空の涙

作品集: 最新 投稿日時: 2009/11/21 23:01:14 更新日時: 2009/11/21 23:01:14 評価: 18/19 POINT: 120 Rate: 1.53
 唐突な話だが、彼女は雨が嫌いである。
 分厚い雨雲は彼女の好きな太陽を覆い隠し、冷たく打ちつける雨粒は自慢の黒髪と翼をずぶぬれにし、上がった後にも残った湿気は不快指数を増加させる。
 暗い地の獄から地表へ出れるようになった当初こそは「上から水が降ってくる」という物珍しさもあったのだが、すぐにその欠点に気づき、今となっては彼女にとって数少ない嫌いなものの一つとなっていた。

「サンサン太陽、全ての罪を照っらしっ出すーっ!」

 だからこそ、強烈な日が差す今日のような天気には、気分もとびきり爽快になる。妖怪の山に開いた巨大な洞穴から太陽のもとに、一匹の地獄鴉――彼女こと、霊烏路 空が躍り出た。
 さて、季節は水無月の初め。天気は午前の今も雲一つ無い晴天である。そんな快晴の中を、鼻歌交じりに空は飛んでいた。
 ここのところこのような雲の無い天気があまり無く、空は地上に出るたびに太陽の光を恋しく思っていた。空の主、さとり曰く今の時期は「梅雨」というらしく、本当ならばもっと雨が降らなければいけないらしい。今日のような晴れは珍しいことだという。
 だが空からすれば雨が降らないことは僥倖以外の何者でもない。広がる蒼穹のように、空の気分もカラリと晴れていた。
 今日は休日。太陽の下、どのように羽を伸ばそうか――そんなことを考えていた時だった。

「……うにゅ?」

 妖怪の山へと続く山道。うねうねと右に左に曲がるその道は、上空からは大蛇がその身をのたうたせているようにも見える。その道の上に、同じように身をくねらせた不自然な「白色」があった。

「んんー……?」

 空は目を細め、それを目標に降下する。地面が近付くにつれて、白色の輪郭が徐々に視認できるようになり、その正体がはっきりとしてきた。えっちらおっちら、という表現がしっくりくる速度で地面を這っているそれは。

「蛇さん?」

 とん、と地面に降り立った空はそう呟いた。その白色の正体は、蛇のようだった。
 上空からも見えていただけあって、白蛇(はくだ)の図体はかなり大きく、軽く三丈(約九メートル)を超えていた。太さも子供の胴体程もあり、大蛇と呼ぶにふさわしい体躯である。
 しかしながらその巨体でこの山道を登るのはかなりの重労働のようで、ぜぇぜぇと息を吐き出しながらやっとこさ体を引きずっている。少し後方に着地した空にも蛇は全く気付いていないようで、一心不乱に道を進んでいた。

「……だいじょぶ?」

 その姿があんまりに大変そうだったため、空はその背中に声をかけてみた。その声で蛇はようやく空に気付いたらしく、ぎょっと目を見開いて振り返った。

「いきなりなんジャい、鴉の娘」
「おぅわ、喋った!」

 自分から話しかけたにも関わらず、空が蛇が声を発したことに驚き、数歩ばかり後ずさる。その行動に、蛇の表情も驚きから怪訝にへと変貌していき、最後には呆れにも似た視線を空へ向けた。

「なんジャ、ワシが喋れちゃあ不満か」
「いやー、私、喋れるようになるの時間かかったから……」

 たはは、顎を掻きながら空は答える。空がただの地獄鴉から人型に化けることができるようになるまでにかかった時間は、数百年。空自身はほとんど覚えていなかったが。
 蛇はこれ以上の会話は時間の無駄と判断したのか、再度正面へ向き直り、どっこいせと重たい体を引きずり始める。が、たいして進まないうちに息が切れたようで、のろのろと這い進む速度は亀といい勝負になった。とてとて、と空は蛇の頭の方に駆け寄り、そのまま横に並ぶ。

「だいじょぶ?」
「大丈夫ジャないわい……くそっ、玉をおとしたばっかりに」

 ギョク? と空は蛇の言葉を繰り返す。

「玉って何さ?」
「娘には関係ないジャろう」
「カンケーあるよ。腋触れ合うも多少の縁、ってねっ」
「……それを言うなら袖ジャ」
「そだっけ? まあいいよ、細かいことは」

 ニコニコと笑いながら言う空に、蛇はじろりと一瞥を加えると、ため息を一つついて半ば観念したように事情を話し始めた。

「玉っていうのはワシの力の元ジャ。飛んでる最中に落としてしもうてな……」
「飛べるの?」
「飛べるわい。こんな山道、普段ならひとっ飛びジャけ」
「ふーん。でも飛べないのに、何で山道を登ってるのさ?」
「ワシはもともと山頂に住んどる。それに上に行けば他の神もおる。まったく、ワシが神頼みをするハメになろうとはの」

 神頼み、という言葉に、ピンと空の脳に電球がついた。
 自分は『神』の力を持っている。そしてこの蛇は神を頼っている。つまり自分を頼っているのだ!
 狭い容量の頭で空は見事な三段論法を展開すると、どん、と胸を一叩き。

「私に任せてよ!」
「は?」

 無意識にこぼれた言葉とともに、蛇は横に並ぶ空に視線をやる。空は胸を張りながらさらに続けた。

「この山の神様にお願いしに行くんでしょ? 玉を探してほしいってさ。ならこの私、霊烏路空にお任せあれ。何せ私は神様、『ヤタガラス』だからね!」

 えへん、とふんぞり返って空は宣言した。そう、空は昨年の冬に超高温の炎を生み出す、核融合を操る力を手に入れた。それはまさしく太陽神、『ヤタガラス』の力。
 蛇はぽかんと口を開けて空の口上を聞いていたが、ふっと表情を和らげる。そして、カラカラと笑い声を上げた。

「なるほど、鴉にしちゃあ上手いことを言うものジャ」
「あー! ちょっと、信じてないでしょ!」
「いやいや失敬。本当、困ってたもんジャから……玉を探すのを手伝ってくれる、という意味でとって構わんか?」
「そういうこと! このお空様にまっかせなさい!」



◇◆◇◆◇



 ひざしがつよい。
 そんなわけで、ギラギラと輝く太陽が気温を上げる中、空の玉探しが始まった。蛇から聞いた玉の特徴は、淡い青色をして光っているとのこと。光物をみつけるのは鴉の十八番。それくらい訳無いと、まずは博麗神社にやってきた。

「わっきみこー!」
「……何よその呼び方……」

 神社の縁側に座る巫女、博麗霊夢は「暑苦しい奴が来た」とでも言いたげなジト目を空に向けた。足元には水を張った桶、右手には団扇、左手には麦茶を注いだ湯呑と、熱さを最小限に抑える格好である。だがそれでもこの日差しの前には分が悪いようで、額には汗が光り、表情もくたりとしていた。

「何でそんなにぐったりしてるのさー。こんなにいい天気なのに」
「こんな暑い日に元気なんて出せるもんですか……あんたと人間じゃ暑さの感じ方が違うのよ」

 そう言うと霊夢は麦茶を一飲みし、ぱたぱたと団扇を仰ぐ。生まれも育ちも灼熱地獄の空にとってはこの程度の暑さなど大したものではないが、いささか人間には辛いものがあるらしい。

「……で? 何の用? 用件忘れた、なんて言わないでしょうね」
「おっとと、忘れてた。あのさ、青っぽい玉って持ってない?」

 ぎょくぅ? と霊夢が眉をひそめる。

「そっ。青くて光ってる玉。それを落として困ってる蛇さんがいるの。飛べなくて、山の上まで行くのに歩かなきゃならないんだってさ」
「へえ……それでなんで家に?」
「だってほら、わきみこはいっぱい『ギョク』持ってるじゃない。宝符「陰陽宝玉」とか宝符「躍る陰陽玉」とか、「最も凶悪なびっくり巫女玉」とか。だから青っぽい玉くらい持ってるでしょ?」

 どうだこの名推理! と言わんばかりに空は鼻を鳴らして胸を張る。すらすらと霊夢の持つスペルカードの名前を暗唱して見せるあたり、変なところ記憶力が良いものである。しかしながら残念なことに『推測する力』の部分までには栄養が回らなかったようだ。
 霊夢が呆れかえった様子で嘆息すると、空は首をかしげた。何故呆れられているのかよくわかっていないらしい。仕方なく霊夢は、あのね、と一言付け加えてから続けた。

「そりゃ私も玉を武器として使ったりするわ。でもあんたの言う『ギョク』っていうのは他人の落とし物でしょ? そんなものは拾ったりしてないわね」
「えぇー! 何でいっぱい玉持ってるのに、青っぽい玉だけ持ってないのさ!」
「それとこれとは無関係でしょ……」
「うー……じゃあどこにあるのかなぁ」

 渾身の推理が外れたことに空はたちまちしょぼくれて、今の天気とは正反対に表情をどんよりと曇らせた。霊夢としてはもう話は終わりということでさっさと空に立ち去ってもらいたいのだが、あの様子じゃきっかけを与えてやらないと動きはしないだろう。
 そこで霊夢は妙案を思い付いた。

「ねえ空、あんた魔理沙のこと覚えてる?」
「うにゅ? えっと、あのくろしろでドカーンってする……」
「覚えてるみたいね。その魔理沙なんだけど、あいつ蒐集家なのよ」
「しゅーしゅーか?」
「色んな物を集めたりするのが好きってこと。だからひょっとしたら、その玉とやらも拾ってるかもしれないわ」
「本当!?」

 泣いた鴉がもう笑うの諺通り、空は一転して期待に満ちて晴れ晴れとした表情を浮かべる。こうも簡単に機嫌が変わるとは、霊夢は微笑ましさにかすかに笑みをたたえた。
 霊夢は空に魔理沙の家への道を教え、忘れないように簡単な地図と、同じく簡単に描いた家の姿の絵を握らせる。あっりがとねー! とぶんぶん腕を振りながら去っていく空を霊夢は見送った。
 ――そして空の姿が見えなくなったころ、霊夢は顎に手を当てた。

 「……蛇、ねぇ……」



◇◆◇◆◇



 ひざしがつよい。
 頭上に輝く太陽は、蒼空に自身の存在をいかんなく主張する。
 霊夢に教えられた通りに中空を駆け抜けた先に空がたどり着いたのは、幾千の木々が立ち並ぶ広大な森だった。鴉としての優れた視力で無数の緑を見渡せば、そこには異質な人工的な屋根。握らされた絵を見ても、だいたいの特徴が一致する。あれだ、と空は結論付けた。

「くっろしろー!」

 空は家までの距離をあっというまに埋め、土埃を巻き上げながら着陸。それと同時に元気いっぱいに家の主の名前(……ではないが)を呼んだ
 十数秒の沈黙の後、呼びかけの声とは対照的な弱弱しさで玄関のドアが開いた。

「んだよ、こんな暑い日に……」

 姿を見せたのは汗だくの少女、霧雨魔理沙。その格好から汗だくなのも当然で、黒と白を基調としたエプロンドレスをこの炎天下に着こんでいる。家の中にいたからまだ良いが、外に出ればすぐにでも日射病に罹るだろう。
 空の姿を視界に入れると、ただでさえ暑そうな表情がさらにうんざりとした表情にへと移行した。

「げぇ、お前は空じゃないか。こんな暑い日に私に何の用だ」
「うん、えっとね、青っぽい玉を探してるの。持ってない?」
「玉だぁ……? そんな高価なもん拾った覚えは無いが……」
「うぇえー!? くろしろも持ってないのー!?」

 わきみこの嘘つきーっ、と空は頭を掻きながら唸った。魔理沙は魔理沙で話が飲みこめず、帽子をいじくりながら問いを続けた。

「しかし、何だってそんなもん探してんだよ?」
「うー……山に住んでる蛇さんが、それを落として困ってて、それで」
「……あー、つまりは人助けか……ん、ちょっと待ってろ」
「うにゅ?」

 空が首をかしげている間に魔理沙が家の中に引っ込み。
 どすんばたん、くそどこいきやがった、どしんどかん、おとなしくしてろ、どごん、しん……。
 ……空の耳にはこのような音が聞こえた。数瞬の沈黙が続き、がちゃりとドアが開く。よろよろ、と埃塗れで再び魔理沙が姿を現した。

「……ど、どうしたの?」
「聞くな。……ほらよ」

 魔理沙はその手に持ったものを空に放り投げる。わわ、と落としかけるが、空は何とかキャッチした。
 それは不思議な色をしたブレスレット。赤から黄色、黄色から緑と、くるくる目まぐるしく色が変化している。不思議に思いながら空はそれを左手につけると、一瞬で色が青に染まった。空は頭上に?マークを浮かべて魔理沙に視線をやる。

「そいつは探している落とし物の色を探知するブレスレットだ。装着主が探しているものの色が近くなると、その色がはっきり浮き上がってくる。まぁ気休めくらいにしかならないかもしれないが、無いよりかはマシだろ」

 空の視線の意味を読み取った魔理沙が渡したブレスレットの効果を説明する。空は半分ほどしか聞いていなかったが、役に立つもの、ということは分かり、ぱっと表情が明るくなる。

「あっりがとー、くろしろ! こんな大事そうなものくれて! よぉーし、これですぐに見つけてくるわ!」
「おいおい、くれてやったつもりはないぜ? 借りたものは返せよ」

 空の晴れ晴れとした笑顔に魔理沙は苦笑を浮かべた。空はもう一度かるく頭を下げた後、大地を蹴り飛ばして宙へと浮かび、あっというまに空へと消えていった。
 ――来た時と同じく土埃だけが残った家の前で、魔理沙は顎に手を当てた。

「……蛇、か……」



◇◆◇◆◇



 ひざしがつよい。
 強烈な日差しはいよいよ苛烈さを増し、大地を焼き焦がしながら加速度的に気温を上げていく。

「うにゅにゅ……」

 しょんぼり、と頭を垂れて空は飛んでいた。
 ブレスレットの効果は、なるほど確かに便利であった。青いというだけで反応してくれるから、あれこれと考える必要がない。
 しかし単純さは同時に難解さを生みだすことがある。あれやこれやと情報をかき集めてくれる代わりに、質が伴わないのである。
 せっかく探知した場所へと向かっても、とろけかけた氷精であったり、日傘を貫く日光に灰化しかけてる吸血鬼であったりと、枚挙に暇がない。
 結構な時間探したのだが、結局手掛かりは見つからなかったので、いったん空は白蛇の元へ戻ることにしたのである。すぐに見つけるって約束したのに、それを思い出すとますますしょぼくれてしまう。
 そうこうしているうちに山道が見えてきた。あの蛇は木陰で休んでいるはずである。地面に白色のコントラストは目立つため、空の視力はすぐに白蛇を捕え――

 何か変だ。

 瞬間、空は翔けだしていた。
 爆発的な加速で翼がきしむが空は気にも留めない。一瞬で山道に着陸したかと思えば強靭な足腰から生まれる踏み込みで慣性を瞬殺してブレーキをかける。

「蛇さん!?」

 白蛇はぐったりと身を横たえ、荒い呼吸を速い間隔で繰り返していた。とぐろを巻いている場所こそ木陰ではあるものの、明らかに様子がおかしい。熱気に当てられた者の症状であることは、火焔地獄の管理をしている空にはすぐにわかった。
 空の派手な着陸のおかげか、白蛇が目を開け、わずかに鎌首をもたげる。

「……うむ……娘か? すまんな、少しまどんでいたようジャ……あまり暑いからかの……」
「大丈夫!? 今、本当に……」
「心配するほどジャないわい……玉は、見つかったか……?」

 ぼんやりとした蛇の眼に射抜かれて、空の胸がズギリと痛んだ。
 私は何をしている、早く見つけるって約束したのに、このザマ。
 くるくると空の頭の中で言葉が踊る。

「ごめん……なさい。まだ」
「……そうか。ゆっくり探しておくれ。頼んだのはワシの方ジャからの」

 違う。私が言ったんだ。すぐに見つけてくるって。

「……水取ってくる! 日陰から動かないでね!」

 もたもたしていられない。熱に当てられた時には、とにかく水だ。この山を詳しく散策したことはないけれど、川の一つ、池の一つくらいは絶対にあるはず。そこで水を汲んでこよう。空はそう考えて翼を広げ、一気に飛び上がった。



◇◆◇◆◇



 ひざしがつよい。
 太陽が南中に達し、文字通りの天上から日差しが突き刺さる。影の最も少なくなる時間帯であり、体感気温は計測上のそれを遥かに上回る。
 ぽたりと。空の頬から汗が一滴、流れ落ちた。それは常軌を逸したこの熱気のためか、それとも焦りからか。どちらにせよ危険な兆候である。
 空は地団太を踏みたくなる気持ちを抑えて、水を目指し滑空する。速く、速く、もっと速く。あの蛇を助けるために。
 ……焦りは心を揺るがし、目を濁らせる。普段ならすぐに見つけたであろう小さなため池や細い川もいくつも見逃していた。どこにも水がない、その空の焦りと緊張がピークに達しようかというとき――空は地上の道に「水たまり」を見た。

「あったぁ!」

 空はいったんその道に降りると、すぐにその「水たまり」の方へ走りだす。見えるそれはかなり薄いけれど、風景を反射しているのは間違いなく水面のそれだ。これで水を蛇にあげられ――

「……あ、あれ……?」

 違和感に気付いた。走れど走れど、距離は縮まず。追っても追っても、水は逃げるばかり。どこまでいっても、捕まえられない。
 ――逃げ水と呼ばれる現象がある。地表近くの空気が熱されることで光の屈折率が変わり、上方の空気の屈折率と差が生じる。それにより、遠方の景色が地面に映し出され、ちょうど水面のように見える蜃気楼の一種である。
 しかし空がそんなことを知る由もない。ただ水が逃げていくようにしか感じられない。しかも走る速度をあげれば向こうも逃げる速度を上げ、緩めれば向こうも緩める。――おちょくられてる、と思うのも無理はない。

「……へぇえ、逃げるんだ、そうなんだ……」

 空は唐突に足を止めると、うつむいて呟いた。ボゥン、と右手に煙が纏わり、その腕を覆い隠す。数秒の後に煙が晴れ、その右腕に異様な物質が装着されていた。
 ――それは核融合を操る制御棒。銀やインジウムといった金属の合金から作られたものであるが、空はそんな科学的なことを知るはずもない。知っていることはただ一つ。これが「太陽」の力を生み出す、砲台ということだけだ。

 あの逃げる水は、きっと妖怪なんだ。なら、地面を吹っ飛ばして捕まえてやる。

 空は制御棒を水の逃げる正面方向に構える。

「おとなしく水を渡してくれるなら、撃たないであげるけど?」

 ふふんと鼻で笑いながら空は言った。
 しかし、水は動かない。それどころか返事もない。それが空には「お前の攻撃なんて逃げるに値しない」とでも見下されているようにも思え、いよいよ腸の煮えくりかえる思いだった。
 制御棒の中に小さな小さな火種を作り出す。瞬間、制御棒内の温度が二段飛ばしならぬ千段飛ばし程のケタ外れな速さで上がり始めた。摂氏にして一億という全てをプラズマ化させる超高温に達すまで、あと僅か――

「はいストップ」
「うにゅぁあっ!!?」

 突如腋の下を触られ、集中の極みにいた空は形容のしがたい悲鳴を上げた。当然、制御棒の中の火種も消えてしまう。
 今の何!? とバタバタあたりを見渡せば、ちょうど空を挟み込むようにして「スキマ」が開いていた。両端をリボンで結ばれたそれの中には、無数の眼がギョロギョロと蠢いている。

「何これ、きもちわる……」
「あら、気持悪いとはお言葉ねぇ」

 いるはずのない場所からの声に、空は驚いて振り返った。
 ピシリと空間に亀裂が走り、空の両脇のそれより二回りほど大きな物が開く。そのスキマからふわりと舞い降りたのは、妙齢の女性だった。煌々とした金髪、スキマと同じ気味の悪さを持った笑みをたたえ、空の正面に立つ。

「……誰?」
「うふふ、一応『初対面』ではありますね。私は八雲 紫と申しますわ」

 訝しげな空の問いに答えた八雲紫というらしいその女性は、汗一つ流さずに相も変わらず微笑を浮かべている。その異様な雰囲気に飲み込まれかけていた空だったが、ぶんぶんと頭を振って、胸を反らせて向かい合った。

「退いてよ。あの逃げ脚だけは速い水妖怪を捕まえなくちゃいけないんだから」
「……水妖怪? あなた、逃げ水を捕まえようとしているの」
「そう。あそこに水が見えるでしょ。あの水持っていかないと、蛇さんが茹っちゃう」

 蛇、という言葉に少しだけ紫が反応を見せたが、空は気付いた様子はない。すぐに紫はもとの表情を張りなおし、空に問いを続ける。

「……なぁるほど、その蛇さんには水が必要なのね」
「そうだよ。だからあの水を」
「逃げ水は逃げることに関しては得意中の得意よ。絶対に追いつけないわ」
「じゃあ、どうしろって言――」
「はい」

 紫が指で空間をなぞると、三度開いたスキマから、ポンと何かが飛び出してきた。

「ふぇ?」

 慌てながらも空はそれを掴むと、筒状のそれは竹だった。手に合うくらいの大きさに切られたそれの中からは――ちゃぽちゃぽと音がする。一瞬その音に空は放心したが――

「――水だぁ!」

 探し求めたものを手に入れ、空の顔にとびきりの太陽が輝いた。

「それは大きな湖と内部がつながっているわ。だからいくら使っても大丈――」
「なんかよくわからないけど、おばさん、いい人だね! ありがとう!」
「お、おば……?」

 悪気なく放たれた言葉であることは紫も理解したが、それでも笑みが剥がれおちて表情がひきつるのは抑えきれなかった。
 空はその礼の言葉を言うと、たちまちの内にその黒翼をはばたかせ、猛スピードで元来た方向へと飛び去って行った。



◇◆◇◆◇



 ひざしがつよい。
 太陽が僅かに西に逸れ、直射日光は少しだけ弱まる。しかし南中の間に注がれた膨大な熱が大地から発散され、一日の間で最も気温が高くなる時間帯となる。
 暑い。空は地上に出て、今日初めてその感覚を覚えた。汗が滴り落ち、頬に熱がこもる。灼熱地獄の「陰」の熱とは違う、太陽という文字通りの「陽」の熱。同じ熱でも、その性質は全く異なり、前者の熱にだけ適応していた空の代謝機能も、限界を迎え始めていた。
 それでも空は速度を緩めず、全速力で飛び続ける。助けたい、その一心のみで体を突き動かす。

「蛇さん、蛇さんっ!」
「……おぉ、娘か」

 蛇の元に到着した空が呼びかけると、白蛇は辛そうながらも首をもたげた。

「水取ってきた! 飲んで、元気になって!」

 空は竹の水筒を振って水の音を聞かせ、口元に注ぎ口を寄せた。しかし白蛇はほんの少しの水を口に含んだだけで、すぐに注ぎ口から口を放してしまう。これでは湿らせただけと変わりが無い。

「だ、駄目だよ。ちゃんと飲まなきゃ」
「すまんの……頼んでおいて酷かろうが、もう喉が渇いておらんのジャ。今ので充分ジャよ」
「渇いてないって、そんな訳ないじゃない!」

 空は半ば悲鳴のような声で一喝すると、もう一度水を白蛇に飲ませようとする。しかし白蛇はもはや水を飲もうともせず、ゆっくりと鎌首を横たえた。

「蛇、さん?」
「……少し寝させておくれ」

 ふっと白蛇の瞼が降りて――それっきり。
 熱気に火照っているはずの空の顔が、白蛇の鱗よりも蒼白に染まる。

「……ねえ、起き、て、よ」

 白蛇はもう何も言わない。言うはずがない。

「――う、うぁ――あぅ、えぅ……」

 視界が淀み、歪み、白蛇の輪郭がぼやける。私のせいだ、私のせいだ、私の――



「――!!」
「――!!」



「……う、にゅ?」

 突然、中空からの声が響き渡り、空はくしゃくしゃの表情のまま顔を上げた。
 ぼやけた青空の中に三色が浮かんでいる。ごしごしと空は目をこすってよく見ると、それらは白、赤、黒。その三色は猛烈な勢いで空の元へと飛んできていた。そして瞬く間に距離を詰めて――
 
「――やっと見つけたわ!」
「――ったく、幻想郷中探したぜ!」

 ダァンと派手な音をあげて着陸してきたのは、箒に跨った魔理沙とその後ろに乗る霊夢であった。よくよく見ればその服装は土塗れの泥塗れ、さらには汗塗れである。幻想郷中、というのもあながち冗談ではないのだろう。

「わきみこ、くろしろ……」
「空、その蛇ってのは――おぉ?」
「でかっ。随分大きな蛇なのね」

 駆け寄ってきた霊夢と魔理沙が白蛇の姿をその視界に入れ、各々の感想を漏らした。空はそこで我に返り、狼狽のままにすがりついた。

「くろしろ、わきみこ! 蛇さん目開けてくれない! 助けて、助けてあげて!」
「ちょ、ちょっと服引っ張らないでって」
「お、おい、落ち着けよ」
「そうジャな、慌てても良いことなど起こらん」
「落ち着いてる場合じゃ無――! ……ふへ?」

 はて、声が一つ多く聞こえたのは気のせいだろうか。すがりついた体制のまま、きりきりと壊れかけの機械のように空が振り返ると――くぁ、と大あくびをしている白蛇の姿があった。
 ぽかんと大口を開けた空に、白蛇はむにゃむにゃと寝起き特有の口の動かし方で続ける。

「何故それほど慌てておる、娘や」
「だ、だって、え? 蛇さん、今、寝てた? え?」
「ちょっと寝かせておくれ言うたジャろうが。バテとったしの」
「じゃ、じゃあ、水……」
「それも言うたジャろ。もう喉はあまり渇いておらん。充分ジャとな」
「で、でも……え、何で、急に、元気に?」
「それは……そちらさん方、ジャな」

 チラリと白蛇は空から霊夢に文字通りの蛇眼を移す。霊夢はたいして表情も変えずに、懐から一つの丸いものを取り出した。

「これじゃない? 探してた玉、っていうのは」

 淡く青い光を放つ、拳大の玉。金属とも何ともつかぬ不可思議な印象のそれが持つ光に数瞬、空は心を奪われた。はたと我に返り、頬を打つ。白蛇の方は、からからから、とあの笑い声をあげた。

「まぁこういうことジャけ。娘が水を持ってきてくれた時には、この玉が近付いてきてることは分かっとったでの。玉が近付いてくれれば、ワシの体力も回復するわい。しかし、特徴も教えておらん者から玉が返ってくるとは思わんかった」
「これだけ神気出してれば、否が応でも解るわよ」
「それでも虱潰しで探す羽目になったがな。私の箒のおかげだぜ」

 霊夢は簡単すぎるという言葉を含ませた息をつき、魔理沙は鼻の頭をこすりながら箒を叩く。空はしばらく上の空で話を聞いていたが、話が終わるとしょぼしょぼと身を小さくしてしまった。
 結局、自分はぜんぜん役に立っていなかった。どたばたと駆け巡っただけで、玉を見つけたのは霊夢と魔理沙。どうしてこうも自分は――

「空、はい」

 その時、霊夢が空の掌にその玉を乗せた。うつむいていた空が目を丸くして顔をあげると、霊夢の退屈そうな表情は変わっていなかったが、少しだけ優しげなまなざしをしている。

「あんたの頼まれたことなんでしょ。じゃああんたが渡しなさい」
「でも」
「これ以上は、面倒くさいのよ。暑いしね」

 霊夢は再度玉を押しつけるようにぶっきらぼうに渡し、あとは知らんとでも言いたげにそっけなく振り返る。地面を蹴り上げて宙に浮かびあがり、博麗神社の方へと飛び去って行った。待てよ霊夢! と慌てて魔理沙が箒に跨ろそのあとを追う。
 かくして、その場には空と白蛇が残された。

「……ええと」
「はよう渡してくれんかの」

 空は言葉を探しているようであったが、白蛇が急かす。仕方なく空はおずおずと白蛇に歩み寄り、そっとその玉を差し出した。
 白蛇が目を閉じた瞬間、一瞬玉が薄くなったかと思うと、水に溶けるように玉の形が消えてなくなる。そして白蛇がゆっくりと目を開き。

『……本業をせんとな』

 白蛇はギラリと天空を見据え――ドウン、と軽い衝撃を生み出したかと思うと、その次の瞬間には空の目の前から掻き消え、焦熱の太陽が鎮座する天空にへと消えていった。



◇◆◇◆◇



 恰好つけすぎたな、と朦朧とする意識の中で博麗霊夢は思った。陽炎に揺れる風景の中を危なっかしい飛び方で霊夢は神社を目指し――その横に魔理沙が追いつく。魔理沙が霊夢の横に並ぶと、その周囲だけは通常の温度に戻った。

「なぁーんで急に飛んでったんだよ。この暑さじゃ、あっという間に干物になっちまうぜ」

 魔理沙が展開しているのは、今日の今日に完成したばかりの暑さを妨げる魔法陣である。空が家に来た時にはまだ完成していなかったため、ああも見苦しい姿であったが、完成した今では実に快適極まりない。

「うるさいわね。あの空気なら、私たちは邪魔でしょうが」
「おぉ? 傍若無人の霊夢さんが随分人並みな意見を言ってるぜ」
「ボコられたいの?」
「へ、この暑さでヘロヘロの霊夢に負ける気は――」
「よしなさいな、お二人さん」

 会話の弾幕ごっこを繰り広げていた霊夢と魔理沙の間の空間に、スパリと綺麗な線が引かれ、スキマが作り出される。現れ出でたるは境界を操る大妖怪、八雲紫。上半身だけをそのスキマから這い出し、妖怪らしい不気味な微笑みをその顔に張り付けていた。

「うげっ、紫じゃんか」
「紫。その笑いやめて。本当疲れるから」
「ふふふ。あの地獄鴉も何とかなったんだから、笑ってしまうのも無理はないでしょう?」

 ……見てたの? と霊夢は不機嫌そうにしかめつらを作る。

「いえいえ、むしろ私は手伝ってあげたのよ? あなたたちと一緒ね」
「紫が人、いや妖怪助けを手伝うぅ? こりゃー大異変だぜ。霊夢、退治だ退治」
「スキマに神隠してあげちゃおうかしら……? まぁそれは良いとして」

 どこからか紫は扇を取り出し、ぱたりと開くと口元を隠す。

「答え合わせと行こうじゃない。あなたたちがあの地獄鴉を手伝ってあげた理由」
「紫と同じよ」
「同左だぜ」
「それじゃあ納得いかないわ」

 口元を隠したままの笑みは、より縁起の悪いもののようにも感じられる。霊夢と魔理沙はその笑みに射抜かれて、仕方なしに答えた。

「今日は六月でしょ。それでこの暑さなんて、どう考えても異変」
「しかも今日だけが異様に気温が高くなってるんだぜ」

 ――風に地表の木々が揺れる。風は雲を呼び、雲もまた風を呼ぶ。

「それで今日に来た空は、『蛇』が困ってるって言った」
「加えて『山の上』に住んでると来たもんだ」

 ――太陽が陰り、その焦熱、灼熱が雲によって遮られ、焼き焦がされていた大地がようやく休まされる。

「「あの白い蛇は」」



◇◆◇◆◇



 蛇は雨を呼ぶ神として祀られる。
 空の出会った白蛇は、その名をミシャグジといった。



◇◆◇◆◇



 ポツン。

 白蛇の飛び去って行った真上の天空を見上げていた空の鼻の頭に、水が一滴落ちてきた。

 ポツン、ポツン。

 続けて二つ、頬と額に。

 ポツ、ポツ、ポツ。

 間隔がとんとんと短くなり。

 ザ、ザァ、ザァァァァ――――

 ――あめが ふりはじめた。

「…………雨、だ」
 
 空は不思議と、あれだけ嫌いであった雨が、今この瞬間は全く嫌なものには感じえなかった。それどころか、今の今まで焼き焦がされていた皮膚や翼、黒髪を、冷やしてくれている。

「――気持ちいぃーっ」

 空は両手を天に揚げ、うーんと伸びをしてみせる。周りの木々もその天の恵みを存分に浴びて、木の葉をこすらせ楽しげに笑っているようにも感じられた。



『……大義であった。霊烏路 空』



 ふと。どこからか、ただ一言、そんな声が聞こえた。
 空は「たいぎ」という言葉がどういう意味なのかをよく知らない。
 でも何故だろう。――ぽろぽろ、ぽろぽろ。唐突に、空の目から涙がこぼれはじめる。
 それに一番驚いたのは、空自身でもあった。あれ、おかしいな。悲しくは無いのに、何でだろう。
 そしてこの涙も、今の雨と同じように、不快さを感じないのは、どうしてだろう。

「え……えへへ……良かったぁ……」

 空からこぼれる涙と、「空」からこぼれる「涙」。
 その二つをないまぜにして、空は天を見上げて笑った。白蛇にも見えるように、と。



◇◆◇◆◇



 唐突な話だが、空は雨が好きである。
 分厚い雨雲は時に頑張りすぎる太陽を隠して大地を休ませ、冷たく打ちつける雨粒は植物と動物に恵みをもたらすからだ。


 そして何より大きな理由は――


「あ――!」


 空が高い西の空を指差して。


「こりゃあ……すっげ」


 魔理沙が驚きに帽子を抑えて。


「……綺麗」


 霊夢がその荘厳さに見とれて。


「何度見ても、良いものね」


 紫が「本当」の微笑みを浮かべて。



 空の大好きな太陽と、空の大好きな雨は、雨上がりに仲直りをする。
 それは大きな「虹」となって、固い握手を交わすのだ。



《了》
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
リペヤー
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/11/21 23:01:14
更新日時:
2009/11/21 23:01:14
評価:
18/19
POINT:
120
Rate:
1.53
1. 8 西風 ■2009/12/12 00:19:32
「あめが ふりつづいている」
まず、素晴らしい作品をありがとうございました。
空ちゃんの心境がいい具合に表現されているすごいものだと思いました。
ニ箇所だけ、残念なところがありました。
一つ目は、他の三人が玉を見つける描写がなかったこと(いきなり受け渡しです)
もう一つは、玉を見つけたのが介入した第三者(紫たち)だったということです。
実際好みも別れると思いましたが、やはり空に見つけて欲しかった。
以上、短いですが、感想とさせていただきます。
2. 8 神鋼 ■2009/12/17 18:50:10
とにかく空の感情や行動が真っ直ぐで気持ち良く、まるで晴れ晴れとした青空のような作品でした。

……あれ?
3. 10 nns ■2009/12/21 23:38:16
「おばさん」だなんて、怖いモン知らずだなあ、空は・・・w
4. 6 バーボン ■2009/12/26 14:01:36
イイハナシダナーと言うのが第一印象。最初と最後の対比とか、最後の一節とか、そういうアクセントが活きていて読後感が凄く良いです。
文章も読みやすく、また地の文も丁寧でスラスラ読む事が出来ました。綺麗に纏まっていると思います。
ただ、話を通して特に強く惹かれた場面と言うのは無かったと思います。全体的な雰囲気は良いのですが、何か一つ強烈な決め手が欲しかったです。
5. 5 藤木寸流 ■2010/01/04 02:37:58
 ああ、蛇だからジャっていう……どうでもいいわ!
 おくうはあんまりダーク加減を強調されない場合が多いですね。能力としては物騒極まりないんですけど、頭のせいか? あと火力馬鹿だからか。かわいい。
 そんなおくうの素直さが出ていて、読んでいてほんわかしました。熱い、というよりは暖かい。
6. 3 パレット ■2010/01/10 05:21:49
 綺麗にまとまったいいお話。
 ただミシャグジ様がわりとすぐに見当ついたので、退屈と言えば退屈だったかもしれない……誤魔化しようも無いところではありますけども。
7. 7 白錨 ■2010/01/10 11:05:10
単純におもしろかった作品だと思います。空の健気さにじんときました。
いや蛇=龍神かな? と思ったのですが、まさかミシャグジ様とは。意表を突かれました。
諏訪子を絡ませると、もっとおもしろくなるのでは? と思いました。敢えて出してないのかもしれないですが(汗)
8. 7 椒良徳 ■2010/01/11 19:33:09
これは見事な短編ですね。うん、面白い。
結末も意外でした。そう来ましたか。
お空も可愛いのでこの点数です。
9. 7 詩所 ■2010/01/13 22:19:04
 分かりやすい話、綺麗な落とし方、さくりと読める短編でした。
10. 7 ホイセケヌ ■2010/01/13 23:37:34
、ェ、ッ、ヲ、ハシ、皃ネ、キ、ニ。「、゚、、ハ・ュ・罕鬣ッ・ソゥ`、ャ椄キ、、、ホ、ヌ。「、ハ、、ォ贅、キ、ッ、ハ、テ、ソ。」

・鬣ケ・ネ、ホ・キゥ`・、マ、ェ壥、ヒネ、熙ヌ、ケ。」フリ、ヒ・鬣ケ・ネカミミ。」
11. 7 deso ■2010/01/14 00:09:49
登場人物がみんな優しい。爽やかな読後感。
短くまとまってるし、面白かったです。
12. 8 やぶH ■2010/01/15 00:56:20
何よりも読みやすい。ストーリーが脱線していない、キャラクターがコミカル。完成度の高いSSです。
後は、物語の『ひねり』等でしょうか。先の読みやすい展開なだけに少々の味付けでさらに輝きそうです。
それと、最後の段落の文がすごく気に入りましたので、+1点差し上げます。どうぞ〜。
13. 7 八重結界 ■2010/01/15 16:16:51
 空の脳天気な性格が、ほのぼのとした雰囲気と実によく合っていました。
 雨もいいですが、虹もまた格別なものだと改めて実感。
14. 7 2号 ■2010/01/15 18:52:11
いい話ですね。
安心して読めました。
ミシャクジということは、諏訪子さまの仲間なんでしょうかね。
15. 7 零四季 ■2010/01/15 21:55:08
ミシャグジ様は雨を司っていたっけ、と浅い知識ながらに考えてしまいましたが。祟り神だけど、まぁ神だしいろんな見方、解釈があるのだろうと。
素直に綺麗だと思える作品で面白かったです。
16. 5 時計屋 ■2010/01/15 22:59:18
 空が健気で可愛いんですが、展開がちょっと普通すぎたかな。
 ただ、文章は誤字・脱字もなく、丁寧に書こうとしているのが分かります。
 好感の持てるSSでした。
17. 6 如月日向 ■2010/01/15 23:14:29
 空の涙と空の涙、いい締めくくり方ですね。
 私はミシャグジ様が出てくる話を初めて読んだのですが、しっくりくる感じがしました。

〜この作品の好きなところ〜
「なんかよくわからないけど、おばさん、いい人だね! ありがとう!」

 さすが空。悪意がなくてもさらっとおばさんと……おや誰か来たようです。
18. 5 木村圭 ■2010/01/15 23:14:38
いや、そんな大事な物を落とすものなのか……? というか体の内部に取り込むような物を何故に落とせるんだ。
それは置いといて、ああもう空ちゃん可愛いなあ。自分も(一応は)神の末席だけに神の言葉には敏感なんだろうか。
19. フリーレス 遅延人 ■2010/02/06 13:41:49
失礼かもですが、なんと言いますか、作者様の人柄がSS全体からほんのり伝わってくるといいますか。
期間後なのでフリーで失礼しますが、とても素朴な楽しい良い作品でした。
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