような場所から異変を作り出せば、いろいろなお話が作れそうな気がしました。
アドバイスありがとうございます。

>リコーダーさん
密度も量も薄っぺらいと皆様の作品を拝見して感じております。
なんとかSSと言えるものを生み出せるよう、練習していきます。
コメントありがとうございました。

>椒良徳さん
失礼だなんてとんでもない。ガツンと言ってもらえるほうが、嬉しいです。
吟味が足らなさすぎたと反省しております。

>詩所さん
共存や利用はしていても、支配はできない。
自然ってそういうものなのかなぁって思います。
コメントありがとうございました。

>ホイ・ケヌさん
文字化けしておりますが、なんとなく伝わります。
せめてSSとして言えるようなものを作り出せるようがんばります。

>desoさん
短いなら短いなりに工夫を凝らすとか
ここから話を膨らませるとか、努力が足らなかったと感じております。
コメントありがとうございました。

>やぶHさん
一場面だけ抜き取っても、なにもならないということを感じました。
ここに行き着く過程、あるいは裏側、あるいは続き。
いくらでも浮かんできそうなのに・・・・・・
コメントありがとうございました。

>八重結界さん
雰囲気を楽しんで頂けてよかったです。
もう一歩を作れるよう頑張ります。
コメントありがとうございました。

>2号さん
雨の音ってなんか不思議な感じがしますよねぇ。。
コメントありがとうございました。

>零四季さん
サラーっと流しても、何もなければ話として成り立たないことを学びました。
コメントありがとうございます。

>時計屋さん
自然と人間との在り方の変化。
なるほど・・・・・・勉強になりました。
コメントありがとうございました。

>如月日向さん
まとめたダケではダメなのだなぁと感じました。
コメントありがとうございました。
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