紫鏡教死

作品集: 最新 投稿日時: 2010/11/06 23:59:22 更新日時: 2010/11/06 23:59:22 評価: 18/18 POINT: 80
 事の顛末を直接聞かせろ、ですか?
 あらすじは既にご存じなのでは……いえ、断じて話さないという訳ではありません。
 単に聞き返しただけです…………えっと。
 そもそもの発端は、縁側でお茶飲みながら四方山話をしていた時にふと口にしただけの他愛もない話でした。
 昔耳にした事がある、程度のちょっとした話だったんです。それが……

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「……で?その後どうなったの?」
「文章を思いついたのか聴き終わるなり意気揚々と帰られましたよ」



『ぬえさんのスペルカードですか?』
 人間の里や紅魔館など各所をめぐるも格別のネタが無く。
 立ち寄った守矢神社で休憩がてらお茶を頂きつつ世間話をしていた文は、聴いた単語にそう反応した。
『いえ。外の世界の、ちょっとした怖い話ですよ』
 文に『事件が無いなら、それとは別に話のネタはないか?』と訊かれた早苗は、何の気も無しにその話をした。
『外の世界の怪談、ですか』
『えぇ。尤も、大して怖くない、むしろ小話といった風な物ですけれども……お茶もう一杯いかがですか?』
『あ、これはどうも』
 空になった湯呑みに急須からお茶を注いでもらい、一口飲んで喉を潤してから文は懐から手帳を取り出した。
『最近めっきり騒動が起きないんですよねぇ。博麗神社は相変わらず参拝客が少ないですし、閻魔様は仕事が忙しいのか職場に籠りきりですし』
『はぁ』
 早苗は曖昧に相槌を打ち、お茶菓子として出したゴマ煎餅を齧った。
 それを聞いているのかいないのか、文は変わらぬ口調で近況報告を続けた。
『他の妖精も妖怪も、まるで示し合わせたみたいに新聞記事になるような行動は全然起していませんし本当にネタが無いんですよ』
『そんな事もあるんですねぇ。この幻想郷ではいつも誰かが何かをしでかしているような気がしていたのですけれども』
 咀嚼していたゴマ煎餅を飲み込んでから、早苗は聞き返した。
 この辺のお行儀の良さは神様仕込みである。
『直接話を伺ってみた感じとしましては、誰かが何かを狙っているというのではなく単に偶然だとは思うのですけれども……』
『それで、同じく何も掴めていないであろうはたてさん達他の新聞記者さんと差別化するために、私に外の話を聞きに来た、と』
『はい、他の皆も当たり触りのない日常を記事にしているとしたら、別の切り口でいけばそれだけ目立ちますから……それで』
 新聞記者としての気概か、早苗の言葉を一言一句聞き洩らさぬという勢いで早苗の方へ身を乗り出す文。
『どのような怪奇現象にまつわるストーリーなのですか?』
『その、あの、えっと……』
 そんな彼女に気圧されてか、早苗はおずおずと話を進めた。
『訊かれてとっさに言葉に出たのですけれども、本当に子供じみた話ですよ?別の話を思い出しましょうか?』
『……いえ、ひと先ずその話をお願いいたします』
 しばし青空を見上げ黙考した後、文はこの話題を続ける事を選択した。
『一期一会という言葉もありますし、ここは敢えてそのお話で行かせていただきましょう。それに、タイトルが気に入りました』
『タイトル?』
『ほら、一人心当たりがありませんか?そのタイトルと同じ字を含みかつ幻想郷の住人でありながら外の世界にも干渉しそうな……』
『居ます、ね。確かに』
 神妙な顔で頷き合う2人の頭上に、隙間から身を乗り出して扇片手に不敵に笑う某隙間妖怪の姿が浮かんだ気がするのはおそらく気のせいであろう。
 それはさておき。
『ではお話しますけれど……』

   昔、ある少女が自分のお気に入りの手鏡に戯れで紫の絵の具を塗ってみた。
   すぐに落とせるだろうと思っての事であったが、その色はどうやっても落とす事ができなかった。
   その事を気に病んだ少女は以降ずっと悩み続け、20歳の時に死んでしまった。
   以来、「紫の鏡」という言葉を20歳まで覚えていると、20歳になった時呪いで死んでしまうようになったと言われている……

「…………ふーん」
 守矢神社における夕餉後の団欒。
 早苗に事の成り行きを聞いた諏訪子は、何やら思案顔で考え込み始めてしまった。
「あの、諏訪子様何か問題のある行為だったのでしょうか?」
「何か気になる点でもあるのかい?聞いた限りだと私には特に問題が感じられなかったが」
「いや、ね。気に病むほどの事じゃないとは思うんだけどさ」
 表情に不安を浮かべた早苗と疑問を浮かべた神奈子に問われ、諏訪子は懸念の説明を始めた。
「その話が流行った時代って、もう妖怪とか神様とかが幻想と化してたような環境じゃない?」
「いわゆる都市伝説ですから、そうですね」
「でも、ここは違う。妖怪も妖精もいる」
「神様もね」
「そうそう死神含む神様も亡霊も月からの来訪者も……って、種類はこの際どうでもいいんだってば」
 話の腰を折られた諏訪子は神奈子の背中を叩こうとしたが、行動を予測されていたのか神奈子にはあっさり躱されてしまった。
「ごめんごめん……一応、云わんとする事は判ったよ。でも大丈夫じゃない?あの鴉天狗だっていい年なんだしその辺りは思慮してくれるって」
「だといいんだけどね……」
「あの、つまりどういう事なのでしょうか?」
 何やら通じ合っている2柱に置いていかれてしまった早苗は説明を求めた、が。
「いや、やっぱり杞憂だと思うから。忘れていいよ」
 と返されてしまい、この件についての話はここでひとまず終了となったのだった。

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 本当です!本当に最初はそれだけだったんです!!
 閻魔様の前でだってまっすぐ目を見て言えるくらい混じりっ気なし100%真実です!!

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「……で?事情を説明してもらおうか」
「お、落ち着いてください!まずは話を、言葉を交わしましょう!!」
 あれからしばらくの日々が過ぎ、早苗もその事を忘れた頃に一人の来客があった。
 無論、神社に参拝する客ならば来てもおかしくはない。
 しかし彼女の怒髪天を突くばかりの気迫と彼女が引きずっている者を見ればそうでないことは一目瞭然だっただろう。
 事実、早苗は第一声の問いかけに対し状況説明を求めるではなく平身低頭宥める事を選択した。
 来訪者たる上白沢慧音は、それ程までに憤怒のオーラを纏っていたように見えた。
 さらに猿轡された簀巻きの新聞記者を引きずっているのだから、威圧感は倍率ドンというものだろう。



 ひとまず、下手下手に出る事で全身が逆鱗のような状態の慧音をなんとか激昂させることなく居間へと連れ込んだ早苗は神奈子と諏訪子も呼んだ上で慧音に状況説明を求めた。
 ちなみにこの居間、神の力でセキュリティ方面も強度関係もかなりしっかりしている部屋だったりするがそれはさておき。
 時間が経過したからか純粋に状況説明をするためなのかは定かではないが、怒りのボルテージを幾分か下げた慧音が話したのは次のような状況だった。

   最近、いつの間にか里の中では鏡を異様に恐れる子供たちが増えてきた。
   中には鏡を見るだけで狂乱し暴れる少女もいたし、手鏡に絵の具を塗りたくり哄笑を上げる少年グループもいた。
   事態を重く見た里の住人達や慧音は訊き込みや歴史チェックで原因を調査し、ついにその元凶にたどりついた。
   そしてそれは、なんと「文々。新聞」に掲載された鏡にまつわる怪談だったのだ!

「状況はよくわかりませんが、私の話が原因みたいなのでごめんなさい」
「不安に思った時点で天狗に釘を刺しに行くべきでしたごめんなさい」
「まさかここまでセンセーショナルさ最優先で動くとは想像の埒外でした」
 一介のワーハクタクに対し現人神含め守矢神社の神様が全員頭を下げているというのも実にレアな光景であるといえるだろう。
 しかし、このシーンを嬉々として撮影しそうな射命丸文はこの場にいながらカメラを構えてすらいなかった。
 何故なら、彼女は現在簀巻きのままちゃぶ台の上方に吊るされているのだから。
 腕を自由にしようとしているのか関節外れんばかりの勢いで動かしまた発声しているのだが、簀巻きの縄は固く猿轡もしっかりしているためどうにもなっていない。
 そんな血の涙を流しそうな勢いでもがく者の下で、彼女を無視した状態で話は進んでいった。
「あの時、諏訪子様が考えておられたのはこういうことだったのですね」
「そう。外の世界では、『こっくりさん』で集団ヒステリーが起きた事件があってね」
「あぁ、そんな事件もあったっけかねぇ。確か早苗の世代よりも少し昔だったかな」
「これは西洋のテーブルターニングから派生した交霊術の一種とされているんだけど」
「狐狗狸さんにテーブル・ターニング?確か八雲藍やレティ・ホワイトロックのスペルカードに……」
「すみません慧音さん神奈子様、話が脱線しかねないのでその辺は深く掘り下げないでください」
 前回神奈子が話を横道に逸らした経験からか、早苗は警戒する言葉を発した。
 一瞬、上方で未だ暴れている鴉天狗以外全員黙り間が訪れた。
 しばしの間の後、結局、それぞれに顔を見合せた後に慧音が諏訪子にジェスチャーで話を促し、諏訪子が軽く咳払いをして話を続けた。
「やり方はシンプルでね。文字を一通り書いた紙の上にコインを置いて、その上に全員の指を置いてこっくりさんを呼ぶの」
「その状態で質問すると、コインが勝手に動いて答えを教えてくれる……んですよね。私はやった事ありませんけれど」
「西洋だと、似た物でウィジャ盤ってのがあるんだっけか。本家の方でもテーブル・ターニングから進化してったのかね」
「ふむ、その説明を聞くと降霊による通信のようだな」
「実際には、本当に霊が関わっちゃったケース以外は『コインを押さえている指の無意識の動きに反応してた』らしいんだけどね」
「無意識と言えば地霊殿の……いや、なんでもない。だから早苗、脱線させるつもりなんてないから腕を振りかぶるのは止めなさい」
「コインを重ねて行うと、上のコインだけがずれた、この結果からつまりコイン自身が動いてるんじゃなくて指がコインを動かしてると判断されたり、ね」
「シンプルな実験と結果ですねぇ」
「後は、質問者が知らない事には答えられなかったり……と、これで済めばよかったんだけどね」
「さっき述べたように、ただのごっこ遊びで済まない事態になっていったのですな」
「自分に催眠術をかけるみたいな感じになって、トランス状態になって奇妙な行動とるようになっちゃったりする子も出たりしてさ」
「今の、私が相談を受けた里の状況と似てきているな」
「実際に霊がいたかいないかに関係なく、パニックは引き起こされるという事か」
「口裂け女の噂が流行ったときには、集団下校が行われたりもしてた事があるんだよ。実際に口裂け女に襲われた被害者が出た訳でもないのに、ね」
「……ようやく、あの時諏訪子様と神奈子様の仰りたかった事の意味がわかりました」
 話が一段落したところで、早苗が神妙な面持ちで呟いた。
「妖怪や神の存在が否定されつつある外の世界でも、妖怪や霊の話が社会不安を引き起こす可能性を秘めている」
「だとしたら、『妖怪や妖精が普通に存在しているこの幻想郷』でこういう噂を流したらシャレにならない集団パニックが起こるんじゃないか……って懸念した訳」
「あの新聞記者も、それ位は弁えて控え目に書くと思ったんだけどねぇ…………ところで諏訪子、何でアンタこんなに詳しいの?」
「いやぁ、祟り神たる者お呪いの類には詳しくないと示しがつかないと思って昔勉強したんだよね。ってそれはまぁどうでもいいから」
「当面の問題は、里の子供達について、ですね」
 早苗の言葉に、ちゃぶ台を囲む全員が頷いた。
「対策は何かないのか?」
「正直、噂が治まるのを待つしかないんだよね」
 慧音の核心をついた質問に、諏訪子は残念そうな表情で首を横に振りつつ回答した。
「一応、覚えていれば呪いをキャンセルできるって言われている言葉は『白い水晶』とか色々あるけど……」
「ここまで負の方面ばかり拡散した後じゃ、どれだけの威力があるかはちょっと疑問に思えてきちまうね」
「それに、例え怪談行為を禁止したとしても、表面上で語られなくなるだけで間違いなくアンダーグラウンドに噂は拡散するからね」
「禁止されればされるほど、やってみたくなるのは人のサガ、かねぇ……そういえば半獣、アンタ歴史をどうこうする力無かったっけ?」
「事態に気付いた時点で、噂が拡散しすぎておりまして。ピンポイントで虱潰しにするには数が多すぎるうえ、ひょんなことから再浮上してきたりも……」
「あー、なるほど…………完全抹消するには、新聞記事が出てから何もかもを消さないと駄目かもね。日常生活に支障が出るレベルで」
「そういうことなのです」
 神様含めて4人集まっても文殊は降臨せず。
 一同は顔を見合わせて深いため息をついたのだった。
「では、こういう手はどうでしょう」
「あ、文さん縄抜けなんてできたんですか?」
「いえいえ、爪を使って地道にロープを削り切りましたよ」
「手は特に頑丈に、手首あたりを別に縛るとかしてあったはずなんだがな。辛うじて爪先が縄に届いてしまったか。次はもっと厳重にするとしよう」
「それは御勘弁を」
 いつの間にか、簀巻きにされていた射命丸文が縄を解き猿轡も解除してちゃぶ台の上方に浮いていた。
「それで?元凶たる鴉天狗殿はどのような手を提案するので?」
「別の噂を流すのです!」
 溢れんばかりのエネルギーを湛えた、そんな形容詞が似合う勢いで文は力強くガッツポーズして言い放った。
「確かに、一理なくはないな。ない、が……」
 慧音は胡散臭そうな目で文を見ているが、文はそれを意にも介していないようだった。
 気にすることなく、私見を展開していく。
「さらに、今回の噂の中心である少年少女が食いつくと言えばコイバナ!という訳で早苗さん、その手のお話何かありませんか?」
「え?えっと……午前0時に、包丁を咥えて水を張った洗面器を覗くと将来の結婚相手が見える、とか?」
「なるほどいいですねぇ!そして水鏡とは、鏡繋がりで上書き効果も高そうです!!それでは!!!!」
 終始ハイテンションで言いたい事だけ言い放ち。
 文はそのままどこかへと飛び去ってしまった。
「大丈夫、でしょうか?」
「こればっかりは判らないねぇ……さっきの話、派生があるし」
「何ィ!?」
 思わず立ち上がった慧音を、諏訪子は手で制し言葉を続けた。
「でも、上手くいけば治まるのも事実なんだよね」
「当たるも八卦、当たらぬも八卦、ですか」
「どうだい?今ここで神に祈っていくかい?」
「……つい今しがた、神にも判らないという旨の発言を聞いた気がするのだが」
 神奈子の言葉は軽く流され。
 結局、諏訪子の言葉でこの対策会議はお開きとなった。
「とりあえず、あの新聞記者には後で記事の推敲を私達にさせる事と解呪の記事を同時掲載させるよう厳命しておこうか。後は吉と出るか凶と出るか……」

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 いえ、断じて騒ぎをより大きくしようなんて考えた訳では……はい。
 違います!私はそんなえげつない事なんて考えてなんていません!!

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「……で?何か言う事はあるか?」
「「「すみませんでした」」」
 一介のワーハクタクに対し現人神含め守矢神社の神様が全員並んで土下座しているというのも実にレアな光景であるといえるだろう。
 しかし、このシーンを嬉々として撮影しそうな射命丸文はこの場にいながらカメラを構えてすらいなかった。
 何故なら、彼女は現在上白沢慧音にアルゼンチンバックブリーカーの要領で完全に固定され悲鳴を上げているのだから。
「まったく……薬と毒は表裏一体とはいえ、良いほうの作用が出るかどうかわからないというのは本当に難儀な物だな」
「痛い痛い痛い!背中が、背中がそっちには曲がらなっ!!」
 謝罪の言葉を聞いて気がすんだのか、それとも頭上の悲鳴にそろそろ限界に近いものを感じ取ったのか。
 慧音は神社にやってきた時点からずっと頭上に持ち上げ極めていた文を頭上から解放した。
 ただし、器用に体勢を変えタイガードライバーのような形式で地面に向かってだったが。



 惚れ惚れするような叩きつけ技で鴉天狗がTKOされた数分後。
 4名はまたしても守矢神社居間のちゃぶ台を囲んでいた。
 ちなみにスリーカウントはもちろんテンカウントでも起き上がれなかった文はちゃぶ台の上に寝かされ縛りつけられている。
 特に手は指の1本1本に至るまで個別にしてある念の入れようである。
「有り体に言ってしまえば、凶と出た訳だが」
 最初から期待はしていなかった、そんな口調でお茶菓子の煎餅を齧りつつ慧音は言い捨てた。
「いやもう本当にごめんなさい。新聞記者に教えていなかった派生の『包丁を水面に落とし、相手に傷を負わせてしまう』話が即座に発生するとは……」
「くくくくくく。外の世界も幻想郷も、人間の考える事ってのは似通っているのかねぇ?」
「神奈子様、笑っている場合ではありませんよ」
 意図的に流布したのは恋愛方向の小話だったが。
 怪談が蔓延していた環境の下地があったせいかあっという間にホラーストーリー方向の話が誕生し、そちらへとシフトしていってしまったのである。
「ところで慧音さん、今回はちゃんと記事も推敲しましたし文さんにはあまり罪が無いと思うのですが……」
「ん?……まぁ八つ当たりだな。そもそもの元凶に対する」
「八、八つ当たりで頭から地面に叩き付けたんですか?」
「あぁ。妹紅相手だとこれ位が基本スキンシップだな」
「……この鴉天狗は不死じゃないんだけど?」
「おっと、それは失念していた」
「ま、吸血鬼曰く頭部に脳が無いらしいし。伊達に齢を重ねていない部類の妖怪だろうから問題はあまりなさそうだな」
「ハ、ハハハハハハハ」
 人間にとってはあまりにも過激な内容を会話する3名に、早苗は乾いた笑いを洩らすことしかできなかった。
 なんだかんだで、ここにいるのは人外なんだなぁと改めて実感させられてしまう。
 尤も、こんなことを考えている東風谷早苗という現人神もまた、一般人から見れば十分通り越して十二分にビックリドッキリ人間なのではあるが。
「それはさておき、これからどうする?聞くところによると『紫の鏡』派と『真夜中の水鏡』派でカルト宗教同士の対立みたいなのが起きてるらしいじゃない」
「怪談が蔓延るだけならまだしも、宗教のようになって来たとあっては神としても本腰入れて動かざるを得ないな」
「できれば、最初から本腰を入れてほしかったのだがな……子供だけではなく一部の大人にまでパニックを起こす者が出始める前に」
「確かに、神奈子様がそうしてくださっていたら、文さんは大魔神の怒りを鎮める生け贄として超人レスリングな技受ける事無くすんだかも…………あ」
「??どうかした?早苗」
「あ、いえ。ちょっと思いついた事がありまして」
「さっきの技を教えてほしいのか?実地で教授するのも吝かではないぞ」
「それはなかなかに興味深いですがそこではなく。問題解決についてですが……」

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 ……決して。決して邪念はありませんでした。
 事態の収束を図る、それだけを考えていました。

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「……で?本当に上手く行くんだろうな?」
「元より他に手もない事ですし、駄目元で試してみましょうよ」
 2度目の対策会議から数日後の深夜。
 里の近辺でそれなりの広さがあり、かつ安全性が比較的高いという事で場所は命蓮寺。
 現在この場所ではセットが組まれ、里の人間が大勢集められていた。
「3度目の正直、という言葉もありますよ。慧音さん」
「2度ある事は3度ある、という諺もな……それより白蓮殿、場所をお貸しいただきありがとうございます」
「いえいえ、このような事態とあっては私達も協力しないわけにはいきませんから」
「……っと、そろそろですね」
 早苗は時間を気にした発言をして、セットされた鏡の側へと向かった。
 周囲を焚火に囲まれたそこには早苗の胸ぐらいの高さの机が置いてあり、その上には大きな姿見が置かれていた。
 そしてその上方には、下向きにこれまた大きな鏡が平行になるよう吊るされていた。
「午前零時に合わせ鏡を横切る悪魔、か。確かに鏡繋がりではあるが」
「早苗さんが言うには、その悪魔は鏡から鏡を通過するようにこちらに向かってきて、そしてこの世を横切りまた鏡の世界に消えていくそうですね」
「それを捕まえて願いを叶えさせる……なんだか事態が悪化しそうな気がするのは気のせいだろうか?」
「まぁまぁ。後ろ向きに考えていますと、上手く行く物も失敗しますよ?」
 深くため息をつく慧音を、白蓮はなんとか宥めるのであった。



 それは、一瞬の出来事であった。
 唐突に机に置かれた鏡が割れ、身長が人の2倍ほどある何かが上に向かって飛び出したのである。
 群衆の悲鳴やどよめきが響く中、それは上側の鏡へ向かい――鏡に触れる前に東風谷早苗によって迎撃された。
 見事なるウエスタンラリアットによって。
「やりました!合わせ鏡の悪魔を確保しました!!」
<何をするか貴様ァ!!>
 倒れた何かの横でガッツポーズしつつ声を張り上げる早苗に対し、それは起き上がりざま蹴りを放ってきた。
 しかしそれを早苗は最小限の動きであっさり回避して見せた。
 この辺のツッコミ回避スキルは神様仕込みである。
「合わせ鏡の悪魔さん、以下長い名前は面倒なので単に悪魔と呼ばせていただきますがこちらの要求は一つです!」
 焚火揺らめく中、早苗は真正面から悪魔と呼ぶそれを凛々しく指さしそして言い放った。
「今ここの里を恐怖に陥れている紫の鏡や水面の現象を起こしている元凶に話をつけ、この里のそういった事一切から手を引かせるのです!!」
<む?それは全部我の仕業ぞ>
 しばしの沈黙。
 辺りに聞こえるのは、風の音と焚火が時折爆ぜる音のみとなった。
「……えーと」
 早苗がようやく言葉を絞り出した頃、観衆もまたざわめき始めていた。
<鏡の世界に住む我が、紫の鏡を覚えたまま20歳を迎えし者を襲い恐怖を喰らい、戯れで水鏡に未来を少しだけ映していたりしたのじゃ>
『『『『『なんだってーーーー!!』』』』』
 耳をつんざく住人達の大合唱。
 老若男女問わず人々の心が驚愕で一致した瞬間であった。
「ならば話は早いです!そこの自称悪魔、私と勝負しなさい!!私に退治されたら、この里からは一切手を引いてもらいます!!」
<よかろう、ならば我が勝ちし時は新たなる鏡の怪談を広めてもらうぞ。さらなる恐怖を拡散し我が糧に!!>
「言葉をそのままに受け取るならば、妖怪退治屋の鑑と言えるだろうが…………なんだかもう全部が馬鹿らしくなってきたな」
「が、頑張って見届けましょう?この勝負が終われば全てが解決する……はず、なのですから」
 どよめく群衆を尻目に、一人ローテンションの慧音の背中をぽんぽんと叩く白蓮であった。


  5分後

「なっ!?分身した!?!!」
<フハハハハハハハ!どうだこの鏡像の中でどれが本物かお前に見破れるか!>
  「うおー早苗様頑張ってくれー」      「悪魔なんて退治しちゃってください!」
                「負けないでー!」
    「それにしてもなんて禍々しい姿なんだ、あんな角が生えて羽も生えて……」
「確かに、確かに早苗殿の視界からは確かにそう見えるのかもしれないが」
「こちらの方から見ると、移動に使うと思われる羽根のついた大きな鏡が浮いているだけですね……」

  10分後

「分身、見切りました!左右が逆になっていないものが本物……え、これが鏡?!」
<甘い、甘いぞぉ!鏡を谷折りのように適度な角度で組み合わせた鏡は、鏡像の左右が実像と一致する事を知らんのか!!>
             「危ない、右後ろですっ!!」
        「キャー!避けてぇー!!」
「正映鏡か……しかし、くどい様だが」
「『く』の字に折れた鏡が浮いているだけですよね。こちらの視界では」

  20分後

「くっ!?微妙に距離感が狂ってくる……」
<どうやらスパッタリングミラーも知らんようだな!>
   「なんだ?スパッタリングミラーって?」     「さぁ、知らないな」
          「どなたか判る方はおられませんかー!?」
「別名、表面反射鏡。通常の鏡は光がガラスを透過し奥で反射するのだが、こちらはガラスの表面で反射するのが特徴だな」
「私が封印されている間に、鏡も随分と進化していたんですねぇ」
       「おぉ、さすが慧音様だ」  「博学ですなぁ」
           「すみません意味がわかりません」
「ガラスの厚みによる屈折などが起きず、確かにガラスの厚み分通常より手前に見えるようになるが……」
「?」
「正直、ミリメートルの世界ならともかく人間スケールで考えるとあんなに驚くほどの誤差は生まれない気がしないでもないがな」

 30分後

<クッ、攻撃に砂や小石を巻き込み始めたか……>
「フフフフフ、鏡の表面に傷がついちゃったら、もう光の反射もままならないですからねぇ……使っている鏡の表面、全部曇りガラスにしてさしあげます!!」
                「いいぞー!そこだ、やっちまえーーーー!」  「たーおーせ!たーおーせ!!」
    「そいつをぶっ潰せば、俺はもうあんな恐怖に怯える日々とはおさらばできるんだ!」
「今さらだが、何やら皆のテンションおかしくないか?」
「深夜のハイテンション……というよりも、むしろライブにおける熱狂に近いでしょうか」
「…………いっそ、この熱気に身を任せて飲まれた方が気は楽になるのだろうか」
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら……と?」
「やはりやめよう。私らしくなくなりそうだ」






 結果、44分44秒にわたる激闘の末、自称悪魔は早苗の逆エビ固めにギブアップし、住人達には絶対に手を出さないと誓約したうえでどこかへと飛んで逃げていってしまった。
 そして後には、熱烈な『サ・ナ・エ!』コールの中胴上げされる東風谷早苗と胴上げする里の住人、黙々と焚火や鏡の後始末をする慧音と命蓮寺の面々が残されたのだった。











 フゥ……なんとかやりとげましたよ。
 お疲れ様。
 これで、本当に騒動が治まってくれればいいんだが……
 ま、何とかなるんじゃないかな。信仰の対象がああいう事になったんじゃ、狂信的な事になってた人も粗方目が覚めるだろうし。
 でもさ、思った以上に上手くいったね。鏡を使って隠れてたトリック。
 あぁ。机の下に、上から見ると菱形になるよう鏡を立てておき、その内側に隠れていてもらい、程よいタイミングになったら出てきてもらうアレね。
 里の皆からは結構な距離をあけていたし、夜という時間だし鏡像に映るのははほとんど揺らめく炎だっただろうしでまず気付かれていないだろうな。
 外から見ると机の下には何もないように見えるから、本当に悪魔が鏡の世界から来たように見えるって訳だね。
 実はアレ、マジックミラーで、中からは上の様子がよくわかるんだよね。
 そのお陰もあってか、早苗の動きと上手くタイミングを合わせられたようだな。
 うぅ、痛いよう……
 お疲れ様、ぬえ。
 もうちょっと手加減してくれてもよかったんじゃないの?
 すみませんぬえさん、あからさまに手を抜いてそれに気づかれたりしたら全部おじゃんになってしまいますので。
 神の名に誓って、後で何か埋め合わせするという事でどうか一つ許してくれないか?
 ……約束だからね?
 あのー、どなたか私の心配してくれる方はいらっしゃらないのでしょうか?
 何だ、まだいたのか。お勤め御苦労。もう帰っていいぞ。
 酷い!?鏡を風で操作したりとか地味に精密作業で大変だったのに!
 あ、そうそう。事前の約束……覚えてるよね?
 えぇ勿論ですよ。ぬえさんと協力し、肩車+悪魔っぽく飾った布をすっぽりかぶる+正体不明の種で悪魔役を演じる。
 ……よく考えたら、肩車する意味ってあんまりなかったかもしれないわね。種だけで十分悪魔っぽくなれただろうし。
 そういう事は早く気付いてほしかったなぁ。
 そしてこれがうまく行ったら騒動の元凶としての罪をチャラにする、と。
 ただし、しばらくは様子見だからね?執行猶予中という事を努々忘れないようにして記事を書く事。
 あややややややや……了解しました。

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「……で?」

 以上が、事の顛末の全てです。ご存じのとおり、騒動は他愛ない昔話と化して里はだいぶ落ち着きました。
 ……あの、決して『自分で騒動起して自分で解決、信仰度アップ』なんていうマッチポンプ的な考えによるものではなくてですね。
 あくまで不本意ながら自分の不用意な一言でこうなってしまった以上自分の手だけで事を治めたかったというそれだけでして。
 断じて『命蓮寺の皆さんだけでなく霊夢さんまで誘ったら、信仰度がさらに割れてしまう』という寡占目的の思考によるものではなくてですね、その……

「…………ふぅん」

 …………また里が恐慌状態になったら困るから、今回の真相は自分の胸三寸にしまっておく?
 ありがとうございます!さすが話がわかる!
 それじゃ私はこれで………………えっと、なぜ私は右肩を掴まれているのでしょうか?
 忿怒とか激怒とかそういう感情を超越したような笑顔をした貴女に……
 ……あの、今貴女の後ろの方には大きな陰陽玉が見えます。
 その下に、どこかの新聞記者さんとよく似た黒い羽根が見えるのは私の眼の錯覚ではないですよね?
 事態のあらすじを聞くために彼女に色々やっただろうと想像されますが……全然足りなかった?
 えっと、八つ当たりとか暴力はよくないと思うんですけど…………そうは思いません……か?

      ぐしゃ


                                                     教訓:口は災いの元
色々な怪談に欠かせないですよね、鏡って。

タイトルは「しきょうきょうし」とお読みいただければ幸いです。
さすがに字自体を左右対称とはできませんでしたが
音読みで回文とすることは成功しました故に。
K.M
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2010/11/06 23:59:22
更新日時:
2010/11/06 23:59:22
評価:
18/18
POINT:
80
1. 2 SAT ■2010/11/07 10:33:59
執筆お疲れ様でした。
個人的に思ったことをば。
まず、文章が少し読みにくい。読点を増やしてもいいんでないかな、と思いました。これは好みの問題もありましょうが。
話としては、今回のお題である鏡をふんだんに使用しており、その点は良かったのですが、ちょっと射命丸の扱いが酷いなと感じました。非があるとは言え、キャラを話の円滑剤として虐めるのは頂けないな、と。

読ませて下さりありがとうございました。
2. 7 みすみ ■2010/11/16 22:30:18
こんなテンションは嫌いじゃない、むしろもっとやれ!
腹黒早苗さんと常識人慧音さんの温度差がたまらない。
3. 2 パレット ■2010/11/20 00:48:04
 鏡にまつわる怪談話をストンストンと使っていってテンポ良い感じでした。
4. 2 T/N ■2010/11/25 13:33:59
台詞自体は勢いがありそれも魅力に思えるのですが、それを支える地の文が負けています。
また画面場の問題で恐縮ですが開いた瞬間読みにくく感じました。

一方、二柱の神と早苗の台詞に関して。
落ち着いているシーンでは各自のキャラがにじみ出ていてにやりとさせられる箇所もありました。
こういう守矢の面子は好きだなぁ。
5. 5 さく酸 ■2010/11/25 20:43:51
プロレス好きな幻想郷ですね、楽しそうで何よりです。
地の文よりも会話が主体の話なため、情報量を増やそうとするとごちゃごちゃしてしまう傾向があります。前半の守矢神社での場面はそれが顕著にでていました。
でも、後半のノリは大好きです。
6. 3 asp ■2010/11/29 11:54:38
 鏡を巡る怪談や構成など、面白い作品でした。ただちょっと"合わせ鏡"のあたりの会話文だけで進めていくような部分がちょっと私には合わなくて……。作品全体の妙なテンションも気にかかったりします。いや、好みの問題だとは思うのですが。
7. 6 yunta ■2010/11/30 22:53:28
執筆お疲れ様でした!

都市伝説が幻想郷で流行るとこうなるかー、発想が面白いです。
全編がギャグテイストで会話中心なのでサクサク読めるのですが、それ故に空気は人を選ぶ気がしますね。
8. 4 とんじる ■2010/12/02 15:22:29
 ギャグのセンスは好きなんだけど、テンポが悪いと思った。

 直感的に思ったのは文章のリズムが悪いということ。
 一文一文が似たり寄ったりの長文で、さらに読点も少ないため文字がぎゅうぎゅうに詰まって見える。
 せっかくコメディなのに、読みにくくてテンポを殺いでしまっている感じで、もったいないと感じた。

 さらに全体の構成としても、読みにくく感じた。

 特に出だしが、複数の時間軸を行ったり来たり、フレーズが挿入されたり……と、ごちゃごちゃして解りにくい。
 ある場面では早苗の独白、ある場面では何人もの台詞だけで構成される、など、統一感がなくて読みにくい感じ。

 それと、オチの霊夢に違和感。
 信仰の独占とかでわざわざ怒らないでしょう、彼女なら。むしろ異変に近い騒ぎに駆り出されることがなかったんだから感謝するくらいだと思う。

 ここぞとばかりに鏡ネタをつぎ込んだシーンは笑ったww
9. 6 ケンロク ■2010/12/07 13:13:07
軽くっていい感じでした。SSはライトなのが好きです。小ネタとセリフ回しなんかはお気に入りです。
でも最後に、っていうか通して、なんで霊夢がキレてたかが伝わりにくいかと思いました。信仰を持ってかれたから?
10. 6 リコーダー ■2010/12/09 01:06:24
楽しいお話でした。
終盤は雑学しか見所がなくなってしまったのが、少し惜しい。
11. 3 ニャーン ■2010/12/11 20:38:56
馬鹿な展開と、単純な里人に和まされました。射命丸の扱いが(悪い意味で)ひどい。
レイアウトが崩れ気味なのは、わざとでしょうか。少し読み辛かったです。
12. 3 木村圭 ■2010/12/11 20:41:21
釣りのつもりでホントに悪魔が出て来てすったんもんだ、の方が幻想郷らしいかなーとか思ったり。
13. 4 八重結界 ■2010/12/11 20:53:28
天罰覿面というか、自業自得と呼ぶべきか。
14. 6 deso ■2010/12/11 21:19:55
軽いノリで楽しめました。良いテンポです。
15. 3 gene ■2010/12/11 23:00:49
まさか悪魔が出てくるとは……。
燃えるパッションは伝わってきました。
16. 7 文鎮 ■2010/12/11 23:05:13
サ・ナ・エ!サ・ナ・エ!
肉弾言語が飛び交う幻想郷は今日も平和なようで。
17. 6 兵庫県民 ■2010/12/11 23:37:01
うん、なんというか、その、「早苗乙ww」としか言いようがないんだぜ;
18. 5 もろへいや ■2010/12/11 23:55:00
面白かったです。
取り急ぎ点数だけ。
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