そもそもは人間の里、ある男の家から始まる

作品集: 最新 投稿日時: 2010/11/06 22:11:30 更新日時: 2010/12/13 20:58:07 評価: 14/14 POINT: 82
 「ほう、これは………………」
 「お、さすが旦那。お目が高いね」
 「まぁ……ね。――ふむ。面白いな、頂けないかなコレ」
 「あ、いや、手放すのが惜しい品でして」
 「だろうね。好きで持っているのだろうから」
 「わかってるじゃないですか」
 「なんならコレ自体は呉れなくてもいい。ちょっと貸してくれるだけでいいんだ。――僕にアテがあってね」
 「はぁ……」
 「貸してくれたら、こいつを増やして返すよ」
 「増やす……ですか?正直、なんのことやらサッパリですが……まぁ旦那を信頼してお貸ししましょう。駄目にしないで下さいよ?」
 「ありがとう。大丈夫、悪いことにはしないさ」
 「ちょっとコレは売り物ではないので、また後日にでもお届けに参りますよ」
 「助かるよ。その時にはイロもつけさせてもらうから」



 ※



 魔法の森の入り口。
 そこは入り口であるがゆえに魔法の森ではなく、かと言って森の外と言い切るには雰囲気がありすぎるという、なかなかに不思議な場所だった。森の深淵部ほどの静寂は無いが、野の陽気さも感じさせない。どちらかと言えば魔法の森寄りの不気味さの際立つ、半端で奇妙な場所である。
 
 そこにぽつりと建つ、一軒の道具屋があった。

 森の妖怪たちも人里の人間たちも立ち寄れるようにと、この半端な場所に建てられた閑静な道具屋は、結局、妖怪たちからも人間たちからもあまり立ち寄られてはいない。
 この道具屋――香霖堂にいるのは、道具屋の主人、森近霖之助と閑古鳥くらいなもので、あとは稀に来る厄介事と、さらに稀な普通の客が来るくらいだった。

 いつもの静けさを日常として享受しながら、店主の霖之助は椅子に腰掛けながら本を読んで過ごしていた。
 自らが集めた道具に囲まれ、一竿風月、悠々自適に過ごす彼だが、そうした彼の日常にも、きちんとスパイスはある。
 
 そしてそれはいつも自らの足で、いや箒で、やってくるのだ。
 
 誰かがフワリと地面に着地する気配がした。音が立ったわけではないが、彼にはなんとなくそれが察知できた。そしてドアが勢いよく開け放たれる。
 
 「いよう!香霖いるか!」
 「――これでも店主だからね。そりゃいるよ、魔理沙」

 彼女は盛大にドアを開け、それに負けないくらいの第一声と共に入店した。ノックという作法を知らないとしか思えない。そのまま彼の目の前までズカズカと歩み寄り、霧雨魔理沙は、適当に腰を落ち着けるスペースを見つけると、そこに飛び乗るようにして腰掛けた。
 
 「相変わらず暇そうでなによりだぜ」
 ちなみに彼女が乗っているその大きな箱状のものも商品である。上についたフタのようなものが軋む音がしていたが、魔理沙は一向に気にはしていない。

 「それも一応売り物だ。扱いには気をつけてくれよ」
 「どうせ売る気なんか無いくせに」
 「否定はしないが、肯定もしないよ。ここにあるのはみんな僕の蒐集品であり、商品なんだから」

 膝の上で開いていた本を閉じ、魔理沙に向き合いながら、すでに何度目かになる問答をする。幾度か繰り返されている問答の続きも決まっていて、彼女はニカッ、と笑いながら、

 「まぁいいや、なんか面白いもんはないか?」

 彼の言葉を盛大に無視して、お決まりの文句を発した。この言葉でわかる通り、つまり彼女は暇つぶしの一環としてここを訪れているのだった。

 霖之助は溜め息を吐いて「話を聞きなよ」という台詞を飲み込んだ。どうせ言っても通用しないだろうという確信もある。
 それになにより、今回は彼女に紹介したい目玉商品の切り札があったのだ。
 
 「……魔理沙、“鏡絵”って知ってるかい?」

 正直あまり期待はしていなかったのだろう、問いかけられた魔理沙は一度キョトンとした顔をしたあと、その耳慣れない単語に好奇の目で食いついた。

 「いや、知らないな。なんだ?その“鏡絵”ってのは」
 彼女がそれを知らない、というささやかな予想が当たったことに内心で小さく喜び、霖之助は思わず少し微笑みながら口を開いた。
 「鏡絵、っていうのはだね……」
 そこで「ふむ」と小考を挟み、一人でもったいぶった相槌を打つと、
 「いや、よそう。無知っていうのは貴重だよ。実物を見たときに吃驚できるじゃないか」
 彼は満足げにそんなことを言った。取り方によれば、なかなかに失礼な物言いでもあったが、魔理沙はそのことに文句も言わずに目を輝かせて頷いてみせた。幸いにも、ここで飛びかかられるほどに好奇心に飢えているわけではなさそうだった。

 「まぁ一理あるにはあるな。屁理屈もと言うが。……で、実物はあるのか?」
 「残念ながら。実はまだ手に入ってはいないんだ。数日以内に届けてくれるという話だから、近々手元に来るとは思うんだけどね」
 「なんだよ、結局どうやってもお預けなんじゃないか」

 魔理沙はケラケラと笑い、
 「ならそれが手に入ったら私に真っ先に見せてくれよ」
 ずいっと身を乗り出しながら、食い入るようにして言った。まだ彼女が腰を下ろしている箱が、再びギシギシと軋む。

 「見せるだけじゃなくて、ちゃんと贈呈するよ。いくつか手に入る予定だからね」
 思った以上にに予想外のその言葉に、
 「ホントか!いやぁ香霖、たまには太っ腹だぜ!」
 魔理沙は少女らしい丸い大きな瞳を輝かせた。こうして間近で見る金の瞳は、何度見ても綺麗なものだな、と口には出さずに思っておいた。よく知らない何かに対して無邪気にはしゃぐところを見ると、ぶっきらぼうな口調をしていてもまだまだ子どもなんだな、と、彼女を幼いころから知る半人半妖の青年は感慨深くもあった。これだけ楽しみにしてくれるなら、彼としてもなかなかに満足だった。

 そこに、控えめなノックの音がする。

 主張しすぎず、かといって伝わらないことはない、ちょうどいい大きさ。コンコンという硬質な音が響き、一拍間を置いたあとにドアが開かれた。
 
 「ごめんくださいな。ってあれ、魔理沙がいるわ」

 「いらっしゃい。お得意様のご来店だ。暇つぶしにだけ来る魔法使いのことはお気になさらずに」
 「ずいぶんな態度だな、おい」
 一度に視界に入る二人を目にしながら、十六夜咲夜は、くすりと小さく笑った。
 
 紅魔館の優秀なメイド長は、人間の里で入用の品を買ってきたのだろう。手には荷物を提げながらも凛として立っていた。
 買い物袋を提げている姿ですらも絵になる瀟洒なメイドは「そうだ」と思い出したような顔をして魔理沙に言った。

 「ここで会ったついでに伝えておくけど、魔理沙、パチュリー様が本を返せと唸っていたわよ」

 やれやれ、と困ったような笑顔を見せつつ、申し訳程度に肩を竦めてみせる。超過延滞の催促をしているのだが、彼女自身はさほどお怒りではない様子である。
 彼女がその気になれば、霧雨邸に山積みにされている本などいくらでも回収できるだろうが、それをしない程度に、彼女はそのことに対して本気ではないのだろう。もっとも、回収してもまた盗られて、のいたちごっこになるのが目に見えている、というのが本音かもしれなかったが。

 そんな咲夜の内心を知ってか知らずか、魔理沙の方にも反省の色はほとんど無かった。おそらく、知らずに素で反省していないだけだった。
 「あー……」と口を濁すだけの音を発し、思いついたように手を叩くと、

 「よし、なら香霖から貰う予定の鏡絵とやらを進呈しよう!それでもうしばらく貸してもらうかな」

 名案であると言わんばかりに諸手を打つ彼女の声に、思わず霖之助は椅子からずり落ちそうになった。
 「いや、あげるけどさ……まだ予定な上に、貰う人の目の前でするかな、そういう約束」
 さっきの喜びようはいったいなんだったのだ、と言ってやりたかった。
 「私の手に渡れば、それはつまり私のもんだ。ぶつくさ言われる筋合いはないぜ」
 彼女は悪びれるでもなく、満面の笑みでそう答えた。あれほど目を輝かせていた姿もすでに消えうせ、堂々とその場で転売の約束をやってのけるところは、しっかりしてるというか狡賢いというか……霖之助は気づかれないように肩を落としながら、どうにかまた椅子に深く腰掛け直す。「まぁいいけどさ」と、それだけをなんとか答えた。

 「で、なんなのその“鏡絵”ってものは?」
 彼の密やかな落胆をしっかり感知しつつも、咲夜はそれには触れずに尋ねた。
 「私も知らん。でもなんか綺麗そうじゃないか?響きとか」
 「まぁそうね。左右対称の絵とかかしらね」
 「綺麗は綺麗だよ。これ以上はノーコメントで」
 霖之助は眼鏡の位置を直しながら、ぶっきらぼうに答えた。

 「まぁなんにせよ、私も鏡絵には興味があるからな。私が満足したらパチュリーにくれてやるぜ」
 魔理沙は不遜な態度で言い放つ。この発言の時点で延滞料金のカタにはならない気もする。咲夜は呆れながらも、「まったく何様なんだか」と肩を竦め、

 「まぁそういうことならいいわ。パチュリー様にも話しておくから。なんだかよくわからないものだけど、まぁいいでしょ」
 すでに他人事になりつつある霖之助が「いいのかなぁ」と突っ込みを入れていたが、
 「おう!よろしく!」
 話はすでにまとまってしまっていた。



 ※



 それから数日が経つ。
 ズゴンッ、という盛大な音が香霖堂に響いた。

 「お邪魔するぜ!」
 霖之助はやれやれと溜め息を吐きながら、白黒装束の女の子と、その足元に転がっている壊れた扉を視界に収めた。
 「大人しく入って来れないかな」

 哀れに蝶番から引っこ抜かれた入り口扉を問答無用で踏みつけて、魔理沙はいつも通りずかずかと彼の元へと歩いてきた。扉が壊されること自体は初めてではないが、やはり何度壊されても修理を考えると億劫だ。自分で直して帰ってくれよ、と痛い頭で思っていた。

 「細かい男だなー。そんな挨拶はいいから、鏡絵は手に入れたのか?」
 扉を破壊したことなど眼中にもなく、彼女はまたあの日のように傍にあった大きな箱に腰掛けた。前と違い、なんだかその箱は少し温まっていた気がした。
 「今のが挨拶だったつもりは僕にはないけどね」
 本を閉じて吐き捨てるように言った小さな反論は、彼女の耳には届いていない。

 「あれから一週間近くも待ったんだぜ?もうあってもいい頃だと思って来たんだ」
 彼女はまたいつかの日のように瞳を輝かせていた。あまりに来店してこないため、すっかり忘れているものだと思っていた霖之助は、なんだか嬉しくもあるような、面倒くさくもあるような、微妙な気持ちになった。

 「鏡絵ならもう届いてるよ」
 おぉー、と歓声に近い声がした。喜んでくれているのがそれだけで伝わるようである。それが単純な興味からのものなのか、それとも借金のカタを支払える下心からなのかは判断がつかないが。
 彼はそのことを逡巡してみたが、結局判別がつかずに忘れておいた。そして鏡絵を見せた時の魔理沙の顔を想像する。これを見せたら、彼女はどんな顔をしてくれるかな……。

 そこで、不意に玄関口に誰かが立っていることに気がついた。
 そこに立っている彼女は、扉が無くなっていることも意に介さず、いつも通りの調子で壁をノックする。コンコンコン、という硬質な音が響いた。

 「ごめんくださいな」
 ノックを済ませ、挨拶を送り、咲夜は瀟洒な足取りで店内に入ってきた。

 「いらっしゃい。……これが挨拶だよ」
 ジロリと魔理沙の方を流し見るが、
 「よう咲夜。例のパチュリーに渡すブツが手に入ったらしいぜ」
 彼女には暖簾に腕押しなようで、
 「あら、そうなの。ちょうど良かったかしら」
 そうして結局、霖之助そっちのけで話が進んでゆくのだった。

 「あくまで繰り返すが、私が満足しきるまでは渡さないぜ」
 「はいはい、どうせすぐ飽きちゃうでしょ」
 「言ってろ。――で、香霖、例のブツはどれだ?」
 
 魔理沙は再び霖之助の方へと視線を向けた。興味津々な金の瞳と、僅かに楽しげな銀の瞳、二人分の視線が集まる。注目が集まっている以上、引き伸ばすのは無粋だな、と、彼はゴソゴソと手近な机の上を掻き分けて、
 
 「ん。コレだよ」
 一本の筒を差し出した。

 「なんだコレ。絵じゃないのか?」
 「あぁ、正解。中身は絵さ。額に入れても良かったんだが、こうして運ばれてきてね。僕もちょっと真似をして入れてみた。中に丸めて入ってるよ」
 差し出された筒を受け取り、魔理沙はまず筒をまじまじと見た。ひっくり返したり、回してみたりし、とりあえず筒自体を眺めてみる。いつの間にか咲夜は、彼女のすぐ隣まで歩み寄っていた。

 「ふぅん……ま、いいか。開けてみるぜ」
 「どうぞ」
 キュポン、と筒の蓋を引き抜く。覗き込んでみると、確かに中には紙が丸まっていた。指を突っ込み、少しずつ紙をずり上げていく。触った感触としては、紙自体はなかなかしっかりした、いい物であるように思った。
 なんとかして紙を引き出し、ゆっくりと広げてみる。その手元を覗き込むようにして、咲夜が首を伸ばす。

 そして、広げきったその時、
 魔理沙の時が止まった。

 咲夜の能力ではない。なぜなら彼女も一緒になって固まっている。
 霖之助だけが、どこか満足そうに笑っていた。

 時が動き出す。

 固まっているままの魔理沙は、みるみるうちに顔を赤くさせてゆく。「なっ、こ、こここ、コレ…………」

 固まっていた咲夜は、なぜか弾けるようにして笑い出していた。「ぷっ……あははははははははは!」

 「香霖、なんだコレぇぇぇ!!」
 「ん?言っただろ。これが鏡絵――つまり、春画、だ」

 その単語を耳にし、魔理沙はさらに顔を蒸気させた。耳まで真っ赤になり、湯気が出そうなほどだ。
 彼女が手にしていた紙、そこには紙面一杯に大きく、裸の女の絵と裸の男か描かれ、そのまぐわいが描写されていた。男女の秘儀を描いた絵――まさにそれは、まごう事なき、春画であった。
 精悍な体の男と、豊満な体の女。官能的芸術と言えば聞こえはいいが、如何せん描かれている情景が生々しすぎているその一枚は、なかなかに卑猥だった。

 しかもよくよく見ると、なぜか女の方は魔理沙とそっくりの顔をして描かれていた。

 だからその一枚は、どこからどう見ても、出るところがしっかりと発育した魔理沙が、筋肉質な男に抱かれているシーンを描いているようにしか見えなかった。

 そのため、魔理沙は顔を真っ赤にして悲鳴を上げているし、
 咲夜は笑わずにはいられなかったし、
 霖之助はなぜか満足そうに笑っているのだ。

 「ば、馬鹿かぁぁぁぁぁぁぁ!百回死ねっ!乙女にこれを平然と渡すとかどういう神経してんだ!」
 「ふふふ……魔理沙が欲しいって言ったんだろう?」
 「言ってないっ!!いいから死ねっ!死んで閻魔にもその詭弁で懺悔してこい!」
 「ぷっ……これを見せて?“魔理沙似の春画を本人に見せて楽しんでました”、って?あははははははは!傑作じゃない!あの閻魔にこんなの見せたら顔を真っ赤にして『死刑!』って言うでしょうね」
 「笑うなっ!笑いごとじゃないぜ!」
 ケラケラと声を上げて笑う咲夜を、顔を真っ赤にさせながら魔理沙は睨んだ。思わず少し涙目になっていた。

 チラリと手元に視線を落とすと、どう見ても自分の顔をしている女が、どこかの知らない男と裸になっている。もうそれだけで、彼女の頭はパンク寸前だった。私は……だって……コレ……これえぇぇぇぇ〜……

 フラフラする頭に霖之助の声が響く。
 「いや、これは実に素晴らしい。従来の春画というのは、良くも悪くも抽象的な部分が多かった。だが、今回手に入れたモノは実に写実的だ。そうだろ?匂い立つかのようなその迫力はもはや芸術と呼べるものだと思うね。西洋では、芸術的価値のある性描写をエロティカ、単に猥褻さを求めたものをポルノとする思想があるらしいが、今回の鏡絵はまさにエロティカと言っていいものだと僕は思う。あ、ちなみに鏡絵というのは、鏡台の引き出しに忍ばせておくところから来たらしいが、これなら確かに傍に置いておきたくなる気持ちもわからんではない。これを隠して持つ。男たるものなら誰しもが思うことだろう。そしてそれを女の子に見せて恥ずかしがらせるというのもまた一興だ。そうは思わないかい?」

 これにはさすがの咲夜も、
 「頭が沸いていらっしゃいますね、店主」
 そう言って一歩たじろいだ。

 魔理沙は濁流のように耳に入ってくる言葉を意識的にシャットダウンしていた。今の霖之助の言葉を聞いていたら頭がどうにかなりそうだった。耳が腐るっ。
 ショートしそうに熱を持った頭を抱えたくなる。だが、頭を抱える手は春画を持っていて塞がっていた。

 彼女はカッと目を見開き、一瞬で答えを下す。
 「破り捨ててやる!」
 紙の両端を持っていた手に、思いっきり力を込める。いくら作りがしっかりしていようと、紙は紙、少し力を入れれば容易く破れる。

 わずかにピリッという音が聞こえた気がした。だが、それ以上に続く音が聞こえることはない。
 彼女の手元から、鏡絵は跡形も無く消え去っていた。

 「あら、早まっちゃダメよ」
 その声に顔を上げる。いつの間にか、咲夜の手元には僅かに切れ目が入った春画と、それを梱包していた筒が握られていた。時を止めるメイドの、タネ無し手品。
 鏡絵を手に持つ彼女は、ニコニコと楽しそうだった。

 「約束通り、これはパチュリー様に献上させてもらうわ。本のカタにね」
 ふふっ、と僅かに笑みを零す。
 「待て馬鹿!おまえが早まるな!」
 「破り捨てようとするくらいだから、あなたはもう満足したんでしょう?じゃ、御機嫌よう」

 それを最後の言葉に、香霖堂から彼女の姿は消えた。音も無く、気配も無く、彼女は時間が止まった彼女の世界に逃げ込みながら、そそくさと店を後にしていた。

 「あ……あんのやろぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 最早なにも握っていない掌を握り締め、力いっぱい魔理沙は叫んだ。あんな恥ずかしいもの、他に見せたらどういうことになるか……彼女は想像し、ゴクリと唾を飲み込む。なにをどうやっても最悪な結果しか見えてこなかった。赤くなった顔から血が引くのがわかる。

 そんな魔理沙の様子を眺めながら、
 「はっはっはっはっ!頑張ってくれ給え!魔理沙!」
 霖之助は他人事のように高らかに笑っているだけだった。しかもなぜか妙に勘に触る笑い方をしている。

 「まずおまえは死んどけ!!」
 魔法の森にも響くほど、ゴッ、という鈍い音が大きく鳴った。



 ※



 紅魔館、地下大図書館の大きな扉を勢いよく開ける。
 「おい!パチュリーいるか!もしくは咲夜!」
 バァンッ!という大きな音が広大な図書館内にこだました。

 魔理沙は肩で息をしながら、この図書館のヌシを探した。霖之助をのしてから全速力でここを目指して飛んできたのだ。今ならまだ鏡絵も、咲夜からパチュリーの手には渡っていないかもしれない。……正直、淡い期待ではあったが。

 「あら、魔理沙」
 彼女の声が届いたのか、すぐにどこからともなく声がした。

 静かに響く声を連れて、本棚と本棚の奥の暗がりから日陰の主はのそのそと姿を現した。億劫そうな、なんだか眠そうな、重い瞼をしながら本を片手にフワフワと漂っている。
 日がな地下の図書館で過ごす魔女――パチュリー・ノーレッジはいつも通りに気だるそうだった。

 彼女の姿を目にし、
 「あっ……ぱ、パチュリー…………さ、咲夜から何か聞いて…………」
 思わず少し口ごもりながら、恐る恐る尋ねてみた。
 彼女を呼んではみたが、出来れば咲夜と先に接触したかったというのが本音だろう。自分似の春画、なんて爆弾話を出来るだけ多くに尋ねたくはない。もちろん、咲夜を探して紅魔館を探し回った挙句、最後に図書館まで来ていたのだから、それなりに覚悟はしていたが、いざとなると気持ちが折れそうになる。

 「………………………………」
 魔理沙のその言葉を聞いても、パチュリーは顔色を変えない。

 「………………………………」
 パチュリーからの言葉を待って、魔理沙は静かに唾を飲み込む。

 嫌な沈黙が流れる。大図書館が完全に静まり返る。
 お互いに、その瞳を見つめあい――

 パチュリーが静かに頬を染めて、目を逸らした。

 「遅かったかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 それだけで魔理沙は全てを理解した。もうすでに、あの恥ずかしい絵はあの現場にいた人間以外の目に留まってしまったということを。

 うぁぁぁぁぁぁ!と叫び倒しながら頭を抱える。羞恥心から、彼女は消え去りたくて仕方なかった。
 「魔理沙……そういうお年頃なのね」
 パチュリーは頬を染めながら、薄めた瞳で魔理沙を見ていた。
 
 「うっさい!私んじゃないからな!」
 「魔理沙のを貰ってきたと聞いたけど?」
 「ぐっ……咲夜め…………」
 妙なところだけしっかりと伝えるメイド長を心底恨んだ。悪魔の従者はやっぱり悪魔だ、と内心で舌打ちをする。

 「そ、そんなことはいいんだよ!なぁパチュリー、アレはどこだ?他のモンやるから、アレだけは処分させてくれ!なんなら本もちゃんと返す!」
 どうにか心を立て直し、パチュリーへと詰め寄った。鏡絵と言うのも、春画なんて言うのももってのほか、アレとしか形容したくなかった。アレが他の住人たちの目に入る前に、なんとしても回収して破り捨てなければ……。その一心で、思わず本の返却まで口にしていたが、この際そんなことなど気にもならなかった。

 そんな魔理沙を平常心に戻ったパチュリーが眺め、小さく零すように口を開いた。
 「あー…………実に」
 「実に……?」
 「実に残念ながら、鏡絵はすでに私の手元に無いわ」
 「ちょっ!」

 さすがに思いもよらない答えに、魔理沙はすぐには返事できずに言葉を飲み込んだ。半分茫然自失として固まっている、という方が正確かもしれない。
 そんな魔理沙を目にしながらも、パチュリーは淡々と語る。

 「ちょうど最近研究を手伝ってもらってね。なにかお礼がしたいと思っていたところだったんだけど、そんな時に咲夜からの話を聞いたのよ。どうせ借金のカタに寄越されるようなものなら、そのままあげてしまってもいいかと思ったから、渡される前に約束をしてしまっていたの」

 惜しかったわ、あぁいうモノだと事前に分かっていれば譲ることもなかったのだけど……とパチュリーは続けていたが、魔理沙には聞こえていないようだった。自分の手元に置いておいて、どうするつもりだったのか、などと突っ込んでいる余裕すら無くしていた。

 口を半分開きながら、なんとか言葉を搾り出す。もう聞きたくなかったが、聞いておかねばならないことがあった。

 「………………おい…………すでに嫌な予感しかしないけど…………それって誰に渡したんだ…………?」
 もうほとんど確信に近い答えがあったが、あえて尋ねてみる。

 「もちろん」
 出来ればその人物の名前は聞きたくない。アイツのところにアレを取りに行くなんて……

 「アリスよ」

 「やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁ!!最っ悪だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 もうすでに、魔理沙の頭の中のアリスが嗤っている気すらした。



 ※



 ゴンゴンゴン、と乱暴にアリスの家の玄関を叩く。
 「アリス!いるか!?」

 彼女は結局また魔法の森まで戻ってきていた。パチュリーに話を聞いてから、飛び出すように紅魔館を出て、いつも以上に速度を出してここまで来たのだ。これ以上、あんなものを余人の手に渡しておくわけにはいかないということと、事の発端となった変態店主と悪趣味メイドにどうにか天罰を下したい、ということだけをひたすら考えながら飛んでいれば、とんぼ返りなどすぐだった。

 再び荒々しくノックをし、家主の名前を呼んでみる。だが家から誰かが出てくる気配は、一向に無かった。

 「いない…………まだ帰ってないのか?」
 ならまだアレを見てないかもしれない……彼女の脳裏に期待が湧く。都合のいい解釈ではあるが、無いこともない。礼だと言って渡されたものを、渡されたその場で見ることはあるまい。……いや、パチュリーから渡される時点で広げられた可能性もある、か。それを聞いておくべきだったな、と彼女はブツブツと小声で呟いていた。

 「アリスの手に渡っているのは確定なんだ……ならやっぱりここで待つのが得策か?変に探しに行ってすれ違ったりしたら最悪だしな……」
 彼女は絶えずブツブツと繰り返していた。すでに“まだ見ていない”ということで話を進めていたが、彼女はその可能性にすがるしかなかった。

 「あらやだ、不審者」
 そこに、降って湧いたように声がする。よく聞いた彼女の声。

 枝葉を踏みしめながら、アリス・マーガトロイドがタイミングよく帰宅した。

 「アリス!いいとこに帰ってきたぜ!」
 彼女の声に振り返りながら、魔理沙はタイミングの良さを神に感謝した。特定の神を信じたことは無いが、今だけは神様を信じそうだった。
 「なによ血相変えて」
 アリスは訝しがりながらも、あくまでいつもの調子だ。この様子ならまだ鏡絵を見ているということはなさそうである。魔理沙は十字架を切りたいくらいの心境だっただろう。アッラー・アクバルでも人身御供でもなんでもいい。

 「良い子だっ!何も言わずにパチュリーから貰ったブツを寄越しな!」
 とても敬虔な信者の台詞ではない。
 「なんかひどく横暴ね」
 どう考えても盗賊のようなその台詞にも、アリスは動じることなく魔理沙を眺めていた。彼女との付き合いの長いアリスとしても、魔理沙のこの突飛な行動には慣れっこだった。

 その様子をどこか楽しそうな顔をしてひとしきり眺めたあと、ふっ、と鼻でひとつ笑ってみせると、

 「そんな様子じゃあ、あの絵みたいに男の人に抱かれるのは遠そうね?」

 あくまでニヤニヤとしながら、一言で魔理沙を一刀両断した。
 会心の一撃。それを出した時点で趨勢は決していた。

 アリスはフフフ、と勝ち誇った笑みを見せ、魔理沙はさっきまでの勢いを完全にへし折られる。力を失ったかと思うと、みるみるうちに顔を赤くしていった。

 「う、うううううるさい!うぁぁぁぁぁぁぁコイツにも見られてたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 もう神など信じてはいなかった。それどころではない。彼女の中では一、二を争うほど弱味を握られたくない相手にも見られていたのだ。よりにもよってあんな恥ずかしいモノを。

 「わざわざ自分の春画描かせるにしても、アレは見栄張りすぎじゃないかしら。あんなに出るトコ出てないクセに」
 待ってましたとばかりに、アリスはプスプス笑いながらさらに追撃をかける。もういっそ殺して欲しかった。

 「う、うるさいうるさい!私が描かせたんでも、描いて欲しかったんでもないっ!」
 耳まで赤くしながら、吐き捨てるようにして反論する。目に見えて小馬鹿にしたように笑うアリスの方など、まともに見れなかった。もう半分涙目になっている目を背ける。

 「もういいから早く寄越せよ!焼いてこの世から消滅させるから!」
 口許をぎゅっ、と結び、アリスの方へと右手を突き出した。

 「やってもいいけど」
 アリスはそう言うと、おもむろに両手を広げてみせた。肩を竦めながら掌が空のことを示すジェスチャーは、魔理沙をからかうためのものではなく、

 「今アレは永遠亭よ」

 自分の手元にはすでに無い、ということのジェスチャーだった。彼女の言葉に、魔理沙は自分の右手から力が抜けていくのを感じた。右手だけではなく、膝から崩れてしまいそうだった。

 「胡蝶夢丸を処方してもらってね。パチュリーが魔理沙から貰う鏡絵っていうものを私が貰える、って話を永琳にしたのよ。そうしたらなんだか興味を持たれてね。その時はなんだかわかんなかったからあげるって言っちゃったのよ。薬代の代わりにね」

 崩れてしまいそうだった膝は、今、完全に崩れた。どんどん話が大きくなってゆく……あんな恥ずかしいモノが、なんだか幻想郷を駆け巡っている。さっきまで信じていた神を、今はひたすらに恨んでいた。「それで今永遠亭から帰ってきたところ、ってワケ」なんてアリスの声なんて、耳から入って通り抜けるだけだった。

 地面にペタンと座り込んだ彼女は、わなわなと肩を震わせ、
 「なんだよもー!!わらしべ長者かよ!!」
 空に向かって大声で叫んでおいた。その声にどこかで止まっていた鳥が驚き、バサバサと羽音を立てて逃げてゆく。
 「最初の藁しべだけが一人歩きしてるけどね」
 「なんで冷静だよ!チクショー!」
 驚いた鳥がまた羽ばたいた音がした。
 それでもアリスだけは、なんだか楽しげに笑っているだけだった。



 ※



 永遠亭に乗り込む。
 すでになりふり構っていられない彼女は、乱暴に永遠亭の庭に着地した。庭というか、ほとんど直接縁側に乗り上げ、粗雑に靴を脱ぎ捨てると、そのまま足早に廊下を歩いてゆく。突入の勢いで襖戸を二、三枚壊し、バキバキッという音が上がったが、そんなことなど今の彼女には瑣末なことだった。

 「邪魔する!永琳いるか!」
 因幡とすれ違う。
 「あら、お嬢さん。着痩せするんだねぇ〜」
 ケラケラ笑う声を無視して通り過ぎる。

 「永琳!いるか!」
 イナバとすれ違う。
 「ま、魔理沙さん……アレはちょっと……卑猥っていうか…………」
 モゴモゴと口ごもる声も無視して…………

 「永琳!」
 月の姫とすれ違う。
 「あら屏風の虎。でも本物はなんだか貧相ね」
 クスクス笑う声も…………

 「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!永琳!出てこいよぉぉぉ!」

 ここまでですでに彼女は涙目になっていた。ここまでで一番最悪なパターンだった。

 不意に眼前の襖がカラカラと開く音がする。
 「はいはい、呼ばれまして。あら、思春期少女」

 八意永琳は呼びかけに応じるかのようにあっさりと姿を現した。悪びれるでもなく、平然と挨拶のつもりの言葉を吐いていた。

 「うっさい!なに家人全員に見せびらかしてんだよチクショウ!」
 魔理沙は永琳に食いかかるようにして叫んだ。
 「若いっていいわねぇ」
 「聞いてねぇ!」
 怒声だか悲鳴だかわからなくなってきた魔理沙の声も暖簾に腕押しと、永琳はあらあらと言いながら眺めているだけだった。なんで彼女がこんなにうろたえているのか解らないといった様子だったが、彼女はもちろん解っている。それを解った上で、しれっとした顔のままでいるだけだった。

 ギャアギャアと騒ぐ魔理沙の声を聞き流しながら、永琳は「まぁ落ち着きなさいな」と静かな口調で言った。
 「誰のせいで!」

 「そんなに興奮しなくてもいいわよ。もう今頃、あの鏡絵は死んでるんじゃないかしら」

 その声に魔理沙の動きがピタリと止まる。「は?」と息が漏れるような声だけがなんとか返せていた。
 「どういうことだ?……まさか、もう代わりに処分してくれたのか!?」
 魔理沙は再び掴みかかりそうな勢いで永琳に詰め寄った。さっきまでとは違い、表情が心なしか明るい。

 アレが死んだ、なんて微妙におかしな言い回しだったが、ミミズだってオケラだって鏡絵だって、永遠を生きる彼女からすれば、みな等しく死ぬのだ。――つまりはそういうことか!?
 まぁ私的には、アレが死のうが土に還ろうが関係ない。要は他の人間の目に触れなければいいのだ。――そういう意味か!?

 魔理沙は永琳に詰め寄りながらも、頭の中で彼女の言葉を繰り返し解読する。その言葉通りならば、おそらく自分にとっても悪いことにはなっていないはず、と、彼女の言葉を反芻するたびに思い至り、魔理沙は思わず悲願の達成ににやけそうになる。一応言質が取れていない以上、喜んじゃいけないと思っていたが、明らかに顔に出ていた。ここまで散々だったけど、まだ幻想郷にはまともなヤツがいるんだ!そうとすら思えていた。

 「答えてくれよ、永琳!アレはもう死んだのか!?」
 永琳に言葉を合わせながら詰め寄る。月の天才はこくりと頷き、
 「えぇ、もうきっと死んでるわ」

 魔理沙は全力のガッツポーズをとろうと力を溜め、

 「あの春画なら、今頃冥界よ。妖夢にあげちゃったからね」

 溜めたそばから抜けていくのを感じた。

 「………………は?…………え?処分してくれたって…………」
 「言ってないわよ?妖夢に渡して、今はあの世よ。冥界にあるってことは死んでるってことでしょう?」
 顔色ひとつ変えずに、あっさりと言い放つ。聞いていた魔理沙のほうこそ、魂が抜けていきそうだった。

 「って、アホかぁっ!結界越えちゃ意味ないだろ!何してくれてんだこのヤブ医者っ!」
 「あら失礼ね。せっかく人が面白半分で妖夢に渡してあげたのに」
 「ここまでで一番最悪の理由!」
 ちょうど妖夢が常備薬取りに来てねぇ、などと永琳は呑気に続けていた。あくまで彼女は解ってやっている。それが魔理沙としても一番タチが悪かった。

 「ちょっと妖夢には刺激が強そうだからね。一応包んで渡してあるわ。急げばまだ目にする前に回収できるんじゃないかしら」
 「おまえもこの騒ぎが終わったらぶっ飛ばしにくるから覚えとけよ!」
 今回の騒ぎで許せないリストの、第三位が決まった。もちろん残りは咲夜と香霖だ。

 もう今の時点で、三位の彼女を二、三発こずいてやりたかったが、
 「妖夢には急いで帰るように言付けておいたから、急がないと着いちゃうわよ?」 
 という永琳の言葉が追い討ちをかける。

 「もうなんだよおまえぇぇぇぇぇ!死んでいいぞ!」
 「あら、どーも」
 最後にくすっ、と零して、永琳は走り去る魔理沙の背中を見送っていた。



 ※



 彼女は箒に跨り、冥界の空を飛んでいた。
 飛んでいたなんて緩やかな速度ではなく、まさに彼女が流星となるかのようなスピードだった。

 永遠亭から白玉楼までの長距離を、ほぼずっとこのままの速度で飛行してきている。おかげで他の妖怪たちが飛んでくるよりも圧倒的に速かっただろう。今の必死な彼女なら、天狗すらも追い抜けそうだった。

 もうすでに彼女は白玉楼の敷地の中にいた。広大な庭を持つこの屋敷は、敷地に入ってからが長いのだ。だがどこで追いつけるかもわからない。彼女は疾風のように駆け抜けながらも、目を凝らして妖夢の影を探し、

 「妖夢!!」
 ついに目標を見つけた。

 滑り込むように着地する。推進力と逆方向に魔力を込め、無理やりにブレーキを掛ける。
 「探したぜ!」
 巻き上がって服に降りかかった砂塵を払うこともしないで、彼女は足早に妖夢へと駆け寄った。自分の名前を呼ばれ、妖夢は振り返り、

 ぼっ、と顔を赤らめた。

 「ま、まままままま魔理沙!いや、あの、その……み、見てないから大丈夫だぞ!」
 目を背けながら、手にしていた掃除用の箒でガサガサと地面を掃き散らす。誰の目にも明らかなほどに、彼女は露骨に慌ててみせていた。

 「もう絶対アウトじゃないかぁっ!」
 妖夢につられるように魔理沙も顔を赤くし、涙目になりながら頭を抱えて叫んだ。なんだコレ!?なんで私がこんな目に!?

 「うぅ……もうイヤだ…………。で、その様子なら例のブツはまだ誰にも見せてないんだよな……?」
 ガックリと肩を落とし、魔理沙は改めて妖夢に尋ねた。さすがの彼女もだんだんと回復が早くなってきたが、彼女にとってこれほど嬉しくないことは無いだろう。

 「いや、あの、そのぅ…………」
 バサバサと箒を動かしながら、歯切れの悪い返事をする。その言葉に魔理沙が顔を青くするよりも先に、

 「はいダウト〜」
 魔理沙の背後から妙に明るい声が返ってきた。条件反射で振り返り、振り返ってからそれを後悔した。

 そこにはニヤニヤと楽しそうに笑っている亡霊がいて、

 「あなたのそのイヤラシイ肉体美は私、西行寺幽々子も拝見させてもらいました〜」

 扇子で口許を隠しながら、クスクスと微笑んでいる。いや、その台詞と目元を見るに、それは完全に、ニヤニヤという方が正しいものだった。

 いつの間にいたのか、もしかして最初からいたのか、なんてことを考えたのは一瞬だけで、すぐに魔理沙の頭は熱暴走を始めた。こんなにダイレクトに「イヤラシイ」と言われたのは初めてだった。

 「わ、私のじゃない!イヤラシイって言うな!」
 「でもアレは確かに…………」
 「思い出すな妖夢!忘れろ!」
 幽々子の言葉に目を丸くしたのは魔理沙だけではなく、彼女もまた、耳まで真っ赤にして立っていた。永琳の見込み通り、彼女には刺激が強かったようだった。

 「なんだよー妖夢ー!なんでわざわざコイツにあんなモン見せるんだよー!」
 顔を赤くする二人の少女をニヤニヤと眺めている幽々子を指差し、魔理沙はその矛先をとりあえず妖夢に向けた。幽々子に噛み付いても勝ち目がないことは明白だ。

 「わ、私だって見せたくて見せたんじゃない!永琳に渡された包みを幽々子様と開けて、中身がアレだった私の恥ずかしさだって相当だったんだから!お、おまえの……しゅ……しゅん……が……のせいでいい迷惑だっ!」
 「私だって困ってるわ!だから回収しに来たってのに!」
 逆に怒られるというのもここにきて初めてだった。

 「いやぁ、妖夢があぁいうのに興味を持つお年頃なのかと思って驚いちゃったわ〜」
 幽々子だけがひとり飄々としている。
 「違います!アレの元々の持ち主はこの黒白だって言ったじゃないですか!」
 「私んでもない!っていうかそこの伝言ゲームはちゃんとできてるとかどういうことだよ!」
 唯一平常心の幽々子が場をかき混ぜるせいでまったくまとまる気配がない。この手合いにまで回覧されていることが、魔理沙の一番の頭痛の種だった。順繰りに幻想郷を駆け巡っていたために、もう誰を恨んでいいのかわからなくなりそうだった。

 「あーもういい!で、結局アレはどこだ!冥界でお炊き上げすれば灰しか残るまい!燃やしきってやる!」
 がぁぁ!と吠え、魔理沙は流れを断ち切って仕切りなおした。もうなんでもいい、これ以上の羞恥心は耐えられん!なんとしてでもここでケリをつける!彼女は鼻息荒く、妖夢と幽々子を交互に見た。

 そんな彼女の様子を前にしても、
 「冥界でやれば確かにそうなるのかもねぇ。そうしたいのなら、もう一度持ってきてもらうことになるんだけど」
 幽々子はあくまで平静に、不穏な言葉を口にした。

 「…………おい、まさか………………」
 今日何度目かになる、嫌な予感。ここまでの経緯からすれば、それはもはや確信だった。

 「そうね、きっとまさか」
 幽々子は楽しそうに繰り返し、
 「アレは今人間の里――稗田家にあるわ」
 クスクスと笑って宣告した。

 「よりにもよって!なんで阿求!?」
 一度見たものは忘れない『求聞持の能力』。そんな能力を持ち、幻想郷史の編纂なんて仕事をしている彼女の元に、わざわざそれを送るなんていうのは、嫌がらせ以外の何物でもないように思えた。白玉楼と稗田とに、それほど関連があるとも思えない。

 だが、幽々子の考えていることは、魔理沙が考えている以上に、
 「今日は稗田の家に閻魔が来るらしいのよ。幻想郷史編纂のために転生を繰り返す家系だしね。表敬訪問というか、まぁ様子見でしょうね〜」

 最悪だった。

 「おま…………それを知ってて…………」
 「あの幼い体型の閻魔様にもすこ〜し刺激が必要かと思って」
 朗らかな笑みを浮かべながら、彼女は言ってのけた。魔理沙だけでなく、閻魔様も最悪だ、とそれを眺めていた妖夢は思った。

 もちろん当の魔理沙も黙ってはいない。
 「永琳といい、おまえといい!どいつもこいつも他人事だと思って!」
 涙目になりながら幽々子に噛み付く。もう勝ち目がどうのと言っている場合じゃなく、言い返しておかねばならなかった。

 「まだ閻魔が家を訪れるには時間があるみたいよ〜?急げば間に合うんじゃないかしら」
 それでも幽々子はスタンスを崩さず、フワフワと受け流していた。

 「でもその席には紫も同席するんですって。だからあいつに持って行くよう頼んだの。あ、大丈夫よ。紫はもう中身を知っているから」
 クスクスと笑いながら、矢継ぎ早に爆弾発言を投下していく。攻める時には一息に、全力で。

 もはや魔理沙にできることは、
 「大丈夫の意味をもう一度噛みしめろ!」
 と言いながら箒に跨り、そこから足早に退散することだけだった。
 特にコイツの前にはしばらく近寄らない、と、心に決めた。



 ※



 「もうそろそろ幽々子の言っていた時間……間に合うか!?」

 魔理沙は肩で息をしながら太陽の傾きに目をやる。
 いくら箒に跨っているだけとは言え、魔力だって体力だ。連続で全力で、こうも一日中使い続ければ疲れてもくる。
 ただでさえ精神的にダメージを受けている彼女は、もう早く自宅に帰って寝込みたかった。鍵をしっかり掛けて、布団に潜りこんで、誰の顔も見たくない。というか誰の顔も見れない。自分の顔をした裸の女が、裸の男と寝ている絵なんて、なんて…………
 「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ホントにもぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 こうして思い返しては顔を赤く染め、叫びながら空を飛ぶ。今日の彼女は移動中はほとんどコレだった。

 日がずいぶん傾いている。一日の終わりが近づいている。今日という日を平穏に終わらせるために、なんとしても人間の里で鏡絵を回収し、無かったことにする!

 眼下に人間の里が見える。阿求の家までを真っ直ぐに目指しながら、箒に力を込める。
 里まで来てしまえば、もう目的地はすぐだった。稗田邸を発見し、流れ星のように急降下すると、乱暴に庭に着地する。ブレーキ兼着地の衝撃を相殺する魔力を放出し、激しい衝撃音が響いた。

 「わっ!魔理沙さんじゃないですか!どうしたんですかそんなに慌てて」

 ちょうどよく着地した場所に面した一室に、稗田阿求はいた。隕石でも落下してきたのを見たかのように、席を立って目を剥いている。
 魔理沙は挨拶もそこそこに、乱暴に縁側から部屋に乗り込むと、
 「げっ、全員揃ってる!」
 部屋にいる面々を目にし、思わず言った。

 「“げっ”とはなんですか、まったく」
 四季映姫・ヤマザナドゥは、腕を組みながら文句を言っていた。

 「おまえさんは相変わらず元気そうだなー」
 少し後ろに胡坐をかいて座る小野塚小町は、そう言って笑っていた。

 阿求はまだ頭にハテナマークを浮かべながら、怪訝そうに魔理沙の方を見ている。

 そして、その阿求の少し後ろに陣取る妖怪、八雲紫は不適な笑みを湛えながら魔理沙を眺めていた。

 「稗田に用があるのでしたら、先約の私が終わってからゆっくりと話をしてください」
 会談がまだ始まったばかりだったのだろう。話の腰を折られたのか映姫は少し焦れたような声を上げている。
 「あぁ、お構いなく。私が用があるのはそこのスキマ妖怪なんでな」
 映姫の方も見ずに、魔理沙は紫の方へと向き合った。
 短くなっていた呼吸を戻すこともなく、短兵急に用件を切り出す。

 「さぁ紫、アレを渡してもらおうか。まだ誰にも見せていないんだろ」
 そう言って、チラリと他の面々に視線を落とす。紫以外はまだキョトンとしているばかりである。これながらまず間違いなく、ここにいる者は誰も鏡絵を目にはしていないだろう。……やっと追いついた。

 紫はくすっ、と小さく笑うと、
 「よく間に合ったわね。さすがに速いわ」
 神妙な顔をし、そう告げた。

 「お察しの通り、まだアレは私が持ってるわ。ご希望ならばお返ししましょう」
 その言葉に、魔理沙は思わず安堵の息を零していた。ここまでのことを考えれば、全力で喜びたいのは山々だったが、もうさすがにそんな元気もなくなりつつあった。

 「やっとか……長かったぜ……。さぁ紫、大人しく出しな」
 静かに喜び、静かに入手し、あとは静かに燃やすだけだ。ここまでの道程が思い返される。何発か殴りたいヤツはいたが、香霖だけにしておこう。他は顔を見られるだけで弄り倒されるのが確定している。当分は旗色が悪い。

 目の前で座っているゴールが、
 「はいはい」
 と言いながら笑って肩を竦めてみせる。

 紫の目の前にスキマが開かれる。彼女はそこに手を突っ込み、モゾモゾと手を動かすと、スキマをもうひとつ作り出す。

 それは、座っている四人のちょうど真ん中。魔理沙の目の前。
 そこからにゅ、と手が伸び、そこには、

 「さぁどうぞ。あなたの求めていた、“あなたの”鏡絵、よ」

 剥き出しのままの春画があった。

 紙の中では裸の男女が絡み合っている。豊満な女、精悍な男。描かれている顔は緊張感無く歪んでいる。女の方は、そこにいる魔法使いの顔をしていた。こうして自分の顔をしている絵と向き合うのは、彼女もずいぶん久しぶりだった。

 一瞬で空気が固まるのが解った。あまりに突然のことに誰も口を開けずにいたが、全員が確かに、その絵を注視していた。

 不意に空気が動き出す。

 かぁぁぁぁっ、と赤くなる映姫。
 さぁぁぁぁっ、と青くなる魔理沙。
 ほうほう、と頷きながら鏡絵を見つめる小町。
 目が点のまま固まっている阿求。
 そして、紫だけが不敵に笑っていた。

 「あ、あぁぁぁぁ…………」
 声にならない声が漏れる。自分の声だという意識は、魔理沙には無い。

 「し、し、し…………死刑です!」

 魔理沙が叫びを上げるよりも早く、大きく、閻魔様の鶴の一声が、人間の里に響き渡った。



 ※



 「あぁ…………最っ悪な一日だったぜ…………」

 魔理沙はフラフラとした足取りのまま、博麗神社の境内を歩いていた。

 あれから結局、顔を真っ赤にしたままの閻魔に、なぜかずっとお説教を受けていたのだ。
 「あなたにはまだ早い!」「こういうものは公序良俗に反する!」「だいたいこの男は誰ですか!」などと延々と続けられた。この男が誰かなんて私が聞きたいくらいだよ!

 映姫に正座をさせられ、その目の前には例の鏡絵。小町はゲラゲラと腹を抱えて笑っているばかりだし、阿求はずいぶん長いこと固まったままだったし、元凶の紫は勝手にお茶を飲んでいるしで、会談どころではなくなっていた。

 長いお説教を終え、魔理沙は閻魔様が見守るなか、稗田家の庭で鏡絵を燃やした。自分の顔が写っているものを燃やすのはなんだか気がひける……ことは無かった。これでどうにか禍根を断つことができたと思えると、清々しい気もした。
 だが、それを喜ぶ体力はすでに彼女にはなく、危うくその場に倒れこみそうだった足をどうにか動かし、気がつけば神社に来ていた。

 「香霖を殴るのは……また後でいいや。もう今日は……なんか疲れた…………」
 それでなぜ神社に来たのか、彼女にもわからなかったが、なんだか霊夢のお茶が恋しくもあった。

 今日一日の騒ぎで、しばらく行ける場所も限られてしまった。妖怪たちの溜まり場になっているここもあまり顔を出していい場所ではなかったが、それでも何も知らない霊夢は貴重だ。誰もコイツの所には持ってこないでくれてホント助かった……。

 縁側が見えてくる。いつもの巫女は、いつもの様子でお茶を啜って空を眺めていた。
 「あら魔理沙。なんだかお疲れね」
 近寄ってくる魔理沙に気づき、お茶を置いて視線を戻した。このいつもの感じが、彼女には救いだった。

 「よう霊夢。お茶貰うぜ…………」
 湯呑み持ってきましょうか?という霊夢の声を無視し、さっきまで霊夢が呑んでいたお茶を手にする。別にもう淹れたてなんて要求する元気などなかった。ひたすらに渇いた喉を潤せるなら、水でもいいくらいだ。
 ゴキュゴキュと喉を通り過ぎる液体の感触が心地良い。冷めてぬるくなってきていたが、呑みやすくていいくらいである。体に水分が浸透していくのがわかるようだ。
 湯呑みを傾けながら、不意に霊夢の方へと視線を落とす。何も言わずに奪うようにしてお茶を呑む彼女のことを、怪訝そうに眺めている。もうそれだけで満足だった。

 ふぅ、と一息つき、残った分も飲み干そうと再び湯呑みを傾ける。まだ水分の足りない体は、注ぎ足す分のお茶がまだあるかと視線を泳がせた。幸いにも、霊夢の腰元には急須があり、お茶請けまであり、それに、

 「――――っ!?ぶぅぅぅ!!ゴホッガハッ!!」
 魔理沙は自分の目を疑った。

 自分を不思議そうに眺める霊夢の傍には、急須があり、お茶請けがあり――例のあの鏡絵があった。

 「おまえ…………何持ってんだよ!?」
 口許がビチョビチョになっていることなど構わず、湯呑みを片手に叫ぶようにして霊夢に尋ねた。

 「んあ?あぁコレ」
 魔理沙の視線の先にあるものに気づき、霊夢は何の気なしに傍らにある紙を手にした。間違いなく、さきほど稗田邸で燃やしたあの春画だった。構図が一緒とかのレベルではなく、なにからなにまでまったく完璧に同じもの。

 茫然自失とする魔理沙をよそに、
 「なんか霖之助さんがくれたのよ。たくさんあるから、って。ホラ」

 そう言って霊夢は手にした紙を開いて見せた。バッと広げられたそれらは全て、細部に至るまで完全に同一のものだった。全ての紙に同じように魔理沙顔の裸の女が描かれ、その豊かな体を惜しみなく見せつけている。
 予想だにしない現実に、魔理沙の頭は完全にショートしていた。赤くなるのも青くなるのも感覚が追いつかない。

 霊夢は春画を手にしながらも、淡々と続ける。
 「なんか最近“コピー機”っていう大きな箱が流れてきたんですって。紙に写っているものを、洋紙にまったく同じく写し出す機械なんだってね。それでコレをたくさん刷ったらしいわ」
 複数枚の鏡絵を、手元でピラピラともてあそびながら説明した。

 霊夢の言葉が魔理沙の耳に入っているかはわからなかった。ただ、彼女の頭の中に、霖之助の言葉が浮かび上がる。

 『「見せるだけじゃなくて、ちゃんと贈呈するよ。いくつか手に入る予定だからね」』
 あぁ……確かにそんなことを……

 『「なんか最近“コピー機”っていう大きな箱が流れてきたんですって」』
 あぁ……確かにあったな……大きい箱……私が腰掛けたヤツが……

 グルグルと回る頭の中で、なんとかそれらを拾い上げる。「でもよくできてるわー。まったく同じなのねー」などという霊夢の呑気な声は聞こえては通り過ぎていった。

 目が点になったままの魔理沙と霊夢の目が合う。
 「そうそ」
 霊夢はおもむろに口を開き、

 「魔理沙って結構発育いいのね」

 それがスイッチとなった。
 魔理沙の顔がみるみるうちに赤く染まってゆく。彼女の白い肌が見てわかるほど紅潮している。耳まで真っ赤にして、目には涙を湛え、わなわなと肩を震わせると、

 「こ、こ、こーりんの馬鹿野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 今日一番の叫びが響く。
 鏡絵の中の彼女だけが、穏やかに微笑んでいた。
頭が沸いてるのは店主じゃなくてボクです。お疲れ様でした。

なんでもいいけど、魔理沙が一番オトメなんだよ!っていう主張の下、書かせていただきました。
テンション上げっぱなしで投げっぱなしのお話は考えるのが楽でいいです。

「鏡絵」というモノを扱うにあたり、図書館で資料を漁ってみたりもしたんですが、全っ然見つかりませんでしたね。デカイ辞書に『鏡絵→春画のこと』って載ってるのが関の山でした。
「おいおい、裏付けも無しに使うとか何事?」ってお叱りごもっともですが、まぁ賑やかし程度になれたなら幸いです。

あとがきで書くんじゃ手遅れですが、まぁアイコラくらいの気持ちで読むと想像しやすいですね。きっと春画ってそういうもんじゃないですけど。
ホニャララ画像が幻想入りって感じです。
あとは運営の方に睨まれて消されないことを祈るだけです。


シモネタを生理的に受けつけない方、ゴメンなさい。
あとがきだけ読んで1点くらいつけて「なんだコイツ」とか言ってもらうだけで書いた甲斐があります。

ともあれお疲れさまです。良くも悪くもご意見いただけたらな、と思います。かしこ。



12/13 追記

どうも、ケンロクと申します。多数様よりのコメント・評価、ありがとうございました。コメしてないけど読んだよ!って方もいらっしゃいましたら、並べてお礼をば。

賑やかし投稿一個目、楽しんでいただけたなら幸いです。しょーもない話でごめんなさいね。

なにはともあれ、頂いたコメントにお返事書かせてもらいます。


>パレットさん
乙女魔理沙は可愛いんだ!これだけ覚えて帰ってもらえたら十二分です。

>T/Nさん
実際はいっそグロいほどエロいですからね。あんまり詳細な描写は入れずに、読んでくれた人それぞれのイメージで浮かんでもらえればいいなぁ、って勝手に思ってました。まぁ細かく描写すると規約に反しそう、っていうことの方が怖かったり。
ともあれ楽しんでもらえたなら幸いです。

>さく酸さん
同一展開の話の回し方、って難しいでした。割と好きな手法ではありますが、どうしても繰り返しになってしまってですねぇ。精進させてもらいます。
可愛い女の子を辱めて、頂くアイディア賞。プライスレス。

>aspさん
品の無さばっかりは素直に頭を下げさせていただきます。下品でもうしわけない。
魔理沙は原作準拠だと嫌われてるっぽい印象があります。僕の中では「イジられてるだけ」くらいにとどめておきたい所です。

>yuntaさん
ありがとうございます!
香霖はあぁ見えてもオッサンですからね。女の子を苛めたいお年頃なんでしょう。あのペースだといつか訴えられそうですね。

>とんじるさん
年齢指定の「薄い本」が幻想入り。胸が熱くなりますね。
同じ展開の繰り返しも、多少パートごとに色づけはしてみたんですが、オチが完全に一緒になるので、どうしてもただの繰り返しに……もういっそどっかで鏡絵を回収させちゃうとかしてしまってもよかったかなぁ……

>PNSさん
魔理沙可愛いよ魔理沙(*´∀`*)

>ざる。
恥じらいは大事ですよね。女の子成分高めの幻想郷でも、魔理沙はきっと恥じらいを持ってくれているでしょう。
なんか霊夢はあんまり気にしなさそうなイメージがありました。

>木村圭さん
あんまり映姫さまの体型については言わないであげて!まぁ作中で僕も言いましたがね。
閻魔様はアダルト耐性が低そうな気がします。知ってはいるけど見たことないよ、的な。まぁそれにしても取り乱しすぎでしたかね。
魔理沙のお母さん説は、完全に想定の範囲外でした。作者の意図とは別の読み取り方をしてくれたことが嬉しい限りです。ロマンチックじゃないですか。
でも、そっちの方が春画に起こしちゃダメじゃないですかねw

>desoさん
登場人物は多いですが、ほとんどが完全にモブキャラという無駄遣いっぷりでした。パターン展開の中だるみですが、そうですね。エスカレートするか、ちょっと違う話を挟むとか、何かしろしてメリハリをつければ良かったかもしれません。でもあんまり長くなるのは止めたかったんだ……。
あと、言われて気づきました。魔理沙似の春画の「なんで?」をまったく回収してませんでした!申し訳ない。
「最初に香霖と話をしていた、誰だかわからんヤツが持ってた、魔理沙のアイコラお宝画像」くらいの底の浅い話のつもりでした。なんだか重ねて申し訳ないです。

>八重結界さん
幻想郷の拡声器、射命丸を使うのはちょっと避けてみました。この子を出すとトラブルの拡散が一発で予想されちゃうので。
魔理沙のトラウマは、後日にちゃんとさとり様が想起してくれました。

>ニャーンさん
もうひたすら魔理沙を赤面させることだけに心血を注いでみたので、嬉しいコメントありがとうございます。テンプレ展開になっちゃいましたが、楽しんでもらえたなら幸いです。

>geneさん
頭を使わずに読める量と質、はちょっと気にしてた部分なので、「単純に楽しめた」って言ってもらえたのは嬉しいです。
いつかまた、魔理沙を苛めようと決めました。

>兵庫県民さん
ついついやっちまったZE☆
可愛い子は苛めたくなっちゃうのだから仕方ないよね!

>文鎮さん
一言目からお褒めの言葉をありがとうございます!僕も、作者の頭は終わってると思います。
パチュリーの反応に目をつけて貰って嬉しいです。実は、パチェ物一本入れるか、って考えたほどパチュリー好きでした。




みなさまお疲れさまでした。並びに、ありがとうございました。

きっと次回も出品させてもらいますので、そのときはまた生ぬるい目で見守ってもらえたらな、と思います。

あ、個人的な話ですが、今回もう一個出してるので、まだ既読でない方はそっちも読んでもらえたら幸いです。こっちよりかは、もう少し真面目に書きました。


見事乱文になりましたが、それではまた、いつかの機会に。



※もう一個追記

ケンロクです。このたび「〜かが、み〜」という作品を同時にコンペに出品させてもらいましたが、うっかりボタン間違えて消しちゃいました。

うあああああああああああああああああああああああああああ!!!

コメント・評価いただいたにもかかわらず、凡ミスで全部消去してしまったことを、深くお詫び申し上げます。こっちも返事コメ書いたのに……ちくしょう……

「まだ読んでない」「また読む」なんて有難いご希望ございましたら、創想話の方にでも再度投稿させていただきます。


重ねて、コメント頂いた皆様に深くお詫び申し上げます。    また次の機会に。  ケンロク
ケンロク
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2010/11/06 22:11:30
更新日時:
2010/12/13 20:58:07
評価:
14/14
POINT:
82
1. 3 パレット ■2010/11/20 00:29:53
 うむ、乙女魔理沙かわいい。
2. 8 T/N ■2010/11/25 16:16:26
非常に読みやすく、面白かったんですが……春画かぁ。
アイコラどころか実物は本当にエグイくらい拡大して細密に描かれ……んん、それは横に置いといてこの作は人を選ぶかもしれませんね。
魔理沙が必死になるのも頷ける。
迷いましたが、結局楽しんでしまったのでこの点数で。
3. 7 さく酸 ■2010/11/25 20:53:44
個人的に今回のアイディア賞。大いに笑わさせてもらいました。
春画が幻想郷中を駆け巡る話で、勢いと魔理沙の慌てっぷりがよくて、楽しめました。
まあ、展開は途中で読めてしまったので、中盤が無駄に長く感じてしまいましたが、それを差し引いても面白かったです。
4. 2 asp ■2010/11/29 11:12:38
 鏡絵とはびっくり。必死に取り戻そうと焦る魔理沙を想像するときゅんとしたりしますがそれはさておき。まあ全体に漂う魔理沙に対するアウェー感とか、あまり上品とはいえない内容とか、ちょっとどうかなと思ったり。藁蘂長者みたいな展開は面白いと思います。
5. 8 yunta ■2010/11/30 22:31:53
香霖ひでぇw
しかし、程よい俗っぽさが原作の香りを漂わせてくれますね。
王道のドタバタコメディって感じで楽しかったです。いや、それにしてもセクハラ過ぎる。
執筆お疲れ様でした!
6. 3 とんじる ■2010/12/02 14:47:51
 乙女魔理沙可愛いです。
 いちいち初心な反応を見せてくれる魔理沙が可愛らしく、またそれ以外のキャラの鏡絵に対する反応も面白かった。

 ただ、似たような展開が続くので、多少だれるかなあ。


 これで、魔理沙の「薄い本」でも幻想入りしてしまったらどうなる事やら。
7. 7 PNS ■2010/12/09 20:49:07
 なんだこれは! ニヤニヤしてしまうじゃないか! けしからん!( ゚∀゚)=3
8. 8 木村圭 ■2010/12/11 20:33:48
もうダメ笑いが止まりませんちょっと助けてください
映姫の態度がしっくりこなかったので一点減点。体型はともかく、長いこと生きてきた閻魔がエロ画像一つであたふたはしないでしょ、と個人的には思うのです。
話には全然出て来ないけど、実はアレ魔理沙じゃなくて魔理沙の母親じゃないのかしら、と推測してみたり。
既に他界してる奥方を偲んで描いてもらった、とかだとちょっとだけロマンチックよね。まあコピーしてばらまかれたんじゃ全て台無しですけれども。
9. 3 deso ■2010/12/11 20:36:53
うーん、場面は変わってもずっと同じパターンが続くので、読んでて少しだれてきます。
登場人物も多いのに、なんだかもったいない。
どんどんエスカレートしていったりとか、もうちょっと盛り上がるものが欲しかったです。
あと、絵の女性が魔理沙に似ている理由は何でしょう?
てっきり伏線になるのかと思ってんですが……。
10. 8 八重結界 ■2010/12/11 20:39:41
文が絡んでいなかったから少しはマシだろうと思ったら、まさかのオチ。隠しておいた本が机の上に置かれているような、そんなトラウマの幻想郷バージョンですね。
魔理沙に色々な意味でお疲れと言ってあげたい衝動にかけられました。
11. 7 ニャーン ■2010/12/11 20:53:22
説明は無粋。赤面する魔理沙が可愛すぎる。悶えてしまった以上は、高得点も仕方がありません。
期待どおりの展開にニヤニヤさせられっぱなしでした。
12. 6 gene ■2010/12/11 21:30:12
オーソドックスなギャグの展開で面白かったです。
こういった単純に楽しんで読める作品は嫌いじゃないです。
一番かどうかは置いておいて、自分も魔理沙はオトメだと思います。
後日談などあれば読んでみたいかも。
13. 6 兵庫県民 ■2010/12/11 22:30:12
なんと言うか、
「作者てめぇww」としか言いようが無いのが、どうしてなんだぜww
14. 6 文鎮 ■2010/12/11 23:08:31
こいつ頭が沸いていやがる!!
と、魔理沙の代わりに罵倒するのはともかく、いやはやインターネット並みの拡散力ですね。
パチュリーの反応が一番素敵でした。
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