血吸い蝙蝠の迷宮幻想

作品集: 最新 投稿日時: 2010/11/06 18:36:24 更新日時: 2010/11/06 18:36:24 評価: 19/20 POINT: 120
 
 パチェの論理は時に飛躍する。あれだけ本を読んで知識も大量に詰め込んでいると、段々頭もおかしくなるのか。蝙蝠に羽が生えているのは無意識の内に兎への憧れがあるからだと言われた時は、さすがに額で熱を測った。どこから出てきたのだ、その兎。
 昼食後の退屈な時間。図書館で暇を潰していると、パチェがまた新しい論理を持ち出してきた。
「あなたは知らないでしょうけど、鏡ってのは左右対称に映るものなのよ」
「いや、映らないだけで知ってはいるわよ」
 当然のようにスルーされる。都合の悪い台詞はいつだってこうだ。
 賢者というのは話を聞かない人間を総称して呼ぶのではないか。偶に私はそう思う。
「どうして鏡は左右対称なのか知っている?」
「鏡だからじゃない?」
「正論だけど暴論ね。他人を納得させるような理屈じゃないわ」
 そう言われても知識の類は自分とは無縁なのだ。まぁ、せっかくの午後の戯れ。なぞなぞぐらいの気持ちで付きあってやるのも一興だろう。今朝は嫌な事があったし、気晴らしは大事だ。
 しかし改めて考えてみると、鏡というのは不思議な物体である。確かに、どうして左右対称に映すのだろう。そのまま素直にこちらの世界を表現してくれたなら、ちょっとしたトリックに使われることもなく、人間を混乱させる事も無いだろうに。
「分かった。ひねくれ者なのよ」
「惜しい」
 惜しいのか。適当に言ったつもりなのに。
 これはまたパチェ独特の、突飛な理論が拝聴できそうだ。脳みそが溶けそうなほど無茶苦茶な話ばかりだが、退屈しのぎぐらいにはなる。
「降参よ。それで、答えは?」
「こちらとは左右対称の世界が存在している。鏡とはその世界を映し出す装置なの」
 奇天烈も此処に極まった。大賢者の作った水晶玉じゃあるまいし、そう簡単に他の世界が覗けてたまるものかと。ただの人間が毎朝のように他の世界を拝んでいるとしたら、それはもうSFにもならない。コメディだ。
 しかしパチェの顔は真剣そのもの。どこぞの兎と違って、当人は本気でそう思っているのだからタチが悪い。
「人間は便利な装置を開発したものね。ちなみに、その世界へ行くことは出来るのかしら?」
「基本的には不可能ね。見えているからといって辿りつけるわけでもない」
「それはそれは、現実的なお話で」
「ただ稀に迷い込む人はいるみたいよ。例えばほら、あなたのように全く信じていない吸血鬼とか」
 吸血鬼が鏡の世界に迷い込む。
 何とも夢のあるお話じゃないか。構造的に欠陥があるけど。
「鏡の世界はオーバーだとしても、何処かへ行きたい気持ちはあるんじゃない?」
「今は旅行する気分じゃないわ」
 何気ない一言を、見逃すようなパチェではない。
 普段は本へ向けられる鈍い眼光がこちらを向いた。まるで矢尻の付いていない矢で射られたような、不可思議な感覚が私を襲う。
「妹様は悪くないわよ。許可を出したのは私だし」
「不用意にも程があるわ。あの子はまだ外へ出られるような状態じゃない。もうちょっとだけ様子を見ないと」
「そのもうちょっとは後何百年続くのかしら?」
「それはあの子次第ね」
 外出しようとしていたフランを叱りつけたのが今朝のこと。最初は夢でも見ているのかと、思わず目を擦ったぐらいだ。不満げに頬を膨らませていたフランは、納得いかないという顔で大人しく地下へ戻りはしたものの。
 当然、私はパチェにも怒りを覚えていた。もっともフランと違って、パチェには説教をした所で釈迦に説法だ。この親友は本当に悪いと思っている事でなければ、説教を聞き流す悪癖を持っていた。疲れるだけならやらない方がマシである。
「今日は幸いにも一日中曇り。ちょっと魔理沙の家へ遊びに行くぐらいなら、当主として寛大な心で許してやるべきじゃない?」
「許容と放任は違うわよ。今の不安定なあの子を野に放ったら、何をして帰ってくるのか想像もできないわ」
「不安定になったのは、どこかの当主様が閉じこめたからでしょう」
「不安定になったから、閉じこめたのよ」
 この議論は何百年も前から繰り返している。どちらかが正しいのか、今となっては分からない。不安定だから幽閉したと口では言っているが、本当に最初からフランは不安定なままだったのか。ただの勘違いではなかったのか。そう問われると自信を持って答えられない自分がいる。
 だが現実として、あの子が不安定であるのは間違いないこと。
 それに何より、私には許せないことが一つだけあった。
「そもそも、どうして朝に外出しようとしたのかしら? 魔理沙の所へ行くのなら、別に昼からでも良かったはずよ」
「………………」
「昼だと私にばれる、夜は寝ているけれど感覚が研ぎ澄まされているからフランの外出を察知できる。こっそり抜け出すとしたら朝しかないものね。見つけたのだって、本当に偶然だし」
 パチェは黙ったまま、濁った瞳で私の顔を見つめていた。
 混沌として底の知れない双眸を私はいたく気に入っていたけれど、何を考えているのか知れなくて時折不気味に思える。
「つまり、あの子も分かっていたわけよ。それが駄目な事だって」
「だったら真正面からあなたの屍を越えていけと?」
「いや、奥義の伝承じゃないんだからさ。せめて私に一言ぐらいあっても良いんじゃない?」
 濁った瞳が微かに動く。良からぬ気配を感じた。
 すぐさま席を立とうとした私に、どこか楽しげなパチェの言葉がぶつけられる。
「なるほど。つまりレミィ、あなたは面白くなかったのね。妹様がレミィじゃなくて、私を頼ったもんだから」
「ち、違うわよ」
「それならそうと言ってあげればいいのに。お姉様に嫌われたって、随分と落ち込んでいたわよ」
 泣いているフランの顔を想像すれば、胸が苦しくなって紅茶も喉を通らない。
 しかし、どんな顔をして会いに行けばいいのだ。口では何とでも言える。心の底では間違いなく、フランは私を嫌っているはず。今の状況で出会おうものなら、それこそ本当に殺し合いが始まってもおかしくない。
 蓬莱人ではないのだ。どちらかが死ねば、どちらかが悲しむ。
 会うだけ無駄だ。
「お邪魔したわね。鏡の話はちょっとだけ面白かったけど、やっぱり滑稽だったわ」
 逃げるように、私は図書館を後にした。パチェは何も言わなかったけど、無言の圧力には何か意味が込められていたのだろう。考えるのも面倒くさい。
 私は自室に戻り、ふて腐れたように眠りへついた。吸血鬼なのだ。これぐらいの時間に寝たっていいじゃないの。
 誰に対する言い訳かも分からず、私はそのまま眠りに落ちた。









 夜に起きるのは久しぶりのこと。やはり根が吸血鬼なだけあって体調は夜の方が優れている。寝覚めもバッチリだったし、ちょっと紅茶の味を楽しんだら夜の散歩にでも行こうかしら。
 上機嫌だったのは最初の内。秋の天気を思わせるほど、次第に私の機嫌は急降下していった。いつもだったら呼ぶ前に現れるはずの咲夜が一向に姿を現さない。まさか自分で紅茶をいれるわけにもいかず、あのメイドがいなければ素敵で快適なお茶会が始まらないのだ。
 多少の遅刻は多めに見るけれど、主の目覚めぐらいは把握して貰いたい。無茶な要求だと笑う輩には鉄拳で制裁を加えておきたいところだ。うちの咲夜をあまり舐めないで貰いたい。下手をすればベッドの側でずっと私の寝顔を見ているぐらい忠誠心の厚い従者なのだ。
 それは果たして忠誠心かしらとパチェは訝しがっていたけれど、そうでなければ何だというのだ。想像すると怖くなるから敢えて考えないようにしている。
「咲夜! もう、咲夜ったら!」
 紅い廊下を歩きつつ、咲夜の名前を連呼する。今日は妖精メイドも遊びに出ているのか、館内でその姿を見ない。冷たい空気が館内を漂い、いつになく寂しい雰囲気を醸し出していた。
 廊下に響くのが自分だけの足音とは、物語に登場してきそうな吸血鬼の館そのものだ。風格という面では文句の付けようが無いけれど、不便を甘んじてまで貫き通すようなものでもなかった。兎にも角にも今は紅茶だ。
 外は絶好の曇り空。窓際を気にせず歩けるのは楽で良い。
 本当に天気だけが障害だったら、どれだけ私の心も安まったことか。不意に思い出すのは先程の会話。別に私だって好きこのんでフランを幽閉しているわけではない。あの子の情緒がもっと安定してくれば、喜んで外に出すだろう。
 ……いや、喜んでは出さないか。多分、最後まで私は不安な面持ちをしているはずだ。何せフランにとっては初めての外。何が起こるか分からないし、お付きの人間も必要だろう。私だってフランがどんな顔で遊んでいるのか見たいし、録画用のカメラも新調しなければならない。
 大変なのだ、妹が外出するというだけで。まぁ、大変にしているのは私の方だという意見もあるでしょう。否定はしないし、反論もしない。
 ただ、まだ時期が来ていないだけで。
 ちゃんと大丈夫だと確信を持って言える日がくれば、ちゃんと許可は出すつもりだった。
「それは良いんだけど……」
 食堂にも調理場にも大ホールにも、どこにも咲夜の姿は見あたらない。午後の気怠い時間帯。普段だったら私の側に仕えているか、お茶会の準備をしているはずなのに。当然、テラスにも姿は見あたらなかった。
 夕食の買い出しにでも出かけたのか。それだったら書き置きなり伝言の一つでも残すはずなのに、何も言わず出かけたとなれば異変の臭いがしてくる。紫なら私に気付かれることなく咲夜を拉致する事が出来るでしょうし、気まぐれで浚ってもおかしくない人選だ。
 だがもしも勘違いだったら恥を掻くだけ。ここはお茶会を我慢して、とりあえず明日の朝まで待つことにしよう。仕方ない。
 そうやって私が諦めようとしたのに、今日の運命は随分と性格がねじ曲がっているらしい。普段は美鈴や私ぐらいしか使わない遊戯室から、咲夜らしき人間の声が聞こえてきた。掃除は午前中に終えているだろうに、何の用事があるというのか。
 首を捻りながら扉を開けてみれば、メイド服姿で窓際に腰を降ろしワイングラスを傾けている少女がいた。床には空っぽの瓶が幾本か転がっている。紅魔館でも上位に入るほど酒が強いだけあって、顔は至って平常のままだ。頬の一つも赤くなっていない。
 いや、問題はそこではなかった。
「咲夜!」
 乱暴に絨毯を踏みしめて瓶を蹴飛ばし、ワイングラスを奪い取った。中に入っていた液体が零れる。独特のアルコール臭は間違いなく、ワインであるのだと教えてくれる。
 俄には信じがたい光景でも、実際に存在するのなら受け入れるしかない。突如として現れた主に対して全く悪びれた風もなく、むしろグラスを奪った私が悪いかのように鋭い眼光を向けられる。
「どういう事か、説明しなさい」
「別に、見れば分かるでしょ。ああ、あんたには分からないか。いかにも脳みそが足りてませんって顔をしてるものね」
 グラスの割れる音と窓ガラスの割れる音。投げつけたワイングラスは空を切り、向こう側にあった窓ガラスを破壊した。時間を止めたようだ。そうでなければ今頃はガラスと赤ワインにまみれているはず。
 背後に出現した気配はしかし、気怠そうに欠伸をしながら暢気に退出しようとしていた。
「人間のジョークは理解不能で困るわ。咲夜、質問に答えなさい。あなたは一体、ここで何をしているの?」
 殺気と怒気を孕ませて、質問という刃を向ける。常人ならば怯んで動けないものだが、咲夜にその様子はなく、立ち止まらずに部屋を出て行った。あれは本当に咲夜だったのか。双子の姉でしたと言われても、今ならば簡単に信じ込みそうになる。
「何なのよ、一体……」
 答えてくれる忠実なメイドは、どうやら何処にもいないらしい。





 私が眠っている間に何があったのか。まさか特殊なガスが紅魔館に散布されて、性格が歪んでしまったわけでもあるまい。それならば私が普通に暮らしていることの説明ができないからだ。
 微かに過ぎる可能性はあるのだが、事実だとしたらかなり頭が痛いことになる。無視して紅魔館の散策を続けたところ、門の前で美鈴を見つけた。珍しく居眠りしていないようで、これから決戦でも控えているかのような真剣な表情で仁王立ちしている。
 霊夢ほど勘は鋭くないものの、そこは運命を操る吸血鬼。並の人間よりかは遙かに優れた勘を搭載しているのだ。その勘が私に告げている。嫌な予感しかしないと。
 虎児に入らずんば虎児を得ず。咲夜の不可解な言動を探る為には危険の中にも飛び込まなければならない。まぁ、相手は美鈴だ。余程の事が無ければ命の危機まで至らないだろう。
「美鈴」
 真剣な眼差しがこちらを振り向き、露骨に嫌な顔をされた。さすが私。予感は的中したらしい。
 犬や猫でも追い払うように、邪険に手を振るわれる。
「私はいま忙しいのよ。ほら、あっち行った行った」
「……無礼な門番がいたものね。それが当主に対する態度かしら?」
 威厳ある態度を心がけてみたものの、得られたのは美鈴の大笑い。地面を叩かん勢いで腹を抱えられると、怒りよりも先に疑問符が浮かぶ。さして面白いことを言ったつもりは無いのだが。
 乾燥肌の頬を掻き、じっとりとした視線で睨め付ける。私に対する態度以外は特筆すべきような点もないし、中身が入れ替わっている様子も無い。正真正銘の美鈴だとしたら、それはそれで首を傾げるのだ。
 ようやく笑いが治まって、改めて真剣な表情に戻る美鈴。説明するつもりはないようだ、どうして自分が笑ったのか。こうも嫌われていると逆に清々しい。
「今の笑いは何?」
「いやあ、お子様の勘違いほど微笑ましいものはないなあって。あんたが当主様だったら、私はこの館にいませんよ」
 はて、さて。この門番は何を言っているのだろうか。
 厳しい残暑はとっくに過ぎた。気温も程よく移り変わっているのに、脳みそでも溶けたのか。
「だったらどうして残っているのかしら。当主は私なのよ」
「馬鹿馬鹿しい。脳みそでも溶けましたか。紅魔館の当主様はフランドール・スカーレット様に決まってるでしょうが」
 フランドール・スカーレット。聞き覚えのある名前だ。
 スカーレットという単語から判断するに、おそらく私の身内だろう。父の名前でも母の名前でもないし、兄や姉がいたという記憶もない。現実逃避も此処までにして、私はつま先から沸き上がってくるような悲鳴をあげた。
「ええええええええええええええ!!」
 耳を押さえる美鈴には構わず、その襟元を掴み上げる。いくら体術に優れているからといって、吸血鬼の腕力に勝るはずもない。抵抗も空しく、がくがくと揺さぶられる門番の姿があった。
「どういうことよフランが当主だなんて! 紅魔館の当主は私でしょ! なんでフランになっているのよ!」
 悪い夢でも見ているようだ。美鈴は一足早くその世界に旅だったようで、泡を吹きながら意識を手放している。こうしてはいられない、私は踵を返して館の中に戻った。
 フランを捜さないと。本人に訊くのが一番手っ取り早いのだ。
 だがもしも当主は自分だよと言われたら、私はどうするのだろう。頬を抓っても痛いだけの、何かが歪んだこの世界で。
 廊下を駆ける私の目に、中庭で佇むパチェの姿が飛び込んできた。彼女でもいい。兎に角いまは、事情を知っている人間が必要なのだ。
「パチェ!」
 叫び声が届かなかったのか、パチェは両手を合わせたまま微動だにしない。石像にでもなったのかと思い、肩に触れようとした瞬間だった。思い切り手を叩かれ、憎悪の視線で睨み付けられたのは。
 赤く染まった手を押さえる。腫れてはいないものの、病弱な魔女に出せるような力ではなかった。
「触らないで」
 咲夜も美鈴も私を嫌ってはいたけれど、少なくとも憎んではいなかった。だがパチェは違う。長きにわたる人生を歩んできた私だからこそ、この目は嫌というほど知っていた。大切なものを奪われた人間の目だ。
「パ、パチェ? どうしたってのよ。あなたまでおかしくなったの?」
「おかしいのはあなたでしょ。どうして今更になって私に話しかけてきたのかしら。ああ、とうとう私を殺す気になったのね」
「巫山戯ないでよ、どうして私がパチェを――」
「その名前で私を呼ぶな!」
 ビクリと震えた身体を押さえ、思わず後ずさる。気迫に押されたのではない。親友に拒絶されたショックが、私の身体を後ろへ引き寄せたのだ。
「小悪魔を殺しておきながら、よくもそんな台詞が吐けたわね!」
 山の向こうから雷の音が聞こえ、窓ガラスが震えた。
 私は何も言えない。言うことができない。
 だって、パチェが何を言っているのか理解できないのだから。
「私が、小悪魔を?」
 夢遊病患者ではないのだ。まさか寝ぼけて徘徊し、小悪魔を手にかけたのか。有り得ない。寝ぼけて仲間を殺したあげく、手を洗って着替えてから部屋に戻ってきたというのか。都合が良いというよりも不可能に近い。
 当然、過去の記憶を引きずり出しても小悪魔を殺したような思い出は全くなかった。だとしたらパチェが嘘を吐いていることになる。
「寝ぼけてるんじゃないの? 私がどうして小悪魔を殺さなければならないのよ」
「それは私が訊きたいわ。でもあなたは言ったじゃない。そんな事、お前が知る必要なんか無いって」
「……理解不能ね。別の誰かと間違えてるんじゃないの?」
「元親友の顔を見忘れるわけないでしょ。ねえ、レミィ」
 皮肉と憎悪をこめて愛称を呼ばれる日が来るなんて。彼女と出会った日には想像もしなかった。
 これ以上の会話は無駄だろう。すれ違いを続けても空しくなるだけだ。
 逃げるように中庭を抜け出し、自分の部屋へと戻ってくる。
 考えないようにしていたけど、それももう限界だ。私は何となく、この世界の仕組みについて把握していた。なにせ眠る直前、パチェ自身が教えてくれたのだから。
 生真面目な咲夜は怠惰になり、サボり癖のある美鈴は真面目に職務をまっとうしている。そして咲夜も美鈴もパチェすらも、一様に私を嫌っていた。
 ベッドに倒れ込み、天井を仰ぎ見る。
「ここは鏡の世界なのね」





 最初はショックを受けたものの、絡繰りが分かってしまえば何という事もない。未知こそが一番恐怖なのだから、既知となった今ではむしろ鏡の世界を楽しもうとすらしていた。
 寿命が長い吸血鬼。このぐらいのことは娯楽の糧にしなければ人生を楽しめない。
 しかし愉快な世界だ。つまるところ、この世界で嫌われていればいるほど元の世界では好かれているということ。口うるさいあの親友も、親の仇と思うぐらいに私を好いていたなんて。ちょっと気恥ずかしくて、元の世界に戻ったらまともにパチェの顔を見られないだろう。
 私もまぁ、好きだし。うん。
 微妙な感情を抱きつつ、紅魔館を探索する。この世界で永住するつもりはないが、戻る方法も分かっていないのだ。じたばたしたところで仕方ない。とりあえず色々と見て回るのも悪くないだろう。
 内装はさして変わらず、取り立てて見るような物もない。好奇心に動かされていた探索も、すぐさま飽きがきた。代わり映えのしない我が館など見飽きているのだ。異世界なのだから、もっと芸を凝らして欲しかった。
「あれ、まだウロウロしてたの? あんたも暇だね」
 職務に忠実なはずの門番が、何故か館の中を彷徨いていた。おそらく交代の時間なのだろう。
 よくよく観察してみれば、美鈴と咲夜にも若干の違いがある事に気付いた。咲夜は私を露骨に無視しようとするのに、美鈴は普通に構ってくれる。つまりはそれだけ咲夜が私の事を気にかけてくれた証拠でもあり、やはり気恥ずかしい。
 暴言ばかり吐かれているのに、どうして照れなくてはいけないのだ。まったく、色々な意味で不愉快な世界である。
「だけど早く地下室に戻らないと、フランお嬢様に怒られるよ」
 此処では私とフランの立場が逆になっているのか。
 郷に入っては郷に従え。ならば私もそれなりの振る舞いを見せるべきか。
「うん、分かった!」
「うわっ、キモッ。なにそれ、病気?」
 対応を間違ったらしい。一体どういう性格をしていたんだ、この世界の私は。
 演技するのも馬鹿らしくなった。普段通りの態度で腕を組み、見下すように見上げる。
「それで、そのフランお嬢様は何処にいるのかしら?」
「今頃はテラスでお茶でもやってるんじゃないですかね? あ、邪魔するなよ。あんたに紅茶はまだ早い」
「仕方ないわね、ワインで我慢するわ」
「お子様の舌には赤も白もないでしょう。喉が渇いたなら裏に井戸があるから、桶をあげて飛び込めばいいよ」
「ありがとう。でも私は喉が渇いていないから、寝ぼけた門番に伝えてちょうだい」
「ああ、そりゃ喜ぶな。ちっちゃな吸血鬼を間違って蹴飛ばすくらい」
「吸血鬼には棘があるって知ってた?」
「はははは」
「うふふふ」
 乾いた笑いが飛び交った。打てば響くとはこのことか。
 いつもの気が利いて思いやりのある美鈴も気に入っているが、こちらのもなかなかに楽しくさせてくれる。久しく疼いていた吸血鬼の本能が暴れたそうに首をもたげていた。
「フランお嬢様の所には行くなよ。邪魔になるから」
「あら、間抜けな門番がいるよりかは役に立つと思うんだけど?」
「巫山戯るな。この館にお仕えしてから云十年。一度たりとて不審者は通したことがないんだよ」
 自信満々に胸を張るのは良いけれど、それはつまり元の世界でザルだったと言ってるに等しい。云十年も不審者を通し続けてきたのか。あちらの美鈴には厳しい罰が必要だろう。楽しみに待っていると良い。
「そうは言ってるけど、通ってるじゃない。不審者」
「嘘っ!?」
 窓から身を乗り出す美鈴。
「嘘に決まってるでしょ」
 その隙に私は逃げ出した。この調子だと鉄壁という謳い文句も妖しいものだ。
 フランはテラスにいるらしい。なるほど、この時間の私は大概テラスで紅茶を楽しんでいる。こちらのフランもそれを真似ているのだろう。
 密かに私は楽しみにしていた。こちらのフランはどんな性格をしているのか。
 あちらのフランは活発で天真爛漫だった。だとすれば大人しくて控えめな性格なのか。悩んでいても仕方ない。実際に見れば分かることだ。
 もうすぐテラス。フランはどんな顔で私を迎え入れてくれるだろう。
 しかしピタリと、私の足は止まっていた。
 理性と脳が大音量で警鐘を鳴らしている。この曲がり角を曲がれば、その先にはテラスがある。鏡のフランまでもうすぐなのだ。なのに何故、私は身体は止まってしまたのか。
 まるで目の前に大きな壁があるのように、あるいは深い崖が立ちはだかっているように、全く前へと進めない。
 どうして?
 私が答えを出すよりも早く、あちらのフランが曲がり角から姿を現した。最初は驚いてたフランだったけど、すぐさま表情を変えた。そして私は悟ったのだ。
 進みたくなかった理由を。
「お……おお! レミリア!」
 生き別れた家族と再会したように、とびっきりの笑顔で私に抱きついてくるフラン。止まっていた時間が動き出し、倒れないよう私の身体は踏ん張った。
「地下室から出てきたのね! さすがは私の妹!」
 姉妹という立場も逆転しているのか。いや、それよりも重要な事がある。
 この世界では全てが逆転している。好意は嫌悪に。愛情は憎悪に。
 大人しくもないし控えでもないフランだけど、私に対する好意だけはしっかりと伝わってきた。
 目眩がする。
 それはあちらの世界でフランが私をどう思っているのか。遠回しに立証しているのだから。
「さあ、一緒にお茶会をしよう。美味しい紅茶もあるし、クッキーも用意してあるわよ。咲夜は嫌な顔をするかもしれないけど、私がガツンと言ってあげるから」
 フランが楽しそうに喋るほど、私の感情は落ち込んでいく。
 薄々は勘づいていた。フランが私をどう思っているのか。
 妹を閉じこめるような姉だ。元より好かれているわけがない。
 だとすれば、このフランは当然の結果。
 分かっていたことなのに、改めて突きつけられると衝撃は大きい。
 テラスへ引っ張ろうとするフランの手を払い、私は逃げ出した。
 一刻も居たくなかったのだ、あのフランの前に。どれだけ自分が嫌われているのか、それを押し付けられているみたいで。フランの笑顔を見るだけで、吐きそうなほど胸が苦しくなるなんて。
 暢気にしていた頃が懐かしい。
 再び自分の部屋に戻り、今度は鍵をかける。
 今はフランの部屋なのかもしれない。美鈴曰く、私の居場所は地下室のようだし。
 あるいは、それも良いのか。
 何百年もフランを閉じこめたように、今度は私が閉じこめられる番。あるいは、この世界もその為に用意されたのか。私が罪を購う為に、この歪な世界で閉じこめられるように。
 ふと枕が濡れていることに気付いた。
 いや、泣いているわけではない。誇り高き吸血鬼は、妹に嫌われただけでは決して泣かないのだ。それに私が泣けるような立場でもないし。
 これは目薬をさしただけなのだ。そう、この部屋にも常備してあるし。
 目を擦りながら、机の引き出しを開ける。いつか咲夜が買ってきてくれた目薬が、確かにそこへ収まっていた。
「……?」
 目薬をじっと見つめる。
 奇妙な引っかかりを覚えた。それが何なのか模索して、ようやく私は答えに至る。
 怒りと悲しみと笑いが入り交じった感情が湧き上がり、取り敢えず私は大声で叫んだ。
 ぎゃおー、と。





 廊下の向こうから歩いてくる咲夜の目は、確実に私を捉えていなかった。まるで最初から見えていないかのように、視線は私の遙か後方に向けられている。冷徹とも玲瓏ともとれる表情は無言の内に拒絶の意志を表していた。
 話しかけても答えは返ってこないだろう。美鈴やパチェと違って、咲夜は私と話をしたがらない理由があるのだから。
「ねえ、咲夜」
 優しい問いかけも鮮やかに無視された。
 何事も無かったかのように私の横を通り過ぎていく。
 普段は何気ない天井の模様も今だけは目に悪く、思わず目頭が熱くなった。
「咲夜ぁ……」
 縋るように名前を呼ぶと、さしもの鉄仮面も足を止めるしかない。ゆっくりと振り向き、私の顔を見て心底から驚きの声をあげた。
 私は泣いていたのだ。
「お嬢様!」
 慌てて駆け寄る咲夜の顔つきは、いつもの彼女そのもの。心配そうに肩を掴むその手も、どこか怪我をしたのかと問いかける口も、そして今となっては性格も、私がよく知る十六夜咲夜のものだった。
「まさかもうバレるとは思わなかったわ。さすがレミィね」
「そしてさすが咲夜さん」
「私は良かったと思いますよ。死んでましたしね!」
「あー、面白かった」
 近くの部屋で様子を窺っていたのか、残りの連中が雁首を揃えて姿を現す。
「申し訳ありません! 従者としてあるまじき暴言の数々。お嬢様が腹を立ててクビだと言うのなら、私は喜んでそれを受け入れましょう!」
「いや、いいよ。咲夜の紅茶は惜しいし」
 咲夜ほど優秀なメイド、調達するのは骨が折れるだろう。それに個人的にも気に入っているし、これぐらいのことでクビにするつもりはなかった。
 泣いて土下座でもしそうな勢いの咲夜。さぞや辛かっただろう、私に暴言を吐くのは。
 悪戯小僧のように笑っている門番や親友と違って。
「咲夜は辛いからと言葉を控えているようだったけど、そっちの二人は随分な口を利いてくれたわね。ねえ、美鈴にパチェ」
「いやいや、私も心苦しかったんですよ。敬愛するお嬢様にあんな暴言を吐くだなんて、これはもう夜も眠れません」
「そして昼に寝るのか」
 鋭いツッコミも笑顔で受け流された。
 一方のパチェも涼しい顔だ。悪びれた風もない。
「たまには肉体強化の魔法も良いものね。もう二度と使うつもりはないけど」
「良かったわ。危うく仇として殺されるところだったもの」
「何で私を殺したんですかパチュリー様。台本にはありませんでしたよね、あんな設定」
「勢い」
 案外、この猿芝居で一番の被害者だったのは小悪魔なのかもしれない。上司にいきなり殺されてしまったわけなのだから。
「それにしても、こんな悪趣味な真似。何でしようと思ったのよ?」
 鏡の国など存在するわけがない。どういう魂胆があるのか知らないけれど、みんなで口裏を合わせていただけなのだ。
 当然、性格が反転しているわけもない。
「レミィをドッキリさせたい」
「ほお」
「って妹様が言ったのよ」
 無邪気に笑う妹の表情が、私の心臓を止めかけた。
 鏡の世界は偽物だったとしても、そこであった事は紛れもない事実。咲夜や美鈴やパチェがどれだけ私の事を好いてくれているのか。そして、フランがどれだけ私の事を嫌っているのか。
 提案したのがフランなのだとしたら、これを悪趣味とは言うまいて。
 これは裁判の判決。遠回しなだけで、フランは私に自分の気持ちを伝えていたのだ。
 目薬ではなく、本当に泣きそうになる。
 だが堪えろ。ここは鏡の世界ではない。紅魔館の当主は私なのだ。当主は絶対に泣いてはいけないのだから。
「どうしたの、お姉様?」
「無理をする必要はないのよ。私を怨んでいるのなら、呼び捨てでも構わないわ」
 フランは首を傾げた。
「レミリアって呼ぶのは楽しかったけど、お姉様はお姉様だよ。そりゃあたまには、あいつとか呼んだりするけどさ。別に嫌ってるわけでもないし」
「嘘。だったらさっきの演技は何なの! あれは鏡の演技。私を好いていれば好いているほど、現実では嫌ってるってことじゃない!」
 真摯な私の叫びも空しく、フランはお腹を押さえながら大笑いした。
 それはどこか私を小馬鹿にしているように思えて、自然と腹が立つ。
 だが何も言うことはできない。自分のしてきた事を思えば、これぐらいの嘲笑は受け止めてあげなければいけないのだから。
 フランは思う存分に笑い、私を指さして言い放つ。
「お姉様は本当に馬鹿だねえ」
 ああ馬鹿だ。妹から嫌われる姉なんて、馬鹿以外の何者でも――
「知らなかった? 吸血鬼は鏡に映らないんだよ」
 あ……。
 そういえば、そういえば。
 どうしてこんな単純な事を、私は忘れていたんだろう。
 だとしたらフランの態度は直接そのままという事になり、つまり私はフランに嫌われていないってこと!?
「閉じこめられてたのは腹も立ってたし、外に出してくれないお姉様を倒そうと思った事もあるよ。でも嫌いになるわけないじゃん。お姉様が私を愛してくれている限り、ね」
「う、ぐぐぐ……」
 自分の馬鹿らしさに腹が立つやら、フランから嫌われていない事に胸が躍るやら、入り交じった感情が行き場を無くして外に飛びだした。
「どっかーん!」
「あはは、どっかーん!」
 そうして私達姉妹は、二人してしばらく叫び続けたのだった。
 喜びと怒りの爆発ごっこは、数分間にも及んだという。





「ちなみにレミィはどの辺りで気付いたのかしら?」
 探偵ごっこは苦手だが、探偵ぶるのは好きだ。
 勿体ぶるように空咳をして、一堂の顔を見渡す。先程までどっかーんとか言ってた人の表情じゃないですねと、小声で美鈴が呟いている。後で蹴ろう。
「ヒントは目薬よ。美鈴は私が地下室で暮らしているような口ぶりだった。なのに愛用している目薬がいつもの私の部屋にあった。館は大して変わっていないとしても、美鈴の言葉が事実だったら目薬は地下室にあるはず」
「ああ、私が原因だったんですね。失敗、失敗」
 額を叩く動作こそしても、反省や後悔の色は見られない。案外、わざとバラしたのではないだろうか、この門番。咲夜が限界なのを見てとって、私が気付くよう情報を与えたのだとしたら。それは何と優秀な門番なのだろう。
 ……確実に違うな。多分、本当に口を滑らせたんだろう。
「館は変わっていないとしても、部屋が入れ替わっているなら目薬が此処にあるのはおかしい。そこで私はピンときたのよ。ひょっとして鏡の世界に行ったわけでなく、単にあなた達がお芝居をしているだけなのではって」
「それで目薬を使ってあなたも芝居をしたってわけね。まぁ、引っかかったのは咲夜だけだったけど」
「申し訳ありません」
 頭を下げる咲夜を、誰が責められようものか。むしろ一度でも暴言を吐けた咲夜を褒めるべきではないか。さすがは私の従者だ。まぁ、今後は控えて欲しいのだけど。
「それに、よく考えたら根本からおかしかったわ。全てが反転してるなら小悪魔だけ死んでるのはおかしいし、それに性別だって反転していなければおかしい。あなた達が女性のままだった時点で、この計画は破綻していたのよ」
 得意気に胸を張るが、パチェの顔は何故か曇っていた。
 訝しげに眉をひそめ、恐る恐るといった具合に尋ねる。
「もしかしてレミィ、知らなかったの? 私、男なのよ?」
「へ?」
 間の抜けた声が漏れる。
 パチェが男? 何の冗談だ。
「私も男ですし、咲夜さんも男ですよ」
「お姉様知らなかったの? 私は心が女の子だから、みんなに妹様って呼ばせてるだけなのよ?」
 次々と明かされる衝撃の事実。だが今日の私はひと味違うのだ。
 その手は喰わない。
「騙されないわよ、パチェ。またそうやって口裏を合わせてるんでしょう」
「本当だってば。その証拠に、ほら」
 おもむろに服を脱ぎだしたパチェ。上半身だけ裸になった彼女の身体には、女性として付いているはずの物が付いていなかった。貧乳どころの騒ぎではない。これは確かに、男性の体つき。
 まさか、本当に、嘘でしょ?
 震える指先がパチェに向く。陰気な表情を引っ込め、最上の笑顔でパチェは口を開いた。
「これからもよろしくね、レミィ」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 こうして私は本日何度目なのか数えるのも億劫な逃亡をしたのだった。
 後日、咲夜からあれは全部嘘で身体が男性に見えたのもパチェの魔法の力だと知らされ、安堵の溜息と共に仁義なき親友戦争が始まったのは言うまでもない。
 それ以外で変わったことはなく、せいぜいフランが私の許可さえあれば外に出られるようになっただけだ。
 もう二度とあんな悲しい思いはしたくないし、あれだけの計画を思いつける子よ。
 不安定になったとしても、自分で何とかするでしょう。
 そうして私は咲夜を連れて、今日もあの子の後ろを尾行するのであった。
 
「時にパチュリー様。何時から気付いていたのですか、この小悪魔が男だということに」
「なにそれこわい」
八重結界
http://makiqx.blog53.fc2.com/
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2010/11/06 18:36:24
更新日時:
2010/11/06 18:36:24
評価:
19/20
POINT:
120
1. 6 1896 ■2010/11/09 21:02:35
あとがきこわい
2. 3 パレット ■2010/11/20 00:19:03
 あら上手い……吸血鬼が鏡に映らないネタはたぶんこのコンペ内で溢れているけど、この作品でのそれの扱い方はすごく上手に思えました。
3. 6 さく酸 ■2010/11/25 20:44:35
なにこのおち。

話の展開が面白く、吸血鬼は鏡に映らないと言う台詞の下りはなるほどとうなずくばかりでした。
目薬発見からネタ晴らしまでの下りが若干あっさりしている気はしますが、まあ、こんなもんでしょう。
4. 8 asp ■2010/11/29 10:59:41
 一見よくある反転ネタではありますが、その料理の仕方が絶妙ですね。現実での好意の裏返しと理解して喜ぶレミリアとか、鏡に映らないフランとか。興味を引きつける出だしと中盤、ほどよく笑ったりなごんだりした後の急展開と爽やかなラスト。全部演技でしたという真相も、作中キャラにネガティヴなものを感じさせないような非常にうまい書き方をされているように思います。長すぎず短すぎない容量とテンポもいいですね。
5. 7 yunta ■2010/11/30 22:19:00
執筆お疲れ様でした!

ところどころ、気になる瑕疵があって「うーん」と思っていたのですが、オチで納得がいきました。
とある日の紅魔館って感じでほのぼのしますねぇ。
6. 6 とんじる ■2010/12/02 14:37:55
 どきどきな展開で、最後まで飽きさせてくれないSSでした。

 しかし、この設定ならもっと腰を据えて、長めのSSでやって欲しかった感じはある。
 急展開が多いので、この短さで収めようとするとどうしても慌ただしく感じてしまう。それでも不思議と置いてけぼり感はなかったけれど。

 しかし、どこまで反転するかという定義があやふやな気がした。
 性格だけが反転するのか、あるいは物の左右だけが反転するのか、あるいは言葉の概念までも反転するのか……そこら辺が上手く定義されていない所為で腑に落ちないところがいくつかあった。いや、彼女たちの演技だというのは解ってますが。その定義がはっきりしない所為で、何となくレミリアの推理も説得力に欠ける感じが。少し揚げ足とり気味ですが……。

 キャラクターが生き生きしているのが良かった。
 美鈴は、演技の方も素の方も良いキャラだし、レミリアは可愛いし。
7. 8 なまえ ■2010/12/06 03:08:13
上半身裸のパチェさんはぁは…おっと、鏡の世界の書き込みが漏れたようです。
逆転させて際立つ好意というのは乙なものです。
8. 9 TUNA ■2010/12/09 19:01:32
笑いました。
これは面白かった!
9. 7 PNS ■2010/12/09 21:43:17
これはいいドッキリw
ギミックを元に話を膨らませたら、さらに良くなるかも。
10. 5 藤村・リー ■2010/12/09 22:48:51
なにそれこわい
11. 4 deso ■2010/12/11 20:27:19
鏡の中とはいえ、性格やら境遇が反転するのはヘンじゃなかろうか。
なんてことを思いましたが、とりあえずお嬢様は可愛かったです。
12. 8 木村圭 ■2010/12/11 20:30:04
吸血鬼は鏡に映らない、か。いやん上手いな騙された!
13. 3 ニャーン ■2010/12/11 20:57:05
お題のためか、食傷気味になってしまった吸血鬼は鏡に写らないネタなのですが、
この作品が一番上手く取り扱っていると思います。
鏡の世界だと判断するレミリアの推理が少し唐突な感ですが、
こちらも作品を読みながら、鏡の世界に来たんだな、と推測できるタイミングと同じだったので、
あまり違和感がありませんでした。
最後のネタが全て持っていってしまった感。
14. 7 gene ■2010/12/11 21:03:48
普通に面白かった。文花帖ネタ(あいつ)も紛れ込ませたり、手馴れた感があるなと思いました。
次はもっと凝ったシナリオで描かれたものが読んでみたいです。
15. 7 如月日向 ■2010/12/11 21:47:06
いい話……で終わってくれないっ!
紅魔館メンバーがみんないい具合にキャラ立ちしてますね。
小悪魔はさすが小悪魔でした。
16. 6 兵庫県民 ■2010/12/11 21:59:32
なにそのオチこわい
然しいいドッキリだったw
17. 7 文鎮 ■2010/12/11 23:08:13
ころころと変わる楽しいお話でした。
しかし、パチュリーは下半身を見せた方が良かったのでは?インパクト的に。
18. 5 774 ■2010/12/11 23:26:30
このパチェ最低だなw
それぞれ個性があって良い感じ。
バレたきっかけがちょっと強引かなという気も。
19. 8 Admiral ■2010/12/11 23:41:19
素晴らしい!
読みやすい長さの小品ながら、綺麗にまとまったストーリー、お見事ですね〜!
オチも綺麗にまとまってクスリとしてしまいました。
紅魔館はまさに家族!ですね^^
20. フリーレス 774 ■2017/01/07 14:06:02
面白い、ありきたりな話だけど、それを上手く書いている
やっぱスカーレット姉妹が仲良い話は神だね
名前 メール
評価 パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード