雨の止んだ後の...

作品集: 最新 投稿日時: 2009/11/21 23:57:42 更新日時: 2009/11/21 23:57:42 評価: 18/20 POINT: 41 Rate: 0.69
それは遥か昔、少女たちすらも忘却の果てに置いてきた御伽噺。

――忘れえぬ氷のような夜

――欠けた月、哂う星

――突き刺さるほどに凍えた風

直視すれば痛々しいほどの月光が照らす、紅に染まった館。
小高い丘に座した禍々しい色。
人間のいる町並みを見下すように幽玄、孤高に包まれた場所。

血潮を思わせるようなその屋敷に住まう悪魔の領主、紅魔卿。
どの同族よりも冷酷無常、仮面を被ったような堅い表情。
一切を表さず、その圧倒的能力を振るわず、ただその場所に留まり続けていた。

彼は決して己を主張しようとしなかった、それどころか無秩序にその町を襲うことを眷族達に咎めていたのだ。
しかし己に抗う者には容赦しなかった。
その圧倒的な力量を見せつけ、絶望した者の表情を見て「愉快」と呟き笑った。
だがそれ以上追い撃ちをかけるのではなく、己の部下として動くのならば快く迎え入れたと云う。

その反面、同族には余り良い印象を与えていなかった。
何故彼は、紅魔卿はそこまでにして血を吸い上げようとしなかったのか?
それは恐らく彼が「人間」と言う種族に「興味」を抱き、「人間」の娘に「恋」をしたからだろう。
だが果たしてその娘は人間だったのだろうか?
もしかしたらそれは「人間」と言う肩書きを持った「魔女」だったのかもしれない。
その娘は、吸血淑女たちを差し置いて紅魔卿の溺愛を受けた。
それはどちらからも見ても、とても珍妙な光景だったに違いない。
昼間は傘を差して二人で近くの道を歩き、夜は夜景を眺め紅茶を楽しみ、時は流れた。

かくして、生まれながらにして血が混じり合った吸血鬼が誕生した。
名を妻の名前から取り「レミリア」、そして紅魔の子であるということから「スカーレット」という字を与えられた。
レミリアは吸血鬼としては一人前の能力を備え、その魔力は父である紅魔卿をも超えつつあった。
しかし彼女は人間の子供とほぼ同じ速さで成長する自分の身体をもどかしく思っていた。
それからまた僅かに時が経ち・・・

「お父様!お父様!どこにいるの?」
銀髪を靡かして一人の少女が広間を駆ける。
「おお、どうしたレミィ?」
それを笑顔で受け止めたのは未だに老いる事を知らない吸血鬼。普段は感情の一切を出さない彼であったが、やはり愛娘であるレミリアの前では優しい「人間性」のある態度で接してくれた。
「ほら、見て見て、絵を描いたの!私とお父様よ!」
「ふむ・・・上手いじゃないか。」
見せられた絵に描かれていたのは自分らしい人物とレミリア、そして顔の描かれていない女性。
「それで・・・お母様はいつ帰ってくるの?」
「ん〜・・・まだ暫くは此方には帰って来れないな。それより喜べレミィ、お前に妹ができるぞ!」
「え、本当!!」
レミリアは幼く、真っ直ぐな瞳を輝かせていた。
「あぁ本当だとも、だからお前も姉として恥じぬようにちゃんと良い子にしてるんだぞ?」
「うん!」
可愛らしく頷く自分の娘に鼻血が出るのを堪えながら紅魔卿はある一冊の本を取り出した。
「まぁ、まだ先ではあるが・・・前祝だ。」
そう言うとレミリアに「カリスマのすすめ」と書かれた一冊の本プレゼントしたのだ。
「ありがとうお父様!わぁい!」
普通の子供と変わらぬ様子ではしゃいだと思えば、すぐさまその本を掲げて眷族たちに自慢そうに見せては部屋へと走っていった。
「ハハッ、元気だけは取り柄だな。」
ボタボタと垂れる鼻血の雨を眷族から手渡される紙で抑えていた。

それからして、珍しく雨が降っていた。
紅い館から少し離れた小さな別荘に彼はいた。
「今日は・・・帰りが遅くなるか、帰れなくなるな・・・」
紅魔卿はため息をついて窓の外を眺めていた。
今夜は生誕の宴だった。
レミィが生まれた時も、こんな盛大に祝ったかな。
紅魔卿は心の中でそう呟いて、同時に、妻のもとへ走り出した。

気付いたのだ、さっきまでいた宴の仲間たちが、眷族が

「いない」ことに

何かが頭を中を過った。
彼の邪眼の目を凝らしても、それは紅い霧の中で蠢いていた。
妻や御付の眷族がいる、新しい命の生誕の間の扉で彼は深く深呼吸をした。

そして、
勢いよく、
扉を、
開けた、

バンッという音とともに、紅魔卿の不安は確信へと変わった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雨が急に止んだ事に気がついたレミリアはすぐさま別称にとんでいった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目の前の「あれ」は何だろう?
私が吸血鬼だとしたら、きっと「あれ」も吸血鬼なのだろうか?
レミリアは、変貌した父親と「それ」を目の当たりにして、少しの間、眼を閉じた。

そして、眼を開け、惨事の正体を見た。

レミリアは強く歯を食いしばって、全身を震わせた。
「それ」は、赤子だったのだから。
自分と変わらない外見の吸血鬼の娘だと確信した。

黄金の金髪を持ち

その背中には、奇妙な翼が生えていた。
到底翼には見えない、七色に煌く物体を下げた、黒い翼。

レミリアは泣いた、あらんばかりの大声で泣いた。
顔をぐしゃぐしゃにしてまで泣いた。

そして、これが、彼女の、彼女たちの、運命を、大きく変えたのだ

495年にも及ぶ幽閉と、495年にも及ぶ戦いと、495年にも及ぶ運命の歯車が同時に狂いだしだった。

今、紅魔卿のいたあの館はどこにもなく、そこには幻想に消え、幻想を覆った紅魔館が存在していた。
まにあってほしい
駄文。
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投稿日時:
2009/11/21 23:57:42
更新日時:
2009/11/21 23:57:42
評価:
18/20
POINT:
41
Rate:
0.69
1. 5 静かな部屋 ■2009/11/22 09:19:18
最後の一文に、無理やり詰め込んだ感じがあって嫌でした。
>495年にも及ぶ運命の歯車が同時に狂いだしだった。
文法的にアウトな気がしなくもないです。
母の行方や、母が居ないならフランは誰の子か?
もっと起伏があれば良かったと思います
2. フリーレス 歩人 ■2009/11/23 01:26:48
これ、導入部でしょ? これだけじゃ何とも。
3. 2 ケンロク ■2009/11/23 16:01:03
盛大なヒキですねw
近日公開!みたいなカンジですw
4. 2 御洒落 ■2009/12/18 02:39:32
キャラが東方キャラになっただけで、同じような話はいくらでもありそうな気がします。
もっと内容に工夫が欲しかったです。
5. 2 藤木寸流 ■2010/01/03 23:14:43
 しょっぱな幻想卿とか出てくるからそういうネタかと思ったら、本当にただの幻想卿っていう人がメインの話でした。意外。
 あとは、短い。ネタ自体はありがちなレミリア過去話で、突出してはいなかったように思います。
6. 3 リコーダー ■2010/01/06 13:14:59
単なる文字の並びと、読者を引き込む鮮やかな描写の違いは何か。
人生の間に、一人の人物が体験する夜というのは何百何千とあります。

――忘れえぬ氷のような夜
――欠けた月、哂う星
――突き刺さるほどに凍えた風

この描き方は、筆者がその中から特定の夜を一つだけ抜き出したという事であり、何故そうしたか、何故この晩かという理由が後ろに必要。「今晩子供が生まれる」でなくても、例えば「雨を見ると思い出す」「普段買い置きするブランデーが今晩は切れていた」「たまたま今までの半生を振り返ってみた」など取り留めの無い事でもオッケーです。その一晩で紅魔卿の人柄を端的に表す。でなければ説明として、その後に続く紅魔卿の身の上から入るに越した事はなく、わざわざ一場面を切り出した意味というものが無くなってしまうでしょう。

以上、偉そうな事を長々と書いたのは何故かというと、冒頭を読んで「戻る」を押したくなる感が非常に強かったからなのでした。その理由を考察したら上のようになりました。参考になるかは分かりませんが。
7. フリーレス 神鋼 ■2010/01/07 00:51:45
プロローグだけを見せられてるようでどう評価すればいいのか解りません。
8. 1 パレット ■2010/01/10 05:43:41
 プロットまま……というか、プロットの途中で投げられてしまったかのような。
9. 2 白錨 ■2010/01/10 12:57:50
これも惜しいです。
時間さえあれば、これをベースにしてもっと良い作品が出来たと思います。
10. 2 椒良徳 ■2010/01/11 20:40:20
間に合っただって? まだ始まってすらいねえよ!
というのは冗談ですが、これから良いシーンというところで終わっていますね。
文章も低レベルで、これではちょっと評価の対象外です。まあ、めげずに次は頑張ってください。

……ひょっとして、紅魔卿という良くある誤字をネタにしたギャグなのですかね? それでしたら謝ります。
11. 3 詩所 ■2010/01/13 22:43:49
 シリアスにしては評価するに量が足りないかと。
 話が完結していない気もします。
12. 1 deso ■2010/01/13 23:16:16
起承転結の起だけといった感じです。
ドラマとしてはこれからが本題ではないかと思うのですが。
13. 1 バーボン ■2010/01/13 23:28:33
色々足りないと思います。
終わり方の尻すぼみ感が凄まじいし、紅魔卿が鼻血たらす半端なギャグで雰囲気も統一出来てないし、お題の「雨」の使い方も魅力を感じないし、強調したいんであろう部分で思いっきり誤字してるし、他にも色々。
焦って無理矢理仕上げて出すくらいなら、じっくり話を練り上げて創想話に投稿するなり、次回のコンペにネタを活かすなりした方が良かったと思います。
14. 1 ホイセケヌ ■2010/01/14 21:42:54
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15. 4 やぶH ■2010/01/15 02:59:36
おめでとうございます。間に合ってます。
……が、もっとお話を練ることができたはず!
まだあらすじ半分になってしまってますので、次回はしっかり仕上げましょう!
16. 3 八重結界 ■2010/01/15 18:36:30
 妹様ならやりかねないから、恐ろしい。
17. 2 2号 ■2010/01/15 19:23:27
興味深い設定のお話だったのですが、ちょっと記述不足を感じました。
筋がわからないということはなかったのですが。
18. 5 零四季 ■2010/01/15 23:28:55
紅魔卿……。ギャグなのか、何なのか……。
その鼻血にどう突っ込めばいいか、今の私には思いつきませんでした。
19. 1 近藤@紫 ■2010/01/15 23:32:23
(´・ω・`)
20. 1 時計屋 ■2010/01/15 23:38:44
 文章の仰々しさが浮いてしまっている印象です。
 時間ぎりぎりだったのは分かりますが、展開が急ぎ足すぎるので、今度はもう少し書くのに時間をかけてみてください。
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